ネットワーク トポロジの管理

完了

場所に基づくルーティングによるダイレクト ルーティング、または 動的な緊急通話 を組織内に展開する場合は、それらのクラウド ボイス機能を Microsoft Teams で使用できるようにネットワークを構成する必要があります。 展開するクラウド ボイス機能と必要な対応力に応じて、次のような設定を一部または全部構成します。

  • ネットワーク地域 - 1 つのネットワーク地域は複数のネットワーク サイトからなる集合体です。 ネットワーク地域は、複数の地理的領域にまたがったネットワークの構成部分を相互に結びつける概念です。 たとえば、インド国内に多数のサイトを持つ組織においては "インド" を 1 つのネットワーク地域として指定することが考えられます。 個々のネットワーク サイトは、特定のネットワーク地域に関連付けられる必要があります。

  • ネットワーク サイト - ネットワーク サイトとは、組織の物理的な施設 (オフィス、建物群、キャンパスなど) がある 1 つの場所です。 1 つのネットワーク サイトは複数の IP サブネットからなる集合体として定義されます。 個々のネットワーク サイトは、特定のネットワーク地域に関連付けられる必要があります。

  • ネットワーク サブネット - 個々のサブネットは、特定のネットワーク サイトに関連付けられる必要があります。 クライアントの場所は、ネットワーク サブネットと、関連付けられているネットワーク サイトに基づいて特定されます。 複数のサブネットを同一のネットワーク サイトに関連付けることはできますが、1 つのサブネットを複数のサイトに関連付けることはできません。

  • 信頼された IP アドレス - 信頼された IP アドレスとは、エンタープライズ ネットワークのインターネット外部 IP アドレスです。 ユーザーのエンドポイントがその企業のネットワーク内にあるかどうかは、特定のサイトとの一致を確認する前に、信頼された IP アドレスに基づいて判断されます。

ネットワーク設定は、Microsoft Teams 管理センターの [ネットワーク トポロジ] ページで、または Windows PowerShell を使用して構成します。

ネットワーク設定の構成

ネットワーク サイトの構成

ネットワーク領域、ネットワーク サイト、サブネットは、[ネットワーク トポロジ] ページの [ネットワーク サイト] タブで定義します。

  1. Microsoft Teams 管理センターの左側のナビゲーションで、[場所] > [ネットワーク トポロジ] に移動し、[ネットワーク サイト] タブを選択します。

  2. [+ 追加] を選択し、サイトの名前と説明を入力します。

  3. サイトをネットワーク領域に関連付けるには、[+ ネットワーク領域を追加] を選択し、既存の領域を選択するか、[追加] を選択して領域を追加し、[リンク] を選択します。

  4. サイトに関して、場所に基づくルーティングを有効にするには、[場所に基づくルーティング] をオンにします。

  5. サイトに緊急サービス ポリシーを割り当てるには、次のいずれか一方または両方を実行します。

    • 通話プラン、オペレーター接続、またはダイレクト ルーティングを組織で使用している場合は、[緊急通話ポリシー] で目的のポリシーを選択します。
    • 組織にダイレクト ルーティングを展開した場合は、[緊急通話のルーティング ポリシー] で目的のポリシーを選択します。
  6. サブネットをサイトに関連付けるには、[サブネット][サブネットの追加] を選択します。 IP バージョン、IP アドレス、ネットワーク範囲を指定し、説明を入力して、[適用] を選択します。 各サブネットは、特定のサイトに関連付けられる必要があります。

  7. [保存] を選択します。

    ネットワーク トポロジを追加する操作のスクリーンショット。

ネットワーク サイトの構成作業は、次の PowerShell コマンドレットを使用して実行することもできます。

  • ネットワーク領域を定義するには、コマンドレット New-CsTenantNetworkRegion を使用します。

  • ネットワーク サイトを定義するには、コマンドレット New-CsTenantNetworkSite を使用します。

  • ネットワーク サブネットを定義するには、コマンドレット New-CsTenantNetworkSubnet を使用します。

信頼できる IP アドレスを構成する

信頼された外部 IP アドレスは、Microsoft Teams 管理センターの [ネットワーク トポロジ] ページの [信頼された IP] タブで管理します。 信頼された外部 IP アドレスの数に制限はありません。

  1. Microsoft Teams 管理センターの左側のナビゲーションで、[場所] > [ネットワーク トポロジ] に移動し、[信頼された IP] タブを選択します。

  2. [追加] を選択します。

  3. [信頼された IP アドレスの追加] ウィンドウで、IP バージョン、IP アドレス、ネットワーク範囲を指定し、説明を入力して、[適用] を選択します。

    信頼された IP を追加する操作のスクリーンショット。

信頼された IP アドレスの構成作業は、次の PowerShell コマンドレットを使用して実行することもできます。

  • 外部サブネットを定義してテナントに割り当てるには、コマンドレット New-CsTenantTrustedIPAddress を使用します。

ローミング ポリシーを構成する

ビデオとメディアの設定については会議ポリシーで管理できるだけでなく、Teams ネットワーク ローミング ポリシーによって、Microsoft Teams クライアントにおける IP ビデオ の使用と メディアのビット レート を動的に制御できます。

ネットワーク ローミング ポリシーでは、ネットワーク サイトに設定を割り当てることができます。 Teams クライアントは、接続先のネットワーク サイトに基づいて設定を動的に取得します。

Teams クライアントがローミング ポリシーが割り当てられているネットワーク サイトからサインインすると、そのポリシーが使用されます。 ポリシーが割り当てられていない場合は、会議ポリシーで設定された値が適用されます。  

  1. Microsoft Teams 管理センターの左側のナビゲーションで、[場所] > [ネットワーク トポロジ] に移動し、[ローミング ポリシー] タブを選択します。

  2. [+ 追加] を選択します。

  3. [ネットワーク ローミング ポリシーの追加] ウィンドウで、目的の設定を構成し、[適用] を選択します。

    • IP ビデオ - ユーザーによってホストされる会議と、ユーザーによって開始される 1:1 通話およびグループ通話において、ビデオを有効にできるかどうかを制御する設定です。

    • メディア ビット レート (Kbs) - ユーザーの通話と会議において、オーディオ、ビデオ、およびビデオベース アプリ共有のデータ伝送に使用される平均メディア ビットレートの合計値を制御する設定です。

    ローミング ポリシーを追加する操作のスクリーンショット。

  4. その後、[ネットワーク サイト] タブでネットワーク サイトを編集することで、ローミング ポリシーの割り当てができます。

ローミング ポリシーの構成作業は、次の PowerShell コマンドレットを使用して実行することもできます。

  • Get-CsTeamsNetworkRoamingPolicy
  • New-CsTeamsNetworkRoamingPolicy
  • Set-CsTeamsNetworkRoamingPolicy
  • Remove-CsTeamsNetworkRoamingPolicy

ポリシーを構成した後に 1 つまたは複数のネットワーク サイトに割り当てるには、コマンドレット Set-CsTenantNetworkSite を使用します。

詳細については、「PowerShell を使用してネットワーク設定を構成する」を参照してください。