ASP.NET を使用して作成した XML Web サービスでサポートされるデータ型

[アーティクル]
09/17/2008

すべてのプログラミング言語は、異なる種類のデータを格納するさまざまなデータ型を指定します。単純型 (プリミティブ型) は、多くのプログラミング言語で非常に似通っています。ただし、プログラミング言語間で直接対応しないように、若干異なっています。こうした違いは、任意のクライアントアプリケーションからアクセスできる Web サービスを作成する場合に問題になります。

できるだけ多くのアプリケーションからアクセスできるようにするため、Web サービスでは XML を使ってエンコードおよびシリアル化できるさまざまなプリミティブデータ型をサポートしています。

次の表に、Web サービスでサポートされるプリミティブデータ型と、C++ や共通言語ランタイムで対応するデータ型を示します。Web サービスでサポートされるデータ型とは、XML スキーマ定義 (XSD: XML Schema Definition) 言語の 2 番目の部分で説明されているデータ型です。

XML スキーマ定義言語	C++	共通言語ランタイム
base64Binary		Byte[]
boolean	bool	Boolean
byte	char、__int8	SByte
double	double	Double
dateTime		DateTime
decimal		Decimal
float	float	Single
int	int、long、__int32	Int32
long	__int64	Int64
QName		XmlQualifiedName
short	short、__int16	Int16
string	BSTR	String
time		DateTime
unsignedByte	unsigned __int8	Byte
unsignedInt	unsigned __int32	UInt32
unsignedLong	unsigned __int64	UInt64
unsignedShort	unsigned __int16	UInt16
プリミティブ型と列挙型の配列	上記の型の配列

共通言語ランタイムデータ型から C# や Visual Basic .NET などの他言語のデータ型に変換する方法の詳細については、「.NET Framework クラスライブラリの概要」を参照してください。

利用できるデータ型は、Web サービスで使用するプロトコルによって異なります。たとえば、HTTP-GET プロトコルと HTTP-POST プロトコルでは、名前と値のペアのみ使用できます。ただし、SOAP では XML の機能を活用して、クラスなどの複雑なデータ構造のエンコードやシリアル化を実行できます。

次の表に、HTTP-GET および HTTP-POST でサポートされる型を示します。

型	説明
プリミティブ型 (制限あり)	次のプリミティブ型は、名前と値のペアに変換され、文字列で表されます。Boolean、Currency、DateTime、Decimal、Double、Int16、Int32、Int64、Single、String、UInt16、Uint32、UInt64。
列挙型	クライアント側から見ると、列挙型は値ごとに静的定数文字列フィールドを持つクラスになります。
プリミティブ型と列挙型の配列	上記の型の配列。

SOAP プロトコルを使用する場合に Web サービスでサポートされるデータ型は、XML にシリアル化できるデータ型に直接関連付けられます。ASP.NET では、XmlSerializer クラスを使い XML をシリアル化および逆シリアル化します。XmlSerializer でサポートされる型の詳細については、「XML シリアル化の概要」を参照してください。

上記の表に示されているプリミティブ型以外に、SOAP プロトコルを使用する Web サービスでは次のデータ型もサポートされます。

型	説明
クラスと構造体、クラスと構造体の配列	パブリックフィールドまたはパブリックプロパティを持つクラスと構造体型。パブリックプロパティとパブリックフィールドはシリアル化されます。クラスにはパラメータを使用しない既定のコンストラクタが必要です。
DataSet、DataSet の配列	ADO.NET DataSet 型。Dataset 型は、クラスまたは構造体のフィールドとして表示されることもあります。
XmlNode、XmlNode の配列	XmlNode は XML フラグメントのインメモリ表現です。XmlNodes 型はパラメータまたは戻り値として渡すことができ、SOAP 準拠の方法で Web サービスに渡される XML の残りの部分に追加されます。これにより、呼び出しごとに構造が変化する場合や、渡されるすべての型がわからない場合でも、XML を渡したり、返すことができます。XmlNode 型は、クラスまたは構造体のフィールドとして表示される場合もあります。

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