SQL Server オブジェクトの使用
適用対象: SQL Server
Microsoft SQL Server には、システム モニターで、SQL Server のインスタンスを実行しているコンピューターの利用状況を監視できるオブジェクトとカウンターが用意されています。 オブジェクトとは、SQL Server ロックや Windows プロセスなど任意の SQL Server リソースです。 各オブジェクトには、監視するオブジェクトのさまざまな特性を示す 1 つ以上のカウンターが含まれます。 たとえば、 SQL Server Locks オブジェクトには、 Number of Deadlocks/sec や Lock Timeouts/secという名前のカウンターが含まれています。
同じ種類の複数のリソースがコンピューター上に存在する場合、オブジェクトによっては複数のインスタンスがある場合があります。 たとえば、システムに複数のプロセッサが搭載されている場合、オブジェクトの種類 Processor には複数のインスタンスがあります。 オブジェクトの種類 Databases には、SQL Server のデータベースごとに 1 つのインスタンスがあります。 Memory Manager オブジェクトなど一部のオブジェクトの種類には、1 しかインスタンスのないものもあります。 あるオブジェクトの種類に複数のインスタンスがある場合には、インスタンスごとに、または多くの場合は一度にすべてのインスタンスに、統計を追跡するためのカウンターを追加できます。 既定のインスタンスのカウンターは、SQLServer:<オブジェクト名> という形式で表示されます。 名前付きインスタンスのカウンターは、MSSQL$<インスタンス名>:<カウンター名> または SQLAgent$<インスタンス名>:<カウンター名> という形式で表示されます。
SQL Server パフォーマンス カウンター値は、Windows パフォーマンス カウンター (WPC) エンジンを使用して生成されます。 一部のカウンター値は、SQL Server データベース エンジンによって直接計算されません。 SQL Server が WPC エンジンに基準値を提供し、これによって、必要な計算 (パーセントなど) が実行されます。 sys.dm_os_performance_counters (Transact-SQL) 動的管理ビューでは、SQL Server で生成されるすべてのカウンターと元の値が表示されます。 cntr_type
列は、カウンターの種類を示します。 WPC エンジンが SQL Server カウンターをどのように処理するかは、この種類によって異なります。 パフォーマンス カウンターの種類の詳細については、WMI のドキュメントを参照してください。
グラフでカウンターを追加または削除し、グラフ設定を保存して、システム モニターを起動したときに監視する SQL Server オブジェクトとカウンターを指定できます。
システム モニターは、任意の SQL Server カウンターの統計を表示するように構成することができます。 また、SQL Server カウンターにしきい値を設定して、カウンターがしきい値を超えたときに警告を生成することもできます。 警告を構成する方法の詳細については、「 SQL Server データベース警告の作成」を参照してください。
Note
SQL Server の統計情報は、SQL Server のインスタンスがインストールされているときにのみ表示されます。 SQL Server のインスタンスを停止して再起動すると、SQL Server の統計情報の表示も中断され、自動的に再開されます。 システム モニター スナップインでは、SQL Server が実行されていないときでも、SQL Server のカウンターが表示されます。 クラスター化されたインスタンスでは、SQL Server が実行されているノードでのみ、パフォーマンス カウンターが機能します。
この記事は、次のセクションで構成されています。
SQL Server エージェント パフォーマンス オブジェクト
次の表は、SQL Server エージェント用のパフォーマンス オブジェクトの一覧を示します。
パフォーマンス オブジェクト | 説明 |
---|---|
SQLAgent:Alerts | SQL Server エージェント警告についての情報を提供します。 |
SQLAgent:Jobs | SQL Server エージェントジョブについての情報を提供します。 |
SQLAgent:JobSteps | SQL Server エージェント ジョブ ステップについての情報を提供します。 |
SQLAgent:Statistics | SQL Server エージェントについての情報を提供します。 |
Service Broker のパフォーマンス オブジェクト
次の表は、Service Broker 用のパフォーマンス オブジェクトの一覧を示します。
パフォーマンス オブジェクト | 説明 |
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SQLServer:Broker Activation | Service Brokerのアクティブ化したタスクについての情報を提供します。 |
SQLServer:Broker Statistics | Service Broker の一般的な情報を提供します。 |
SQLServer:Broker Transport | Service Broker のネットワークについての情報を提供します。 |
SQL Server パフォーマンス オブジェクト
次の表では、SQL Server オブジェクト について説明します。
パフォーマンス オブジェクト | 説明 |
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SQLServer:Access Methods | SQL Server データベース オブジェクトの割り当てを検索して計測します。たとえば、インデックスとデータに割り当てられているインデックス検索の数またはページ数を計測します。 |
SQLServer:Backup Device | バックアップ デバイスのスループットなど、バックアップ操作と復元操作で使用するバックアップ デバイスについての情報を提供します。 |
SQLServer:Batch Resp Statistics | SQL バッチ応答時間を追跡するカウンターです。 |
SQLServer: Buffer Manager | freememory や buffer cache hit ratio など、SQL Serverで使用するメモリ バッファーについての情報を提供します。 |
SQL Server: Buffer Node | SQL Server によるフリー ページの要求頻度とアクセスの頻度についての情報を提供します。 |
SQLServer:Catalog Metadata | SQL Server のカタログ メタデータ マネージャー オブジェクトを定義します。 |
SQLServer:CLR | 共通言語ランタイム (CLR: Common Language Runtime) に関する情報を提供します。 |
SQLServer:Columnstore | 適用対象: SQL Server (SQL Server 2016 (13.x) 以降)。 列ストアインデックスの行グループとセグメントに関する情報を提供します。 |
SQLServer:Cursor Manager by Type | カーソルについての情報を提供します。 |
SQLServer:Cursor Manager Total | カーソルについての情報を提供します。 |
SQLServer:Database Mirroring | データベース ミラーリングについての情報を提供します。 |
SQLServer:Databases | 使用できるログ用空きディスク領域やデータベース内のアクティブなトランザクションの数など、SQL Server データベースについての情報を提供します。 このオブジェクトには、複数のインスタンスが存在することがあります。 |
SQL Server:Deprecated Features | 非推奨機能が使用された回数をカウントします。 |
SQLServer:Exec Statistics | 実行統計についての情報を提供します。 |
SQLServer:External Scripts | 適用対象: SQL Server (SQL Server 2016 (13.x) 以降)。 外部スクリプトの実行についての情報を提供します。 |
SQLServer:FileTable | FileTable と非トランザクション アクセスに関する統計です。 |
SQLServer:General Statistics | SQL Server のインスタンスに接続しているユーザーの数など、一般的なサーバー全体の利用状況についての情報を提供します。 |
SQL Server:HADR Availability Replica | SQL Server Always On 可用性グループの可用性レプリカに関する情報を提供します。 |
SQL Server:HADR Database Replica | SQL Server Always On 可用性グループのデータベース レプリカに関する情報を提供します。 |
SQL Server:HTTP Storage | 「Microsoft Azure 内の SQL Server データ ファイル」を使用するときに Microsoft Azure Storage アカウントを監視するための情報を提供します。 |
SQLServer:Latches | SQL Serverで使用されるデータベース ページなど、内部リソースのラッチについての情報を提供します。 |
SQLServer:Locks | ロック タイムアウトやデッドロックなど、SQL Server による各ロック要求についての情報を提供します。 このオブジェクトには、複数のインスタンスが存在することがあります。 |
SQLServer:LogPool FreePool | ログ プール内の空きプールに関する統計を説明します。 |
SQLServer:Memory Broker Clerks | Memory Broker Clerk に関する統計です。 |
SQLServer:Memory Manager | 現在割り当てられているロック構造の総数など、SQL Server のメモリの利用状況についての情報を提供します。 |
SQLServer:Plan Cache | ストアド プロシージャ、トリガー、クエリ プランなど、オブジェクトを保存するために使用される SQL Server キャッシュについての情報を提供します。 |
SQLServer:Query Store | クエリ ストアに関する情報を提供します。 |
SQLServer:Resource Pool Stats | リソース ガバナーのリソース プール統計に関する情報を提供します。 |
SQLServer:SQL Errors | SQL Server エラーについての情報を提供します。 |
SQLServer:SQL Statistics | SQL Server で受信する Transact-SQL ステートメントのバッチ数など、Transact-SQL クエリの側面についての情報を提供します。 |
SQLServer:Transactions | トランザクションの総数やスナップショット トランザクションの数など、SQL Server のアクティブなトランザクションについての情報を提供します。 |
SQLServer:User Settable | カスタム監視を実行します。 各カウンターは、監視する値を返すカスタム ストアド プロシージャまたは任意の Transact-SQL ステートメントにすることができます。 |
SQLServer:Wait Statistics | 待機についての情報を提供します。 |
SQLServer:Workload Group Stats | リソース ガバナーのワークロード グループ統計に関する情報を提供します。 |
SQL Server レプリケーション パフォーマンス オブジェクト
次の表は、SQL Server レプリケーション用のパフォーマンス オブジェクトの一覧を示します。
パフォーマンス オブジェクト | 説明 |
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SQLServer:Replication Agents SQLServer:Replication Snapshot SQLServer:Replication Logreader SQLServer:Replication Dist. SQLServer:Replication Merge 詳細については、「 Monitoring Replication with System Monitor」を参照してください。 |
レプリケーション エージェントの利用状況についての情報を提供します。 |
SSIS Pipeline カウンター
SSIS Pipeline カウンターの詳細については、「 パフォーマンス カウンター」を参照してください。
SQL Server XTP (インメモリ OLTP) パフォーマンス カウンター
SQL Server XTP (インメモリ OLTP) カウンターについては、「SQL Server XTP (インメモリ OLTP) パフォーマンス カウンター」を参照してください。
アクセス許可
SQLAgent:Alerts 以外のオブジェクトを使用する際の権限は Windows のSQL Server オブジェクトのアクセス許可に依存しています。 SQLAgent:Alerts を使用するには、ユーザーは sysadmin固定サーバー ロールのメンバーでなければなりません。