Excel のドキュメントレベルのカスタマイズのプログラミングの概要

[アーティクル]
08/09/2011

ここでは、Visual Studio 2010 を使用して Microsoft Office Excel 用のドキュメントレベルのカスタマイズの作成を開始する場合に必要な事項について説明します。

対象: このトピックの情報は、Excel 2007 と Excel 2010 のドキュメントレベルのプロジェクトに適用されます。詳細については、「Office アプリケーションおよびプロジェクトタイプ別の使用可能な機能」を参照してください。

Excel 用のドキュメントレベルのカスタマイズが動作するしくみについて

Excel 用のドキュメントレベルのカスタマイズは単一のブックに基づいています。カスタマイズの使用を開始する場合、エンドユーザーはブックを開くか、Excel テンプレートからブックを作成します。セルへの入力やボタンまたはメニュー項目のクリックなど、ブック内で発生するイベントによって、アセンブリのイベント処理メソッドを呼び出すことができます。ブックを閉じると、カスタマイズで提供される機能は Excel で使用できなくなります。

詳細については、「ドキュメントレベルのカスタマイズのアーキテクチャ」を参照してください。

Excel 用のドキュメントレベルのプロジェクトの作成

Excel 用のドキュメントレベルのカスタマイズを作成するには、[新しいプロジェクト] ダイアログボックスで Excel ブックまたは Excel テンプレートのプロジェクトテンプレートを使用します。これらのテンプレートには必要なアセンブリ参照とプロジェクトファイルが含まれています。

Excel 用のドキュメントレベルのプロジェクトを作成する方法の詳細については、「方法: Visual Studio で Office プロジェクトを作成する」を参照してください。プロジェクトテンプレートの詳細については、「Office プロジェクトテンプレートの概要」を参照してください。

ホスト項目とホストコントロールによる Excel ブックのプログラミング

ホスト項目とホストコントロールは、Visual Studio 2010 で作成されたドキュメントレベルのカスタマイズのプログラミングモデルを提供するクラスです。

ホスト項目は、コードのエントリポイントを提供し、ホストコントロールおよび Windows フォームコントロールのコンテナーとしても使用できます。 Excel 用のドキュメントレベルのプロジェクトでは、これらのホスト項目は ThisWorkbook、Sheet1、Sheet2、および Sheet3 の各クラスによって表されます。

ホストコントロールは、リストオブジェクトや範囲などのネイティブな Excel オブジェクトに基づきますホストコントロールはネイティブな Excel オブジェクトと類似する機能を提供し、新しいイベント、デザイナーサポート、およびデータバインディング機能も備えています。プロジェクトコードおよび IntelliSense にファーストクラスオブジェクトとして現れるので、コードから特定のオブジェクトを簡単に直接参照できます。Excel オブジェクトモデル全体を探す必要はありません。

詳細については、次のトピックを参照してください。

Excel のユーザーインターフェイスのカスタマイズ

ほとんどの Microsoft Office ソリューションは、Office アプリケーションのユーザーインターフェイス (UI) を変更してユーザーがソリューションを操作できるようにします。ドキュメントレベルのカスタマイズを使用して Excel の UI を変更するには、さまざまな方法があります。たとえば、リボンにコントロールを追加したり操作ウィンドウを表示したりできるほか、ユーザーがワークシートに入力した文字列に反応するスマートタグを作成することもできます。詳細については、「Office UI のカスタマイズ」を参照してください。

注意

スマートタグは、Excel 2010 および Word 2010 では使用されていません。詳細については、「スマートタグの概要」を参照してください。

プロジェクトに関連付けられているブックは Visual Studio で直接開くこともできます。 Visual Studio でブックを開いた場合は、Excel ユーザーインターフェイスを使用してブックを変更できます。ブックをデザインサーフェイスとして使用する場合は、コントロールをワークシートにドラッグできます。詳細については、「Visual Studio 環境における Office プロジェクト」を参照してください。

データ連結の使用

ホストコントロールは、[データソース] ウィンドウのコントロール一覧にも表示されるので、一覧からドラッグできます。この方法でホストコントロールを追加すると、ホストコントロールはウィンドウで設定したデータソースに自動的にバインドされます。コードを記述せずに、データベース、Web サービス、およびビジネスオブジェクトのデータを表示できます。詳細については、「Office ソリューションでのコントロールへのデータのバインド」を参照してください。

次の手順

Excel 用のドキュメントレベルのカスタマイズを作成する方法については、「チュートリアル : 初めての Excel 用ドキュメントレベルのカスタマイズの作成」を参照してください。このチュートリアルでは、Visual Studio の Office 開発ツール、および Excel 用のドキュメントレベルのカスタマイズのプログラミングモデルを紹介します。

Excel プロジェクトの一般的なタスクを解説しているトピックの一覧については、「Office プログラミングの共通タスク」を参照してください。