配置モデル (2003 システム)

更新 : 2007 年 11 月

Visual Studio Tools for Office では、ローカル コンピュータまたはネットワーク上の場所へのソリューションの配置がサポートされています。次の主要な 2 種類のプロジェクトでは配置モデルが異なります。

• ドキュメント レベルのカスタマイズ

• アプリケーション レベルのアドイン

ドキュメント レベルのカスタマイズおよびアプリケーション レベルのアドインの詳細については、「ドキュメント レベルのカスタマイズのアーキテクチャ」および「アプリケーション レベルのアドインのアーキテクチャ」を参照してください。

ドキュメント レベルのカスタマイズの配置モデル

Word のカスタマイズと Excel のカスタマイズには、3 つの主な配置モデルがあります。3 つのモデルの概要を次の表に示します。

それぞれの配置モデルには一長一短があり、どの方法でソリューションの配置を実現するかを決めるには十分な検討が必要です。

ローカル/ネットワーク配置モデル

このモデルでは、ドキュメントやブックのコピーを各ユーザーのコンピュータに配布し、アセンブリをネットワーク共有に配置します。ドキュメントの配布方法の 1 つとして、サーバーにテンプレートを置き、そのテンプレートから各ユーザーにローカル コピーを作成させるという方法があります。

このモデルは、アセンブリの保守の容易性とエンド ユーザーから見た柔軟性を組み合わせたもので、エンド ユーザーはドキュメントのテキストをある程度パーソナル化できます。配置の詳細については、「方法 : Office ソリューションを配置する (2003 システム)」を参照してください。

利点

• エンド ユーザーが、自身が保有するドキュメントのコピーをカスタマイズできます。たとえば、定型句に自身の名前や電話番号を追加できます。すべてのユーザーが共通の共有ドキュメントを使用する場合、このようなカスタマイズは困難になります。

• ユーザーがドキュメントをオフラインで操作できます。

• ユーザーがドキュメントを使いやすい場所 (専用のドキュメント フォルダやデスクトップなど) に保存できます。

• ユーザーがドキュメントのローカル バックアップ コピーを作成できます。

考慮事項

• 管理者がネットワーク共有のセキュリティ ポリシーを設定する必要があります。

• ドキュメントが変更された場合に、必ず各ユーザーにドキュメントのコピーを配布するか、テンプレートから新しいローカル コピーを作成するよう通知する必要があります。

• HTTP または HTTPS パスを使用してアセンブリにアクセスすると、Internet Explorer のキャッシュにアセンブリが格納されます。カスタマイズされたドキュメントを開く際に、ユーザーがネットワークに接続していない状態でも、キャッシュされているアセンブリ情報がドキュメントで使用されます。ただし、ユーザーがこれまでに一度もドキュメントを開いたことがない場合や、インターネット ブラウザのキャッシュを削除した場合、アセンブリがコンピュータ上に存在しないため実行できません。詳細については、「Office ソリューションのオフライン モデル (2003 システム)」を参照してください。

• HTTP パスまたは HTTPS パスを使用してドキュメントにアクセスする場合は、Windows エクスプローラで .doc ファイルまたは .xls ファイルの [同じウィンドウで開く] オプションが選択されている場合にのみ、アセンブリが読み込まれます。このオプションは、ドキュメントが現在のウィンドウ内でホストされているか、別のウィンドウ内でホストされているかを判断するために Internet Explorer によって使用されます。ドキュメントが別のウィンドウ内でホストされている場合、アセンブリは読み込まれず、実行されません。詳細については、「Office 実行時のトラブルシューティング」を参照してください。

ローカル/ローカル配置モデル

ローカル/ローカル配置モデルでは、ドキュメントやブックのコピーとアセンブリのコピーを、各ユーザーのコンピュータに配布します。このモデルは、ドキュメントやアセンブリをあまり変更しない場合や、ネットワークが頻繁に使用不能になる場合に最適です。配置の詳細については、「方法 : オフライン使用のドキュメントを配置する (2003 システム)」を参照してください。

利点

• ネットワーク共有は必要ありません。

• ネットワークの状態とは関係なく、ドキュメントとアセンブリは常にローカル コンピュータで利用できます。

考慮事項

• ドキュメントやアセンブリを変更した場合は、更新したソリューションを各ユーザーに配布する必要があります。

ネットワーク/ネットワーク配置モデル

ネットワーク/ネットワーク配置モデルでは、ドキュメントまたはブック、およびソリューション アセンブリをネットワーク上に置き、エンド ユーザーが操作できるようにします。このモデルは、ユーザーが共同作業を行うことが多い場合や、ドキュメントやブックおよびアセンブリが頻繁に更新される場合に最適です。配置の詳細については、「方法 : 発行ウィザードを使用してソリューション ファイルを配置する (2003 システム)」を参照してください。

利点

• アセンブリとドキュメントのマスタ コピーを 1 つだけ管理することになるため、更新がより簡単になります。

• ドキュメントやテンプレートを SharePoint Portal Server などのポータル サーバーで使用できるようにすると、共同作業やドキュメントの共有がより簡単になります。

考慮事項

• ユーザーがネットワークに接続されている必要があります。

• SharePoint Portal Server サイトでグループ作業を行うケースなど、あらゆるユーザーがカスタマイズしたドキュメントやテンプレートを共有の保存場所にアップロードできる場合は、その場所を証拠としてドキュメントおよびアセンブリを完全に信頼することはできません。

アプリケーション レベルのアドインの配置モデル

Visual Studio Tools for Office を使用して作成されたアドインには、アドイン アセンブリをネットワーク上とローカル コンピュータ上のどちらに配置するかに応じて、2 つの配置モデルがあります。どちらの配置モデルでも、アプリケーション マニフェストと必要なレジストリ キーがエンド ユーザーのコンピュータにインストールされている必要があります。詳細については、「アプリケーション レベルのアドインの配置 (2003 システム)」を参照してください。

ネットワーク配置モデル

このモデルでは、アドイン アセンブリをサーバー上に配置します。配置の詳細については、「方法 : Office ソリューションを配置する (2003 システム)」を参照してください。

利点

• クライアントは、Microsoft Office アプリケーションを再起動するか、Office アプリケーションの [COM アドイン] ダイアログ ボックスでアドインを無効にしてから有効にすることによって、自動的にアドインの更新を受け取ることができます。

考慮事項

• 管理者がネットワーク共有のセキュリティ ポリシーをセットアップする必要があります。

• アドインを実行するには、クライアント コンピュータで必要なレジストリ キーを作成する必要があります。詳細については、「アプリケーション レベルのアドインのレジストリ エントリ」を参照してください。

ローカル配置モデル

このモデルでは、アドイン アセンブリを各ユーザーのコンピュータに配置します。配置の詳細については、「方法 : Office ソリューションを配置する (2003 システム)」を参照してください。

利点

• アプリケーション レベルのプロジェクトと共に用意されているセットアップ プロジェクトを使用して、アドイン アセンブリを配置し、必要なレジストリ キーを作成できます。詳細については、「アプリケーション レベルのアドインのセットアップ プロジェクト (2003 システム)」を参照してください。

考慮事項

• アセンブリにはユーザーのコンピュータにおける完全な信頼を付与する必要があります。アプリケーション レベルのプロジェクトと共に用意されているセットアップ プロジェクトには、必要なセキュリティ ポリシーを作成する既定の動作は含まれていません。

• アドイン アセンブリが変更された場合は、更新したアセンブリを各ユーザーに配布する必要があります。

参照

処理手順

方法 : Office ソリューションを配置する (2003 システム)

方法 : Office ソリューションを実行できるようにエンド ユーザーのコンピュータを準備する (2003 システム)

方法 : 配置したアセンブリ ファイルを更新する (2003 システム)

方法 : マネージ コード拡張機能を使用する配置した Office ドキュメントを更新する (2003 システム)

方法 : オフライン使用のドキュメントを配置する (2003 システム)

概念

Office ソリューションの配置 (2003 システム)

ドキュメント レベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)

安全な配置 (2003 システム)