Windows 8.1 での YUV 形式の範囲
アプリは、次の表に示すような Windows 8.1 以降の拡張範囲 [0, 255] YUV ビデオ形式を利用することをユーザー モード ディスプレイ ドライバーに通知できます。
YUV 範囲 | 入力データ範囲 | 一般的な使い方 | Standard |
---|---|---|---|
拡張範囲 | [0, 255] | コンシューマー機器: Web カメラおよび全自動カメラ | JFIF 標準および MJPEG ビデオ形式が既定で使用されます |
スタジオ輝度範囲 | [16, 235] | 業務用カメラとビデオ機器 | ITU BT.601 および BT.709 |
コンテンツ業界や放送業界で制作されるビデオのほとんどはスタジオ範囲にあり、個々のコンシューマーによって制作されるビデオは拡張範囲にあります。 拡張範囲は、全輝度範囲とも呼ばれます。
Windows 8.1 より前の Microsoft Media Foundation のビデオ処理パイプラインは、スタジオ範囲内にあるかのようにすべての入力データを処理していました。そのため、動的範囲が減少し、入力データが実際には拡張範囲にあった場合に、コントラストが厳しくなることがよくありました。
Windows 8.1 以降では、ビデオ入力 YUV 形式が拡張範囲にある場合、アプリでこの高い動的範囲をドライバーに通知できるようになりました。
拡張範囲の YUV 形式の変換
以下の画像は、暗い値から明るい値までの YUV 拡張範囲コンテンツがどのように RGB 形式に変換 (解釈) されるかを示しています。
- 上側の画像は、拡張範囲のコンテンツがスタジオ範囲であるかのように誤って解釈されていることを示しています。
- 下側の画像は、正しく解釈されている拡張範囲のコンテンツを示しています。
誤って解釈された上側の画像では、コントラストが高くなり、純色の白に達する前に輝度が過度に明るくなっています。
拡張範囲の YUV インターフェイス
Windows 8.1 より前の Media Foundation ではスタジオ輝度範囲しかサポートされていないので、上側の最初の画像が示すように、拡張範囲の画像の解釈によってコントラストが高くなっていました。 Windows 8.1 以降の Media Foundation パイプラインでは、これらの構造体および列挙型を使用して、拡張範囲とスタジオ範囲のどちらの YUV コンテンツが再生またはキャプチャされているのかを Windows ディスプレイ ドライバー モデル (WDDM) 1.3 以降のユーザー モード ディスプレイ ドライバーに対して示すことができます。
新しい列挙型
構造体と列挙型の変更
- D3D11_1DDI_VIDEO_PROCESSOR_COLOR_SPACE
- D3D11_1DDI_VIDEO_PROCESSOR_DEVICE_CAPS
- DXVAHDDDI_BLT_STATE_OUTPUT_COLOR_SPACE_DATA
- DXVAHDDDI_STREAM_STATE_INPUT_COLOR_SPACE_DATA
- DXVAHDDDI_VPDEVCAPS
WDDM 1.3 以降のユーザー モード ディスプレイ ドライバーは、これらの新しい構造体と列挙型、および変更された構造体と列挙体すべてをサポートする必要があります。
RGB や YUV のさまざまな入力形式の間で変換する方法の詳細については、YUV-RGB データ範囲の変換を参照してください。