チュートリアル : 単純なデータアプリケーションの作成

[アーティクル]
08/09/2011

アプリケーション開発で最も一般的なシナリオの 1 つは、データベースのデータを Windows フォームに表示することです。 [データソース] ウィンドウから Windows アプリケーションのフォームに項目をドラッグすることで、フォームにデータを表示できます。このチュートリアルでは、1 つのデータベース内の関連する 2 つのテーブルのデータを表示するアプリケーションを作成する方法を示します。

WPF を使用してデータアプリケーションを作成する方法については、「Visual Studio でのデータへの WPF コントロールのバインド」を参照してください。

Silverlight を使用してデータアプリケーションを作成する方法については、「Visual Studio でのデータへの Silverlight コントロールのバインド」を参照してください。

このチュートリアルでは、次の作業について説明します。

Windows ベースアプリケーションを作成します。
データソース構成ウィザードを使用して、Northwind データベースの Customers テーブルと Orders テーブルに基づいてアプリケーションにデータセットを作成して設定します。
Customers テーブルのデータを表示するコントロールを追加します。
選択した顧客に基づいて注文を表示するコントロールを追加します。
さまざまな顧客を選択し、その顧客に対して正しい注文が表示されるかどうかを確認して、アプリケーションをテストします。
データを変更し、データベースに戻して保存します。

ビデオへのリンクこのトピックのビデオ版については、「Video How to: Creating a Simple Data Application (ビデオデモ: 単純なデータアプリケーションの作成)」を参照してください。

必須コンポーネント

このチュートリアルを実行するには、次のコンポーネントが必要です。

Northwind サンプルデータベースにアクセスします。詳細については、「方法 : サンプルデータベースをインストールする」を参照してください。

プロジェクトの作成

最初に Windows ベースアプリケーションを作成します。

注意

次の手順で参照している Visual Studio ユーザーインターフェイス要素の一部は、お使いのコンピューターでは名前や場所が異なる場合があります。これらの要素は、使用する Visual Studio のエディションとその設定によって決まります。詳細については、「設定の操作」を参照してください。

プロジェクトを作成するには

[ファイル] メニューで新しいプロジェクトを作成します。
[Windows アプリケーション] をクリックし、「DataWalkthrough」という名前を付けます。詳細については、「Windows ベースのアプリケーションの作成」を参照してください。
[OK] をクリックします。

DataWalkthrough プロジェクトが作成され、ソリューションエクスプローラーに追加されます。

データソースの作成

この手順では、データソース構成ウィザードを使用し、Northwind サンプルデータベース内の Customers テーブルと Orders テーブルに基づいてデータセットを作成します。

データソースを作成するには

[データ] メニューの [データソースの表示] をクリックします。
[データソース] ウィンドウで、ツールバーの [新しいデータソースの追加] をクリックしてデータソース構成ウィザードを起動します。
[データソースの種類を選択] ページで、[データベース] をクリックし、[次へ] をクリックします。
[データ接続の選択] ページで、次のいずれかの操作を行います。
- Northwind サンプルデータベースへのデータ接続がドロップダウンリストに表示されている場合は選択します。
  
  または
- [新しい接続] を選択して [接続の追加] または [接続の変更] ダイアログボックスを表示します。詳細については、「[接続の追加] ダイアログボックスと [接続の変更] ダイアログボックス (一般)」を参照してください。
データベースにパスワードが必要な場合は、該当するオプションを選択して重要情報を含め、[次へ] をクリックします。
[アプリケーション構成ファイルへの接続文字列を保存] ページで、[次へ] をクリックします。
[データベースオブジェクトの選択] ページの [テーブル] ノードを展開します。
Customers テーブルと Orders テーブルを選択し、[完了] をクリックします。

プロジェクトに NorthwindDataSet が追加され、[データソース] ウィンドウに Customers テーブルと Orders テーブルが表示されます。

Customers テーブルのデータを表示するコントロールの作成

[データソース] ウィンドウから Windows フォームにアイテムをドラッグして、データバインドコントロールを作成します。

顧客データ (親レコード) を表示するコントロールを作成するには

[データソース] ウィンドウで [Customers] テーブルをクリックし、ドロップダウン矢印をクリックします。
Customer テーブルのコントロールリストの [詳細] をクリックします。
[データソース] ウィンドウから Form1 にメインの [Customers] ノードをドラッグします。

説明のラベルが付いたデータバインドコントロールがフォームに表示されます。コンポーネントトレイには、次のコンポーネントが表示されます。
- NorthwindDataSet。 Customers テーブルと Orders テーブルを含む型指定されたデータセットです。
- CustomersBindingSource。フォーム上のコントロールを NorthwindDataSet の Customers データテーブルにバインドする BindingSource です。
- CustomersBindingNavigator。 Customers テーブル内のレコードの走査に使用される BindingNavigator です。
- CustomersTableAdapter。データベースと NorthwindDataSet の間で通信を行う TableAdapter です。詳細については、「TableAdapter の概要」を参照してください。
- TableAdapterManager。データセット内のすべての TableAdapter コンポーネントの挿入、更新、および削除順序の制御に使用される TableAdapterManager コンポーネントです。詳細については、「TableAdapterManager の概要」を参照してください。

Orders テーブルのデータを表示するコントロールの作成

各顧客 (子レコード) の注文を表示するコントロールを作成するには

[データソース] ウィンドウで、[Customers] ノードを展開し、Customers テーブルの最後の列を選択します。この列は Fax 列の下の展開できる [Orders] ノードですが、これを Form1 の一番下にドラッグします。 Customers テーブルの階層構造において、このノードは特定の顧客に関連する注文を表します。これに対し、メインの Orders ノードは、特定の顧客の注文ではなく、Orders テーブル内の全レコードを表します。

フォームに DataGridView が追加され、新しい BindingSource コンポーネント (OrdersBindingSource) と TableAdapter (OrdersTableAdapter) がコンポーネントトレイに追加されます。

注意

[プロパティ] ウィンドウを開き、OrdersBindingSource コンポーネントを選択します。 DataSource プロパティと DataMember プロパティを調べ、関連データを表示するためのデータバインディングの設定を確認します。 Orders テーブルと異なり、DataSource は CustomersBindingSource (親テーブルの BindingSource) に設定されます。 DataMember プロパティは FK_Orders_Customers に設定されます。これは、複数のテーブルを関連付ける DataRelation オブジェクトの名前です。

アプリケーションのテスト

アプリケーションをテストするには

F5 キーを押します。
さまざまな顧客を選択し、フォーム上のグリッドに正しい注文が表示されることを確認します。
1 つ以上のレコードを変更します。
[データの保存] (ディスクアイコン) をクリックします。
変更がデータベースに保存されたことを確認します。

次の手順

アプリケーションの要件に応じて、マスター/詳細形式のフォームの作成後に、追加の操作を実行できます。このチュートリアルで行うことができる拡張には次のものがあります。

TableAdapter ウィザードによる、データをアプリケーションに読み込むクエリの編集。詳細については、「方法 : TableAdapter クエリを編集する」および「方法 : TableAdapter を編集する」を参照してください。
データベースに変更を送る前に、正しいデータが入力されていることを確認する検証の追加。詳細については、「データの検証」を参照してください。