Database Edition の用語の概要

Visual Studio Team System Database Edition を使用すると、開発プロセスの一環としてアプリケーションのソース コードと並行してデータベースの作成と管理を行うことができます。 Database Edition に関連する用語の定義を次に示します。

  • アジャイル方式 [Agile Method]
    アプリケーション開発者が採用する一連のプロセスであり、1 つの期間が 1 ~ 4 週間という一連の短いイテレーションでアプリケーションを開発することでリスクを最小化しようとするもの。 このパラダイムでは、費やした時間や完了したタスクではなく、機能するソフトウェアが進行の尺度になります。 アジャイル方式では、文書化された資料よりも、リアルタイムで意思疎通する (直接顔を合わせて会議を行う、電話やインスタント メッセージでやり取りするなど) ことが重要視されます。

  • 共通スクリプト [common script]
    データベース単体テストでは、TestInitialize スクリプトと TestCleanup スクリプトのいずれかのこと。 共通スクリプトは、データベース単体テストの一部として実行されません。 その代わりとして、共通スクリプトは、テストの実行前および実行後にテスト環境 (テスト対象のデータベースを含む) を変更するために実行されます。

  • 複合プロジェクト
    1 つ以上の他のデータベース プロジェクトまたはサーバー プロジェクトへの参照を含むデータベース プロジェクトであり、参照を含むプロジェクトのコンテンツとして処理されます。 参照を含むプロジェクトを配置すると、参照されているすべてのプロジェクトも同じデータベースに配置されます。 データベース プロジェクトがサーバー プロジェクトを参照している場合は、"マスタ" データベースに定義されたオブジェクトへの更新も配置されることになります。

  • データベース間参照
    異なるデータベースにあるオブジェクト定義やスクリプトから、1 つまたは複数のオブジェクトへの参照。 別のサーバー上には、2 つのデータベースが存在する可能性があります。 データベース間参照は、サーバー名 (省略可能)、データベース、スキーマ、およびオブジェクトの名前を指定することから、3 つまたは 4 つの要素から成る名前で呼ばれることもあります。

  • データ定義言語 (DDL) [Data Definition Language (DDL)]
    データの操作ではなく、データの定義に使用する SQL ステートメント (CREATE TABLE、CREATE INDEX、GRANT、REVOKE など)。

  • データベース開発ライフ サイクル [database development life cycle]
    アプリケーションのデータベース部分の開発に適用される構造化されたプロセス。 本質的には、ソフトウェア開発ライフ サイクルのサブセットであり、1 つのアプリケーションに含まれる 1 つ以上のデータベースに固有のものです。

  • データ生成計画 [data generation plan]
    特定のデータベース スキーマに関する情報、およびそのデータベースに対してデータ ジェネレータでデータを生成する方法が記述されたファイル。

  • データ操作言語 (DML) [Data Manipulation Language (DML)]
    データの定義ではなく、データの操作に使用する SQL ステートメント (INSERT、UPDATE、DELETE、SELECT など)。

  • データベース プロジェクト [database project]
    データベースをオフライン形式にしたもの。 各データベース プロジェクトには、新しいデータベースをデータベース サーバーに配置するため、または既存のデータベースに対する更新をデータベース サーバーに適用するために必要なスクリプトおよび構成情報が含まれます。 データベース プロジェクトには、そのデータベースに常駐するデータは含まれていません。 データベース プロジェクトは .dbproj ファイルとして保存されます。

  • データベース オブジェクト [database object]
    データベースの構成要素 (データベースのテーブル、インデックス、トリガ、ビュー、キー、制約、既定値、ルール、ユーザー定義データ型、ストアド プロシージャなど)。 データベースを示す場合もあります。

  • データベース リファクタリング [database refactoring]
    データベース プロジェクト全体 (および場合によっては関連するテスト プロジェクト) を、単一の包括的な更新として変更できるプロセス。 たとえば、リファクタリングを使ってデータベースのテーブルの列名を変更した場合、その列を参照しているストアド プロシージャ、ビュー、インデックス、関数、単体テストなどもすべて更新されます。

  • データベース スキーマのプロバイダ
    スキーマ モデルを実装し、1 つ以上のデータベース製品をサポートするサービス (SQL ステートメントの解析、モデルからのスクリプトの作成など) を提供するコンポーネント。 Database Edition には、SQL Server 2000、SQL Server 2005、および SQL Server 2008 のデータベース スキーマ プロバイダが含まれています。 また、Database Edition では、他の企業が他のデータベース製品をターゲットとする追加のデータベース スキーマ プロバイダを開発できるように拡張モデルをサポートしています。

  • データベース単体テスト [database unit test]
    データベースの特定の側面が期待どおりに機能しているかどうかを検証する単体テスト。

  • 機能の拡張
    機能の新しい動作または更新された動作を提供する拡張ポイントの実装。 機能拡張の例として、リファクタリングの種類、リファクタリング貢献者、データ ジェネレータ、データベース コードを分析するための規則、単体テストの条件があります。

  • 分離開発環境 [isolated development environment]
    データベース プロジェクトから作成でき、通常はデータ生成計画によってデータが設定されるデータベースの個人用コピー。 分離開発環境を使用すると、他の開発プロセスを阻害することなく、データベース スキーマに対する変更の実施とテストを安全に行うことができます。 テストの完了後、変更したスキーマをバージョン管理にチェックインすると、チームの他のメンバと変更を共有できます。 分離開発環境は、"サンドボックス" と呼ばれることもあります。

  • model データベース [model database]
    Microsoft SQL Server と共にインストールされる、新しいユーザー データベースのテンプレートとなるデータベース。 データベースを作成するときは、model データベースの内容がコピーされ、要求されたサイズに合わせて新しいデータベースが拡張されます。

  • 部分プロジェクト
    単一の .files ファイルを追加することによってデータベース プロジェクトに追加できるファイルのコレクション。 たとえば、部分プロジェクトを作成すると、複数のデータベースのそれぞれで同一にする必要があるオブジェクト定義を共有できます。 1 つのプロジェクト内でオブジェクトを定義し、部分プロジェクトとしてそのオブジェクトをエクスポートして、他のプロジェクトにその部分プロジェクトを含めます。

  • 配置後スクリプト [post-deployment script]
    データベース配置スクリプトの実行後に特定の順序で実行されるユーザー定義のデータベース スクリプト。

  • 配置前スクリプト [pre-deployment script]
    データベース配置スクリプトの実行前に特定の順序で実行されるユーザー定義のデータベース スクリプト。

  • プロジェクト項目 [project item]
    データベース プロジェクトを構成するさまざまな種類のオブジェクト (データ生成計画、スクリプト、スキーマ オブジェクト定義など)。

  • RAISERROR ステートメント [RAISERROR statement]
    プロシージャのフローを変えることなく、エラー メッセージを表示し、@@ERROR 自動変数を設定する Transact-SQL (T-SQL) ステートメント。 RAISERROR ステートメントを使用すると、データベース単体テストからテスト結果を返すことができます。

  • スキーマ [schema]
    データベースの構造に関する情報 (つまりメタデータ) が格納されているオブジェクトまたはデータベース オブジェクトのコレクション。

  • スキーマ モデル
    任意の SQL スクリプトを表すオブジェクト モデルおよびサポート サービス。 そのスクリプトは、データ定義言語 (DDL: Data Definition Language) ステートメントおよびデータ操作言語 (DML: Data Manipulation Language) ステートメントの両方を含みます。

  • スクリプト ドメイン オブジェクト モデル (Script DOM: Script Domain Object Model)
    テーブル、ビュー、ストアド プロシージャなどデータベース インスタンスのオブジェクトを表すオブジェクト モデルおよびサポート サービス。

  • サーバー プロジェクト
    データベース サーバーをオフライン形式にしたもの。 各サーバー プロジェクトには、そのサーバーのオブジェクトの定義と設定が含まれています。 サーバー プロジェクトを配置するとき、そのプロジェクト内のスクリプトによってサーバー上のオブジェクトおよび設定が更新されます。 多くの場合、サーバー オブジェクトおよび設定へのアクセスはデータベース管理者に制限されています。 サーバー プロジェクトは .dbproj ファイルとして保存されます。

  • ソース [source]
    ある操作において、その操作によって変更されないデータベース。 たとえば、あるデータベース プロジェクトをそのデータベースの現在の配置と比較し、データベース プロジェクトに一致するように配置を更新する場合、データベース プロジェクトはその操作のソースと見なされます。

  • 表形式データ ストリーム (TDS) [tabular data stream (TDS)]
    Microsoft SQL Server を実行しているサーバーとクライアントとの間でデータを転送する際に使用する内部プロトコル。 TDS を使用すると、クライアント製品とサーバー製品は、オペレーティング システム、サーバーのリリース、またはネットワーク トランスポートに関係なく通信できます。

  • ターゲット [target]
    操作の対象となるデータベース。 操作によってターゲットが変更されるかどうかは、操作の種類によって決まります。 たとえば、あるデータベース プロジェクトをそのデータベースの現在の配置と比較し、データベース プロジェクトに一致するように配置を更新する場合、配置済みデータベースはその操作のターゲットと見なされます。

  • テスト条件 [test condition]
    データベース単体テストにおいて、期待された結果が単体テストから返るかどうかを判定するためによく使用される一連の検証関数。 テスト条件では、単体テストの実行結果を分析し、結果がテスト条件の基準を満たしているかどうかをそのパラメータに基づいて判定します。

  • テスト スクリプト [test script]
    製品に対してチェックを行う定義された要件。合格または不合格の結果がもたらされます。 合格の結果は要件を満たしたことを、不合格の結果は要件を満たさなかったことを表します。

参照

その他の技術情報

Database Edition について