AddIn ホスト項目

更新 : 2008 年 7 月

Microsoft.Office.Tools.AddIn クラスは、Visual Studio Tools for Office を使用して作成するアプリケーション レベルのアドインのホスト項目です。ホスト項目は、コードのエントリ ポイントとなる、Visual Studio Tools for Office ソリューション内のクラスです。

AddIn クラスおよび ThisAddIn クラスについて

AddIn クラスは、すべての Visual Studio Tools for Office アドインが共有するコア機能を提供します。ただし、このクラスを明示的にインスタンス化したりコード内で直接使用したりすることはできません。

代わりに、ThisAddIn クラスを使用します。Visual Studio Tools for Office は、Microsoft Office アプリケーションとアドイン コードとの通信リンクの役割を果たすものとして、このクラスをアドイン プロジェクト内に生成します。ThisAddIn クラスは、AddIn から派生します。Visual Studio Tools for Office は、Microsoft Office アプリケーションがアドインを読み込むときに自動的にこのクラスをインスタンス化します。

ThisAddIn クラスには、プロジェクトでコードの記述を開始できる場所が用意されています。ThisAddIn では、ホスト アプリケーションのオブジェクト モデルへのアクセスなどのタスクも実行できます。詳細については、「アプリケーション レベルのアドインのプログラミング」を参照してください。

Outlook 2007 アドイン プロジェクトでの AddIn と ThisAddIn の使用

Microsoft Office Outlook 2007 のアドイン プロジェクトでは、Microsoft.Office.Tools.Outlook.OutlookAddIn という別のホスト項目を使用します。このクラスは AddIn の派生クラスであり、フォーム領域をサポートする機能を追加します。フォーム領域の詳細については、「Outlook フォーム領域の作成」を参照してください。

Outlook 2007 のアドイン プロジェクトでは、ThisAddIn クラスは OutlookAddIn から派生します。ThisAddIn クラスは、Outlook 2007 アドインでも他の Microsoft Office アプリケーションのアドインの場合と同じように使用します。

さまざまなタスクで使用するメンバ

次の表では、一般的なタスクについて説明し、それらのタスクの実行に使用できる ThisAddIn クラスのメンバを示します。

タスク	使用するメンバ
読み込まれたアドインを初期化するコードを実行します。	コードを ThisAddIn_Startup メソッドに追加します。これが Startup イベントの既定のイベント ハンドラです。詳細については、「Visual Studio Tools for Office プロジェクトのイベント」を参照してください。
アドインのアンロード前にアドインが使用したリソースをクリーンアップするコードを実行します。	コードを ThisAddIn_Shutdown メソッドに追加します。これが Shutdown イベントの既定のイベント ハンドラです。詳細については、「Visual Studio Tools for Office プロジェクトのイベント」を参照してください。
オブジェクト モデルにアクセスすることでホスト アプリケーションを自動化する。	ThisAddIn クラスの Application フィールドを使用します。このフィールドは、アドインの対象となるアプリケーションの Application クラスのインスタンスを返します。詳細については、「アプリケーション レベルのアドインのプログラミング」を参照してください。
開いている Word 文書または Excel ブックで識別できるスマート タグを作成します。これは、Visual Studio 2008 Service Pack 1 (SP1) の新機能です。	ThisAddIn クラスの VstoSmartTags フィールドを使用します。このフィールドは、SP1 をインストールした後に作成した Excel 2007 および Word 2007 のアドイン プロジェクトでのみ使用できます。詳細については、「スマート タグの概要」を参照してください。
アドインのオブジェクトを他の Microsoft Office ソリューションに公開します。	RequestComAddInAutomationService メソッドをオーバーライドします。詳細については、「他の Office ソリューションからのアプリケーション レベルのアドインのコードの呼び出し」を参照してください。
機能拡張インターフェイスを実装して 2007 Microsoft Office システムの機能をカスタマイズします。	RequestService メソッドをオーバーライドし、インターフェイスを実装するクラスのインスタンスを返します。詳細については、「機能拡張インターフェイスによる UI 機能のカスタマイズ」を参照してください。 メモ : リボン UI をカスタマイズするために、CreateRibbonExtensibilityObject メソッドをオーバーライドすることもできます。

参照

処理手順

チュートリアル : アプリケーション レベルのアドインのコードを VBA から呼び出す

概念

アプリケーション レベルのアドインのプログラミング

アプリケーション レベルのアドインにおける実行時の Word 文書や Excel ブックの拡張

機能拡張インターフェイスによる UI 機能のカスタマイズ

他の Office ソリューションからのアプリケーション レベルのアドインのコードの呼び出し

アプリケーション レベルのアドインのプログラミングについて

Visual Studio Tools for Office プロジェクトのイベント

変更履歴