fixed ステートメント (C# リファレンス)
更新 : 2007 年 11 月
fixed ステートメントは、移動可能な変数がガベージ コレクタにより再配置されることを防ぎます。fixed ステートメントは、unsafe コンテキストでのみ使用できます。Fixed を使用して、固定サイズ バッファを作成することもできます。
fixed ステートメントは、マネージ変数へのポインタを設定し、ステートメントの実行時にマネージ変数を "固定" します。fixed がない場合、ガベージ コレクションが予期できないかたちで移動可能なマネージ変数を再配置するため、マネージ変数へのポインタはほとんど役に立ちません。C# コンパイラの場合、fixed ステートメントでは、マネージ変数にポインタを割り当てることだけができます。
unsafe static void TestMethod()
{
// assume class Point { public int x, y; }
// pt is a managed variable, subject to garbage collection.
Point pt = new Point();
// Using fixed allows the address of pt members to be
// taken, and "pins" pt so it isn't relocated.
fixed (int* p = &pt.x)
{
*p = 1;
}
}
ポインタは、配列または文字列のアドレスで初期化できます。
unsafe void Test2()
{
Point point = new Point();
double[] arr = { 0, 1.5, 2.3, 3.4, 4.0, 5.9 };
string str = "Hello World";
fixed (double* p = arr) { /*...*/ } // equivalent to p = &arr[0]
fixed (char* p = str) { /*...*/ } // equivalent to p = &str[0]
fixed (int* p1 = &point.x)
{
fixed (double* p2 = &arr[5])
{
// Do something with p1 and p2.
}
}
}
同じ型の場合は、複数のポインタを初期化できます。
fixed (byte* ps = srcarray, pd = dstarray) {...}
異なる型のポインタを初期化するには、fixed ステートメントを入れ子にします。
fixed (int* p1 = &point.x)
{
fixed (double* p2 = &arr[5])
{
// Do something with p1 and p2.
}
}
ステートメントのコードを実行すると、固定された変数の固定が解除され、ガベージ コレクションの対象になります。そのため、fixed ステートメントの外部にある変数へのポインタは指定しないでください。
メモ : |
---|
fixed ステートメントで初期化されたポインタは変更できません。 |
unsafe モードでは、スタックにメモリを割り当てることができます。スタックは、ガベージ コレクションの対象にはならないので、固定は必要ありません。詳細については、「stackalloc (C# リファレンス)」を参照してください。
使用例
class Point
{
public int x, y;
}
class FixedTest2
{
// Unsafe method: takes a pointer to an int.
unsafe static void SquarePtrParam (int* p)
{
*p *= *p;
}
unsafe static void Main()
{
Point pt = new Point();
pt.x = 5;
pt.y = 6;
// Pin pt in place:
fixed (int* p = &pt.x)
{
SquarePtrParam (p);
}
// pt now unpinned
Console.WriteLine ("{0} {1}", pt.x, pt.y);
}
}
/*
Output:
25 6
*/
C# 言語仕様
詳細については、「C# 言語仕様」の次のセクションを参照してください。
18.3 固定変数と移動可能変数
18.6 fixed ステートメント