Azure Virtual Machine として DPM をインストールする
発行: 2016年3月
適用対象: System Center 2012 SP1 - Data Protection Manager,System Center 2012 - Data Protection Manager,System Center 2012 R2 Data Protection Manager
オンプレミス Hyper-V サーバーで実行する仮想マシンとして、または Azure での仮想マシンとして、DPM 2012 R2 をインストールできます。 Azure VM 上の DPM のセットアップは、「System Center 2012 R2 のインストール - DPM」での説明と同じものです。 注:
DPM は、A2 以上のサイズのすべての Azure IaaS 仮想マシンでサポートされています。
DPM では、Azure 仮想マシンとして実行されている次のワークロードを保護できます。
保護されるデータ ソース
DPM 2012 R2
DPM 2012 SP1
DPM 2012
保護および回復
Windows Server 2012 R2 Datacenter/Standard
○
N
N
ボリューム、ファイル、フォルダー
Windows Server 2012 Datacenter/Standard
○
○
N
ボリューム、ファイル、フォルダー
Windows Server 2008 SP1 Enterprise/Standard
○
○
○
ボリューム、ファイル、フォルダー
SQL Server 2012 SP1、SQL Server 2012、2008 R2、2008
○
○
○
データベース
SQL Server 2014 および SQL Server 2012 SP2 は、DPM 2012 R2 Update ロールアップ 4 以降、サポート対象となっています。
○
N
N
データベース
SharePoint 2013、2010
○
○
○
ファーム、データベース、フロント エンド Web サーバー
Hyper-V 仮想マシン
○
N
N
バックアップ中の仮想マシンの VHD
ベア メタル回復 (BMR) / システム状態
○
N
N
BMR またはシステム状態
DPM では、同じ Azure 仮想ネットワークおよび Azure サブスクリプションの複数の Azure クラウド サービスで実行されるワークロードを保護できます。
Azure の仮想マシンとして実行される DPM では、オンプレミス データは保護できません。
ターゲット記憶域 (DPM の記憶域プール) として使用できるディスクの数は、仮想マシンのサイズ (最大 16) によって制限されます。 サイズ制限の詳細については、「Azure Virtual Machines」を参照してください。
DPM の仮想マシンに接続されている Azure ディスクにデータは格納されます。 仮想マシンに接続されると、ディスクおよび記憶域は DPM から管理されるようになります。 バックアップ可能なデータの量は、DPM の仮想マシンに接続されているディスクのサイズと数によります。 (A2 サイズの場合は 4 ディスク、A3 サイズの場合は 8 ディスク、A4 サイズの場合は 16 ディスクと) 各 Azure 仮想マシンに接続できるディスクの最大数、および各ディスクの最大サイズ (1 TB) は決まっています。 これにより、使用可能なバックアップ記憶域プールの合計が決まります。
DPM に接続された Azure ディスクに 1 日のデータを保持して、1 日を過ぎたデータは Azure Backup サービスに格納することをお勧めします。 これにより、データ ストアでの保有期間が長くなり、Azure Backup にオフロードすることによりより大容量のデータを保護できるようになります。
Azure にバックアップするよう DPM を設定する方法についてのステップ バイ ステップのチュートリアルを確認するには、「DPM を使用して Azure へのワークロードをバックアップするための準備」をご覧ください。
Azure Backup では、DPM データをより長く保有できるようになりました。
DPM の保護グループのオンライン バックアップ設定を構成するときに、最大保有期間を 3360 日まで指定できるようになりました。
Azure Backup では、各バックアップを回復ポイントとして格納することに注意してください。 回復ポイントの最大数はまだ 120 なため、日次で同期する場合、最大の保有期間は 120 日となります。 ただし、次のようにバックアップ ポリシーの粒度を下げれば、データを最大 3360 日まで格納することができます。
x 週間ごとに同期する
最大保有期間のアルゴリズム
最大保有期間 (日)
1
120 x 7 x 1
840
2
120 x 7 x 2
1680
3
120 x 7 x 3
2520
4
120 x 7 x 4
3360
バックアップの範囲をカスタマイズすることもできます。 たとえば毎月バックアップを行い、そのデータを 5 年間保持するとします。 次の表に、いくつか例を示します。
保有期間 (年)
保有期間 (日)
うるう年の修正
保有期間の合計 (日)
1
365 x 1
+1
366
5
365 x 5
+2
1827
9
365 x 9
+3
3288
保有期間を決めたらその値を、[オンライン保護の目標の指定] ダイアログの [保有期間 (日)] に入力します。
Azure の仮想マシンとして実行されている DPM サーバーを、セカンダリ DPM 仮想マシンでバックアップできます。 これらは、通常同じ地理的な場所にある同じ Azure 仮想ネットワークに配置する必要があります。 障害が発生した場合、Azure Backup は、バックエンドで地理冗長ストレージ (GRS) のストレージを使用し、プライマリから遠く離れたセカンダリ リージョンにデータを非同期的にレプリケートすることに留意してください。 料金情報の詳細については、「料金 – ストレージ」を参照してください。
DPM を Azure の仮想マシンとして展開し、DPM データベース用にリモートの SQL Server を使用したい場合、SQL Server を実行する Azure の仮想マシンを選択できます。 リモートのオンプレミスの SQL Server は使用できず、現在 Azure SQL データベースはサポート対象外です。
詳細については「FAQ - Data Protection Manager を使用した Azure IaaS ワークロードの保護」を参照してください。
設定時の推奨事項
DPM の仮想マシンのサイズの選択には、DPM Azure 仮想マシン サイズの計算ツールワークシートを 使用できます。
仮想マシンを設定する際、接続されているディスクごとの最大 IOPS は、基本層でよりも標準層の方が多いので、インスタンスは標準的なコンピューティング層に作成してください。
記憶域アカウントには、サイズおよび IOPS 制限があり、その他の実行中の仮想マシンと共有した場合に DPM 仮想マシンのパフォーマンスに影響を与える可能性があるので、DPM 仮想マシンには、別の記憶域アカウントを使用してください。
DPM サーバーで実行される Azure Backup エージェントには、それ自体が使用する (キャッシュ領域)、またクラウドから回復したデータを保存する (ローカル ステージング領域) の一時ストレージが必要です。 各 Azure 仮想マシンにはいくらかの一時ディスク記憶域が付属することに注意してください。 ユーザーは、ボリューム D:\ としてこれを使用できます。 Azure Backup で必要なローカル ステージング領域を D:\ 内に配置し、キャッシュの場所を C:\ に配置するよう構成できます。 これにより、DPM 仮想マシンに接続されているデータ ディスクからスペースを分割する必要はありません。
DPM 仮想マシンと、保護されるワークロードは、同じ Azure 仮想ネットワーク上にある必要があります。
次の表に、DPM 仮想マシンで保護されるワークロードの最大数をサイズごとにまとめています。 この情報は、ワークロードのサイズおよび変化の基準値が使用された内部パフォーマンスとスケール テストに基づきます。 実際のワークロードのサイズは大きくなることはありますが、DPM の仮想マシンに接続されたディスクで対応できるはずです。
仮想マシンのサイズ
保護されるワークロードの最大数
ワークロードの平均サイズ
ワークロードの平均変化 (日次)
サンプルのワークロード
A2
20
100 GB
正味 5% 変化
SQL Server、ファイル サーバー
A3
40
150 GB
正味 10% 変化
A4
60
200 GB
正味 15% 変化
展開を拡大縮小する場合、次のオプションがあります。
オプション 1、スケールアップ: DPM 仮想マシンのサイズを A2、A3、A4 に大容量化し、ローカル記憶域を追加します。
オプション 2、データのオフロード: Azure Backup に古いデータを送信し、DPM サーバーに接続されているストレージには最新のデータのみを保持します。
オプション 3、スケールアウト: ワークロードを保護する DPM サーバーを追加します。