レポートを検索、表示、管理する (レポート ビルダーと SSRS)

レポート ビルダーでは、レポート サーバーまたは SharePoint サイト上のフォルダーを参照して、ページ割り付けレポート、共有データ ソース、モデル、その他の関連レポート アイテムを検索できます。 自分のコンピューターを参照して、ローカル レポートを検索することができます。 レポートを見つけやすくするため、レポート ビルダーでは最近使用されたサーバーとサイトの一覧を管理し、コンピューターのファイル システムの "デスクトップ"、"マイ ドキュメント"、および "マイ コンピューター" フォルダーに直接アクセスできるようにしています。

レポート デザイナーでも、自分のコンピューターを参照して、ローカルのページ分割されたレポートを検索できます。 レポート サーバーまたは SharePoint サイトにレポートを展開した後は、Web ポータルを使用してレポート サーバーを参照するか、SharePoint サイトを検索することによって、レポートを見つけることができます。 レポートと関連アイテムには、それらが展開された後もローカルからアクセスすることができます。

Note

レポート ビルダーはローカル モードで使用することも、レポート サーバーに接続して使用することもできます。 レポート サーバーとの接続がアクティブではない場合は、いくつかの制限事項が適用されます。

レポート ビルダーから、レポート サーバーまたは SharePoint サイト上のレポートを見つけるには、レポート サーバーまたは SharePoint サイトの URL を指定する必要があります。 レポート ビルダーを最初にインストールするときに、使用する URL を指定できます。 この URL が、レポートを保存したり開いたりするときに レポート ビルダーが既定で接続するサーバーまたはサイトになります。

レポートを作成または更新するときに、レポート ビルダーおよび Report Designer でレポートをプレビューし、レポート サーバーで表示したり管理したりできます。 レポート サーバーでレポートをも表示および管理できます。 Web ポータルを使用するか、Reporting Services と統合された SharePoint サイトで管理できます。 詳細については、「レポート ビルダーでのレポートのプレビュー」および「SQL Server Reporting Services (SSRS) でのレポートのプレビュー」を参照してください。

レポート ビルダーや Report Designer でレポートをプレビューするか、Web ポータルまたは SharePoint サイトでレポートを表示すると、データが更新されます。 レポートには、レポートで使用されているデータ ソースの現在のデータが表示されます。 データを更新せずにレポートを表示する場合は、パブリッシュ済みレポートでレポート履歴とキャッシュされたデータを使用できます。 これらの機能は、レポート ビルダーや Report Designer でレポートをプレビューするときには使用できません。

Note

ページ分割されたレポートの定義ファイル (.rdl) は、Microsoft レポート ビルダー、Power BI レポート ビルダー、または SQL Server Data Tools のレポート デザイナーを使用して作成および変更できます。

レポート ビルダーでレポートを検索して表示する

作業するレポートを検索するには、コンピュータ、レポート サーバーのフォルダー、または Reporting Services に統合されている SharePoint サイトを参照します。 さらに、レポートで使用する共有データ ソース、画像、またはサブレポートを選択できます。

レポート サーバーでレポートを検索するには、レポート サーバーの URL を指定する必要があります。また、レポート アイテムの読み取りや保存ができるようにフォルダーに対する適切な権限が必要です。 適切な URL と権限については、レポート サーバーのシステム管理者に問い合わせてください。

レポート ビルダーでレポートを検索して開いた後、レポートのプレビューや変更を行うことができます。 レポートをプレビューすると、最新のデータが表示されます。 詳細については、「レポート ビルダーでレポートをプレビューする」を参照してください。

レポート ビルダーは以下の作業に役立ちます。

  • レポートの検索: レポートの参照時に、レポート ビルダー用にカスタマイズされている使い慣れた Microsoft Office スタイルの [ファイルを開く] ダイアログを使用できます。 [個人用レポート]、[サイトとサーバー]、[デスクトップ]、[マイ ドキュメント]、[マイ コンピューター] など、レポート サーバーまたはファイル システム上のフォルダーを参照できます。 [サイトとサーバー] は、最近使用したサーバーの一覧を提供します。

  • 共有データ ソースの検索: 共有データ ソースの参照時に、最近使用した一覧から選択するか、レポートと同じレポート サーバー上の別のフォルダーを参照することができます。

  • レポートの表示: レポートの作成時や更新時に レポート ビルダーでレポートをプレビューします。 レポート ビルダーがレポート サーバーに接続されると、レポート サーバーはレポートを読み込んで処理します。 それ以外の場合、レポートはローカルで処理されます。 レポート ビルダーのレポート ビューアーに処理後のレポートが表示されます。

レポート サーバーでレポートを表示および管理する

Web ポータルは、レポート サーバー上のレポートの表示および管理に使用されます。 サーバー上のフォルダーを参照してレポートを見つけ、レポートを実行してブラウザーに表示し、管理作業を実行します。

Web ポータルは以下の管理作業に役立ちます。

  • レポート、共有データ ソース、その他のレポート アイテムのプロパティの表示および更新

  • レポートのアップロードとレポートの共有データ ソースの新規作成

  • 指定した日時および間隔でレポートを実行するスケジュールの作成

  • レポートのサブスクリプションの作成、変更、削除

  • レポート履歴の作成と、レポート履歴に保管するレポート スナップショット数の指定

  • サーバーでレポートを整理するフォルダーの新規作成

これらの作業のいくつかはレポート サーバーの管理者が行う場合があります。 レポート サーバーで行う作業の詳細については、「Reporting Services レポート サーバー (ネイティブ モード)」をご覧ください。

Web ポータルには通常、フォルダー、レポート、データ ソース、および [個人用レポート] フォルダーが含まれています。 [個人用レポート] は、所有しているレポートを保存したり操作したりできる個人用ワークスペースです。 他のレポート サーバー フォルダーはパブリック フォルダーであり、通常、フォルダーのコンテンツの追加や変更を行うには高度な権限が必要になります。 [個人用レポート] 内にサブフォルダーを作成して、レポートをさらに細かく整理できます。

Web ポータルではレポートが Reporting Services HTML ビューアーに表示されます。 HTML ビューアーは、レポートを HTML で表示するためのフレームワークを提供し、レポートのツール バー、パラメーター セクション、資格情報セクション、ドキュメント マップなどが含まれています。 レポート ツール バーには、ページ ナビゲーション、拡大または縮小、更新、検索、エクスポート、印刷、データ フィードの機能があります。 URL を指定してレポートにアクセスした場合、[レポート] ツール バーはブラウザー ウィンドウのレポートの最上部に表示されます。 印刷機能はオプションで、管理者がオンにする必要があります。 この機能が使用可能なときは、プリンターのアイコンがレポート ツール バーに表示されます。 以下に、Web ポータルのレポート ツール バーの拡大図を示します。

Web ポータルのレポート ツール バーのスクリーンショット。

レポートを実行した後は、 Microsoft Excel や PDF など、レポートを別の形式にエクスポートできます。 また、コンマ区切り値 (CSV) 表示拡張機能などのデータ表示拡張機能を使用してレポートをエクスポートしてから、別のアプリケーションの入力として CSV データ ファイルを使用することもできます。 レポートのエクスポートについて詳しくは、「レポートのエクスポート (レポート ビルダー)」をご覧ください。

レポートを選択して実行するには、Web ポータルを起動して、表示するレポートを検索または参照する方法が最も簡単です。

レポートを実行した後、そのレポートを更新すると新しいデータを表示できます。

レポートを更新する

レポートのデータは頻繁に変わるので、レポートを更新して最新のデータを表示する必要があります。 レポートは 3 種類の方法で更新できます。

オプション 結果
ブラウザー ウィンドウの[更新] ボタン セッションのキャッシュに保存されているレポートを表示します。 セッションのキャッシュは、ユーザーがレポートを開いた時点で作成されます。 Reporting Services は、ブラウザー セッションを使用して、レポートが開いている間の表示状態の整合性を保ちます。
レポート ツール バーのブラウザー更新ボタンのスクリーンショット。 [レポート] ツール バーで [更新] ボタンを選ぶと、レポート サーバーは、クエリを再実行し、レポートが要求時に実行される場合はレポート データを更新します。 レポートがキャッシュされているかスナップショットである場合、更新アクションにより、レポート サーバー データベースに保存されているレポートが表示されます。
Ctrl + F5 キー レポート ツール バーで [更新] ボタンを選んだ場合と同じ結果になります。

SharePoint サイトからレポート サーバーのアイテムを表示して管理する

システム管理者がレポート サーバーを SharePoint 統合モードで実行するように構成している場合、SharePoint サイトからレポートや他のレポート サーバー アイテムを表示および管理できます。

SharePoint サイトには、スケジュール、サブスクリプション、レポート パラメーター、データ ソース プロパティ、レポート処理オプションを構成したり、レポート履歴を表示したり、共有スケジュールを作成したりするためのページが含まれています。 SharePoint サイトではレポート サーバー アイテムの管理を、 SQL Serverで他のツールを使って作成し管理するときと同じ方法で行うことができます。

アプリケーション ページにアクセスするには、SharePoint ライブラリに既に追加したレポートまたは他のレポート サーバー アイテムの一覧メニューから、アイテム固有のアクションを選択します。 アイテムと権限に応じて、レポート ビルダーでレポートを作成したり、モデルを生成したり、モデル アイテムのセキュリティを設定することもできます。

Reporting Services と SharePoint テクノロジの詳細については、「SQL Server Reporting Services (SSRS) レポート サーバーの構成と管理」を参照してください。

SharePoint サイトでレポート サーバーのアイテムを検索する

プロパティを設定するには、まずアイテムを探し出せることが必要です。 レポート サーバー アイテムは、常にライブラリまたはライブラリ内のフォルダーに格納されています。

SharePoint サイトにアクセスすると、[参照] ページと [ライブラリ ツール] タブが表示されます。[参照] ページには、ライブラリと、選択したライブラリのコンテンツが一覧表示されます。 レポートおよびライブラリ内のその他のアイテムの表示、フォルダーの探索、アイテムを格納するサイトの検索が可能です。

SharePoint サイト上のアイテムの中でレポート サーバー アイテムを見分けるには、見た目の異なるアイコンを使用するか、アイテムの種類の上にマウス ポインターを合わせ、表示されるファイル拡張子を確認します。 次の図は、レポート ライブラリ内のフォルダーおよびレポート定義を示しています。

レポート サーバー アイテムがある SharePoint ライブラリのスクリーンショット。

レポートの表示

SharePoint ライブラリにアップロードしたレポート定義 (.rdl ファイル) は、Reporting Services アドインがインストールした Report Viewer Web パーツから表示できます。 .rdl ファイルの関連付けは、アドインのインストール時に自動的に定義されます。

レポートを選択すると、レポートは自動的に Web パーツで開かれます。 レポートが開いたら、Web パーツにあるレポート ツール バーを使用して、ページ間の移動、レポートの検索、拡大または縮小、印刷を行うことができます。 ツール バーには、レポートを Atom データ フィードとしてエクスポートするデータ フィードのエクスポート オプションが含まれています。また、レポートの印刷、サブスクライブ、および PDF、Word、Excel などの異なる形式へのエクスポートを行う [アクション] メニューも含まれています。

[アクション] メニューからは、レポートを レポート ビルダーで開くこともできます。 次の図は、レポートと、 [アクション] メニューのエクスポート オプションを示しています。

[アクション] メニューのエクスポート オプションのスクリーンショット。

アクションでアイテムを管理する

管理タスクは、各アイテムのドロップダウン メニューからアクションを選択することで実行できます。 権限に応じて、各アイテムには共通アクションが割り当てられます。これらは SharePoint ライブラリに格納されているアイテムに標準のものです。 [プロパティの表示][プロパティの編集] は共通アクションの例です。 カスタム アクションでは、アイテム固有の管理機能が提供されます。 次の図は、レポート定義のアクションを示しています。 レポート定義のカスタム アクションの例としては、 [サブスクリプションの管理][処理オプションの管理]などがあります。

レポート サーバー アイテムのメニュー コマンドのスクリーンショット。

デスクトップ アプリケーションでレポートを表示する

レポート ビューアーとしてブラウザーをまったく使用せず、代わりにデスクトップ アプリケーション ( Microsoft Excel など) を使用することができます。 ブラウザーでの表示を回避するには、デスクトップ アプリケーションの形式および生成先の共有フォルダーを指定するサブスクリプションを定義します。 レポートは、アプリケーション ファイルとして生成され、ファイル名拡張子が付けられ、ハード ディスク上にファイルとして保存されます。 その後は、ブラウザーの代わりに Microsoft Excel (または他のアプリケーション) を使用してレポートを表示できるようになります。

ユーザー セッションについて

Reporting Services は、ブラウザー セッションを使用して、レポートの表示中の整合性を保ちます。 セッションは、認証されているユーザーではなく、ブラウザー接続に基づき確立されます。 ユーザーが新しいブラウザー ウィンドウでレポートを開くたびに、新しいセッションが作成されます。 ブラウザー セッションを確立すると、ユーザーはセッション開始時に開いていたバージョンのレポートに対して作業を継続して行います。 レポート サーバーでレポートが変更された場合でも、続行できます。 たとえば、午後 11 時にレポートを開き、レポート作成者が午後 11 時 1 分に同じレポートを再発行したとします。 すると、セッションには、セッション中に開いたバージョンが含まれます。 この結果は、レポートを更新または再度開くまで、再発行されたバージョンで行われた変更を自動的に表示しないことを意味します。

ブラウザーの [更新] ボタンを使用して同じセッション内のレポートを更新すると、元のセッションのバージョンのレポートが表示されます。 [レポート] ツール バーの [更新] ボタンを使用して要求時レポートを更新すると、レポートは再実行され、新しいデータがあれば、これが表示されます。

セッション情報は、レポート サーバーの一時データベースに格納されます。 レポート サーバーでは、 ASP.NET のセッション管理を使用しません。 サーバーを再起動したり、データベースの復旧操作を実行した場合、セッション状態は復元されません。

セッションの管理の詳細については、「実行状態の識別」を参照してください。