パブリッシャーのセキュリティ保護
適用対象: SQL Server Azure SQL Managed Instance
次のレプリケーション エージェントはパブリッシャーに接続します。
- ログ リーダー エージェント
- スナップショット エージェント
- キュー リーダー エージェント (Queue Reader Agent)
- [マージ エージェント]
最低限必要な権限のみを与え、かつ、すべてのパスワードの格納を保護するという原則に従って、これらの各エージェントに対し適切なログインを提供することをお勧めします。 各エージェントに必要な権限の詳細については、「 Replication Agent Security Model」を参照してください。
ログインとパスワードの適切な管理以外にも、パブリケーション アクセス リスト (PAL) の役割を理解しておく必要があります。 PAL は、パブリッシャーのデータベースへのアドホック アクセスを制限すると同時に、ログインしてパブリケーション データへのアクセスを可能にするために使用されます。
パブリケーション アクセス リスト
PAL は、パブリッシャーでパブリケーションの安全を確保する主要なメカニズムです。 PAL は、Microsoft Windows のアクセス制御リストによく似た機能を備えています。 パブリケーションを作成すると、レプリケーションによってそのパブリケーションから PAL が作成されます。 PAL は、パブリケーションへのアクセスを許可されているログインとグループのリストを含めるように構成できます。 エージェントがパブリッシャーまたはディストリビューターに接続し、パブリケーションへのアクセスを要求すると、PAL 内の認証情報が、エージェントによって提供されるパブリッシャー ログインと比較されます。 このプロセスでは、クライアント ツールがパブリッシャーとディストリビューターのログインを使用してパブリッシャー側で直接変更を行う危険性を回避できるので、パブリッシャーのセキュリティを向上できます。
Note
PAL のメンバーに含めるため、レプリケーションによって、各パブリケーションに対してパブリッシャー上にロールが作成されます。 ロールには、マージ レプリケーションの場合は Msmerge_<PublicationID> という形式、トランザクション レプリケーションとスナップショット レプリケーションの場合は MSReplPAL_<PublicationDatabaseID>_<PublicationID> という形式で名前が付けられます。
既定で PAL に含まれるログインは、パブリケーションが作成された時点の sysadmin 固定サーバー ロールのメンバー、およびパブリケーションを作成するために使用されるログインです。 既定で、パブリケーション データベース上の sysadmin 固定サーバー ロールまたは db_owner 固定データベース ロールのメンバーであるすべてのログインは、明示的に PAL に追加しなくても、パブリケーションに対してサブスクライブできます。
PAL を使用する場合は、次のガイドラインを考慮してください。
SQL Server ログインを PAL に追加する前に、そのログインをパブリケーション データベースのデータベース ユーザーに関連付ける必要があります。
最小特権の原則に従って、PAL 内のログインに、レプリケーション タスクを実行するために必要な権限のみを許可します。 レプリケーションに必要のない固定データベース ロールやサーバー ロールに、ログインを追加しないでください。 必要な権限の詳細については、「 Replication Agent Security Model 」および「 Replication Security Best Practices」を参照してください。
リモート ディストリビューターを使用する場合、PAL 内のアカウントは、パブリッシャーとディストリビューターの両方で使用できる必要があります。 このアカウントは、どちらのサーバーでも定義されているドメイン アカウントまたはローカル アカウントにする必要があります。 両方のログインに関連付けられているパスワードは、同じにする必要があります。
PAL に Windows アカウントが含まれており、ドメインで Active Directory が使用されている場合、SQL Server を実行する際に使用するアカウントが Active Directory から読み取りを行う権限を持っている必要があります。 Windows アカウントに関する問題が発生した場合は、SQL Server を実行する際に使用するアカウントが十分な権限を持っていることを確認します。 詳細については、Windows のマニュアルを参照してください。
PAL を管理する場合は、「パブリケーション アクセス リストのログインの管理」を参照してください。
スナップショット エージェント
パブリケーションごとに 1 つのスナップショット エージェントがあります。 詳しくは、「 パブリケーションを作成」をご覧ください。
FTP スナップショット配信
UNC 共有ではなく FTP 共有によりスナップショットを使用できるように指定する場合、FTP アクセスの構成時にログインおよびパスワードを指定する必要があります。 詳細については、「FTP でのスナップショットの配信」を参照してください。
ログ リーダー エージェント (Log Reader Agent)
トランザクション レプリケーション用にパブリッシュされるデータベースには、それぞれ 1 つのログ リーダー エージェントがあります。 詳しくは、「 パブリケーションを作成」をご覧ください。
キュー リーダー エージェント (Queue Reader Agent)
あるディストリビューターに関連付けられたすべてのパブリッシャーおよびパブリケーション (キュー更新サブスクリプションを許可するパブリケーション) に対し、1 つのキュー リーダー エージェントがあります。 詳細については、「トランザクション パブリケーションの更新可能なサブスクリプションの有効化」を参照してください。
参照
データベース エンジンへの暗号化接続を有効にする (SQL Server 構成マネージャー)
レプリケーション セキュリティの推奨事項
レプリケーションのセキュリティ設定の表示および変更