DataObject クラス

定義

形式に依存しないデータ転送機構を定義する IDataObject インターフェイスの基本実装を提供します。

public ref class DataObject sealed : System::Runtime::InteropServices::ComTypes::IDataObject, System::Windows::IDataObject
public sealed class DataObject : System.Runtime.InteropServices.ComTypes.IDataObject, System.Windows.IDataObject
type DataObject = class
    interface IDataObject
    interface IDataObject
Public NotInheritable Class DataObject
Implements IDataObject, IDataObject
継承
DataObject
実装

このクラスを使用する方法を次の例に示します。

string stringData = "Some string data to store...";
string dataFormat = DataFormats.UnicodeText;
DataObject dataObject = new DataObject(dataFormat, stringData);
Dim stringData As String = "Some string data to store..."
Dim dataFormat As String = DataFormats.UnicodeText
Dim dataObject As New DataObject(dataFormat, stringData)

注釈

重要

このクラスのメソッドを信頼されていないデータを指定して呼び出すことには、セキュリティ上のリスクが伴います。 このクラスのメソッドの呼び出しは、信頼されたデータだけを指定して実行してください。 詳細については、「 すべての入力を検証する」を参照してください。

コンストラクター

DataObject()

DataObject クラスの新しいインスタンスを初期化します。

DataObject(Object)

指定したデータを格納する DataObject クラスの新しいインスタンスを初期化します。

DataObject(String, Object)

特定のデータとそのデータに関連する形式を持つ DataObject クラスの新しいインスタンスを初期化します。形式は文字列によって指定されます。

DataObject(String, Object, Boolean)

特定のデータとそのデータに関連する形式を持つ DataObject クラスの新しいインスタンスを初期化します。形式は文字列によって指定されます。 このオーバーロードは、データが取得時に別の形式に変換されることがあるかどうかを示す Boolean フラグを含みます。

DataObject(Type, Object)

特定のデータとそのデータに関連する形式を持つ DataObject クラスの新しいインスタンスを初期化します。データ形式は Type オブジェクトによって指定されます。

フィールド

CopyingEvent

Copying 添付イベントを識別します。

PastingEvent

Pasting 添付イベントを識別します。

SettingDataEvent

SettingData 添付イベントを識別します。

メソッド

AddCopyingHandler(DependencyObject, DataObjectCopyingEventHandler)

指定された依存関係オブジェクトに Copying イベント ハンドラーを追加します。

AddPastingHandler(DependencyObject, DataObjectPastingEventHandler)

指定された依存関係オブジェクトに Pasting イベント ハンドラーを追加します。

AddSettingDataHandler(DependencyObject, DataObjectSettingDataEventHandler)

指定された依存関係オブジェクトに SettingData イベント ハンドラーを追加します。

ContainsAudio()

WaveAudio データ形式のデータが存在するかどうかをデータ オブジェクトに照会します。

ContainsFileDropList()

FileDrop データ形式のデータが存在するかどうかをデータ オブジェクトに照会します。

ContainsImage()

Bitmap データ形式のデータが存在するかどうかをデータ オブジェクトに照会します。

ContainsText()

UnicodeText 形式のデータが存在するかどうかをデータ オブジェクトに照会します。

ContainsText(TextDataFormat)

テキスト データ形式のデータが存在するかどうかをデータ オブジェクトに照会します。

Equals(Object)

指定されたオブジェクトが現在のオブジェクトと等しいかどうかを判断します。

(継承元 Object)
GetAudioStream()

WaveAudio データ形式のデータを格納するストリームを返します。

GetData(String)

文字列で指定された形式のデータを返します。

GetData(String, Boolean)

指定した形式のデータ オブジェクトを返し、オプションでデータを指定した形式に変換します。

GetData(Type)

Type オブジェクトで指定された形式のデータ オブジェクトを返します。

GetDataPresent(String)

文字列で指定した形式でデータが使用可能かどうか、または指定した形式に変換可能かどうかを判断します。

GetDataPresent(String, Boolean)

データが指定した形式で使用可能かどうか、または指定した形式に変換可能かどうかを判断します。 Boolean フラグは、データが指定した形式で使用できない場合に、指定した形式への変換が可能であるかどうかのチェックの有無を示します。

GetDataPresent(Type)

データが Type オブジェクトによって指定した形式で使用可能かどうか、または指定した形式に変換可能かどうかを判断します。

GetFileDropList()

ドロップされたファイルのリストを含む文字列コレクションを返します。

GetFormats()

このデータ オブジェクトのデータが格納される形式、またはこのデータの変換先として有効な形式のリストを返します。

GetFormats(Boolean)

このデータ オブジェクトのデータが格納される形式のリストを返します。 Boolean フラグは、データの自動変換先として有効な形式も含めるかどうかを示します。

GetHashCode()

既定のハッシュ関数として機能します。

(継承元 Object)
GetImage()

BitmapSource 形式のデータを格納している Bitmap オブジェクトを返します。

GetText()

このデータ オブジェクトの UnicodeText データが格納された文字列を返します。

GetText(TextDataFormat)

このデータ オブジェクトの指定した形式のテキスト データが格納された文字列を返します。

GetType()

現在のインスタンスの Type を取得します。

(継承元 Object)
MemberwiseClone()

現在の Object の簡易コピーを作成します。

(継承元 Object)
RemoveCopyingHandler(DependencyObject, DataObjectCopyingEventHandler)

指定した依存関係オブジェクトから Copying イベント ハンドラーを削除します。

RemovePastingHandler(DependencyObject, DataObjectPastingEventHandler)

指定した依存関係オブジェクトから Pasting イベント ハンドラーを削除します。

RemoveSettingDataHandler(DependencyObject, DataObjectSettingDataEventHandler)

指定した依存関係オブジェクトから SettingData イベント ハンドラーを削除します。

SetAudio(Byte[])

このデータ オブジェクトにオーディオ データ (WaveAudio データ形式) を格納します。 オーディオ データはバイト配列として指定します。

SetAudio(Stream)

このデータ オブジェクトにオーディオ データ (WaveAudio データ形式) を格納します。 オーディオ データはストリームとして指定します。

SetData(Object)

指定したデータをこのデータ オブジェクトに格納し、データ形式をソース オブジェクトの型から自動的に決定します。

SetData(String, Object)

指定したデータを、1 つ以上の指定したデータ形式と共に、このデータ オブジェクトに格納します。データ形式は文字列で指定します。

SetData(String, Object, Boolean)

指定したデータを、1 つ以上の指定したデータ形式と共に、このデータ オブジェクトに格納します。 このオーバーロードは、データが取得時に別の形式に変換されることがあるかどうかを示す Boolean フラグを含みます。

SetData(Type, Object)

指定したデータを、1 つ以上の指定したデータ形式と共に、このデータ オブジェクトに格納します。データ形式は Type オブジェクトで指定します。

SetFileDropList(StringCollection)

FileDrop データをこのデータ オブジェクトに格納します。 ドロップされたファイルのリストは文字列コレクションとして指定します。

SetImage(BitmapSource)

Bitmap データをこのデータ オブジェクトに格納します。 イメージ データは BitmapSource として指定します。

SetText(String)

文字列として指定した UnicodeText データをこのデータ オブジェクトに格納します。

SetText(String, TextDataFormat)

テキスト データをこのデータ オブジェクトに格納します。 格納するテキスト データの形式は、TextDataFormat のメンバーで指定します。

ToString()

現在のオブジェクトを表す文字列を返します。

(継承元 Object)

添付イベント

Copying

関連付けられた依存関係オブジェクトが、コピーする選択項目を表す適切なデータ形式の準備を完了し、コピーする選択範囲の形式を DataObject に追加し、DataObjectClipboard に置くか、ドラッグ アンド ドロップ操作を開始する準備ができたときに発生します。

Pasting

関連付けられた依存関係オブジェクトがデータを貼り付ける準備ができたときに発生します。

SettingData

関連付けられた依存関係オブジェクトが新しいデータ形式を DataObject に追加しようとすると発生します。

明示的なインターフェイスの実装

IDataObject.DAdvise(FORMATETC, ADVF, IAdviseSink, Int32)

データ オブジェクトとアドバイズ シンク間の接続を作成します。 このメソッドは、アドバイズ シンクをサポートするオブジェクトによって呼び出され、オブジェクトのデータの変更をアドバイズ シンクに通知できるようにします。

IDataObject.DUnadvise(Int32)

以前に確立されていた通知の接続を破棄します。

IDataObject.EnumDAdvise(IEnumSTATDATA)

現在のアドバイザリ コネクションを列挙するために使用できるオブジェクトを作成します。

IDataObject.EnumFormatEtc(DATADIR)

データ オブジェクトの FORMATETC 構造体を列挙するためのオブジェクトを作成します。 これらの構造体は、GetData(FORMATETC, STGMEDIUM) または SetData(FORMATETC, STGMEDIUM, Boolean) の呼び出しで使用されます。

IDataObject.GetCanonicalFormatEtc(FORMATETC, FORMATETC)

より複雑な構造体と論理的に等価な、標準の FORMATETC 構造体を提供します。 このメソッドを使用して、2 つの異なる FORMATETC 構造体が同一のデータを返すかどうかを確認し、表示を二重化する必要をなくします。

IDataObject.GetData(FORMATETC, STGMEDIUM)

ソース データ オブジェクトからデータを取得します。 GetData(FORMATETC, STGMEDIUM) メソッドは、データ コンシューマーによって呼び出され、指定された FORMATETC 構造体に記述されているデータを表示し、指定された STGMEDIUM 構造体を使用してそのデータを転送します。 呼び出し元は、その後で STGMEDIUM 構造体を解放する必要があります。

IDataObject.GetDataHere(FORMATETC, STGMEDIUM)

ソース データ オブジェクトからデータを取得します。 このメソッドはデータ コンシューマーによって呼び出され、呼び出し元が、指定したストレージ メディアを割り当て、解放する必要があるという点で GetData(FORMATETC, STGMEDIUM) メソッドとは異なります。

IDataObject.QueryGetData(FORMATETC)

データ オブジェクトが、FORMATETC 構造体で記述されているデータを表示できるかどうかを確認します。 貼り付け操作またはドロップ操作をしようとしているオブジェクトは、GetData(FORMATETC, STGMEDIUM) を呼び出す前にこのメソッドを呼び出して、操作が正常に実行できるかどうかを示す値を取得できます。

IDataObject.SetData(FORMATETC, STGMEDIUM, Boolean)

このメソッドを実装するオブジェクトにデータを転送します。 このメソッドは、データ ソースを格納しているオブジェクトから呼び出されます。

適用対象

こちらもご覧ください