圧縮移行ストアの状態を検証する

"PC のリフレッシュ" を伴う標準的な移行でファイルと設定を移行する場合、ユーザー状態は通常、中間ストアの圧縮フォルダーに格納されます。この圧縮フォルダーは、圧縮移行ストアとも呼ばれる単一のイメージ ファイルであり、次のものを含んでいます。

  • 移行されるすべてのファイル。

  • ユーザーの設定。

  • 移行ストア内のすべてのファイルのメタデータを含むカタログ ファイル。

LoadState コマンドを実行して、これらのファイルから移行先コンピューターにデータを読み込む場合、LoadState が移行ストアを開くには、有効なカタログ ファイルが必要です。/verify オプションを指定して UsmtUtils コマンドを実行すると、圧縮移行ストアに損傷がないかどうかや、破損したファイルまたはカタログが含まれているかどうかを確認できます。元のユーザー状態ファイルと設定を上書きする前に、移行ストアに対して /verify オプションを実行する必要があります。

/verify オプションを使うときに、どの種類の情報を UsmtUtils ログ ファイルにレポートするかを指定できます。それらのレポートの種類は、次のとおりです。

  • カタログ: カタログ ファイルだけの状態を表示します。

  • すべて: カタログ ファイルも含めて、すべてのファイルの状態を表示します。

  • 失敗のみ: 破損しているファイルだけを表示します。

このトピックの内容

以下のセクションでは、/verify オプションを指定して UsmtUtils コマンドを実行する方法と、UsmtUtils ログ ファイルに表示される情報を指定する方法を示します。

  • /verify オプションを指定する UsmtUtils の構文

  • 移行ストアに損傷がないことを検証するには

  • カタログ ファイルだけの状態を検証するには

  • すべてのファイルの状態を検証するには

  • ファイルの状態を検証し、破損しているファイルだけを返すには

/verify オプションを指定する UsmtUtils の構文

圧縮移行ストアの状態を検証するには、次の UsmtUtils 構文を使います。

cd /d<USMT パス>usmtutils /verify[:<レポートの種類>] <ファイル パス> [/l:<ログ ファイル>] [/decrypt [:<アルゴリズム ID>] {/key:<キー文字列> | /keyfile:<ファイル名>}]

プレースホルダーに指定する値は以下のとおりです。

  • <USMT パス> は、USMT のファイルとツールを保存した場所です。

  • <レポートの種類> には、レポートの対象をすべてのファイル、破損しているファイルのみ、カタログの状態のどれにするかを指定します。

  • <ファイル パス> は、圧縮移行ストアの場所です。

  • <ログ ファイル> には、ログ ファイルの場所と名前を指定します。

  • <アルゴリズム ID> は、ScanState コマンド ラインで移行ストアを作る際に使われた暗号化アルゴリズムです。

  • <キー文字列> は、移行ストアを暗号化する際に使われた暗号化キーです。

  • <ファイル名> には、暗号化キーを格納したテキスト ファイルの場所と名前を指定します。

移行ストアに損傷がないことを検証するには

移行ストアに損傷がないかどうかや、破損したファイルまたはカタログが含まれているかどうかを検証するには、次のように入力します。

usmtutils /verify D:\MyMigrationStore\store.mig

レポートの種類が指定されていないので、UsmtUtils は既定の要約レポートを表示します。

カタログ ファイルだけの状態を検証するには

カタログ ファイルが破損しているか、損傷がないかを検証するには、次のように入力します。

usmtutils /verify:catalog D:\MyMigrationStore\store.mig

すべてのファイルの状態を検証するには

圧縮移行ストア内に破損しているファイルがあるかどうかを検証し、ログ ファイルの名前と場所を指定するには、次のように入力します。

usmtutils /verify:all D:\MyMigrationStore\store.mig /decrypt /l:D:\UsmtUtilsLog.txt

この例では、すべてのファイルの状態を検証するだけでなく、ファイルの暗号化解除も行います。暗号化アルゴリズムが指定されていないので、UsmtUtils は既定の 3DES 暗号化アルゴリズムを使います。

ファイルの状態を検証し、破損しているファイルだけを返すには

この例では、ScanState 処理中に破損したファイルだけがログ ファイルに含まれます。カタログ ファイルが破損していれば、それも含まれます。

usmtutils /verify:failureonly D:\MyMigrationStore\USMT\store.mig /decrypt:AES_192 /keyfile:D:\encryptionKey.txt

この例では、暗号化アルゴリズムと、暗号化キーを含むファイルの場所を指定して、ファイルの暗号化解除も行います。

次の手順

/verify オプションによって、移行ストア内に破損しているファイルがあることがわかった場合、UsmtUtils ツールで /extract オプションを使って、破損しているストアからデータを回復できます。詳しくは、「圧縮された USMT 移行ストアからのファイルの抽出」をご覧ください。

関連項目

他のリソース

UsmtUtils の構文
リターン コード