数値演算関数 (Visual Basic)

更新 : 2007 年 11 月

Visual Basic 6 の数値演算関数は、.NET Framework の System.Math クラスに含まれる同等なメソッドに置き換えられています。

解説

.NET Framework の数値演算関数は、Visual Basic 6 の関数と機能的には同じですが、名前が一部異なっているものがあります。たとえば、.NET Framework で Visual Basic 6 の Atn 関数に相当するのは Atan です。Visual Basic 6 の数値演算関数名とそれに対応する .NET Framework メソッド名を次の表に示します。

Visual Basic 6 の関数

.NET Framework メソッド

説明

Abs

Abs

指定された数値の絶対値を返します。

Atn

Atan

指定された数値をタンジェントとする角度を倍精度浮動小数点数型 (Double) の値で返します。

Cos

Cos

指定した角度のコサインを含む倍精度浮動小数点数型 (Double) の値を返します。

Exp

Exp

指定された数値を指数とする e (自然対数の底) の累乗を含む Double の値を返します。

Log

Log

指定された数値の対数を含む倍精度浮動小数点数型 (Double)の値を返します。このメソッドはオーバーロードされ、指定された数値の自然対数 (定数 e を底とする)、または指定された底における指定された数値の対数を返します。

Round

Round

指定された値に最も近い数値を含む倍精度浮動小数点数型 (Double) の値を返します。round に関するその他の関数は、Round など組み込み型のメソッドとして利用できます。

Sgn

Sign

引数に指定された数式の符号を表す Integer の値を返します。

Sin

Sin

指定した角度のサインを倍精度浮動小数点数型 (Double) の値で返します。

Sqr

Sqrt

数式の平方根を倍精度浮動小数点数型 (Double) の値で返します。

Tan

Tan

指定した角度のタンジェントを倍精度浮動小数点数型 (Double) の値で返します。

また、.NET Framework の数値演算クラスには、三角関数、対数関数、およびその他の数値演算関数に対応する定数やその他の静的なメソッドがあります。これらはすべて Visual Basic プログラムで使用できます。

これらの関数を修飾子なしで使用するには、次のコードをソース コードの先頭に追加して、System.Math 名前空間をプロジェクトにインポートします。

'Imports System.Math

使用例

この例では、Math クラスの Abs メソッドを使って、数値の絶対値を計算します。

' Returns 50.3.
Dim MyNumber1 As Double = Math.Abs(50.3)
' Returns 50.3.
Dim MyNumber2 As Double = Math.Abs(-50.3)

この例では、Math クラスの Atan メソッドを使って、πの値を計算します。

Public Function GetPi() As Double
    ' Calculate the value of pi.
    Return 4.0 * Math.Atan(1.0)
End Function

この例では、Math クラスの Cos メソッドを使って、角度のコサインを返します。

Public Function Sec(ByVal angle As Double) As Double
    ' Calculate the secant of angle, in radians.
    Return 1.0 / Math.Cos(angle)
End Function

この例では、Math クラスの Exp メソッドを使って、指定した数値を指数とする e の累乗を返します。

Public Function Sinh(ByVal angle As Double) As Double
    ' Calculate hyperbolic sine of an angle, in radians.
    Return (Math.Exp(angle) - Math.Exp(-angle)) / 2.0
End Function

この例では、Math クラスの Log メソッドを使って、数値の自然対数を返します。

Public Function Asinh(ByVal value As Double) As Double
    ' Calculate inverse hyperbolic sine, in radians.
    Return Math.Log(value + Math.Sqrt(value * value + 1.0))
End Function

この例では、Math クラスの Round メソッドを使って、数値を最も近い整数に丸めます。

' Returns 3.
Dim MyVar2 As Double = Math.Round(2.8)

この例では、Math クラスの Sign メソッドを使って、数の符号を判定します。

' Returns 1.
Dim MySign1 As Integer = Math.Sign(12)
' Returns -1.
Dim MySign2 As Integer = Math.Sign(-2.4)
' Returns 0.
Dim MySign3 As Integer = Math.Sign(0)

この例では、Math クラスの Sin メソッドを使って、角度のサイン値を返します。

Public Function Csc(ByVal angle As Double) As Double
    ' Calculate cosecant of an angle, in radians.
    Return 1.0 / Math.Sin(angle)
End Function

この例では、Math クラスの Sqrt メソッドを使って、数値の平方根を計算します。

' Returns 2.
Dim MySqr1 As Double = Math.Sqrt(4)
' Returns 4.79583152331272.
Dim MySqr2 As Double = Math.Sqrt(23)
' Returns 0.
Dim MySqr3 As Double = Math.Sqrt(0)
' Returns NaN (not a number).
Dim MySqr4 As Double = Math.Sqrt(-4)

この例では、Math クラスの Tan メソッドを使って、角度のタンジェントを返します。

Public Function Ctan(ByVal angle As Double) As Double
    ' Calculate cotangent of an angle, in radians.
    Return 1.0 / Math.Tan(angle)
End Function

必要条件

クラス : Math

名前空間 : System

アセンブリ : mscorlib (mscorlib.dll 内)

参照

参照

Rnd 関数 (Visual Basic)

Randomize 関数 (Visual Basic)

数値演算関数の導出 (Visual Basic)

NaN