Azure Blob Storage を使った SQL Server のバックアップと復元

適用対象: SQL Server Azure SQL Managed Instance

Azure Blob へのバックアップの図。

この記事では、Microsoft Azure Blob Storage への SQL Server バックアップとそこからの復元について説明します。 また、Azure Blob Storage を使用して SQL Server バックアップを格納する利点の概要についても説明します。

SQL Server では、次の方法で Azure Blob Storage にバックアップを格納できます。

  • Microsoft Azure へのバックアップを管理する方法: DISK 及び TAPE にデータベースをバックアップする場合と同じ方法を使用して、バックアップ先として URL を指定することにより、Microsoft Azure ストレージにバックアップできます。 この機能を使用すると、手動でバックアップすることも、ローカル ストレージまたはその他のオフサイト オプションの場合と同じように独自のバックアップ方法を構成することもできます。 この機能は、 SQL Server Backup to URLとも呼ばれます。 詳細については、「 SQL Server Backup to URL」を参照してください。 この機能は SQL Server 2016 (13.x) で強化され、ブロック BLOB、Shared Access Signature、ストライピングを使用してパフォーマンスと機能が向上しました。 Shared Access Signature の詳細については、Shared Access Signature のパート 1: SAS モデルの把握に関するページを参照してください。 この機能は、SQL Server 2012 SP1 CU2 以降で使用できます。 SQL Server 2012 SP1 CU2 より前の SQL Server バージョンでは、Microsoft Azure への SQL Server バックアップ ツール アドインを使用して、Microsoft Azure Storage へのバックアップをすばやく簡単に作成できます。

  • Azure Blob Storage 内のデータベース ファイルのファイル スナップショット バックアップ: SQL Server ファイル スナップショット バックアップでは、Azure のスナップショットを利用することで、Azure Blob Storage を使って格納されているデータベース ファイルのバックアップと復元をほぼ即時に実行できます。 この機能を利用すると、バックアップと復元のポリシーを簡素化し、ポイントインタイム リストアをサポートできます。 詳細については、「 Azure でのデータベース ファイルのファイル スナップショット バックアップ」を参照してください。 この機能は、SQL Server 2016 以降で使用できます。

  • SQL Server で Microsoft Azure にバックアップする方法: SQL Server を構成することにより、単一データベースまたは複数データベースのバックアップ方法やスケジュールを管理することも、インスタンス レベルでの既定値を設定することもできます。 この機能を Microsoft Azure への SQL Server マネージド バックアップと呼びます。 詳細については、「 SQL Server Managed Backup to Microsoft Azure (Microsoft Azure への SQL Server マネージド バックアップ)」をご覧ください。 この機能は、SQL Server 2014 以降で使用できます。

SQL Server バックアップに Azure Blob Storage を使用する利点

  • 柔軟で信頼性が高く、制限のないオフサイト ストレージ: Azure Blob Storage へのバックアップの保存は、アクセスしやすく便利で柔軟なオフサイトのオプションです。 SQL Server のバックアップ用社外ストレージの作成は、既存のスクリプトやジョブを修正するのと同じくらい簡単です。 オフサイト ストレージは、通常、災害発生時にオフサイトと運用データベース両方の場所に影響しないように、運用データベースの場所から十分に離れた場所に設置する必要があります。 Blob Storage を地理的に離れた場所にレプリケートすることによって、地域全体に影響する可能性がある災害が発生した場合の保護レベルが強化されます。 また、バックアップは場所や時間を問わずに使用でき、簡単にアクセスして復元することが可能です。

    重要

    SQL Server 2016 (13.x) でブロック BLOB を使用すると、バックアップ セットをストライプし、最大 12.8 TB のバックアップ ファイル サイズに対応できます。

  • バックアップ アーカイブ: Azure Blob Storage では、バックアップ アーカイブによく利用されているテープに代わる、優れた手法が提供されます。 テープ ストレージでは、オフサイトの施設への物理的な輸送手段とメディアを保護する手段が必要になります。 Azure Blob Storage へのバックアップの保存では、可用性と持続性に優れた高速アーカイブが可能です。

  • ハードウェア管理のオーバーヘッドなし: Microsoft Azure サービスを使用したハードウェア管理にはオーバーヘッドが生じません。 Microsoft Azure サービスでは、ハードウェアが管理され、ハードウェア障害に対する冗長性と保護を目的として地理的に離れた場所へのレプリケーションが提供されます。

  • 現在、Microsoft Azure Virtual Machine で実行されている SQL Server のインスタンスでは、アタッチされたディスクを作成することで、Azure Blob Storage へのバックアップを実行できます。 ただし、Microsoft Azure 仮想マシンにアタッチできるディスク数には制限があります。 ディスク数の上限は、XL インスタンスでは 16 台、サイズの小さいインスタンスではこれより少なくなります。 Azure Blob Storage に直接バックアップできるようにすることで、16 台のディスク制限がなくなります。

    また、Azure Blob Storage に格納されているバックアップ ファイルは、オンプレミスの SQL Server、または Microsoft Azure Virtual Machine で実行している別の SQL Server で直接使用できます。その際、データベースのアタッチ/デタッチや、VHD のダウンロードとアタッチは必要ありません。

  • コスト面での利点: 使用するサービスにのみ料金がかかります。 オフサイトのバックアップ アーカイブ オプションとして、優れたコスト効果を得ることができます。 詳細とリンクについては、「 Microsoft Azure の課金に関する注意点 」を参照してください。

Microsoft Azure の課金に関する注意点

Microsoft Azure ストレージのコストを把握しておくと、Microsoft Azure でバックアップを作成および格納するコストを予測できます。

Microsoft Azure 料金計算ツール を使用すると、コストを見積もることができます。

ストレージ: 料金は使用領域に基づいており、段階的に、また、冗長性のレベルに応じて計算されます。 詳細と最新情報については、「 料金の詳細 」の「 データ管理 」を参照してください。

データ転送: Microsoft Azure への受信データ転送は無料です。 送信転送は、帯域幅の使用量に対して課金され、段階的な地域固有の区分に基づいて計算されます。 詳細については、「料金の詳細」記事の「データ転送」を参照してください。

関連項目

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