ソリューション、プロジェクトおよびファイルの管理

Microsoft Expression Blend で作業するときは、すべてのファイルが 1 つのプロジェクト フォルダーにまとめられます。このプロジェクト システムによって、すべての作業ファイルや参照ファイルは、[プロジェクト] パネルのローカルのフォルダー ツリーにすべて格納され、効率的に管理できます。

プロジェクト システムでは、簡単にスタートアップ ドキュメントだけをテストしたり、プロジェクト全体をテストしたりできます。準備が整ったときに特定の場所にプロジェクトをビルドすることも簡単です。プロジェクトをビルドした後で作成される最終的な製品は、次のように、プロジェクトの種類に依存します。

• Windows Presentation Foundation (WPF) プロジェクトは、Microsoft Windows ベースの標準アプリケーション (.exe) をビルドします。

• Microsoft Silverlight プロジェクトは、Silverlight アプリケーション (.xap) およびサポート ファイルをビルドします。このサポート ファイルには、アプリケーションをブラウザー ウィンドウに読み込む HTML テスト ページが含まれています。

プロジェクトを使用した作業

Web ドキュメントが HTML のような固有のマークアップ言語に基づいているように、Expression Blend のドキュメントも、固有のマークアップ言語である Extensible Application Markup Language (XAML) が基になっています。Expression Blend では、他の多くのアプリケーションと同様に、新しい XAML ドキュメントの作成や、既存ドキュメントを開いたり、保存、削除することができます。ドキュメントをコピーしたり名前を変更することもできます。また、Expression Blend は基本的なプロジェクトの回復機能やプロジェクトの削除機能も備えています。[ファイル]、[編集]、[プロジェクト] の各メニューにあるコマンドを使用して、ドキュメントに関する多くの作業を実行することができます。[プロジェクト] パネルでドキュメントを右クリックしてショートカット メニューを使用すると、基本的な作業を簡単に実行できます。既定では、Expression Blend は WPF および Silverlight 2 プロジェクト用に .csproj ファイルまたは .vbproj ファイルを作成しますが、Microsoft Visual Studio のソリューション ファイル (.sln) もサポートしています。Silverlight プロジェクト用に、Expression Blend はプロジェクト ファイルやソリューション ファイルを含まない Web サイト フォルダーを作成します。

[プロジェクト] パネルのロードマップについては、「プロジェクト パネル」を参照してください。

WPF プロジェクトのファイル

参照フォルダー

参照フォルダーは、DLL などのアセンブリや実行可能ファイルの格納に使用されます。アセンブリは、Expression Blend で作成するユーザー コントロールの .dll、.NET Framework のカスタム コントロール、または互換性のある COM コンポーネントです。

詳細については、「参照の追加と削除」を参照してください。

リソース ディクショナリ

リソース ディクショナリには、ブラシの色、コントロールのスタイルとテンプレート、プロパティに割り当てることのできるその他の種類のデータなど、再利用可能なリソースが格納されています。App.xaml ファイルまたはその他のリソース ディクショナリ ファイルのディクショナリ参照により、リソース ディクショナリはプロジェクトにリンクされます。

リソース ディクショナリは、Expression Blend で作成できる XAML ドキュメントの 1 種です。他の XAML ドキュメントとして、ウィンドウ、ページ、ユーザー コントロールなどがあります。

詳細については、「リソース ディクショナリの作成、エクスポート、またはインポート」および「再利用可能リソースの作成」を参照してください。

ローカル アイテム

新規または既存のアイテムをプロジェクトに追加すると、そのアイテムは [ファイル] ボックスの一覧に表示されます。アイテムとしては、XAML ドキュメント、イメージ、オーディオ ファイル、ビデオ ファイル、3D オブジェクト、3D 素材ファイルなどがあります。XAML ドキュメントを作成してプロジェクトに追加するには、[ファイル] メニューの [新しいアイテム] を使用します。既存のファイルをプロジェクトに追加するには、[プロジェクト] メニューの [既存のアイテムの追加] を使用します。

詳細については、次のトピックを参照してください。

• 新しいプロジェクトを作成する

• 既存アイテムに追加またはリンクする

• 作業中のドキュメントにイメージ ファイルを挿入する

リンク先項目

ローカルのプロジェクト フォルダーに保存されていない、別の場所に保存された既存のアイテムにリンクできます。アイテムとしては、XAML ドキュメント、イメージ、オーディオ ファイル、ビデオ ファイル、3D オブジェクト、3D 素材ファイルなどがあります。リンクされたアイテムは、[ファイル] ボックスの一覧ではファイル アイコンに重なって表示される矢印 によって示されます。

詳細については、「既存アイテムに追加またはリンクする」を参照してください。

コード ファイル

XAML ドキュメントの分離コード ファイルは、対応する XAML ドキュメント下の子アイテムとして表示されます。[新しいアイテムの追加] ダイアログ ボックスの [コード ファイルを含める] チェック ボックスをオンすると、新しい XAML ドキュメントを作成するたびに XAML ドキュメントのコード ファイルを作成できます。分離コード ファイルは、普通、プロパティの設定やアニメーション タイムラインの制御 (コードを使わずに XAML ドキュメントで実行できます) より複雑な処理を含む手順を実行するために使用されます。たとえば、分離コード ファイルでは、別のオブジェクトでのプロパティの設定、新しいドキュメントの読み込み、新しいオブジェクトの作成、オブジェクトをアニメーション化するための数学的計算の使用など、他のプログラミング ロジックを追加できます。分離コード ファイルの使用方法については、「コードビハインド ファイルの変更」および「新しいイベント ハンドラー メソッドの作成」を参照してください。コードを使用した場合と使用しない場合に実行できることの比較については、「XAML およびコードの作成と比較した場合のビジュアル デザイン」を参照してください。カスタム クラス用のコード ファイルをプロジェクトに追加することもあります。

App.xaml ファイル

App.xaml ファイルおよび対応する分離コード ファイルは、Expression Blend プロジェクトに既定で作成されます。App.xaml ファイルには、アプリケーションのドキュメントで使用できるアプリケーション レベルのリソースが格納されています。アプリケーション レベルのリソースは、[リソース] パネルの App.xaml ノードの下に一覧表示されます。App.xaml ファイルにリソースを追加するには、[リソースの作成] ウィンドウで [アプリケーション] を選択します。詳細については、「再利用可能リソースの作成」および「リソースの作成」を参照してください。

AssemblyInfo.cs ファイル

AssemblyInfo.cs ファイルは、既定で Expression Blend プロジェクトに作成されます。AssemblyInfo.cs ファイルには、アプリケーションをコンパイルするときに使用されるプロジェクトの設定が格納されています。AssemblyInfo.cs ファイルは変更しないでください。

プロジェクト ファイルとソリューション ファイル

プロジェクト ファイル (.vbproj または .csproj) とソリューション ファイル (.sln) は、Expression Blend で WPF アプリケーション用に作成されます。これらのファイルは、Microsoft Visual Studio 2008 と互換性があります。

注意 :
プロジェクト ファイルを管理するには注意が必要です。これは、プロジェクト フォルダーのドキュメントや項目の名前を変更したり移動すると、リンクや参照が壊れる可能性があるためです。このバージョンの Expression Blend では、名前の変更や移動は最小限にしてください。項目や参照の名前の変更または移動を行う場合、プロジェクトを予定どおりに機能させるには、変更または移動した項目と参照に対して手動ですべての参照を更新する必要があります。App.xaml ファイルまたは AssemblyInfo.cs ファイルの名前を変更したり削除したりしないでください。

Silverlight プロジェクトのファイル

Silverlight アプリケーションのプロジェクトを作成し、Visual Studio 2008 の [Silverlight アプリケーションの追加] ダイアログ ボックスで [このプロジェクト内の Silverlight をホストする HTML テスト ページをこのプロジェクト内で動的に生成する] オプションをクリックすると、Expression Blend によって Microsoft Visual Studio 2008 と同じファイルのセットが作成されます。

Silverlight プロジェクトを作成するときに、次のファイルが生成されます。

ヒント :
最も頻繁に作業するファイルは Page.xaml です。このファイルで、Silverlight アプリケーションのユーザー インターフェイスをデザインできます。それ以外に変更する可能性があるファイルは、App.xaml ファイルと、プロジェクトに追加する他のコンテンツ ファイル (.xaml) です。

Silverlight プロジェクトのビルドとテストを行うと、次のファイルが \bin\debug フォルダーに作成され、Expression Blend は最初の Web ページを開こうとします。

参照

アセンブリの参照は [プロジェクト] パネルに一覧表示されています。

新しいプロジェクトを作成するとき、Silverlight アセンブリへの既定の参照が自動的に追加されます。これらの参照されたアセンブリ内で、Button および TextBox などのコントロールが定義されます。必要に応じて Silverlight の他のアセンブリの参照を追加できます。また、別の Silverlight プロジェクトからコンパイルされた .dll ファイルへの参照も追加できます。

詳細については、「参照の追加によるカスタム コントロールのインポート」を参照してください。

プロジェクトのテストとビルド

Expression Blend には基本的なテスト機能があり、ビルドする前にプロジェクトをテストできます。プロジェクトをテストするときは、スタートアップ ページとして指定されているドキュメントが最初に表示されます。プロジェクトは、常にスタートアップ ページを最初に開きます。Expression Blend のビルド処理では、新しい Microsoft ビルド プラットフォームである MSBuild を使用しています。MSBuild では、ビルド方法だけでなくビルド対象も定義されています。

MSBuild の詳細については、MSDN の「MSBuild の概要」を参照してください。署名と、プロジェクトのデバッグ、セキュリティ、展開などの他のリリース関連作業は、Visual Studio または Visual Studio Express による管理が必要です。

これらの作業の詳細については、次のトピックを参照してください。

• Expression Blend アプリケーションのデバッグ

• Expression Blend アプリケーションの展開とパブリッシュ

• Expression Blend アプリケーションの展開とパブリッシュ