sealed (C++ コンポーネント拡張)
sealed は、ref クラスの状況依存のキーワードで、仮想メンバーをオーバーライドできないこと、または型を基本型として使用できないことを示します。
[!メモ]
ISO C++11 標準言語には final キーワードがあり、これは Visual Studio でサポートされています。標準クラスでは final を使用し、ref クラスでは sealed を使用します。
All Runtimes
Syntax
ref class identifier sealed {...};
virtual return-type identifier() sealed {...};
Parameters
identifier
関数またはクラスの名前。return-type
関数によって返される型。
解説
最初の構文の例では、クラスがシールされています。2 番目の例では、仮想関数がシールされています。
sealed キーワードは、ネイティブ ターゲット、Windows ランタイム、および共通言語ランタイム (CLR) に有効です。詳細については、「Override Specifiers and Native Compilations (オーバーライド指定子とネイティブ コンパイル)」を参照してください。
コンパイル時に、__is_sealed (type) の型の特徴を使用して、型がシールされているかどうかを検出できます。詳細については、「型の特徴のコンパイラ サポート (C++ コンポーネント拡張)」を参照してください。
sealed は状況依存のキーワードです。詳細については、「状況依存のキーワード (C++ コンポーネント拡張)」を参照してください。
Windows ランタイム
「Ref classes and structs (ref クラスおよび構造体)」を参照してください。
要件
Compiler option: /ZW
共通言語ランタイム
(There are no remarks for this language feature that apply to only the common language runtime.)
要件
Compiler option: /clr
例
次のコード例は、仮想メンバーに対する sealed の効果を示しています。
// sealed_keyword.cpp
// compile with: /clr
interface struct I1 {
virtual void f();
virtual void g();
};
ref class X : I1 {
public:
virtual void f() {
System::Console::WriteLine("X::f override of I1::f");
}
virtual void g() sealed {
System::Console::WriteLine("X::f override of I1::g");
}
};
ref class Y : public X {
public:
virtual void f() override {
System::Console::WriteLine("Y::f override of I1::f");
}
/*
// the following override generates a compiler error
virtual void g() override {
System::Console::WriteLine("Y::g override of I1::g");
}
*/
};
int main() {
I1 ^ MyI = gcnew X;
MyI -> f();
MyI -> g();
I1 ^ MyI2 = gcnew Y;
MyI2 -> f();
}
出力
次のコード例は、シール済みのマークをクラスに付ける方法を示しています。
// sealed_keyword_2.cpp
// compile with: /clr
interface struct I1 {
virtual void f();
};
ref class X sealed : I1 {
public:
virtual void f() override {}
};
ref class Y : public X { // C3246 base class X is sealed
public:
virtual void f() override {}
};