オブジェクト ブラウザー

オブジェクト ブラウザーを使用すると、プロジェクトで使用できるシンボルを調べることができます。 オブジェクト ブラウザーは、[表示] メニューから開くか、メイン ツール バーの [オブジェクト ブラウザー] をクリックして開きます。

オブジェクト ブラウザーには、左側にオブジェクト ペイン、右上にメンバー ペイン、右下に説明ペインという 3 つのペインがあります。 オブジェクト ブラウザーのサイズを変更して 1 列にした場合には、オブジェクト ペインが上になり、メンバー ペインが中央に、説明ペインが下に表示されます。

オブジェクト ペインには、.NET Framework コンポーネントと COM コンポーネント、名前空間、タイプ ライブラリ、インターフェイス、列挙体、クラスなどの階層構造体がアイコンで示されます。 これらの構造体を展開すると、構造体のメンバーを順に並べた一覧が表示されます。 プロパティ、メソッド、イベント、変数、定数、およびその他の含まれているアイテムが、メンバー ペインに表示されます。 オブジェクト ペインまたはメンバー ペインで選択したアイテムについての詳細が、説明ペインに表示されます。

[参照スコープ] ドロップダウン リストを使用すると、コンピューターにインストールされている .NET Framework バージョンを指定できます。 参照スコープは、開発中のプロジェクトおよびプロジェクトで参照しているコンポーネントに絞り込むこともできます。または、.NET Framework のすべて、使用しているコンピューターにインストールされているすべての COM コンポーネント、およびアクセスできるすべての外部コンポーネントを含めるよう拡大することもできます。 また、参照するカスタム セットのフォルダーを指定することもできます。 詳細については、「方法: オブジェクト ブラウザー内で参照スコープを変更する」を参照してください。

オブジェクト ブラウザーの使用方法の詳細については、「コードとコンポーネントの参照」を参照してください。 表示されるアイコンの説明については、「[クラス ビュー] ウィンドウとオブジェクト ブラウザーのアイコン」を参照してください。

このトピックは、以下のセクションで構成されています。

  • [オブジェクト ブラウザー] ツール バー

  • オブジェクト ペイン

  • メンバー ペイン

  • 説明ペイン

  • シンボルのヘルプ

[オブジェクト ブラウザー] ツール バー

[オブジェクト ブラウザー] ツール バーを使用すると、必要に応じて参照スコープの定義、オブジェクトの検索、オブジェクト ペインおよびメンバー ペイン内の移動、プロジェクトへの参照の追加、論理表示と物理表示の選択、表示するアイテムの選択、およびアイテムの並べ替えを行うことができます。

[参照] メニュー

オブジェクト ペインの参照スコープを指定します。 スコープは、絞り込んで現在のソリューションだけにするか、拡大して使用可能なすべてのコンポーネントを含めることができます。 どのスコープにおいても、[検索] を使用すると、使用可能なコンポーネントのサブセットを表示できます。 [カスタム コンポーネント セットの編集] をクリックして、[カスタム コンポーネント セット] 参照スコープを定義することもできます。

  • [すべてのコンポーネント]
    .NET Framework すべて、現在のソリューションと参照先コンポーネント、および [カスタム コンポーネント セットの編集] をクリックして追加したその他の各コンポーネント内のオブジェクトを表示します。

  • <Framework Versions>
    .NET Framework および .NET Compact Framework の特定のバージョンのオブジェクトを表示するように選択できます。 たとえば、.NET Framework 2.0 と .NET Framework 3.0 がコンピューターにインストールされている場合は、.NET Framework 3.0 だけを表示するように選択できます。 登録されているサードパーティ製のフレームワークも表示されることがあります。

  • [マイ ソリューション]
    現在のソリューションおよび参照先コンポーネント内のオブジェクトを表示します。

  • [カスタム コンポーネント セット]
    [カスタム コンポーネント セットの編集] をクリックして追加した各コンポーネント内のオブジェクトを表示します。

  • [カスタム コンポーネント セットの編集]
    [カスタム コンポーネント セットの編集] ダイアログ ボックスを表示します。 参照ボタン ([...]) をクリックして、このダイアログ ボックスを表示することもできます。 プロジェクト、プロジェクトで参照されているコンポーネント、および外部コンポーネントからオブジェクト階層を選択できます。

[検索] メニュー

[検索] メニューを使用すると、オブジェクト ペイン内のオブジェクトを検索できます。 前回使用した検索文字列を使用することも、新しい検索文字列を入力することもできます。 結果は、元の内容をフィルターしたサブリストとしてオブジェクト ペインに表示されます。 参照スコープ全体を再表示するには、[検索のクリア] をクリックします。 検索を実行すると、現在の参照スコープ内にあり、シンボル名のいずれかの部分が検索文字列に一致するすべてのシンボルの名前が返されます。 たとえば、文字列 "MyObject" を検索した場合、"MyObject"、"MyObjectTest"、および "CMyObject" という名前が返されます。 検索では、大文字と小文字が区別されます。

  • [オブジェクト ブラウザー 検索]
    ドロップダウン メニューから文字列を選択するか、新規検索文字列を入力できます。 シンボルの完全名を入力することも、多くのシンボルで使用される部分文字列を入力することもできます。

  • [検索]
    このボタンをクリックすると、[参照] スコープ内にあり、名前に [検索文字列] が含まれているオブジェクトが表示されます。 各シンボル名の一致した文字列が強調表示されます。

  • [検索のクリア]
    このボタンをクリックすると、[オブジェクト ブラウザー 検索] フィールドがクリアされ、[参照] スコープ内の使用可能なオブジェクトがすべて表示されます。

ツール バー ボタン

[オブジェクト ブラウザー] ツール バー ボタンを使用すると、オブジェクト ペインおよびメンバー ペイン内を移動でき、プロジェクトに参照を追加できます。

  • [戻る]
    以前に選択したアイテムに移動します。 このボタンをクリックし続けると、前に選択したアイテムを順にたどって、最初に参照したアイテムまで移動できます。 [戻る] ボタンおよび [次に進む] ボタンは、前に参照したアイテムの履歴リスト内を移動するために使用します。

  • [次に進む]
    [戻る] をクリックすると、使用できるようになります。 選択した次のアイテムに移動します。 このボタンをクリックし続けると、最後に選択したアイテムにまで戻ります。 [戻る] ボタンおよび [次に進む] ボタンは、前に参照したアイテムの履歴リスト内を移動するために使用します。

  • [選択されたプロジェクトに参照を追加]
    選択したコンポーネントへの参照を、ソリューション エクスプローラーで現在選択されているプロジェクトに追加します。 詳細については、「方法: Visual Studio で参照を追加または削除する」を参照してください。

[オブジェクト ブラウザー 設定]

[オブジェクト ブラウザー] ツール バーの [オブジェクト ブラウザー 設定] メニューを使用すると、現在の [参照] スコープ内のオブジェクト用の特定のビューを選択したり、使用可能なオブジェクトの中でどれを表示するのかを指定したりできます。 使用できる選択肢を次の一覧に示します。 これらのコマンドの一部は、オブジェクト ペインおよびメンバー ペインのショートカット メニューからも実行できます。

  • [名前空間表示]
    選択すると、オブジェクト ペインのトップレベルのアイテムは、論理名前空間になります。 複数の物理コンテナーに格納されている名前空間がマージされます。 これらを展開すると、含まれているクラス型が表示されます。

  • [コンテナー表示]
    選択すると、オブジェクト ペインの最上位アイテムとして物理コンテナーが表示されます。たとえば、コンポーネント、アセンブリ、ソース ブラウザー (.bsc) ファイル、出力タイプライブラリ (.tlb) などです。 これらを展開すると、含まれている名前空間が表示されます。

  • [基本型の表示]
    オブジェクト ペインでの基本型の表示/非表示を切り替えます。

  • [派生型の表示]
    オブジェクト ペインでの派生型の表示/非表示を切り替えます。 Visual C++ プロジェクトおよび .NET Framework でのみ使用できます。

  • [非表示の型とメンバーの表示]
    オブジェクト ペインでの隠し型の表示/非表示およびメンバー ペインでの隠しメンバーの表示/非表示を切り替えます。

  • [パブリック メンバーの表示]
    クラスを使用するユーザーに対して、パブリックなメンバーが表示されます。

  • [プロテクト メンバーの表示]
    クラスを拡張するユーザーに対して、パブリック メンバーやプロテクト メンバーが表示されます。

  • [プライベート メンバーの表示]
    クラスを実装または使用するユーザーに対して、全アクセシビリティ レベルのメンバーが表示されます。

  • [他のメンバーの表示]
    パブリック、プロテクト、プライベート、継承のいずれのカテゴリにも分類されないメンバーが表示されます。 次に例を示します。

    次の Visual Basic コードでは、"Friend" がこのカテゴリに入ります。

    Friend Sub Test()
    End Sub
    

    次の Visual C# コードでは、"internal" がこのカテゴリに入ります。

    internal void InternalF() { }
    
  • [継承メンバーの表示]
    メンバー ペインでの継承メンバーの表示/非表示を切り替えます。

  • [拡張メンバーの表示]
    メンバー ペインでの拡張メソッドの表示/非表示を切り替えます。 詳細については、「拡張メソッド (C# プログラミング ガイド)」および「拡張メソッド (Visual Basic)」を参照してください。

オブジェクト ペイン

オブジェクト ペインには、シンボルが展開可能なリスト形式で表示されます。トップレベル ノードは、現在の参照スコープで使用できるコンポーネントまたは名前空間を表します。 これらのトップレベル ノードには通常、他のシンボルを格納するシンボルが格納されています。 一覧で選択したノードを展開するには、ノードの正符号 (+) をクリックするか、キーパッドのプラス キー (+) を押します。

オブジェクト ペインでアイテムを 1 つ選択すると、アイテムのメンバーがメンバー ペインに表示され、アイテムの詳細が説明ペインに表示されます。 ノードを展開すると、シンボルについての追加の情報が表示されます。 コンポーネントを展開した場合には、コンポーネントの名前空間が一覧表示されます。 名前空間を展開すると、その中で定義されているクラスが一覧表示されます。 基本クラス、実装されているインターフェイス、拡張メソッド、および使用できるオーバーライドも表示されます。

入れ子になったオブジェクトは、平坦化して同じレベルで表示されます。 たとえば、親クラス CMyClass の中にサブクラス CNestedClass がある場合、これらのクラスはその名前空間内に兄弟として表示されます。 それらの [オブジェクト ブラウザー] ノードは、CMyClass というラベルを付けられます。さらに、Visual C++ では CMyClass::CnestedClass というラベルを付けられ、Visual C# および Visual Basic では CMyClass.CnestedClass というラベルを付けられます。これらのラベルは、前のクラスが後ろのクラスを包括することを示します。

オブジェクト ペインのショートカット メニュー

シンボルを右クリックすると、オブジェクト ペインのショートカット メニューが表示されます。 前述の [オブジェクト ブラウザー 設定] コマンドに加え、以下のコマンドのうち 1 つまたは複数のコマンドが、選択したシンボルに基づいてこのメニューに表示されます。

  • [定義の参照]
    オブジェクト ブラウザーで選択したシンボルのプライマリ ノード (通常はトップレベル) が表示されます。

  • [すべての参照の検索]
    [シンボルの検索] ([検索と置換] ウィンドウ) で指定されたオプションを使用して、現在選択されているオブジェクト シンボルの検索を実行します。 [シンボルの検索結果] ウィンドウに結果が表示されます。

  • [型のフィルター]
    選択した型のみがオブジェクト ペインに表示され、その型のメンバーがメンバー ペインに表示されます。

  • コピー
    デザイナー内に貼り付けることができるようにシンボル参照がコピーされます。また、選択したアイテムの完全パスと名前がクリップボードにコピーされます。

  • [削除]
    [選択されたコンポーネント] ダイアログ ボックスを使用して、外部コンポーネントを現在の参照スコープから削除できます。

  • [名前空間表示]
    選択すると、オブジェクト ペインのトップレベルのアイテムは論理名前空間になります。 複数の物理コンテナーに格納されている名前空間がマージされます。 これらを展開すると、含まれているクラス型が表示されます。

  • [コンテナー表示]
    選択すると、オブジェクト ペインの最上位アイテムとして物理コンテナーが表示されます。たとえば、プロジェクト、コンポーネント、アセンブリ、ソース ブラウザー (.bsc) ファイル、出力タイプライブラリ (.tlb) などです。 これらは展開でき、含まれている名前空間が表示されます。

  • [アルファベット順に並べ替え]
    名前のアルファベットの昇順 (A ~ Z) でオブジェクトが一覧表示されます。

  • [オブジェクトの型で並べ替え]
    種類の順にオブジェクトが一覧表示されます。たとえば、基本クラス、派生クラス、インターフェイス、メソッドという順序で表示されます。

  • [オブジェクトのアクセスで並べ替え]
    パブリックやプライベートなど、アクセスの種類の順にオブジェクトが一覧表示されます。

  • [オブジェクトの型でグループ化]
    オブジェクトは、クラス、インターフェイス、プロパティ、メソッドなどの種類でまとめて並べられます。

  • [宣言へ移動]
    コード内にシンボルがある場合は、その宣言が表示されます。 Visual C++ プロジェクトでのみ使用できます。

  • [定義へ移動]
    コード内にシンボルがある場合は、その定義が表示されます。

  • [参照へジャンプ]
    コード内にシンボルへの参照がある場合は、その参照が表示されます。

メンバー ペイン

各オブジェクトには、プロパティ、メソッド、イベント、定数、変数、列挙値などのメンバーを格納できます。 オブジェクト ペインでオブジェクトを選択すると、そのメンバーがメンバー ペインに表示されます。 メンバー ペインで選択したアイテムについての詳細が、説明ペインに表示されます。

メンバー ペインのショートカット メニュー

メンバー ペインで任意のメンバーを右クリックすると、このショートカット メニューが表示されます。 このメニューでは、親オブジェクトとは独立して、メンバーを検索、並べ替え、およびコピーできます。 このショートカット メニューには、表示するメンバーを指定できるコマンドもあります。たとえば、隠しメンバーや継承されたメンバーを表示するかどうかを指定できます。

  • [すべての参照の検索]
    [シンボルの検索] ([検索と置換] ウィンドウ) で指定されたオプションを使用して、現在選択されているメンバーの検索を実行します。 [シンボルの検索結果] ウィンドウに結果が表示されます。

  • コピー
    デザイナー内に貼り付けることができるようにシンボル参照がコピーされます。また、選択したアイテムの完全パスと名前がクリップボードにコピーされます。

  • [メンバーの型でグループ化]
    種類別にメンバーが整理されます。

  • [パブリック メンバーの表示]
    クラスを使用するユーザーに対して、パブリックなメンバーが表示されます。

  • [プロテクト メンバーの表示]
    クラスを拡張するユーザーに対して、パブリック メンバーやプロテクト メンバーが表示されます。

  • [プライベート メンバーの表示]
    クラスを実装または使用するユーザーに対して、全アクセシビリティ レベルのメンバーが表示されます。

  • [他のメンバーの表示]
    パブリック、プロテクト、プライベート、継承のいずれのカテゴリにも分類されないメンバーが表示されます。 次に例を示します。

    次の Visual Basic コードでは、"Friend" がこのカテゴリに入ります。

    Friend Sub Procedure()
    End Sub
    

    次の Visual C# コードでは、"internal" がこのカテゴリに入ります。

    internal void InternalF() { }
    
  • [継承メンバーの表示]
    メンバー ペインでの継承メンバーの表示/非表示を切り替えます。

  • [アルファベット順に並べ替え]
    メンバーが名前のアルファベットの昇順 (A ~ Z) で一覧表示されます。

  • [メンバーの型で並べ替え]
    メンバーが、ベースの次にインターフェイス、その次にメソッドという形式で、その種類の順に一覧表示されます。

  • [メンバーのアクセスで並べ替え]
    メンバーがアクセスの種類 (パブリック、プライベートなど) の順に一覧表示されます。

説明ペイン

説明ペインには、現在選択しているオブジェクトまたはメンバーについての詳細情報が表示されます。 データは、説明ペインからクリップボードにコピーし、コード エディターに貼り付けることができます。 表示される情報は選択内容によって異なり、次のものが含まれる可能性があります。

  • 名前と親オブジェクト

  • プロパティと属性

  • アクティブなプロジェクトのプログラム言語での構文

  • 関連オブジェクトおよびメンバーへのリンク

  • 記述、コメント、およびヘルプ テキスト

  • オブジェクトまたはメンバーが含まれる .NET Framework のバージョン。

選択されたシンボルの種類によって、表示される情報が決まります。

[定義の参照]

[定義の参照] コマンドは、説明ペインのショートカット メニューで使用できます。オブジェクト ブラウザーでは、ノードの入れ子が深い場合に使用できます。 また、コード エディタークラス ビュー、および [シンボルの検索結果] ウィンドウのショートカット メニューでも、シンボルを選択した場合に使用できます。

シンボルがコード内で定義されている場合には、ソース ファイルがコード エディター内で開き、該当の定義までスクロールします。 シンボルが .NET Framework クラスまたは COM コンポーネントである場合、[定義へ移動] を実行すると、オブジェクト ペインでは該当のプライマリ ノードが選択され、メンバー ペインにはそのメンバーが一覧表示され、説明ペインにはそのシンボルの詳細が表示されます。

シンボルのヘルプ

シンボルで F1 キーを押すと、そのシンボルに関するヘルプ トピックがある場合は、そのヘルプが表示されます。 この機能は .NET Framework および COM コンポーネントだけでなく、サードパーティ製のコンポーネントにも適用されます。

参照

処理手順

方法 : オブジェクト ブラウザー内で移動する

方法 : オブジェクト、定義、および参照 (シンボル) を検索する

参照

クラス ビュー

クラスとそのメンバーの表示