別の保護グループからデータをテープに併置
公開日: 2016年3月
対象: System Center 2012 SP1 - Data Protection Manager、System Center 2012 R2 Data Protection Manager
System Center Data Protection Manager (DPM) では、別の保護グループからのデータをテープに併置できます。 これにより、小さい保護グループがたくさんある場合に、1 つのテープ上の複数の保護グループの回復ポイントをグループ化して、テープの使用を最適化することができます。 次の点に注意してください。
DPM 2010 では、Windows PowerShell コマンドを実行して、テープのコロケーションを有効にする必要があります。 これは DPM 2012 では必要ありません。
暗号化されたデータセットと暗号化されていないデータセットを同じテープに併置することはできません。
短期的なテープへのバックアップからのデータセットと、長期的なテープへのバックアップからのデータセットとは併置できません。
テープのコロケーションが有効になると、オフサイト バックアップが書き込まれるテープは、次のいずれかの条件に一致した場合、「オフサイトの準備完了」として表示されます。
テープがいっぱいである。
データセットの 1 つの有効期限が切れている。
書き込みの期間の比率を超えている (既定では、これは、最初のバックアップ時刻 + 保有期間の範囲の 15% になります)。
テープのコロケーションと最適化のセットアップ
テープを効率よく利用するために、DPM では保護グループ セットを使います。 保護グループ セットは、バックアップをテープに併置するための保護グループのセットです。System Center 2012 – Data Protection Manager (DPM) のテープ最適化機能を使用すると、複数の保護グループのバックアップを同じテープに保存できます。 次の点に注意してください。
セットに属している保護グループからのデータは、テープに併置する必要はありません。 コロケーションは、書き込み期間と期限の許容範囲の値によって決まります。
書き込み期間とは、新しいバックアップをテープに書き込める期間のことです。 この期間が過ぎると、テープが "オフサイトの準備完了" と見なされます。
期限の許容範囲とは、テープが期限切れと見なされるまで、テープに期限切れの回復ポイントを残しておける最長時間のことです。
次の手順を使用して、テープの最適化を設定します。
保護グループの作成
[ライブラリ] ビューに移動します。
[操作] ウィンドウの [使用の最適化] をクリックします。
[テープ最適化のセットアップ] ダイアログ ボックスが開きます。
このダイアログ ボックスで、保護グループ セットの作成、変更、削除を行います。
保護グループ セットの作成
[テープ最適化のセットアップ] ダイアログ ボックスで [作成] をクリックします。
保護グループ セットの固有な名前を入力します。
その保護グループ セットに含める保護グループを選択します。
保有期間が異なる保護グループで同じテープを使用しないようにする場合は、[異なる保有期間のバックアップを同じテープに併置しない] を選択します。
[詳細設定] をクリックして、書き込み期間と期限の許容範囲を設定します。
保護グループ セットの作成後、[テープ最適化のセットアップ] ダイアログ ボックスで [変更] をクリックすると、その値を変更できます。 変更可能な値には、セット名、そのセットに属する保護グループ、保有期間が異なるバックアップを同じテープに併置する許可があります。
保護グループ セットの名前
そのセットに属する保護グループ
保有期間が異なるバックアップを同じテープに併置する許可
保護グループ セットの名前
書き込み期間
有効期限の許容範囲の値
書き込み期間と有効期限の許容範囲の設定
次のシナリオの例では、書き込み期間と有効期限の許容範囲を設定する方法について説明します。
例:例 1
シナリオの条件 | シナリオのポリシー (管理者により設定) | シナリオでのテープの使用 |
---|---|---|
- どの保有期間でも、すべての保護グループのバックアップが同じ日に行われます。 - テープは、毎週ライブラリから取り除かれます。 - 保有期間が 1 か月のテープと 1 年間のテープは、それぞれ別の保管場所に移されます。 - 会社のポリシーで、期限切れのデータセットをテープに残さない (期限の許容範囲をゼロに設定する) ように決められています。 |
- 保有期間が異なるバックアップを同じテープに併置しない。 - 書き込み期間を 1 にする。 つまり、テープに最初にバックアップする日のみ書き込めます。 - 期限の許容範囲が 0 |
- 毎日少なくとも 1 本のテープが "オフサイトの準備完了" になります。 保護グループ 1、2、3 の 1 日分のバックアップが同じテープに併置されます。 このテープは、8 日目の深夜に期限切れになります。 - 毎週月曜日に、保護グループ 1、2、3 の 1 週間分のバックアップがテープに併置されます。 これらのテープは、最後のバックアップが書き込まれた後に "オフサイトの準備完了" になり、1 か月後に期限切れになります。 - 毎月 1 日に、保護グループ 1 と 2 の 1 か月分のバックアップがテープに併置されます。 これらのテープは、最後のバックアップが書き込まれた後に "オフサイトの準備完了" になり、1 年後に期限切れになります。 |
このポリシーにより次のように設定されます。
保護グループ | 頻度 | 保有期間 | 併置の実施日 |
---|---|---|---|
1、2、3 | 1 日 | 1 週間 | 毎日 |
1、2、3 | 1 週間 | 1 か月 | 毎週月曜日 |
1、2 | 1 か月 | 1 年 | 毎月 1 日 |
例:シナリオ 2
シナリオの条件 | シナリオのポリシー (管理者により設定) | シナリオでのテープの使用 |
---|---|---|
- 保有期間が 1 週間のバックアップを除き、それぞれの保護グループのバックアップが別の日に行われます。 - テープは、毎週ライブラリから取り除かれます。 - 保有期間が 1 か月のテープと 1 年間のテープは、それぞれ別の保管場所に移されます。 - 会社のポリシーで、テープに期限切れのデータセットを最長 1 週間残せる (期限の許容範囲を低く設定する) ように決められています。 |
- 保有期間が異なるバックアップを同じテープに併置しない。 - 書き込み期間を 6 日にする。 つまり、最初のバックアップから 6 日間、テープに書き込めます。 - 期限の許容範囲を 6 日にする。 |
- 毎週少なくとも 1 本のテープが "オフサイトの準備完了" になります。 保護グループ 1、2、3 の 1 日分のバックアップが、そのテープに併置されます。 このテープは、15 日目の深夜に期限切れになります。 - 毎週月曜日、水曜日、金曜日に、それぞれ保護グループ 1、2、3 の 1 週間分のバックアップがテープに併置されます。 これらのテープは、その週の日曜日に "オフサイトの準備完了" になり、1 か月後に期限切れになります。 |
このポリシーにより次のように設定されます。
保護グループ | 頻度 | 保有期間 | 併置の実施日 |
---|---|---|---|
1 | 1 日 | 1 週間 | 毎日 |
1 週間 | 1 か月 | 月曜日 | |
1 か月 | 1 年 | 毎月 1 日 | |
2 | 1 日 | 1 週間 | 毎日 |
1 週間 | 1 か月 | 水曜日 | |
1 か月 | 1 年 | 毎月 2 日 | |
3 | 1 日 | 1 週間 | 毎日 |
1 週間 | 1 か月 | 金曜日 | |
1 か月 | 1 年 | N/A |
例:シナリオ 3
シナリオの条件 | シナリオのポリシー (管理者により設定) | シナリオでのテープの使用 |
---|---|---|
- どの保有期間でも、すべての保護グループのバックアップが同じ日に行われます。 - 1 年間保有するバックアップ テープが、ライブラリ外の保管場所に移されます。 これらのテープに複数の保護グループのバックアップを併置する必要はありません。 - 期限切れのデータセットをテープに最長 1 か月間残しておけます (期限の許容範囲を中程度に設定)。 |
- 保有期間が異なるバックアップを同じテープに併置できる。 - 書き込み期間を 13 日にする。 つまり、最初のバックアップから 13 日間、テープに書き込めます。 - 期限の許容範囲を 1 か月にする。 |
- 隔週少なくとも 1 本のテープが "オフサイトの準備完了" になります。 保護グループ 1 と 2 の 1 週間分のバックアップが、そのテープに併置されます。 - このテープには、各保護グループの 1 か月分のバックアップも併置されます。 |
このポリシーにより次のように設定されます。
保護グループ | 頻度 | 保有期間 | 併置の実施日 |
---|---|---|---|
1、2 | 1 週間 | 2 週間 | 毎週土曜日 |
1、2、3 | 1 か月 | 1 か月 | 毎月 2 日 |
1、2、3 | 1 か月 | 1 年 | 毎月 1 日 |