再解析ポイント
ファイルまたはディレクトリには、ユーザー定義データのコレクションである "再解析ポイント" を含めることができます。 このデータの形式は、データを格納するアプリケーションと、データを解釈してファイルを処理するためにインストールするファイル システム フィルターによって認識されます。 アプリケーションで再解析ポイントを設定するときは、このデータに加えて、格納するデータを一意に識別する "再解析タグ" を格納します。 ファイル システムは、再解析ポイントを含むファイルを開くと、再解析タグによって識別されるデータ形式に関連付けられているファイル システム フィルターの検索を試みます。 ファイル システム フィルターが見つかると、フィルターは再解析データの指示に従ってファイルを処理します。 ファイル システム フィルターが見つからない場合、ファイルを開く操作は失敗します。
たとえば、再解析ポイントは、NTFS ファイル システム リンクと Microsoft Remote Storage Server (RSS) を実装するために使われます。 RSS は、管理者が定義した一連のルールを使った、使用頻度の低いファイルをテープや光ディスクなどの長期記憶域に移動します。 それは、再解析ポイントを使って、ファイルに関する情報をファイル システム内に格納します。 この情報は再解析ポイントを含むスタブ ファイルに格納され、そのデータは実際のファイルが現在配置されているデバイスを指し示します。 ファイル システム フィルターは、この情報を使ってファイルを取得できます。
再解析ポイントは、マウントされたフォルダーを実装するためにも使われます。 詳しくは、「ディレクトリがマウントされたフォルダーかどうかの判断」をご覧ください。
再解析ポイントには、次の制限が適用されます。
ディレクトリに対して再解析ポイントを確立できますが、ディレクトリは空である必要があります。 そうでない場合、NTFS ファイル システムは再解析ポイントの確立に失敗します。 また、ディレクトリ ビットが設定された再解析ポイントが含まれるディレクトリでディレクトリまたはファイルを作成できますが、設定されていなければ作成できません。
再解析ポイントと拡張属性を同時に使うことはできません。 NTFS ファイル システムは、ファイルに拡張属性が含まれている場合は再解析ポイントを作成できず、再解析ポイントを含むファイルには拡張属性を作成できません。
タグやオプションの GUID を含め、再解析ポイントのデータは、16 キロバイトを超えることはできません。 再解析ポイントに配置するデータの量がこの制限を超えると、再解析ポイントの設定は失敗します。
特定のパスに作成できる再解析ポイントの数は、63 個に制限されています。
注: 再解析ポイントの長さによっては、この制限が減らされる可能性があります。 たとえば、再解析ポイントの対象が完全修飾パスである場合、制限は 31 になります。
Windows Server 2003 と Windows XP: すべての特定のパスで、再解析ポイントは 31 個に制限されます。
注: ディレクトリ ビット (
D
) が1
に設定されている場合、この再解析タグのあるディレクトリに子を含めることができます。 ディレクトリ以外のファイルで使用されているときは特別な意味はありません。 ディレクトリ ビットと名前のサロゲート ビットの間に互換性はありません。
このセクションの内容
トピック | 説明 |
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再解析ポイント タグ | 各再解析ポイントには識別子タグが付いているため、再解析ポイント内のユーザー定義データを調べることなく、異なる種類の再解析ポイントを効率的に区別できます。 |
再解析ポイントの操作 | DeviceIoControl を使って実行できる再解析ポイント操作について説明します。 |
再解析ポイントとファイル操作 | 再解析ポイントを使用して、ほとんどの Windows 開発者が期待する動作から逸脱するファイル システムの動作を有効にする方法について説明します。 |