拡張に関する問題のトラブルシューティング

  • [アーティクル]

更新 : 2007 年 11 月

このトピックでは、Visual Studio Team System Architecture Edition で分散システム デザイナを拡張するときに発生する可能性のある問題について説明します。

  • カスタム プロトタイプの作成とエクスポート

  • カスタム プロトタイプのインポートとインストール

  • ツールボックスからのプロトタイプの削除

  • SDM (System Definition Model) SDK の問題

カスタム プロトタイプの作成とエクスポート

カスタム プロトタイプを作成するときに、次の問題が発生する場合があります。

アクセス許可の要件

Windows Server 2003 または Windows XP で Visual Studio を実行している場合、すべてのユーザーに対するカスタム プロトタイプを作成するには、パワー ユーザー以上のアクセス許可が必要です。Windows Vista で Visual Studio を実行している場合は、管理者のアクセス許可が必要です。制限された場所にプロトタイプをエクスポートするには、その処理を行うための管理者の資格情報を提供する必要があります。

詳細については、次のトピックを参照してください。

同名のプロトタイプ ファイルが既に存在する

作成しようとしているプロトタイプのファイル名が既存のプロトタイプ ファイルと同じである場合、Visual Studio に次のメッセージが表示されます。

"VS1021: プロトタイプ ファイルはツールボックス: <ファイル名> に既に存在します。このファイルを上書きするには [OK] をクリックしてください。"

プロトタイプ ファイルが見つからない

プロトタイプをエクスポートするとき、そのプロトタイプの *.prototype ファイルが見つからないと、Visual Studio に次のメッセージが表示されます。

"VS1011: このツールボックス項目 <プロトタイプのパスおよびファイル名> のプロトタイプ ファイルが見つかりません。"

この問題を回避するには、次の手順を実行します。

関連するファイルが見つからないときにプロトタイプをエクスポートするには

  1. ツールボックスから、プロトタイプをダイアグラムにドラッグします。

  2. ダイアグラム上に作成された形状をツールボックスに追加します。

  3. ツールボックスからプロトタイプをエクスポートします。

詳細については、「方法 : 分散システム デザイナからカスタム プロトタイプをエクスポートする」を参照してください。

カスタム プロトタイプのインポートとインストール

分散システム デザイナで作成したカスタム プロトタイプをインポートしたり、SDM (System Definition Model) SDK (Software Development Kit) を使用して作成したカスタム プロトタイプをインストールしたりするときに、次の問題が発生する場合があります。詳細については、「方法 : 新しいカスタム プロトタイプをインポートまたはインストールする」を参照してください。

アクセス許可の要件

Windows Server 2003 または Windows XP で Visual Studio を実行している場合、すべてのユーザーに対するカスタム プロトタイプをインポートするには、パワー ユーザー以上のアクセス許可が必要です。Windows Vista で Visual Studio を実行している場合、コンピュータ上のすべてのユーザーに対するカスタム プロトタイプをインポートするには、管理者の資格情報を提供する必要があります。

分散システム デザイナまたは SDM SDK を使用して作成したカスタム プロトタイプをインストールするには、これらのプロトタイプに適したレジストリ キーを追加するために Power Users または管理者のアクセス許可が必要です。

[テンプレート] プロパティにパスが表示される Office アプリケーションを含むプロトタイプ

以前のバージョンの分散システム デザイナで作成されたプロトタイプをインポートする場合、そのプロトタイプに 1 つ以上の Office アプリケーションが含まれていると、それらのアプリケーションの [テンプレート] プロパティには、テンプレートの名前ではなくパスが表示されることがあります。

この問題を修正するには、目的のテンプレートの [テンプレート] プロパティを変更します。

.sdmdocument ファイルのレジストリの更新

SDM SDK で作成されたプロトタイプの .sdmdocument ファイルを追加または削除し、変更を反映するためにレジストリを更新した場合、デザイナを閉じて再び開くだけでは、Visual Studio でこれらのファイルを最新の情報に更新することはできません。代わりに、キャッシュにあるファイルが使用されます。

この問題を解決するには、Visual Studio を閉じて再び開くことで、Visual Studio に読み込まれる .sdmdocument ファイルを最新の情報に更新します。

ms242859.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

Visual Studio を初めて起動すると、.sdmdocument ファイルが Visual Studio に読み込まれます。分散システム デザイナを初めて起動すると、Visual Studio によってこれらのファイルがキャッシュに保存されます。

プロトタイプが無効であるか破損している

インポートしようとしているプロトタイプが有効なプロトタイプ ファイルでないか破損している場合、Visual Studio に次のメッセージが表示されます。

"VS1010: Visual Studio は選択されたファイルをインポートできません。互換性のあるプロトタイプ ファイルではありません。互換性のあるプロトタイプ ファイルを選択してください。"

有効なプロトタイプ ファイルには、.*prototype というファイル名拡張子が付きます。

同名のプロトタイプが既に存在する

ツールボックスに既に存在するプロトタイプをインポートしようとした場合、Visual Studio に次のメッセージが表示されます。

"VS1021: プロトタイプ ファイルはツールボックス: <ファイル名> に既に存在します。このファイルを上書きするには [OK] をクリックしてください。"

プロトタイプが既にインポートされている

インポートしようとしているプロトタイプ ファイルのコピー元とコピー先が同じである場合、Visual Studio に次のメッセージが表示されます。

"VS1020: Visual Studio は選択されたファイルをインポートできません。ファイル内のプロトタイプが既にインポートされています。"

ツールボックスが空で表示される

空のツールボックスが表示される場合は、PrototypesFolder1 レジストリ値に空の値や不正な形式の値が含まれていないことを確認します (管理者のアクセス許可が必要です)。

Windows XP で Visual Studio を実行している場合は、PrototypesFolder1 レジストリ値に次の値が含まれていることを確認します。

プロトタイプ ファイルの種類

レジストリの場所

確認する PrototypesFolder1 の値

個人使用のみを目的として作成したカスタム プロトタイプ ファイル

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\VisualStudio\9.0\EnterpriseTools\DesignerPrototypeFolders

<username>\Local Settings\Application Data\Microsoft\VisualStudio\9.0\ DesignerPrototypeFolders\Prototypes\

他のユーザーが使用できるように作成したカスタム プロトタイプ ファイル

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\VisualStudio\9.0\EnterpriseTools\DesignerPrototypeFolders

...\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\Common7\Tools\DesignerPrototypes\Prototypes\

Windows Vista で Visual Studio を実行している場合は、次の値が含まれていることを確認します。

プロトタイプ ファイルの種類

レジストリの場所

確認する PrototypesFolder1 の値

個人使用のみを目的として作成したカスタム プロトタイプ ファイル

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\VisualStudio\9.0\EnterpriseTools\DesignerPrototypeFolders

<username>\AppData\Local\Microsoft\VisualStudio\9.0\DesignerPrototypes\Prototypes

他のユーザーが使用できるように作成したカスタム プロトタイプ ファイル

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\VisualStudio\9.0\EnterpriseTools\DesignerPrototypeFolders

...\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\Common7\Tools\DesignerPrototypes\Prototypes

既定のアプリケーションまたは論理サーバーが、DefaultRootName プロパティで指定された名前と一致しない

SDM SDK を使用してカスタム プロトタイプを作成するとき、Visual Studio は、ダイアグラム サーフェイスのアプリケーションおよび論理サーバーの既定の名前として、SDM デザイン データの DefaultRootName プロパティで指定された名前を使用しないことがあります。代わりに "Application1" や "GenericServer1" のような名前が表示されます。

この問題を回避するには、次の手順を実行します。

既定の名前を変更するには

  1. protogen.exe を使用して初期プロトタイプを生成した後、そのプロトタイプをインストールします。

  2. 適切なデザイナを開き、ツールボックスからダイアグラム サーフェイスにプロトタイプをドラッグします。

    ダイアグラムに、対応する形状が表示されます。

  3. ダイアグラム上の形状の名前を、目的とする既定の名前に変更します。

  4. 名前を変更した形状に基づいてプロトタイプを作成します。

  5. 名前を変更したプロトタイプをエクスポートし、配布します。

詳細については、次のトピックを参照してください。

ツールボックスからのプロトタイプの削除

ツールボックスからカスタム プロトタイプを削除するときに、次の問題が発生する場合があります。

ツールボックスにプロトタイプが再表示される

ツールボックスからプロトタイプを削除して Visual Studio を再起動しても、ツールボックスにそのプロトタイプが表示されることがあります。

この問題を回避するには、サポート ファイル .adprototype または .lddprototype を削除し、ツールボックスをリセットする必要があります。

ms242859.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

制限された場所にあるファイルを削除するには、管理者のアクセス許可が必要です。

Windows XP で Visual Studio を実行している場合は、次の操作を行います。

  • 個人使用のみを目的として次の場所に作成したカスタム プロトタイプ ファイルを見つけて削除します。

    ...\Documents and Settings\<username>\Local Settings\Application Data\Microsoft\VisualStudio\9.0\DesignerPrototypeFolders\Prototypes

  • 他のユーザーが使用できるように次の場所に作成したカスタム プロトタイプ ファイルを見つけて削除します。

    ...\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\Common7\Tools\DesignerPrototypes\Prototypes

Windows Vista で Visual Studio を実行している場合は、次の操作を行います。

  • 個人使用のみを目的として次の場所に作成したカスタム プロトタイプ ファイルを見つけて削除します。

    ...\Users\<username>\AppData\Local\Microsoft\VisualStudio\9.0\DesignerPrototypes\Prototypes

  • 他のユーザーが使用できるように次の場所に作成したカスタム プロトタイプ ファイルを見つけて削除します。

    ...\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\Common7\Tools\DesignerPrototypes\Prototypes

System Definition Model (SDM) SDK の問題

Visual Studio 2005 Team Edition for Architects および Visual Studio 2005 SDM SDK がインストールされているコンピュータで Visual Studio Team System 2008 Architecture Edition のインストールまたはアンインストールを行うと、Visual Studio 2005 SDM SDK バージョンの Protogen.exe が正常に機能しなくなることがあります。

この問題を修正するには、次のいずれかの回避策を使用します。これらの回避策を使用する前に、必ず、変更または削除するレジストリ キー情報やファイルのバックアップを作成してください。これは、情報の復元が必要になったときに備えるためです。

  • Team System 2008 Architecture Edition をインストールした場合は、次の場所にあるレジストリ キーを編集して、Visual Studio 2005 のプロトタイプ フォルダを指すようにします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\VisualStudio\9.0\EnterpriseTools\DesignerPrototypeFolders

    Team System 2008 Architecture Edition をアンインストールした場合は、次のように、指定の場所に新しいレジストリ キーを追加します。

    名前 = "PrototypesFolder1"

    値 = <Visual Studio 2005 プロトタイプ フォルダへのパス>

  • Team System 2008 Architecture Edition をインストールした場合は、次の場所にある *.prototypetemplate ファイルを Visual Studio 2005 バージョンのファイルで置き換えます。Team System 2008 Architecture Edition をアンインストールした場合は、次の場所が存在しなければ作成します。

    ...\Microsoft Visual Studio 9.0\Common7\Tools\DesignerPrototypes\Prototypes

  • Team System 2008 Architecture Edition をアンインストールし、次のレジストリの場所を削除します。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\VisualStudio\9.0

参照

その他の技術情報

分散システム デザイナの拡張