ネイティブの C++ プログラムのコマンド ラインを使用したコンパイル (C++)

更新 : 2007 年 11 月

Visual C++ に含まれる C++ コンパイラを使用して、単純な Visual C++ プログラムから Windows フォーム アプリケーションおよびコンポーネントまで、あらゆるものを作成できます。

この手順では、テキスト エディタを使用して単純な Visual C++ プログラムを作成し、それをコマンド ラインでコンパイルします。

また、テキスト エディタで作成した Visual C++ プログラムを、Visual Studio 開発環境を使用してコンパイルすることもできます。詳細については、「Visual Studio で CLR をターゲットにした C++ プログラムのコンパイル (C++)」を参照してください。

これらの手順で示す単純なプログラムを入力する代わりに、独自の Visual C++ プログラムを使用してもかまいません。また、ヘルプ トピックにある任意の Visual C++ コード サンプル プログラムを使用することもできます。

前提条件

このトピックは、C++ 言語の基本を理解していることを前提としています。C++ の学習を始めたばかりのユーザーには、『C++ Beginner's Guide』(Herb Schildt 著) をお勧めします。このガイドはオンラインで入手できます (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=115303)。

Visual C++ ソース ファイルを作成してコマンド ラインでコンパイルするには

  1. Visual Studio 2008 コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。

    [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に [Microsoft Visual Studio 2008] をポイントし、[Visual Studio Tools] をポイントして、[Visual Studio 2008 コマンド プロンプト] をクリックします。

    ms235639.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    Visual Studio 2008 コマンド プロンプトによって Visual C++ コンパイラと必要なライブラリへの正しいパスが自動的に設定されます。通常のコマンド プロンプト ウィンドウではなく、このコマンド プロンプトを使用します。詳細については、「コマンド ライン ビルドのパスと環境変数の設定」を参照してください。

  2. コマンド プロンプトで「notepad simple.cpp」と入力し、Enter キーを押します。

    新しいファイルを作成するかどうかを確認するメッセージが表示されたら、[はい] をクリックします。

  3. メモ帳で、次の行を入力します。

    #include <iostream>
    
    int main()
    {
        std::cout << "This is a native C++ program." << std::endl;
        return 0;
    }
    
  4. [ファイル] メニューの [上書き保存] をクリックします。Visual C++ ソース ファイルが作成されました。

  5. [ファイル] メニューの [終了] をクリックしてメモ帳を閉じます。

  6. コマンド プロンプトで「cl /EHsc simple.cpp」と入力し、Enter キーを押します。/EHsc は、コンパイラに対して C++ 例外処理を有効化するよう指示するコマンド ライン オプションです。詳細については、「/EH (例外処理モデル)」を参照してください。

    cl.exe コンパイラによって、実行可能プログラム simple.exe が生成されます。

    実行可能プログラムの名前は、コンパイラによって表示される出力情報の行に示されます。

  7. 拡張子にかかわらず、ディレクトリ内の simple という名前のすべてのファイルの一覧を表示するには、「dir simple.*」と入力し、Enter キーを押します。

    .obj ファイルは中間形式のファイルであり、無視してかまいません。

  8. simple.exe プログラムを実行するには、「simple」と入力し、Enter キーを押します。

    プログラムは、次のテキストを表示して終了します。

    This is a native C++ program.

  9. コマンド プロンプト ウィンドウを閉じるには、「exit」と入力し、Enter キーを押します。

.NET クラスを使用する Visual C++ プログラムのコンパイル

この手順は、.NET Framework クラスを使用する Visual C++ プログラムをコンパイルするためのコマンド ラインを示します。

/clr (共通言語ランタイムのコンパイル) コンパイラ オプションを使用する必要があります。これは、このプログラムが .NET クラスを使用しており、Visual C++ コンパイラが必要な .NET ライブラリを含める必要があるためです。Visual C++ コンパイラは、マシンで実行可能な命令ではなく、MSIL コードを含む .exe ファイルを生成します。

この手順に従って、ヘルプ トピックにある任意のサンプル Visual C++ プログラムをコンパイルできます。

Visual C++ .NET コンソール アプリケーションをコマンド ラインでコンパイルするには

  1. Visual Studio 2008 コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。

    [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に [Microsoft Visual Studio 2008] をポイントし、[Visual Studio Tools] をポイントして、[Visual Studio 2008 コマンド プロンプト] をクリックします。

  2. コマンド プロンプトで「notepad simpleclr.cpp」と入力し、Enter キーを押します。

    新しいファイルを作成するかどうかを確認するメッセージが表示されたら、[はい] をクリックします。

  3. メモ帳で、次の行を入力します。

    int main()
    {
        System::Console::WriteLine("This is a Visual C++ program.");
    }
    
  4. [ファイル] メニューの [保存] をクリックします。

    .NET クラス (Console) を使用して Visual C++ ソース ファイルを作成しました。これは System 名前空間に配置されます。

  5. [ファイル] メニューの [終了] をクリックしてメモ帳を閉じます。

  6. コマンド プロンプトで「cl /clr simpleclr.cpp」と入力し、Enter キーを押します。cl.exe コンパイラによって、実行可能プログラム simpleclr.exe が生成されます。

  7. 拡張子にかかわらず simpleclr というディレクトリのすべてのファイルの一覧を表示するには、「dir simpleclr.*」と入力して Enter キーを押します。

    .obj ファイルは中間形式のファイルであり、無視してかまいません。

    .manifest ファイルは、アセンブリに関する情報を含む XML ファイルです (アセンブリは .exe プログラムや .dll コンポーネント、ライブラリなど .NET の配置単位です)。

  8. simpleclr.exe プログラムを実行するには、「simpleclr」と入力し、Enter キーを押します。

    プログラムは、次のテキストを表示して終了します。

    This is a Visual C++ program.

  9. コマンド プロンプト ウィンドウを閉じるには、「exit」と入力し、Enter キーを押します。

次の手順

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参照

処理手順

Visual C++ ガイド ツアー

その他の技術情報

C++ Language Reference

C/C++ プログラムのビルド