ビルド構成について
ビルド構成では、複数のバージョンのソリューション プロパティおよびプロジェクト プロパティを保存できます。[標準] のツール バーの [ソリューション構成] の一覧を使用して、アクティブな構成をすばやくアクセスおよび変更できます。
既定では、Visual Studio で作成されたプロジェクトはデバッグが含まれ、構成を解放します。デバッグ構成はアプリケーションを自動的にデバッグするように構成されており、リリース構成は、アプリケーションの最終リリース用に構成されています。詳細については、「方法 : デバッグ構成とリリース構成を設定する」を参照してください。また、アプリケーションの必要に応じて、カスタムのソリューション構成とプロジェクト構成を作成および編集できます。詳細については、「方法 : 構成を作成および編集する」を参照してください。
Visual Studio では、ソリューション構成およびプロジェクト構成という 2 つのレベルのビルド構成を定義できます。
ソリューション構成
ソリューション構成によって、ソリューション内のプロジェクトをビルドする方法が指定されます。また、有効な場合は、そのプロジェクトを配置する方法も指定されます。新規のソリューション構成を定義するには、[アクティブ ソリューション構成] から [Configuration Manager Dialog Box] を選択し [新規作成] を開くに示します。
ソリューション構成のエントリには、プロジェクト名、構成設定、プラットフォーム設定、ビルド設定、および配置設定 (有効になっている場合) があります。選択されたソリューション構成とプラットフォーム設定の組み合わせによって、使用するプロジェクト構成が決まります。ソリューション構成の詳細については、「ビルド プラットフォームについて」を参照してください。
任意の数のソリューション構成を作成し、それぞれに一意の名前を指定できます。Visual Studio の統合開発環境 (IDE) では、以下の場合にソリューション構成が自動的に割り当てられます。
[新しいソリューション プラットフォームを作成する] を選択してプロジェクト プラットフォームを追加した場合。
[新しいソリューション プラットフォームを作成する] を選択してプロジェクト構成を追加した場合。
いずれか 1 つが新規である複数のプラットフォームに配置される新規プロジェクトを追加した場合。
ソリューション構成によって、一般的なプロジェクト コンテキスト情報も IDE に用意されます。たとえば、アクティブなソリューション構成で、プロジェクトがモバイル デバイス用にビルドされるように指定されている場合は、そのプロジェクトでの作業中にモバイル デバイス プロジェクトで使用できるプロジェクト アイテムだけが [ツールボックス] に表示されます。
プロジェクトの構成
プロジェクト構成およびプロジェクト プラット フォームは、プロジェクトのビルド時に使われるプロパティを指定するために同時に使用します。構成とプラットフォームの各組み合わせには、定義済みのプロジェクト プロパティが設定され、プロジェクトはそれらのプロパティを保存しておくことができます。プロジェクト プロパティは、プロジェクト デザイナーで編集できます。プロジェクト デザイナーの一部のペインには、現在のプロジェクト構成とプロジェクト プラットフォームの組み合わせを一覧表示するドロップダウン リストが用意されています。
必要に応じて、構成依存のプロパティを各プロジェクト構成に定義できます。たとえば、プロジェクト プロパティを使用すると、特定のビルドに含めるプロジェクト アイテム、作成する出力ファイル、出力ファイルを入れる場所、ビルドの最適化の方法などを決定できます。
それぞれのプロジェクト構成は、かなりの違いが生じる場合があります。たとえば、あるプロジェクト構成のプロパティでは、結果のバイナリが占める領域を最小限に抑えるように出力ファイルが最適化されます。もう 1 つのプロジェクトでは、実行可能ファイルが最高の速さで実行されるように最適化されることがあります。
プロジェクト構成はユーザー別には格納されず、チームで共有できるようにソリューション別に格納されます。プロジェクトの依存関係は構成に依存しませんが、アクティブなソリューション構成で指定されているプロジェクトだけがビルドされます。
ソリューション構成の変更
ソリューションをビルドする場合、Visual Studio によって、アクティブなソリューション構成が適用されます。このビルド構成によって、それぞれのプロジェクトに使用するプロジェクト構成が指定されます。標準ツール バーの [ソリューション構成] のドロップダウン リストまたは [構成マネージャー] のダイアログ ボックスからアクティブな構成を直接変更できます。
[!メモ]
標準ツール バーにソリューション構成がないとき、または [構成マネージャー] にアクセスできないときは、Visual Basic 開発者用の設定が適用されている場合があります。詳細については、「方法 : Visual Basic 開発者設定が適用されたビルド構成を管理する」を参照してください。
ビルドされるプロジェクト構成の IDE での割り当て方法
IDE では、既存のソリューション構成をコピーするのではなく新規のソリューション構成を作成する場合、以下の順序の選択基準に従ってプロジェクトを評価し、ビルドするプロジェクトの既定のプロジェクト構成を決定します。
新規ソリューション構成は、自分の名前と完全に一致する名前を持つプロジェクト構成をビルドします。構成名では大文字と小文字が区別されません。
完全に一致する名前がない場合は、新規ソリューション構成は、自分の名前の構成名と一致するプロジェクト構成をビルドします。この場合、プラットフォーム名が一致するかどうかは考慮されません。名前付け規則は <configuration name> <platform-name> です。
上の 2 つの条件を満たさない場合は、プロジェクトについて最初に示されている構成をビルドします。
IDE でのソリューション構成の割り当て方法
プロジェクト構成を作成し、[新しいソリューション構成を作成する] を選択すると、IDE では適切な名前を付けたソリューション構成を検索して、サポートする各プラットフォームでプロジェクトをビルドします。IDE で既存のソリューション構成名を変更したり、新規ソリューション構成を作成したりする場合があります。
IDE では、以下の選択基準に従ってソリューション構成の割り当て方法を決定します。
プロジェクト構成でプラットフォームが指定されていない場合、または単一のプラットフォームが指定されている場合は、新規プロジェクト構成名と同じ名前のソリューション構成が見つかるか、追加されます。この場合、この既定のソリューション構成名にはプラットフォーム名が含まれません。名前の形式は、<project configuration name> です。
プロジェクトで複数のプラットフォームがサポートされる場合は、プロジェクト構成ごとに 1 つのソリューション構成が見つかるか追加され、サポートされる各プラットフォームでプロジェクトがビルドされます。この場合、ソリューション構成名には、プロジェクト構成名とプラットフォーム名の両方が含まれます。名前の形式は、<project configuration name> <platform name> です。