_calloc_dbg

[アーティクル]
09/17/2008

更新 : 2007 年 11 月

デバッグヘッダー用の領域を付加して、指定された数のメモリブロックをヒープに割り当て、バッファを上書きします (デバッグバージョンだけ)。

void *_calloc_dbg( 
   size_t num,
   size_t size,
   int blockType,
    const char *filename,
   int linenumber 
);

パラメータ

num
要求されたメモリブロックの数。
size
要求された各メモリブロックのバイト単位のサイズ。
blockType
要求するメモリブロックの種類。_CLIENT_BLOCK または _NORMAL_BLOCK。

割り当てブロック型とその使用方法については、「デバッグヒープ上のメモリブロックの型」を参照してください。
filename
割り当て操作を要求したソースファイル名へのポインタ、または NULL。
linenumber
割り当て操作を要求したソースファイル内の行番号、または NULL。

filename パラメータと linenumber パラメータは、_calloc_dbg 関数を明示的に呼び出すか、または _CRTDBG_MAP_ALLOC プリプロセッサ定数が定義されている場合のみ使用できます。

戻り値

正常に実行された場合、この関数は、最後に割り当てられたメモリブロックのユーザー領域へのポインタを返すか、new ハンドラ関数を呼び出すか、または NULL を返します。戻り動作の詳細については、次の「解説」を参照してください。new ハンドラ関数の使い方の詳細については、calloc 関数の説明を参照してください。

解説

_calloc_dbg 関数は calloc 関数のデバッグバージョンです。_DEBUG が定義されていないと、_calloc_dbg 関数への呼び出しは calloc 関数への呼び出しに変わります。calloc と _calloc_dbg は、どちらもベースヒープに num 個のメモリブロックを割り当てますが、_calloc_dbg は次のようなデバッグ機能を提供します。

メモリブロックのユーザー領域両端に追加されるメモリリーク検出用バッファ
特定の割り当て型を追跡するためのブロック型パラメータ
割り当ての要求元を特定するための filename/linenumber の情報

_calloc_dbg 関数は、要求された size より少し大きいメモリブロックを割り当てます。デバッグヒープマネージャはこの余分な領域を使用し、メモリブロックのリンクリスト、デバッグ用ヘッダー情報、上書きバッファを作成します。ブロックを割り当てると、ブロックのユーザー領域には値 0xCD が格納され、上書きバッファには値 0xFD が格納されます。

Visual C++ 2005 では、メモリ割り当てが失敗した場合、_calloc_dbg は errno を ENOMEM に設定します。必要なメモリ量 (前述のオーバーヘッドを含む) が _HEAP_MAXREQ を超える場合、EINVAL が返されます。このエラーコードおよびその他のエラーコードの詳細については、「errno、_doserrno、_sys_errlist、および _sys_nerr」を参照してください。

デバッグバージョンのベースヒープに対するメモリブロックの割り当て、初期化、管理方法の詳細については、「メモリ管理とデバッグヒープ」を参照してください。標準で呼び出すヒープ関数と、アプリケーションのデバッグビルドで呼び出すデバッグバージョンのヒープ関数との違いの詳細については、「デバッグバージョンのヒープ割り当て関数」を参照してください。

必要条件

ルーチン	必須ヘッダー
_calloc_dbg	<crtdbg.h>

互換性の詳細については、「C ランタイムライブラリ」の「互換性」を参照してください。

使用例

// crt_callocd.c
/*
 * This program uses _calloc_dbg to allocate space for
 * 40 long integers. It initializes each element to zero.
 */
#include <stdio.h>
#include <malloc.h>
#include <crtdbg.h>

int main( void )
{
        long *bufferN, *bufferC;

        /* 
         * Call _calloc_dbg to include the filename and line number
         * of our allocation request in the header and also so we can
         * allocate CLIENT type blocks specifically
         */
        bufferN = (long *)_calloc_dbg( 40, sizeof(long), _NORMAL_BLOCK, __FILE__, __LINE__ );
        bufferC = (long *)_calloc_dbg( 40, sizeof(long), _CLIENT_BLOCK, __FILE__, __LINE__ );
        if( bufferN != NULL && bufferC != NULL )
              printf( "Allocated memory successfully\n" );
        else
              printf( "Problem allocating memory\n" );

        /* 
         * _free_dbg must be called to free CLIENT type blocks
         */
        free( bufferN );
        _free_dbg( bufferC, _CLIENT_BLOCK );
}

Allocated memory successfully