SQL Server: Transactions オブジェクト

Microsoft SQL Server の Transactions オブジェクトは、データベース エンジンのインスタンスでアクティブになっているトランザクションの数を監視するカウンターと、スナップショット分離による tempdb への行バージョン ストアなど、アクティブなトランザクションによるリソースへの影響を監視するためのカウンターを提供します。 トランザクションは、論理的な 1 つの作業単位です。つまり、一連の操作であり、すべて成功するか、データの論理的な整合性を維持するためにデータベースからすべて消去されるかのいずれかの結果になります。 SQL Server データベース内のデータへの変更は、すべてトランザクションで行われます。

スナップショット分離レベルを使用できるようにデータベースを設定している場合は、データベース内の各行に加えられた変更の記録を SQL Server で管理する必要があります。 行が変更されるたびに、変更前の状態の行のコピーが tempdb 内の行バージョン ストアに記録されます。 Transaction オブジェクトの多くのカウンターは、tempdb 内の行バージョン ストアのサイズと増加率の監視に使用できます。

Transactions オブジェクトのカウンターは、データベース エンジンの 1 つのインスタンス内のすべてのトランザクションを報告します。

次の表では、SQLServer:Transactions のカウンターについて説明します。

SQL Server Transactions のカウンター

説明

Free Space in tempdb (KB)

tempdb の使用可能な領域 (KB)。 スナップショット分離レベルのバージョン ストアと、このデータベース エンジン インスタンスで作成された新しいすべての一時オブジェクトの両方を保持するには、十分な空き領域が必要です。

Longest Transaction Running Time

現在のトランザクションの中で最も長くアクティブになっているトランザクションが開始してから現在までの継続時間 (秒)。 このカウンターは、データベースが READ COMMITTED スナップショット分離レベルの場合にのみ利用状況を示します。 データベースが他の分離レベルの場合、利用状況はログに記録されません。

NonSnapshot Version Transactions

スナップショット分離レベルを使用していない現在アクティブなトランザクションのうち、データ変更を行ったトランザクションの数。データを変更すると、tempdb のバージョン ストアに行バージョンが生成されます。

Snapshot Transactions

スナップショット分離レベルを使用している現在アクティブなトランザクションの数。

注意

Snapshot Transactions オブジェクト カウンターは、BEGIN TRANSACTION ステートメントが発行されたときではなく、最初のデータ アクセスが行われたときに応答します。

Transactions

現在アクティブなトランザクションの数。すべての種類が含まれます。

Update conflict ratio

この 1 秒間で更新の競合が発生した、スナップショット分離レベルを使用しているトランザクションの割合。 更新の競合が発生するのは、別のトランザクションによって最後に変更が行われ、スナップショット分離レベルのトランザクションの開始時にはコミットされていなかった行に対して、スナップショット分離レベルのトランザクションが変更を試行したときです。

Update Snapshot Transactions

スナップショット分離レベルを使用し、データを変更した現在アクティブなトランザクションの数。

Version Cleanup rate (KB/s)

tempdb のスナップショット分離のバージョン ストアから行バージョンが削除される比率 (KB/秒)。

Version Generation rate (KB/s)

tempdb のスナップショット分離のバージョン ストアに新しい行バージョンが追加される比率 (KB/秒)。

Version Store Size (KB)

スナップショット分離レベルの行バージョンを格納するために使用している、tempdb 内の領域 (KB)。

Version Store unit count

tempdb のスナップショット分離のバージョン ストアでアクティブになっているアロケーション ユニットの数。

Version Store unit creation

データベース エンジン インスタンスの起動後に、スナップショット分離のバージョン ストアで作成されたアロケーション ユニットの数。

Version Store unit truncation

データベース エンジンのインスタンスの起動後に、スナップショット分離のバージョン ストアから削除されたアロケーション ユニットの数。

関連項目

概念

リソースの利用状況の監視 (システム モニター)