チュートリアル: ログインとログアウトを要求する Web パフォーマンス テストの作成

このチュートリアルでは、ログインとログアウトの処理を含む単純なアプリケーションを作成します。 このアプリケーションはショッピング アプリケーションをシミュレートしますが、機能コードは含んでいません。 最後に、アプリケーションをテストする Web パフォーマンス テストを作成します。

このチュートリアルでは、次のタスクを行います。

  • 簡単な Web アプリケーションを作成します。

  • Web パフォーマンス テストを作成します。

  • 既存の Web パフォーマンス テストから新しい Web パフォーマンス テストを抽出します。

  • 既存の Web パフォーマンス テストから新しい Web パフォーマンス テストを作成します。

必須コンポーネント

このチュートリアルに必要な条件は次のとおりです。

  • Visual Studio 2010 Ultimate

Web アプリケーションの作成

Web アプリケーションを作成するには

  1. Visual Studio 2010 Ultimate の [ファイル] メニューの [ファイル] をクリックし、[プロジェクト] をクリックします。

    [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [インストールされたテンプレート] の下の、使用するプログラミング言語を展開して、[Web] をクリックします。

  3. Web プロジェクトの種類の一覧の [空の ASP.NET アプリケーション] をクリックします。

    注意

    このチュートリアルでは、最小限のコードを作成します。

  4. [名前] ボックスに「ShoppingWebApp」と入力します。

  5. [場所] ボックスで、Web アプリケーションを作成するフォルダーを指定します。

  6. [ソリューションのディレクトリを作成] チェック ボックスをオンにします。

  7. [OK] をクリックします。

  8. [プロジェクト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。

    [新しい項目の追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

  9. 項目の一覧で、[Web フォーム] をクリックします。

  10. [名前] ボックスに「Default.aspx」と入力し、[追加] をクリックします。

Web アプリケーションのホーム ページを作成するには

  1. ソリューション エクスプローラーで、Default.aspx を右クリックし、[ビュー デザイナー] をクリックします。

    空のページが表示されます。

  2. ツールボックスが表示されていない場合は、[表示] をクリックし、[ツールボックス] をクリックします。

  3. [標準] グループから、5 つのボタンをページにドラッグします。 この手順は、次の表の説明に従って実行してください。

    注意

    各ボタンをダブルクリックしてボタン クリック イベントを開き、コードを追加します。

    コントロール

    Text プロパティ

    ボタン クリック コード

    Button1

    Go to Log In

    Response.Redirect("Login.aspx");

    Button2

    Product 1

    Response.Redirect("Product1.aspx");

    Button3

    Product 2

    Response.Redirect("Product2.aspx");

    Button4

    Shopping Cart

    Response.Redirect("Cart.aspx");

    Button5

    Go to Log Out

    Response.Redirect("Logout.aspx");
  4. [ファイル] メニューの [すべてを保存] をクリックします。

Web アプリケーションにページを追加するには

  1. [Web サイト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。

  2. [新しい項目の追加] ダイアログ ボックスで、[Web フォーム] テンプレートをクリックし、Login.aspx という名前を付けて、[追加] をクリックします。

  3. ドキュメント ウィンドウの下部にある [デザイン] タブをクリックして、デザイン ビューに切り替えます。

  4. ボタンをページ上にドラッグします。

  5. テキスト ボックスをページ上にドラッグします。

  6. 手順 1. ~ 4. を 4 回繰り返します。 この手順は、次の表の説明に従って実行してください。

    Web ページ

    コントロール

    Text プロパティ

    ボタン クリック コード

    Login.aspx

    TextBox1

    -

    -

    Login.aspx

    Button1

    Log In

    Response.Redirect("Default.aspx");

    Product1.aspx

    Button1

    Add to Cart

    Response.Redirect("Default.aspx");

    Product2.aspx

    Button1

    Add to Cart

    Response.Redirect("Default.aspx");

    Cart.aspx

    Button1

    Buy

    Response.Redirect("Default.aspx");

    Logout.aspx

    Button1

    Log Out

    Response.Redirect("Default.aspx");

    注意

    この Web アプリケーションには実際の機能はありません。 各ページを送信すると、ホーム ページに戻ります。 このチュートリアルでは、この機能だけで十分です。

  7. [ファイル] メニューの [すべてを保存] をクリックします。

Web アプリケーションを手動でテストするには

  1. ソリューション エクスプローラーで、Default.aspx を右クリックし、[スタート ページに設定] をクリックします。

  2. Ctrl キーを押しながら F5 キーを押して、ブラウザーで Web アプリケーションを実行します。 ホーム ページ Default.aspx が表示されます。

    注意

    この操作により、Web パフォーマンス テストの対象となる Web アプリケーションを実行する ASP.NET 開発サーバーが起動します。 ASP.NET 開発サーバーのアイコンが、タスク バーの右隅の通知領域に表示されます。

  3. Web アプリケーションのアドレスをクリップボードまたはメモ帳ファイルにコピーします。 このアドレスはチュートリアルの後半で必要になります。 たとえば、アドレスは "https://localhost:<PortNumber>/ShoppingWebApp/Default.aspx" のようになります。

  4. [Go to Log In] をクリックします。 ページ Login.aspx が開きます。

  5. テキスト ボックスに自分の名前を入力し、[Log In] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  6. [Product 1] をクリックします。 ページ Product1.aspx が開きます。

  7. [Add to Cart] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  8. [Product 2] をクリックします。 ページ Product2.aspx が開きます。

  9. [Add to Cart] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  10. [Shopping Cart] をクリックします。 ページ Cart.aspx が開きます。

  11. [Buy] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  12. [Go to Log Out] をクリックします。 ページ Logout.aspx が開きます。

  13. [Log Out] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  14. Web ブラウザーを閉じます。

Web パフォーマンス テストの作成

これで、このアプリケーションをテストする Web パフォーマンス テストを作成する準備ができました。

Web パフォーマンス テスト アプリケーションを作成するには

  1. Visual Studio 2010 Ultimate の新しいインスタンスで、[ファイル] メニューの [新規] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。

    [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [インストールされたテンプレート] で、必要に応じて [Visual Basic] または [Visual C#] を展開し、[テスト] ノードを選択します。

  3. テンプレートの一覧の [テスト プロジェクト] をクリックします。

  4. [プロジェクト名] ボックスに「ShoppingWebAppTest」と入力します。

  5. [場所] ボックスに、Web アプリケーションを保存したフォルダーの名前を入力します。 たとえば、「C:\WebSites\ShoppingWebApp」というフォルダー名を入力します。

  6. [OK] をクリックします。

    テスト プロジェクトが作成されます。

    注意

    既定で、Visual Studio によって、単体テスト ファイルとテスト作成に関する情報を含むテキスト ファイルが追加されます。 これらのファイルは、このチュートリアルには必要ありません。 したがって、これらのファイルは削除してかまいません。 削除しなかったとしても、このチュートリアルには影響しません。

  7. [テスト] メニューの [新しいテスト] をクリックします。

    [新しいテストの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

  8. [新しいテストの追加] ダイアログ ボックスで、[Web パフォーマンス テスト] を選択し、テスト名を「WebTest1.webtest」と入力して、[OK] をクリックします。

    WebTest1.webtest という新しい Web パフォーマンス テスト ファイルがプロジェクトに追加され、Web パフォーマンス テスト レコーダーが Internet Explorer の新しいインスタンスに表示されます。

  9. ブラウザーのアドレス バーに、前の手順でコピーした Web アプリケーション アドレスを入力し、Enter キーを押します。

    注意

    Visual Studio は、記録した Web パフォーマンス テスト URL を Web パフォーマンス テスト レコーダーに順次表示します。

  10. [Go to Log In] をクリックします。 ページ Login.aspx が開きます。

  11. テキスト ボックスに自分の名前を入力し、[Log In] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  12. [Product 1] をクリックします。 ページ Product1.aspx が開きます。

  13. [Add to Cart] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  14. [Product 2] をクリックします。 ページ Product2.aspx が開きます。

  15. [Add to Cart] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  16. [Shopping Cart] をクリックします。 ページ Cart.aspx が開きます。

  17. [Buy] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  18. [Go to Log Out] をクリックします。 ページ Logout.aspx が開きます。

  19. [Log Out] をクリックします。 ホーム ページが開きます。

  20. Web パフォーマンス テスト レコーダー[停止] をクリックして、記録を停止します。

    Internet Explorer が閉じ、Web パフォーマンス テストが Web パフォーマンス テスト エディターに URL の一覧として表示されます。 記録を停止すると、テストを変更できます。

  21. [ファイル] メニューの [すべてを保存] をクリックします。

Web パフォーマンス テスト アプリケーションを実行するには

  1. Web パフォーマンス テスト エディターで、ツール バーの [テストの実行] をクリックします。

    テストの実行が開始され、テストに含まれる各要求が Web パフォーマンス テスト結果ビューアーに表示されます。 [テスト結果] ウィンドウにテスト全体の結果が表示されます。

  2. [テスト結果] ウィンドウで、テストが成功したことを確認します。

  3. Web パフォーマンス テスト結果ビューアーの一覧で要求をいくつか選択し、Web ブラウザーの下のペインに表示される結果を調べます。 テストが正しく実行されていることを確認します。

新しい Web パフォーマンス テストの抽出

既存の Web パフォーマンス テストから個別の要求を抽出することで、新しい Web パフォーマンス テストを作成できます。 詳細については、「方法: 新しい Web パフォーマンス テストを作成するために Web パフォーマンス テストから要求を抽出する」を参照してください。

既存の Web パフォーマンス テストから新しい Web パフォーマンス テストを抽出するには

  1. Web パフォーマンス テスト エディターで WebTest1 を開きます。

  2. 要求ツリーで WebTest1 を右クリックし、[Web テストの抽出] をクリックします。

    [Web テストの抽出] ダイアログ ボックスが表示されます。

  3. [Web テスト名] に「Login」と入力します。

  4. [Web テストの最初の項目を選択] ドロップダウンで最初の要求を選択します。 要求は次のようになります。

    https://localhost:<PortNumber>/ShoppingWebApp/Default.aspx

  5. [Web テストの最後の項目を選択] ボックスの 3 つ目の要求をクリックします。 要求は次のようになります。

    https://localhost:<PortNumber>/ShoppingWebApp/Login.aspx

  6. [OK] をクリックします。

    Login という名前の新しい Web パフォーマンス テストが作成されます。 Web パフォーマンス テスト エディターの要求ツリーで、抽出した個々の要求の代わりに Login が追加されます。 ソリューション エクスプローラーで、プロジェクト リストに Login.webtest が追加されます。

  7. 要求ツリーで WebTest1 を右クリックし、[Web テストの抽出] をクリックします。

    [Web テストの抽出] ダイアログ ボックスが表示されます。

  8. [Web テスト名] に「BrowseAndBuy」と入力します。

  9. [Web テストの最初の項目を選択] ドロップダウンで Login の後の最初の要求を選択します。 要求は次のようになります。

    https://localhost:<PortNumber>/ShoppingWebApp/Default.aspx

  10. [Web テストの最後の項目を選択] ドロップダウンで 6 つ目の要求を選択します。 要求は次のようになります。

    https://localhost:<PortNumber>/ShoppingWebApp/Cart.aspx

  11. [OK] をクリックします。

    BrowseAndBuy という名前の新しい Web パフォーマンス テストが作成されます。 Web パフォーマンス テスト エディターの要求ツリーに、抽出した個々の要求の代わりとして BrowseAndBuy が追加されます。 ソリューション エクスプローラーで、プロジェクト リストに BrowseAndBuy.webtest が追加されます。

  12. 要求ツリーで WebTest1 を右クリックし、[Web テストの抽出] をクリックします。

    [Web テストの抽出] ダイアログ ボックスが表示されます。

  13. [Web テスト名] に「Logout」と入力します。

  14. [Web テストの最初の項目を選択] ドロップダウンで BrowseAndBuy の後の最初の要求を選択します。 要求は次のようになります。

    https://localhost:<PortNumber>/ShoppingWebApp/Default.aspx

  15. [Web テストの最後の項目を選択] ドロップダウンで最後の要求を選択します。 要求は次のようになります。

    https://localhost:<PortNumber>/ShoppingWebApp/Logout.aspx

  16. [OK] をクリックします。

    Logout という名前の新しい Web パフォーマンス テストが作成されます。 Web パフォーマンス テスト エディターの要求ツリーで、抽出した個々の要求の代わりに Logout が追加されます。 ソリューション エクスプローラーで、プロジェクト リストに Logout.webtest が追加されます。

  17. Web パフォーマンス テスト要求ツリーに要求が残っていないことを確認します。 つまり、WebTest1 は完全に他の Web パフォーマンス テストの呼び出しで構成されています。

  18. [ファイル] メニューの [すべてを保存] をクリックします。

Web パフォーマンス テスト アプリケーションを実行するには

  1. Web パフォーマンス テスト エディターで、ツール バーの [テストの実行] をクリックします。

    テストの実行が開始され、テストに含まれる各要求が Web パフォーマンス テスト結果ビューアーに表示されます。 [テスト結果] ウィンドウにテスト全体の結果が表示されます。

  2. [テスト結果] ウィンドウで、テストが成功したことを確認します。

  3. Web パフォーマンス テスト結果ビューアーの一覧で要求をいくつか選択し、Web ブラウザーの下のペインに表示される結果を調べます。 テストが正しく実行されていることを確認します。

    注意

    Web パフォーマンス テスト結果ビューアーのツリーには、WebTest1.Login、WebTest1.BrowseAndBuy、WebTest1.Logout という 3 つの折りたたみ可能なノードが表示されています。 これにより、テストの各部をより簡単に検証できます。

新しい Web パフォーマンス テストの作成

既存の Web パフォーマンス テストを組み合わせることにより、新しい Web パフォーマンス テストを作成できます。 詳細については、「方法: Web パフォーマンス テストに別の Web パフォーマンス テストへの呼び出しを挿入する」を参照してください。

既存の Web パフォーマンス テストから新しい Web パフォーマンス テストを作成するには

  1. [テスト] メニューの [新しいテスト] をクリックします。

    [新しいテストの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [新しいテストの追加] ダイアログ ボックスで、[Web パフォーマンス テスト] を選択し、テスト名を「AllTest.webtest」と入力して、[OK] をクリックします。

    AllTest.webtest という新しい Web パフォーマンス テスト ファイルがプロジェクトに追加され、Web パフォーマンス テスト レコーダーが Internet Explorer の新しいインスタンスに表示されます。

  3. Web パフォーマンス テスト レコーダー[停止] をクリックして、参照せずに記録を停止します。

    Internet Explorer が閉じ、Web パフォーマンス テスト エディターに Web パフォーマンス テストが表示されます。 参照しなかったため、このテストは空です。

  4. 要求ツリーで AllTest を右クリックし、[Web テストの呼び出しの追加] をクリックします。

    [テストの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。

  5. Login をクリックし、[OK] をクリックします。 要求ツリーに Login Web パフォーマンス テストが追加されます。

  6. 要求ツリーで AllTest を右クリックし、[Web テストの呼び出しの追加] をクリックします。

    [テストの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。

  7. BrowseAndBuy をクリックし、[OK] をクリックします。 要求ツリーに BrowseAndBuy Web パフォーマンス テストが追加されます。

  8. 要求ツリーで AllTest を右クリックし、[Web テストの呼び出しの追加] をクリックします。

    [テストの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。

  9. Logout をクリックし、[OK] をクリックします。 要求ツリーに Logout Web パフォーマンス テストが追加されます。

  10. [ファイル] メニューの [すべてを保存] をクリックします。

Web パフォーマンス テスト アプリケーションを実行するには

  1. Web パフォーマンス テスト エディターで、ツール バーの [テストの実行] をクリックします。

    テストの実行が開始され、テストに含まれる各要求が Web パフォーマンス テスト結果ビューアーに表示されます。 [テスト結果] ウィンドウにテスト全体の結果が表示されます。

  2. [テスト結果] ウィンドウで、テストが成功したことを確認します。

  3. Web パフォーマンス テスト結果ビューアーの一覧で要求をいくつか選択し、Web ブラウザーの下のペインに表示される結果を調べます。 テストが正しく実行されていることを確認します。

次の手順

Web パフォーマンス テストを作成できたので、それをロード テストに追加できます。 仮想ユーザーごとにログインとログアウトのステップを 1 回のみ実行し、仮想ユーザーごとに BrowseAndBuy ステップを複数回テストするロード テストを作成できます。

参照

処理手順

方法: Web パフォーマンス テスト レコーダーを使用して新しい Web パフォーマンス テストを作成する

方法: Web パフォーマンス テスト エディターを使用して既存の Web パフォーマンス テストを編集する

概念

Web パフォーマンス テストの実行

その他の技術情報

Web パフォーマンス テストのチュートリアル