例: 一部のファイル グループのみを復元する段階的な部分復元 (単純復旧モデル)

適用対象: SQL Server

このトピックは、読み取り専用のファイル グループを含む、単純復旧モデルの SQL Server データベースに関連しています。

段階的な部分復元シーケンスでは、プライマリ ファイル グループからすべての読み取り/書き込みセカンダリ ファイル グループの順に、ファイル グループレベルで段階的にデータベースが復元および復旧されます。

この例では、単純復旧モデルを使用する adbというデータベースに 3 つのファイル グループが含まれているとします。 ファイル グループ A は読み取り/書き込みが可能で、ファイル グループ B とファイル グループ C は読み取り専用です。 最初は、すべてのファイル グループがオンラインです。

データベース B のプライマリ ファイル グループとファイル グループ adb が破損しているようなので、データベース管理者は段階的な部分復元シーケンスを使用して、これらを復元することにしました。 単純復旧モデルでは、すべての読み取り/書き込みファイル グループは、同じ部分バックアップから復元する必要があります。 ファイル グループ A は破損していませんが、プライマリ ファイル グループと共に復元して一貫性を維持する必要があります (データベースは前回の部分バックアップの末尾で定義されている時点まで復元されます)。 ファイル グループ C も破損していませんが、復旧してオンラインにする必要があります。 ファイル グループ Bは破損していますが、ファイル グループ Cに比べて重要なデータが少ないため、最後に B を復元します。

復元シーケンス

Note

オンライン復元シーケンスでは、オフライン復元シーケンスと同じ構文を使用します。

  1. 部分バックアップからプライマリ ファイル グループとファイル グループ A を部分復元します。

    RESTORE DATABASE adb READ_WRITE_FILEGROUPS FROM partial_backup   
    WITH PARTIAL, RECOVERY  
    

    この時点では、プライマリ ファイル グループとファイル グループ A がオンラインです。 ファイル グループ BC のファイルは、復旧待ち状態なので、オフラインです。

  2. ファイル グループ Cをオンライン復旧します。

    上記で復元された部分バックアップはファイル グループ C が読み取り専用になった後で作成されているため、復元によりデータベースがある時点の状態に戻されていても、ファイル グループ C の一貫性は維持されます。 データベース管理者は、ファイル グループ Cを復元せずにそのままオンラインに復旧します。

    RESTORE DATABASE adb FILEGROUP='C' WITH RECOVERY  
    

    この時点で、プライマリ ファイル グループ、ファイル グループ A 、およびファイル グループ C はオンラインです。 ファイル グループ B のファイルは復旧が保留になったままで、ファイル グループはオフラインになっています。

  3. ファイル グループ をオンライン復元します。 B.

    ファイル グループ B のファイルは、復元する必要があります。 データベース管理者は、ファイル グループ B が読み取り専用になってから部分バックアップが作成されるまでの間に作成されたファイル グループ B のバックアップから、復元を行います。

    RESTORE DATABASE adb FILEGROUP='B' FROM backup   
    WITH RECOVERY  
    

    すべてのファイル グループがオンラインになります。

その他の例

参照

オンライン復元 (SQL Server)
BACKUP (Transact-SQL)
RESTORE (Transact-SQL)
段階的な部分復元 (SQL Server)