分散アプリケーション
発行: 2016年6月
適用対象: System Center 2012 R2 Operations Manager,System Center 2012 - Operations Manager,System Center 2012 SP1 - Operations Manager
Operations Manager の分散アプリケーションは複数のオブジェクトからなるアプリケーションです。 これらのオブジェクトは異なる管理パックにより定義され、同じエージェント上または異なるエージェント上で管理される場合があります。 分散アプリケーションの目的は、異なるオブジェクトからなるアプリケーションに全体的なヘルスを提供することです。
分散アプリケーションは、アプリケーションのオブジェクトに対する追加の監視を提供しません。 代わりに、分散アプリケーションはすでに監視されているオブジェクトを含みます。 分散アプリケーションの価値は、1 つのアプリケーションの一部であるオブジェクトのヘルス間にリレーションシップを提供することにあります。
オペレーション コンソールのDistributed Applications Designerを使用して分散アプリケーションを作成できます。
分散アプリケーション デザイナー
分散アプリケーション デザイナーにより、基盤となる管理パック要素について最小限の知識さえあれば、グラフィカルな環境で分散アプリケーションを作成できます。 ただし、このツールには次のような制限があります。
コンポーネント グループは明示的なメンバーしか持てないため、動的な設定はできません。 たとえば、一連の Web サイトを含む分散アプリケーションがあるとします。 特定のサイトに追加サーバーをインストールしたとします。 その場合、分散アプリケーションを編集し、手動で新しいサイトを追加する必要があります。
複数のレベルのヘルス ロール アップを作成できません。 分散アプリケーションのヘルスは、コンポーネント グループに作成されたリレーションシップに関わらず、コンポーネント グループの中で最低の状態になります。
adb418d7-95ab-4e33-8ced-34a934016aa3#VMPD を使用すると、このような制限なしに分散アプリケーションを作成できます。
分散アプリケーションのコンテンツ
オブジェクト
有用な分散アプリケーションを作成するには、1 つ以上のオブジェクトを含める必要があります。 管理グループにインストール済みの異なる管理パックにより検出されたどのオブジェクトでも、分散アプリケーションに使用できます。 カタログからインストールした管理パック、ユーザー自身で作成した管理パックのどちらのオブジェクトでも使用できます。 「管理パック テンプレート」で述べられているように、異なる監視ウィザードにより作成されたオブジェクトの場合もあります。
コンポーネント グループ
コンポーネント グループはオブジェクトをいくつでも含むことが可能であり、分散アプリケーションに追加されたオブジェクトはコンポーネント グループに含まれる必要があります。 コンポーネント グループを作成するとき、グループに含むことのできる 1 つ以上のクラスを指定します。 これらのクラスのインスタンスであるオブジェクトだけが、特定のグループに追加されます。[すべてのオブジェクト] を指定すると、管理グループにあるすべてのオブジェクトがコンポーネント グループに含まれるようになります。
コンポーネント グループに含まれるオブジェクトを制限する場合は、[次の種類のオブジェクト] を選択し、クラス ツリーから 1 つ以上のクラスを選択します。 ツリーは現在インストールされているすべての管理パックから提供された管理グループのすべてのクラスを含みます。
ダイアログ ボックスは基本クラスに従ってクラスをツリーに整理します。 基本クラスの詳細については、「基本クラス」を参照してください。 クラスを選択すると、その基本クラスも選択されます。 これにより、しばしば基本クラスとして使用されるコンピューター ロールなどの 1 つのクラスを選択することで、自動的にその基本クラスも選択できます。
リレーションシップ
リレーションシップをコンポーネント グループ間に作成することで、異なる種類のオブジェクト間の関係を表すことができます。 ヘルスはコンポーネント グループ間でロール アップされませんが、その関係はグループ間にラインで示されます。
分散アプリケーション テンプレート
テンプレートを使って、定義済みのコンポーネント グループ セットを基に新しい分散アプリケーションを作成することができます。 コンポーネント グループにオブジェクトを追加する必要があります。コンポーネント グループは変更可能で、必要に応じてコンポーネント グループを追加できます。 要件に最適なテンプレートを選択することで、分散アプリケーションの作成時間を短縮できます。 空の分散アプリケーションを作成して、すべてのコンポーネント グループを手動で追加する場合は、[新規] テンプレートを選択します。
次の表で、利用可能なテンプレートについて説明します。
テンプレート |
説明 |
コンテナー グループ |
含まれているクラス |
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.NET 3 層アプリケーション |
代理トランザクションからのオブジェクトと監視データと、アプリケーション パフォーマンス監視のデータをまとめます。 |
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基幹業務 Web アプリケーション |
Web アプリケーションに共通するコンポーネント グループ |
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メッセージング |
メッセージング サービスに共通するコンポーネント グループ |
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新規 |
コンポーネント グループなしの空の分散アプリケーション |
なし |
なし |
分散アプリケーションの表示
各分散アプリケーションは、オペレーション コンソールの [監視] ウィンドウにある [分散アプリケーション] 状態ビューに一覧表示されます。 分散アプリケーションの状態は、含まれるオブジェクトの中で最低の状態になります。 別のビューを開くには、分散アプリケーション内で右クリックして目的のビューを選択ます。 それぞれのビューには、分散アプリケーションに含まれるすべてのオブジェクトのデータが表示されます。
分散アプリケーションの作成と変更
分散アプリケーションを作成するには
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監視対象のアプリケーションに管理パックがない場合は、「Selecting a Management Pack File (管理パック ファイルの選択)」のプロセスを使用して作成します。
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オペレーション コンソールで、[作成] ワークスペースを選択します。
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[分散アプリケーション] を右クリックし、[新しい分散アプリケーションの作成] を選択します。
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[名前] ボックスに、分散アプリケーションの名前を入力します。 この名前がオペレーション コンソールの [監視] ワークスペースに表示されます。
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[テンプレート] ボックスで、分散アプリケーションの開始点となるテンプレートを選択します。 利用可能なテンプレートについては、「分散アプリケーション テンプレート」を参照してください。
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手順 1 で作成した管理パックを選択します。
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[OK] をクリックします。
既存の分散アプリケーションを編集するには
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オペレーション コンソールで、[作成] ワークスペースを選択します。
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[分散アプリケーション] を選択します。
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[分散アプリケーション] ウィンドウで、編集する分散アプリケーションを右クリックして [編集] を選択します。
コンポーネント グループを作成するには
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分散アプリケーションが開いた状態で、[コンポーネントの追加] をクリックします。
[!メモ]
オペレーション コンソールを開いてから初めてコンポーネントを作成する場合は、クラスの一覧をキャッシュしなければいけないため、[コンポーネント グループの新規作成] ダイアログ ボックスが開くまでに数秒かかることがあります。 所要時間は管理グループ内のクラスの数により異なります。
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[コンポーネント グループの名前を設定] テキスト ボックスに、コンポーネント グループの名前を入力します。 これは分散アプリケーションのダイアグラム ビューとヘルス エクスプローラーで表示される名前です。
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コンポーネント グループにすべての種類のオブジェクトを含める場合は、[すべてのオブジェクト] を選択します。 コンポーネント グループに含めるオブジェクトの種類を指定する場合は、[次の種類のオブジェクト] を選択します。
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1 つ以上のクラスを選択して、その種類のオブジェクトが管理グループに含まれるようにします。
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クラスを選択したら [OK] をクリックします。
[!メモ]
「許容された上限に達したため、新しいオブジェクトの種類のボタンを表示させることができません」というメッセージが表示されることがあります。 これは、分散アプリケーション デザイナーの左側にこれ以上のオブジェクト選択ウィンドウを追加できないことを意味します。[新しいオブジェクトの種類を非表示のままにする] を選択して現在のコンポーネント グループに新しいオブジェクトの選択ウィンドウを作成しないようにするか、[表示されているオブジェクトの種類のボタンのうち、選択したボタンを新しいボタンに置き換える] を選択し、オブジェクトの種類のうち閉じるものを一覧から 1 つ選択します。 選択ウィンドウをもう一度開くには、[オブジェクトの種類の編成] ウィンドウで選択します。
分散アプリケーションにオブジェクトを追加するには
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追加するオブジェクトの種類を許容するコンポーネント グループが作成されていることを確認します。
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追加したいオブジェクトの種類に対して選択ウィンドウが開かない場合は、[オブジェクト種類の編成] をクリックし、追加するオブジェクトの種類を選択します。
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[オブジェクト選択] で、追加するオブジェクトの種類を選択します。 選択した種類のオブジェクトすべてが一覧に表示されす。
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1 つ以上のオブジェクトをクリックし、コンポーネント グループにドラッグします。 その種類のオブジェクトを受け入れるコンポーネント グループだけにしかオブジェクトを追加できません。