カスタム アプリケーション用の UE-V 2.x の展開
適用対象: User Experience Virtualization 2.0, User Experience Virtualization 2.1
Microsoft User Experience Virtualization (UE-V) 2.0、2.1 および 2.1 SP1 は、設定場所テンプレートと呼ばれる XML ファイルを使用して、デスクトップ アプリケーションの設定および Windows デスクトップの設定を監視し、ユーザー コンピューター間で同期します。UE-V にはいくつかの設定場所テンプレートが既定で含まれています。ただし、既定のテンプレートに含まれるもの以外のデスクトップ アプリケーションの設定を同期する必要がある場合は、UE-V Generator を使用して、独自のカスタム設定場所テンプレートを作成できます。
「UE-V 2.x の展開の準備」の計画に関する資料を読み、カスタム アプリケーション (サードパーティ、基幹業務など) の設定を同期する必要があると決定したら、このトピックの説明に従って UE-V の機能を展開します。最初に、カスタム アプリケーションの設定を同期するために必要な手順の概要を示します。
UEV 2.x Generator をインストールする
UEV Generator を使用して、カスタム XML 設定場所テンプレートを作成します。
設定テンプレート カタログを展開する
カスタム設定場所テンプレートを格納するパスを定義できます。
カスタム設定場所テンプレートを作成する
カスタム テンプレートを使用することで、ユーザーはカスタム アプリケーションの設定を同期できます。
カスタム設定場所テンプレートを展開する
カスタム テンプレートをテストして設定が正しく同期されることを確認した後、次の方法のいずれかでテンプレートを展開できます。
Configuration Manager などの既存の展開インフラストラクチャを使用する
グループ ポリシーの基本設定を使用する
設定テンプレート カタログを展開する
注意
ESD またはグループ ポリシーを使用して展開されるテンプレートは、UE-V Windows Management Instrumentation (WMI) または Windows PowerShell に登録する必要があります。
カスタム アプリケーション用の UE-V 2.x の展開を準備する
カスタム アプリケーションを処理する UE-V 機能の展開を始める前に、確認しておくことが 2 つあります。
UE-V Generator
UE-V Generator はアプリケーションを監視して、アプリケーションが設定を保存している場所を検出し、キャプチャします。監視するアプリケーションは、従来のアプリケーションでなければなりません。設定場所テンプレートを作成するには UE-V Generator を使用しますが、次の種類のアプリケーションからは設定場所テンプレートを作成できません。
仮想化されたアプリケーション
ターミナル サービスを介して提供されるアプリケーション
Java アプリケーション
Windows アプリ
注意
仮想化されたアプリケーションまたはターミナル サービス アプリケーションからは、UE-V の設定場所テンプレートを作成できません。ただし、テンプレートを使用して同期された設定を、これらのアプリケーションに適用することはできます。仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) とターミナル サービス アプリケーションをサポートするテンプレートを作成するには、UE-V Generator を使用してアプリケーションの Windows インストーラー (.msi) パッケージのバージョンを開きます。仮想アプリケーションの設定の同期の詳細については、「UE-V 2.x とアプリケーション仮想化アプリケーションの使用」をご覧ください。
除外される場所: 一般にユーザー コンピューターまたはコンピューティング環境間で正しく同期されないアプリケーション ソフトウェア ファイルが保存されている場所は、検出プロセスから除外されます。既定では、以下の場所は除外されます。
ログオンしたユーザーが値を書き込めない HKEY_CURRENT_USER レジストリ キーおよびファイル
Windows オペレーティング システムのコア機能と関連付けられた HKEY_CURRENT_USER レジストリ キーとファイル
HKEY_LOCAL_MACHINE ハイブにあるすべてのレジストリ キー
プログラム ファイル ディレクトリにあるファイル
Users \ [ユーザー名] \ AppData \ LocalLow にあるファイル
%Systemroot% にある Windows オペレーティング システム ファイル
アプリケーション設定の同期に、除外される場所にあるレジストリ キーとファイルが必要な場合、テンプレート作成プロセス中に設定場所テンプレートに除外される場所を手動で追加できます。
既定の Microsoft テンプレートの置換
UE-V Agent は、共通する Microsoft アプリケーション設定や Windows 設定について、設定場所テンプレートの既定グループをインストールします。これらのテンプレートをカスタマイズする場合、またはカスタム アプリケーションの設定を同期するための設定場所テンプレートを作成する場合は、設定テンプレート カタログを使用してテンプレートを格納するように UE-V Agent を構成できます。この場合は、カスタム テンプレートと共に既定のテンプレートを設定テンプレート カタログに含める必要があります。
UE-V Agent を展開するときは、コマンド ライン パラメーター RegisterMSTemplates
を使用して既定の Microsoft テンプレートの登録を無効にできます。
グループ ポリシーを使用して設定テンプレート カタログのパスを構成するときに、既定の Microsoft テンプレートを置き換えることができます。既定の Microsoft テンプレートを置き換えるようにポリシー設定を構成すると、UE-V Agent によってインストールされたすべての既定の Microsoft テンプレートが削除され、設定テンプレート カタログに含まれるテンプレートのみが使用されます。既定の Microsoft テンプレートを上書きするには、UE-V Agent の構成設定パラメーター RegisterMSTemplates
を true に設定する必要があります。
注意
このポリシー設定を有効にした後で再び無効にした場合、UE-V Agent は既定の Microsoft テンプレートを復元しません。
設定テンプレート カタログ内に、既定の Microsoft テンプレートと同じ ID を使用するカスタマイズされたテンプレートがあり、UE-V Agent が既定の Microsoft テンプレートを置き換えるように構成されていない場合、Microsoft テンプレートは無視されます。
また、UE-V Windows PowerShell 機能を使用して既定のテンプレートを置換することもできます。Windows PowerShell を使用して既定の Microsoft テンプレートを置き換えるには、既定の Microsoft テンプレートをすべて登録解除してから、カスタマイズしたテンプレートを登録します。
注意
アプリケーション用に新しい設定場所テンプレートを展開する場合でも、古い設定パッケージは設定の保存場所に維持されます。これらのパッケージはエージェントによって読み取られませんが、自動的に削除されることはありません。
UEV 2.x Generator をインストールする
Microsoft User Experience Virtualization (UE-V) 2.0 Generator をコンピューターにインストールします。それを使用して、カスタム設定場所テンプレートを作成できます。このコンピューターには、カスタムの設定場所テンプレートを生成する対象となるアプリケーションがインストールされている必要があります。
UE-V Generator をインストールするには
ローカル管理者権限を持つユーザーとして、UE-V ソフトウェアに含まれる UE-V Generator のインストール ファイル ToolSetup.exe を探します。または、コンピューターのアーキテクチャがわかる場合は、適切な Windows インストーラー (.msi) ファイル (ToolsSetupx64.msi または ToolsSetupx86.msi) を実行します。
このインストール ファイルをダブルクリックします。User Experience Virtualization Generator のセットアップ ウィザードが開きます。[次へ] を選択して続行します。
マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意して、[次へ] をクリックします。
Microsoft Updates とカスタマー エクスペリエンス向上プログラムのオプションをクリックします。
UE-V Generator のインストール先フォルダーを選択し、[次へ] をクリックします。
[インストール] をクリックしてインストールを開始します。
注意
アプリケーションのインストール前に、[ユーザー アカウント コントロール] のプロンプトが表示されます。UE-V Generator をインストールするには、アクセス許可が必要です。
インストールが完了したら、[完了] をクリックしてウィザードを閉じます。インストール後に UE-V Generator を実行するには、コンピューターを再起動する必要があります。
インストールが成功したことを確認するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft User Experience Virtualization]、[Microsoft User Experience Virtualization Generator] の順にクリックします。
注意
UE-V 2 Generator を使用して作成できるのは UE-V 2 Agent のテンプレートのみです。UE-V 1.0 Agent と UE-V 2 Agent が混在する環境では、すべての UE-V Agent のアップグレードが完了するまで引き続き UE-V 1.0 Generator を使用する必要があります。
設定テンプレート カタログを展開する
User Experience Virtualization 設定テンプレート カタログは、UE-V コンピューターまたはサーバー メッセージ ブロック (SMB) ネットワーク共有のフォルダー パスであり、すべてのカスタム設定場所テンプレートが保存されます。UE-V Agent のスケジュールされたタスクが、この場所を 1 日に 1 回確認し、このフォルダー内のテンプレートに基づいて同期動作を更新します。
UE-V Agent は、前回フォルダーがチェックされた後にこのフォルダーで追加または更新されたテンプレートを登録し、削除されたテンプレートを登録解除します。テンプレートの既定の登録と登録解除は、タスク スケジューラと起動システムによって 1 日 1 回午前 3:30 に行われます。このスケジュールされたタスクの頻度をカスタマイズするには、「UE-V 2.x のスケジュールされたタスクの頻度の変更」をご覧ください。
インストールのコマンドライン オプション、グループ ポリシー、WMI、または Windows PowerShell を使用して、設定テンプレート カタログのパスを構成できます。設定テンプレート カタログのパスに保存されているテンプレートは、スケジュールされたタスクによって自動的に登録と登録解除が行われます。
UE-V 2.x の設定テンプレート カタログを構成するには
UE-V 設定テンプレート カタログを保存するコンピューターに、新しいフォルダーを作成します。
設定テンプレート カタログ フォルダーについて、次の共有レベル (SMB) アクセス許可を設定します。
ユーザー アカウント 推奨されるアクセス許可 すべてのユーザー
アクセス許可なし
ドメイン コンピューター
読み取りアクセス許可レベル
管理者
読み取り/書き込みアクセス許可レベル
設定テンプレート カタログ フォルダーに次の NTFS ファイル システム アクセス許可を設定します。
ユーザー アカウント 推奨されるアクセス許可 適用先 作成者/所有者
フル コントロール
このフォルダー、サブフォルダー、およびファイル
ドメイン コンピューター
フォルダーの内容の一覧表示と読み取り
このフォルダー、サブフォルダー、およびファイル
すべてのユーザー
アクセス許可なし
アクセス許可なし
管理者
フル コントロール
このフォルダー、サブフォルダー、およびファイル
[OK] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。
ネットワーク共有は、最低でもドメイン コンピューター グループのアクセス許可を付与する必要があります。さらに、共有テンプレートを管理する管理者に、ネットワーク共有フォルダーのアクセス許可を付与します。
カスタム設定場所テンプレートを作成する
UE-V Generator を使用して、基幹業務アプリケーションまたは他のカスタム アプリケーションの設定場所テンプレートを作成します。アプリケーションのテンプレートを作成したら、テンプレートをコンピューターに展開して、そのアプリケーションの設定が同期されるようにします。
UE-V Generator で UE-V 設定場所テンプレートを作成するには
[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft User Experience Virtualization]、[Microsoft User Experience Virtualization Generator] の順にクリックします。
[設定場所テンプレートの作成] をクリックします。
アプリケーションを指定します。設定場所テンプレートを作成するアプリケーション (.exe) のファイル パスまたはアプリケーション ショートカット (.lnk) を参照します。必要に応じて、コマンドライン引数と作業ディレクトリを指定します。[次へ] を選択して続行します。
注意
アプリケーションを起動する前に、[ユーザー アカウント コントロール] のプロンプトが表示されます。アプリケーションが設定を保存するレジストリとファイルの場所を監視するには、アクセス許可が必要です。
アプリケーションの起動後に、アプリケーションを閉じます。UE-V Generator はアプリケーションが設定を保存する場所を記録します。
プロセスが完了したら、[次へ] をクリックして続行します。
このアプリケーションで同期する対象のレジストリ設定の場所や設定ファイルの場所の横にあるチェック ボックスを確認し、適切な項目をオンにします。リストには、次の 2 つのカテゴリの設定場所が含まれます。
標準: HKEY_CURRENT_USER のレジストリ、または \ Users \ [ユーザー名] \ AppData \ Roaming 以下のファイル フォルダーに保存されているアプリケーション設定。UE-V Generator は、既定でこれらの設定を含めます。
非標準: 設定データ記憶域のベスト プラクティスで指定されている以外の場所に保存されているアプリケーション設定 (オプション)。これらには、Users \ [ユーザー名] \ AppData \ Local 以下のファイルとフォルダーが含まれます。これらの場所を確認して、設定場所テンプレートに含めるかどうかを決定します。含める場合は、場所のチェック ボックスをオンにします。
[次へ] を選択して続行します。
設定場所テンプレートの [プロパティ]、[レジストリ] の場所、および [ファイル] の場所を確認して編集します。
[プロパティ] タブの次のプロパティを編集します。
アプリケーション名: プログラム ファイルのプロパティの説明に書き込まれるアプリケーション名。
プログラム名: プログラム ファイルのプロパティから取得されるプログラムの名前。通常、プログラム名の拡張子は .exe です。
製品のバージョン: アプリケーションの .exe ファイルの製品バージョン番号このプロパティと [ファイルのバージョン] によって、設定場所テンプレートの対象となるアプリケーションを決定できます。このプロパティには、メジャー バージョン番号を指定できます。このプロパティが空の場合、設定場所テンプレートは製品のすべてのバージョンに適用されます。
ファイルのバージョン: アプリケーションの .exe ファイルのファイル バージョン番号。このプロパティと [製品のバージョン] によって、設定場所テンプレートの対象となるアプリケーションを決定できます。このプロパティには、メジャー バージョン番号を指定できます。このプロパティが空の場合、設定場所テンプレートはプログラムのすべてのバージョンに適用されます。
テンプレート作成者の名前 (オプション): 設定場所テンプレート作成者の名前。
テンプレート作成者の電子メール アドレス (オプション): 設定場所テンプレート作成者の電子メール アドレス。
[レジストリ] タブには、設定場所テンプレートに含まれるレジストリの場所の [キー] と [スコープ] が表示されます。[タスク] ドロップダウン メニューを使用してレジストリの場所を編集します。タスクでは、新しいキーの追加、既存のキーの名前やスコープの編集、キーの削除、およびキーがあるレジストリの参照を行うことができます。指定したキー以下のすべてのレジストリ設定を含めるには、[すべての設定] スコープを使用します。指定したキー、サブキー、およびサブキー設定以下のすべてのレジストリ設定を含めるには、[すべての設定] と [サブキー] を使用します。
[ファイル] タブには、設定場所テンプレートに含まれるファイルの場所のファイル パスとファイル マスクが表示されます。[タスク] ドロップダウン メニューを使用してファイルの場所を編集します。ファイルの場所のタスクでは、新しいファイルまたはフォルダーの場所の追加、既存のファイルまたはフォルダーのスコープの編集、ファイルまたはフォルダーの削除、および選択した場所を Windows エクスプローラーで開く操作を実行できます。指定したフォルダー内にあるすべてのファイルを含めるには、ファイル マスクを空のままにします。
[作成] をクリックしてから [保存] をクリックし、コンピューターに設定場所テンプレートを保存します。
[閉じる] をクリックして、設定場所テンプレートウィザードを閉じます。UE-V Generator アプリケーションを終了します。
アプリケーションの設定場所テンプレートを作成したら、テンプレートをテストする必要があります。ラボ環境にテンプレートを展開してから、社内の運用環境に展開してください。
「UE-V のアプリケーション テンプレート スキーマ リファレンス」では、UE-V 設定場所テンプレートの XML 構造の詳細が説明され、これらのファイルを編集するためのガイダンスが提供されています。
カスタム設定場所テンプレートを展開する
UE-V Generator で設定場所テンプレートを作成した後、テンプレートをテストしてアプリケーションの設定が正しく同期されることを確認する必要があります。テストが完了したら、その設定場所テンプレートを社内のコンピューターに安全に展開できます。
設定場所テンプレートは、次のいずれかの方法で展開できます。
System Center Configuration Manager などの Enterprise Software Distribution (ESD) システムを使用する。
グループ ポリシーの環境設定を使用する。
UE-V の設定テンプレート カタログを使用する。
ESD またはグループ ポリシー オブジェクトを使用して展開されるテンプレートは、UE-V Windows Management Instrumentation (WMI) または Windows PowerShell に登録する必要があります。設定テンプレート カタログの場所に保存されているテンプレートは、UE-V Agent によって自動登録されます。
設定テンプレート カタログのパスを使用して UE-V 設定場所テンプレートを展開するには
設定テンプレート カタログとして定義されているネットワーク共有フォルダーを参照します。
設定テンプレート カタログで、設定場所テンプレートの追加、削除、または更新を行い、UE-V コンピューターに適した UE-V Agent テンプレート構成を反映させます。
注意
コンピューター上のテンプレートは毎日更新されます。更新は設定テンプレート カタログの変更に基づいて行われます。
UE-V Agent を実行するコンピューター上のテンプレートを手動で更新するには、管理者特権でコマンド プロンプトを開き、%Program Files%\Microsoft User Experience Virtualization \ Agent \ <x86 または x64 > を参照し、ApplySettingsTemplateCatalog.exe を実行します。
注意
このプログラムはコンピューターの起動時および毎日午前 3 時 30 分に自動的に実行され、カタログに最近追加された新しいテンプレートを収集します。
UE-V への提案はございますか。
こちらから提案を追加するか、提案に投票してください。UE-V の問題については、「UE-V に関する TechNet フォーラム」を利用してください。