デザイン時属性
WPF Designer for Visual Studio を使用して、WPF アプリケーションまたは Silverlight アプリケーションをビルドするとき、場合によっては、デザイン ビューが正しく動作するように情報を提供する必要があります。 このような情報を指定するには、デザイン時属性を使用します。たとえば、デザイン時属性を使用すると、指定した値でルート ウィンドウのサイズを変更し、実行時のコンテンツ ドリブン サイズ変更を維持しながら、レイアウト デザインを収めることができます。 デザイン時属性は、コンパイル時には無視され、実行時に影響しません。
デザイン時属性
WPF デザイナー には、次のデザイン時属性があります。
デザイン時属性 |
説明 |
使用例 |
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d:DesignHeight |
実行時の高さとは別に、デザイン時のルート要素の高さを指定します。 ルート サイズ タグ () をクリックすると、自動的に追加されます。 |
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d:DesignWidth |
実行時の幅とは別に、デザイン時のルート要素の幅を指定します。 ルート サイズ タグ () をクリックすると、自動的に追加されます。 |
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d:DataContext |
コントロールとその子のデザイン時データ コンテキストを指定します。 一般的なパターンは、XAML ビューでコントロール バインディングを宣言し、実行時にバインディングの設定に使用する DataContext を設定します。 このパターンを使用すると、デザイナーで型のシェイプが認識されるように d:DataContext を設定できます。 これにより、データ バインディング ビルダーを使用してデザイナー ビューでバインディングを作成できます。 詳細については、「チュートリアル: WPF デザイナーによるデータ バインディングの作成」を参照してください。 |
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d:DesignInstance |
d:DataContext 宣言または d:DesignSource 宣言の一部として使用されます。 デザイナーでコントロールにバインドするために、データ ソースとして使用できる型を指定します。 この型は、XAML で作成可能にする必要はありません。 詳細については、「チュートリアル: デザイナーでの DesignInstance によるデータへのバインド」を参照してください。 |
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d:DesignData |
d:DataContext 宣言または d:DesignSource 宣言の一部として使用されます。 デザイン時に使用するために、サンプル データが含まれている XAML ファイルを指定します。 DesignData または DesignDataWithDesignTimeCreatableTypes のビルド アクションを使用して、サンプル データとプロジェクトを統合します。 読み取り専用プロパティには、値を割り当てることができます。 詳細については、「チュートリアル: WPF デザイナーでのサンプル データの使用」を参照してください。 |
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d:DesignSource |
CollectionViewSource のデザイン時のデータ ソースを指定します。 これにより、デザイナーで型のシェイプが認識されます。 これにより、データ バインディング ビルダーを使用してデザイナー ビューでバインディングを作成できます。 |
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d:IsDesignTimeCreatable |
d:DesignInstance マークアップ拡張機能で、デザイナーによって生成された代替型ではなく、独自の型からデザイン インスタンスを作成することを指定します。 |
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d:CreateList |
d:DesignInstance マークアップ拡張機能で、デザイン インスタンスが指定した型のリストであることを指定します。 |
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d:Type |
d:DesignInstance マークアップ拡張機能で、作成する型を指定します。 インスタンス、独自の型、またはデザイナーによって生成される代替型を作成するかどうかを指定するには、d:IsDesignTimeCreatable を使用します。 |
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デザイン時属性へのアクセス
https://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008 名前空間を介して、デザイン時属性にアクセスします。 デザイン ビューで、MainWindow 右下隅にあるルート サイズ タグ () をクリックすると、その名前空間が自動的にマップされます。
ビルド アクション
d:DesignData を有効にするには、サンプル データが含まれている XAML ファイルでビルド アクションを設定します。 次の表は、ビルド アクションについての説明です。 詳細については、「チュートリアル: WPF デザイナーでのサンプル データの使用」を参照してください。
ビルド アクション |
説明 |
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DesignData |
サンプル データの型が作成できない場合、またはサンプル データの値を定義する必要があるプロパティが読み取り専用の場合は、このビルド アクションを使用します。 WPF および Silverlight デザイナーによって、ビジネス オブジェクト型と同じプロパティ持つ代替型が作成されます。 型は、作成可能にする必要はありません。 これにより、ファクトリ メソッド、抽象型、およびデータベース接続が複雑になる事態が回避されます。 読み取り専用プロパティには、値を割り当てることができます。 |
DesignDataWithDesignTimeCreatableTypes |
既定の空のコンストラクターを使用してサンプル データの型を作成できる場合は、このビルド アクションを使用します。 WPF および Silverlight デザイナーによって、サンプル データ ファイルで定義されている型のインスタンスが作成されます。 型は、XAML で作成可能にする必要があります。 |
参照
処理手順
チュートリアル: WPF デザイナーによるデータ バインディングの作成
チュートリアル: デザイナーでの DesignInstance によるデータへのバインド