Analysis Services 多次元のグローバリゼーションのシナリオ
Analysis Services では、多言語のデータおよびメタデータを、表形式モデルと多次元データ モデルのどちらにも格納して操作できます。 データは Unicode (UTF-16) で格納され、Unicode エンコードの文字セットを使用します。 データ モデルに ANSI データを読み込むと、文字は Unicode の等価なコード ポイントを使用して格納されます。
Unicode をサポートしているということは、Analysis Services が、Windows のクライアント/サーバー オペレーティング システムによってサポートされている任意の言語でデータを格納できることを意味します。Windows コンピューターで使用される任意の文字セットでの読み取り、書き込み、並べ替え、およびデータ比較が可能です。 Analysis Services データを使用する BI クライアント アプリケーションは、その言語でモデル内にデータが存在すれば、ユーザーの選択した任意の言語でデータを表現できます。
言語のサポートは、ユーザーの立場に応じてさまざまな意味を持ちます。 Analysis Services での言語サポートに関連するいくつかの一般的な事項を以下で説明します。
既に説明したとおり、データは、Windows クライアント オペレーティング システムで使用できる Unicode エンコードの任意の文字セットで格納されます。
メタデータ (オブジェクトの名前、識別子、説明など) にも、任意の Unicode 言語およびスクリプトを使用できます。 これは、ツールや環境が別の言語の場合にも当てはまります。 たとえば、スタック全体で英語およびラテン文字の照合順序を使用する開発環境で、名前にキリル文字を使用したオブジェクトをモデルに含めることができます。
多次元モデルの場合にのみ、キャプションと属性メンバーを翻訳で表現できます。 1 つ以上の翻訳を定義し、ロケール識別子を使用することによってクライアントに返される翻訳を決定できます。 詳細については、この後の「機能」を参照してください。
Analysis Services エンジン (msmdsrv) から返されるエラー、警告、および情報メッセージは、Office および Office 365 でサポートされる 43 の言語にローカライズされています。 特定の言語でメッセージを取得するために、特別な構成は必要ありません。 クライアント アプリケーションのロケールにより、どの言語で文字列が返されるかが決まります。
構成ファイル (msmdsrv.ini) および AMO PowerShell は英語のみです。
ログ ファイルには、Analysis Services が実行される Windows サーバーに言語パックをインストールした場合、英語とローカライズされたメッセージが混在します。
ドキュメントとツール (Management Studio や SQL Server Data Tools - Business Intelligence など) は、次の言語に翻訳されています。中国語 (簡体字)、中国語 (繁体字)、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語 (ブラジル)、ロシア語、およびスペイン語。 言語固有のバージョンのツールを使用するには、言語固有のバージョンの SQL Server をインストールします (たとえば、SQL Server のドイツ語版をインストールし、ドイツ語で Management Studio を取得します)。または、SQL Server Data Tools - Business Intelligence の対象言語でスタンドアロンのセットアップを実行します。
Analysis Services では、言語、照合順序、および翻訳をオブジェクト階層全体で独立して設定できます。
言語、照合順序、および翻訳を使用すると、たとえば、次のようなシナリオが可能になります。
1 つのデータ モデルで複数の翻訳されたキャプションを提供することにより、ユーザーが選択した言語でフィールド名や値が表示されるようにすることができます。 カナダ、ベルギー、スイスなどのバイリンガル国で事業を営む企業では、クライアント/サーバー アプリケーション全体で複数の言語をサポートすることが標準的なコーディング要件になっています。 このシナリオは、翻訳と通貨換算によって可能になります。 詳細と参考資料のリンクは、この後の「機能」を参照してください。
開発および運用環境を、地理的にさまざまな国に分散して設置できます。 1 つの国でソリューションを開発し、別の国でそれを配置するというシナリオが、ますます一般化しています。 1 つの言語で開発したソリューションを、別の言語パックを使用するサーバーに配置できるように準備するには、言語および照合順序のプロパティを設定する方法についての知識が不可欠です。 これらのプロパティを適切に設定すると、元のホスト システムから取得する継承された既定値をオーバーライドすることができます。 プロパティ設定の詳細については「言語および照合順序 (Analysis Services)」を参照してください。
グローバル化された多次元ソリューションを構築するための機能
適用対象 多次元データ モデルの場合のみ
クライアント レベルでは、Analysis Services の多次元データを使用または操作するグローバル化されたアプリケーションで、Analysis Services の複数言語および複数カルチャ機能を使用できます。
翻訳 [Analysis Services] を使用すると、1 つのオブジェクトに複数のキャプションを埋め込み、翻訳したそれぞれの文字列が他の翻訳と共存できます。 SQL Server データ ツール (SSDT) を使用して、キューブ、メジャー、ディメンション、および属性のキャプション、説明、およびアカウントの種類に対して翻訳を定義できます。 翻訳が自動的に定義された Analysis Services オブジェクトのデータおよびメタデータは、Analysis Services インスタンスへの接続時にロケール識別子を指定することによって取得できます。
この機能を使用する方法のレッスンは、Analysis Services チュートリアルの「レッスン 9 : パースペクティブと翻訳の定義」を参照してください。
通貨換算 (Analysis Services) は、通貨データを含むメジャーを変換する専用の MDX スクリプトです。 SQL Server Data Tools - Business Intelligence のビジネス インテリジェンス ウィザードで生成した MDX スクリプトを使用すると、ディメンション、属性、メジャー グループのデータおよびメタデータの組み合わせを使用して、通貨データを含むメジャーを変換できます。
このセクションの内容
トピック |
説明 |
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Analysis Services インスタンスに対して既定の言語と Windows 照合順序を指定します。 選択内容に応じて、Analysis Services によって管理されるデータおよびメタデータに影響が及びます。 |
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Analysis Services データベースと、データベースに含まれるオブジェクトに対して翻訳を定義します。 このトピックでは、クライアント アプリケーションからのメタデータおよび翻訳済みデータの要求を Analysis Services が解決する方法について説明しています。 |
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ビジネス インテリジェンス ウィザードを使用して通貨換算を定義します。 |
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多言語データに関連した問題を回避するために役立ついくつかの設計およびコーディング手法について説明しています。 |