実行時のストレージ コントロールの概要

  • [アーティクル]

更新 : 2007 年 11 月

対象

このトピックの情報は、指定された Visual Studio Tools for Office プロジェクトおよび Microsoft Office のバージョンにのみ適用されます。

プロジェクトの種類

  • ドキュメント レベルのプロジェクト

Microsoft Office のバージョン

  • Microsoft Office 2003

詳細については、「アプリケーションおよびプロジェクトの種類別の使用可能な機能」を参照してください。

実行時のストレージ コントロールは、Microsoft Office 2003 のドキュメント レベルのカスタマイズの一部である文書またはブックに埋め込まれる ActiveX コントロールです。実行時のストレージ コントロールには、Visual Studio Tools for Office ランタイムがカスタマイズを実行するときに必要となる、次の方法が格納されています。

  • アプリケーション マニフェスト

  • 1 つ以上のキャッシュされたデータ オブジェクト (含まれていない場合もあります)

実行時のストレージ コントロールは、プロジェクトをビルドするときにドキュメントに埋め込まれます。実行時に、ドキュメントには表示されません。

7ydwehbf.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

2007 Microsoft Office system 用のドキュメント レベルのカスタマイズでは、実行時のストレージ コントロールを使用しません。代わりに、Visual Studio Tools for Office ランタイムは、ドキュメントに埋め込まれるカスタム XML 部分として情報を格納します。

アプリケーション マニフェスト

アプリケーション マニフェストは、マネージ コード拡張機能を実行するために必要な情報を格納しています。アプリケーション マニフェストは、アセンブリの場所に関する最新情報が格納されている、サーバーの配置マニフェストを参照します。または、カスタマイズ アセンブリを直接参照します。詳細については、「Office ソリューションにおけるアプリケーション マニフェストと配置マニフェスト」を参照してください。

キャッシュされたデータ

文書内のデータ オブジェクトをキャッシュするには、CachedAttribute 属性を使用してオブジェクトを宣言します。キャッシングを行うと、サーバーへのアクセスの回数が低減され、オフラインでデータを操作できます。詳細については、「ドキュメント レベルのカスタマイズにおけるデータ (概要)」および「キャッシュされたデータ」を参照してください。

実行時のストレージ コントロールの削除またはコピー

エンド ユーザーは、実行時のストレージ コントロールを削除またはコピーできます。次の例では、Visual Studio Tools for Office ランタイムが特定の状況をどのように検出して修正するかを示しています。

エンド ユーザーが [すべて選択] を実行し、[削除] をクリックした場合

実行時のストレージ コントロールは削除されます。ただし、コントロールは、削除対象の情報によって Visual Studio Tools for Office ランタイムを呼び出します。ランタイムは、コントロールの新しいインスタンスを文書に追加し、新しいイベント シンクにフックし、永続的な情報を提供します。

エンド ユーザーが [すべて選択] を実行し、選択範囲を [コピー] して、同一文書への [貼り付け] を実行した場合

この操作で、実行時のストレージ コントロールが 2 つになりました。ランタイムは、コントロールの複数のインスタンスがあるかどうかを確認します。複数のインスタンスが存在する場合は、余分なインスタンスが削除されます。

エンド ユーザーが [すべて選択] を実行し、選択範囲を [コピー] して、マネージ コード拡張機能を持つ別の文書への [貼り付け] を実行した場合

文書に最初に格納された情報が含まれていると認識している実行時のストレージ コントロールが 2 つ存在します。ただし、デザイン時にコントロールを文書に埋め込んだときに、コントロールに対して一意の識別子 (GUID) が作成されています。この GUID は、_AssemblyLocation カスタム ドキュメント プロパティにも埋め込まれています。文書内の実行時のストレージ コントロールも、この GUID を持つ必要があります。読み込み時に文書内で余分な実行時のストレージ コントロールが検出されると、GUID が文書内に格納された GUID と一致しない場合は、文書から削除されます。

エンド ユーザーが [すべて選択] を実行し、選択範囲を [コピー] して、新しい空の文書への [貼り付け] を実行した場合

使用されていない実行時のストレージ コントロールを含む新しい文書が作成されます。文書で適切なカスタマイズが行われない限り、コントロールは何も実行しません。その場合も、コントロールは文書内の一定のスペースを占有します。

参照

概念

サーバー上のドキュメント内のデータへのアクセス

キャッシュされたデータ

参照

Office ソリューション用アプリケーション マニフェスト (2003 システム)

その他の技術情報

Visual Studio Tools for Office ソリューションのアーキテクチャ