ALTER SCHEMA (Transact-SQL)

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スキーマ間でセキュリティ保護可能なリソースを移動します。

Transact-SQL 構文表記規則

構文

-- Syntax for SQL Server and Azure SQL Database  
  
ALTER SCHEMA schema_name   
   TRANSFER [ <entity_type> :: ] securable_name   
[;]  
  
<entity_type> ::=  
    {  
    Object | Type | XML Schema Collection  
    }  
-- Syntax for Azure Synapse Analytics and Parallel Data Warehouse and Microsoft Fabric
  
ALTER SCHEMA schema_name   
   TRANSFER [ OBJECT :: ] securable_name   
[;]  

引数

schema_name
セキュリティ保護可能なリソースの移動先である、現在のデータベース内にあるスキーマの名前です。 SYS または INFORMATION_SCHEMA は指定できません。

<entity_type>
所有者を変更するエンティティのクラスを指定します。 既定値はオブジェクトです。

securable_name
移動元のスキーマに含まれているセキュリティ保護可能なリソースの名前を指定します。このリソースが対象のスキーマに移動されます。名前を指定するときは、1 つまたは 2 つの要素で構成される名前を使用します。

解説

ユーザーとスキーマは完全に分離されています。

ALTER SCHEMA は、セキュリティ保護可能なリソースを同じデータベース内のスキーマ間で移動する場合にのみ使用できます。 スキーマ内のセキュリティ保護可能なリソースを変更または削除するには、そのリソースに固有の ALTER または DROP ステートメントを使用します。

securable_name に 1 つの要素から構成される名前を使用した場合、セキュリティ保護可能なリソースを特定するために、現在有効な名前解決規則が使用されます。

セキュリティ保護可能なリソースに関連付けられているすべての権限は、リソースが新しいスキーマに移動したときに削除されます。 セキュリティ保護可能なリソースの所有者が明示的に設定されている場合、所有者は変更されません。 セキュリティ保護可能なリソースの所有者が SCHEMA OWNER に設定されている場合、所有者は SCHEMA OWNER のままですが、移動後、SCHEMA OWNER は新しいスキーマの所有者に解決されます。 新しい所有者の principal_id は NULL になります。

ストアド プロシージャ、関数、ビュー、またはトリガーを移動しても、sys.sql_modules カタログ ビューの definition 列にある対応するオブジェクト、または OBJECT_DEFINITION 組み込み関数を使用して取得されたオブジェクトのスキーマ名は変更されません。 したがって、これらのオブジェクトの種類を移動する場合は、ALTER SCHEMA を使用しないことをお勧めします。 代わりに、オブジェクトを削除して新しいスキーマで再作成してください。

テーブルやシノニムなどのオブジェクトを移動しても、そのオブジェクトに対する参照は自動的には更新されません。 移動したオブジェクトを参照しているオブジェクトに対しては、手動で変更を加える必要があります。 たとえば、テーブルを移動するとき、そのテーブルがトリガーで参照されている場合は、新しいスキーマ名が反映されるようにトリガーに変更を加える必要があります。 オブジェクトを移動する前には、sys.sql_expression_dependencies を使ってオブジェクトの従属関係を一覧表示できます。

SQL Server Management Studio を使用してテーブルのスキーマを変更するには、オブジェクト エクスプローラーでテーブルを右クリックし、 [デザイン] をクリックします。 F4 キーを押して [プロパティ] ウィンドウを開きます。 [スキーマ] ボックスで新しいスキーマを選択します。

ALTER SCHEMA では、スキーマ レベル ロックが使用されます。

注意事項

SQL Server 2005 からスキーマの動作が変更されました。 その結果、スキーマがデータベース ユーザーと同じであると想定しているコードでは、正しい結果が返されない場合があります。 CREATE SCHEMA、ALTER SCHEMA、DROP SCHEMA、CREATE USER、ALTER USER、DROP USER、CREATE ROLE、ALTER ROLE、DROP ROLE、CREATE APPROLE、ALTER APPROLE、DROP APPROLE、ALTER AUTHORIZATION のいずれかの DDL ステートメントが使用されたことのあるデータベースでは、sysobjects などの古いカタログ ビューを使用しないでください。 そのようなデータベースでは、代わりに新しいカタログ ビューを使用してください。 新しいカタログ ビューでは、SQL Server 2005 で導入されたプリンシパルとスキーマの分離が考慮されます。 カタログ ビューの詳細については、「カタログ ビュー (Transact-SQL)」を参照してください。

アクセス許可

別のスキーマからセキュリティ保護可能なリソースを移動する場合、現在のユーザーには、(スキーマではなく) セキュリティ保護可能なリソースに対する CONTROL 権限とターゲット スキーマに対する ALTER 権限が必要です。

セキュリティ保護可能なリソースに EXECUTE AS OWNER の指定があり、所有者が SCHEMA OWNER に設定されている場合は、対象スキーマの所有者に対する IMPERSONATE 権限も必要です。

移動するセキュリティ保護可能なリソースに関連付けられているすべての権限は、移動時に削除されます。

A. テーブルの所有権を譲渡する

次の例では、テーブル Address をスキーマ Person からスキーマ HumanResources に移動し、スキーマ HumanResources を変更します。

USE AdventureWorks2022;  
GO  
ALTER SCHEMA HumanResources TRANSFER Person.Address;  
GO  

B. 型の所有権を譲渡する

次の例では、Production スキーマに型を作成し、その型を Person スキーマに譲渡します。

USE AdventureWorks2022;  
GO  
  
CREATE TYPE Production.TestType FROM [VARCHAR](10) NOT NULL ;  
GO  
  
-- Check the type owner.  
SELECT sys.types.name, sys.types.schema_id, sys.schemas.name  
    FROM sys.types JOIN sys.schemas   
        ON sys.types.schema_id = sys.schemas.schema_id   
    WHERE sys.types.name = 'TestType' ;  
GO  
  
-- Change the type to the Person schema.  
ALTER SCHEMA Person TRANSFER type::Production.TestType ;  
GO  
  
-- Check the type owner.  
SELECT sys.types.name, sys.types.schema_id, sys.schemas.name  
    FROM sys.types JOIN sys.schemas   
        ON sys.types.schema_id = sys.schemas.schema_id   
    WHERE sys.types.name = 'TestType' ;  
GO  

例: Azure Synapse Analytics、Analytics Platform System (PDW)

C. テーブルの所有権を譲渡する

次の例では、dbo スキーマで Region テーブルを作成し、Sales スキーマを作成し、Region テーブルを dbo スキーマから Sales スキーマに移動します。

CREATE TABLE dbo.Region   
    (Region_id INT NOT NULL,  
    Region_Name CHAR(5) NOT NULL)  
WITH (DISTRIBUTION = REPLICATE);  
GO  
  
CREATE SCHEMA Sales;  
GO  
  
ALTER SCHEMA Sales TRANSFER OBJECT::dbo.Region;  
GO  

参照

CREATE SCHEMA (Transact-SQL)
DROP SCHEMA (Transact-SQL)
EVENTDATA (Transact-SQL)