監査モードまたは OOBE での Windows のブート
監査モードを使用すると、コンピューターのカスタマイズ、アプリケーションとデバイス ドライバーの追加、および Windows 環境でのコンピューターのテストを行うことができます。
- 監査モードで起動すると、コンピューターはあらかじめ登録された Administrator アカウントで起動します。このアカウントは generalize 構成パス中に自動的に削除されます。
- 既定では、コンピューターを監査モードで起動するように構成すると、Out-Of-Box Experience (OOBE) で起動するように構成するまで、コンピューターは監査モードで起動し続けます。
Note
監査モードのときにパスワードで保護されたスクリーン セーバーが起動した場合、システムに再度ログオンすることはできません。 監査モードにログオンするために使用したビルトイン Administrator アカウントは、ログオン後すぐに無効になります。 スクリーン セーバーを無効にするには、Windows のコントロール パネルで電源プランを変更するか、カスタム プランを構成して展開します。 詳細については、「カスタムの電源プランの作成」を参照してください。
新規インストール時に自動的に監査モードで起動する
Windows を監査モードで起動するように構成するには、応答ファイルの設定に Microsoft-Windows-Deployment | Reseal | Mode = audit を追加します。
Windows のインストール プロセスが完了すると、コンピューターは自動的に監査モードで起動し、システム準備 (Sysprep) ツールが表示されます。 監査モードで Sysprep ツールを使用する方法の詳細については、「Windows インストールの一般化 (Sysprep)」を参照してください。
Note
oobeSystem 構成パスでの応答ファイルの設定は、監査モードでは表示されません。 監査モードまたは OOBE で起動するときに処理される応答ファイルの設定の詳細については、「構成パスのしくみ」を参照してください。
(新規または既存のインストールで) 監査モードを手動で起動する
OOBE 画面で、Ctrl+Shift+F3 キーを押します。
コンピューターが監査モードで再起動し、システム準備 (Sysprep) ツールが表示されます。
Note
Ctrl+Shift+F3 キーボード ショートカットを使用しても、スクリプトの実行や oobeSystem 構成パスでの応答ファイルの設定の適用など、OOBE プロセスのすべてがバイパスされるわけではありません。
新規インストール時に自動的に OOBE で起動する
Windows を OOBE で起動するように構成するには、応答ファイルの設定に Microsoft-Windows-Deployment | Reseal | Mode = oobe を追加します。
OOBE で起動するように Windows イメージを構成した後、監査モードでイメージをさらに構成する必要がある場合は、OOBE で起動するように構成された既存のイメージの変更に関するページを参照してください。
OOBE で起動するように構成されているイメージに対して監査モードを開始する
OOBE で起動するように Windows イメージを構成した後、監査モードでイメージをさらに構成する必要がある場合は、次のいずれかの操作を実行できます。
Ctrl+Shift+F3 キーボード ショートカットを使用します。 コンピューターが監査モードで再起動します。
このオプションを選択すると、OOBE で起動するように構成したスクリプトがトリガーされることがあります。
または
イメージをマウントし、audit 設定がある応答ファイルを追加して、
C:\test\offline\Windows\Panther\Unattend\Unattend.xml
という名前で保存します。 それには、この場所にある既存の応答ファイルを上書きする必要があることもあります。次回起動時に、Windows が直接監査モードで起動します。
既存のイメージから自動的に監査モードで起動する
新しい応答ファイルを作成し、設定に [Microsoft-Windows-Deployment | Reseal | Mode = audit]](/windows-hardware/customize/desktop/unattend/microsoft-windows-deployment-reseal-mode) を追加します。 応答ファイルを Unattend.xml として保存します。
管理者特権でのコマンド プロンプトで、Windows イメージをマウントします。 次に例を示します。
Dism /Mount-Image /ImageFile:C:\test\images\MyImage.wim /index:<image_index> /MountDir:C:\test\offline
<image_index>
は、.wim ファイル上の選択したイメージの番号です。新しい応答ファイルを
C:\test\offline\Windows\Panther\Unattend
フォルダーにコピーします。変更をコミットし、イメージのマウントを解除します。 次に例を示します。
Dism /Unmount-Image /MountDir:C:\test\offline /commit
イメージを対象のコンピューターに適用して Windows を起動すると、コンピューターは自動的に監査モードで起動し、Sysprep ツールが表示されます。 サンプル手順については、配置例の「手順 1: イメージを別のコンピューターに転送する」および「手順 2: 顧客用にコンピューターを準備する」を参照してください。
イメージを適用するためのオプションには、インストールするイメージの指定や対象のコンピューターのディスク構成など、応答ファイルの設定の使用も含まれます。 詳細については、「Windows の無人セットアップに関するリファレンス ガイド」を参照してください。
配置例
イメージを別のコンピューターに転送するには、最初に Sysprep ツールでイメージを一般化して、構成されたコンピューターからコンピューター固有の情報を削除する必要があります。 顧客用にコンピューターを準備するには、コンピューターを一般化してから、顧客が初めてコンピューターを起動したときに OOBE で起動するように設定する必要があります。 次の例では、参照イメージを作成して別のコンピューターに転送した後、顧客に出荷されるモデル固有のイメージを作成します。
手順 1: イメージを別のコンピューターに転送する
参照コンピューターに Windows をインストールします。
インストールが完了したら、コンピューターを起動し、追加のデバイス ドライバーやアプリケーションをインストールします。
Windows インストールを更新した後、Sysprep を実行します。
コマンド ラインで、Sysprep /generalize /shutdown コマンドを実行します。
または
[システム準備ツール] ウィンドウで、[シャットダウン オプション] ボックスの [システム クリーンアップ アクション] ボックスの下の [一般化する] チェック ボックスをオンにして、[シャットダウン] を選択してから、[OK] をクリックします。
Sysprep によって、Windows インストールからシステム固有のデータが削除されます。 システム固有の情報には、イベント ログ、一意のセキュリティ ID (SID)、およびその他の一意の情報が含まれます。 Sysprep によって固有のシステム情報が削除されると、コンピューターはシャットダウンします。
コンピューターがシャットダウンしたら、Windows PE の USB フラッシュ ドライブまたはその他の起動可能なメディアを挿入し、Windows PE を再起動します。
Windows PE セッションで、Dism /capture-image コマンドを使用して参照イメージをキャプチャします。
次の手順に進み、モデル固有の参照イメージを作成します。
手順 2: 顧客用にコンピューターを準備する
手順 1 で作成した顧客向けの参照イメージをインストールします。
Windows インストールを更新した後、コマンド ラインで
Sysprep /audit /generalize /shutdown
コマンドを実行して、コンピューターが監査モードで起動するように Windows を構成します。 その後、別のパーティションを起動するか、Windows PE を使用して Windows イメージをキャプチャできます。新しいコンピューターに Windows をインストールするには、モデル固有の新しい参照イメージを使用します。 Windows イメージがコンピューターに適用され、Windows が監査モードで起動します。
(オプション) 顧客からの注文に応じて追加のアプリケーションとその他の更新をインストールすることができます。 また、コンピューターをテストして、すべてのコンポーネントが正常に動作しているかどうかを確認することもできます。
Windows インストールを更新した後、Sysprep /oobe /shutdown コマンドを実行します。
Note
Sysprep /generalize /oobe コマンドを使用して Windows イメージをインストールした場合、ユーザーにとって必ずしも最適な環境ではなくなります。
Sysprep /generalize /oobe
コマンドを実行すると、次回再起動時、Windows で OOBE が起動する前に、specialize 構成パス、プラグ アンド プレイ、およびその他のセットアップ タスクが実行されます。 このプロセスにはさらに時間がかかる可能性があり、顧客の最初のログオンが遅れる可能性があります。コンピューターを梱包して顧客に提供します。
顧客がコンピューターを起動すると、OOBE が実行されます。
関連トピック
ビルトイン Administrator アカウントの有効化と無効化