サービス コントラクト : 一方向

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このサンプルでは、一方向サービス操作へのサービスのアクセスを示します。クライアントは、双方向サービス操作の場合と同様、サービス操作の完了を待機しません。このサンプルは「入門サンプル」に基づき、wsHttpBinding バインディングを使用しています。このサンプルでは、サービスは自己ホスト型コンソール アプリケーションであり、サービスが要求を受信して処理するかどうかを監視できます。また、クライアントもコンソール アプリケーションです。

Noteメモ :

このサンプルのセットアップ手順とビルド手順については、このトピックの最後を参照してください。

一方向サービス コントラクトを作成するには、サービス コントラクトを定義し、OperationContractAttribute クラスを各操作に適用し、IsOneWaytrue に設定します。次のコードを参照してください。

[ServiceContract(Namespace="http://Microsoft.ServiceModel.Samples")]
public interface IOneWayCalculator
{
    [OperationContract(IsOneWay=true)]
    void Add(double n1, double n2);
    [OperationContract(IsOneWay = true)]
    void Subtract(double n1, double n2);
    [OperationContract(IsOneWay = true)]
    void Multiply(double n1, double n2);
    [OperationContract(IsOneWay = true)]
    void Divide(double n1, double n2);
}

クライアントがサービス操作の完了を待機しないことを示すため、このサンプルではサービス コードに 5 秒の遅延を実装します。次のサンプル コードを参照してください。

/ This service class implements the service contract.
// This code writes output to the console window.
 [ServiceBehavior(ConcurrencyMode = ConcurrencyMode.Multiple,    InstanceContextMode = InstanceContextMode.PerCall)]
public class CalculatorService : IOneWayCalculator
{
    public void Add(double n1, double n2)
    {
        Console.WriteLine("Received Add({0},{1}) - sleeping", n1, n2);
        System.Threading.Thread.Sleep(1000 * 5);
        double result = n1 + n2;
        Console.WriteLine("Processing Add({0},{1}) - result: {2}", n1, n2, result);
    }
    ...
}

クライアントがサービスを呼び出すと、サービス操作の完了を待たずに呼び出しが返されます。

サンプルを実行すると、クライアントとサービスのアクティビティがサービスとクライアントの両方のコンソール ウィンドウに表示されます。サービスがクライアントから受信したメッセージを表示できます。どちらかのコンソールで Enter キーを押すと、サービスとクライアントがどちらもシャットダウンされます。

先にクライアントが完了してその次にサービスが完了し、クライアントが一方向サービス操作の完了を待たないことが示されます。クライアントからの出力を次に示します。

Add(100,15.99)
Subtract(145,76.54)
Multiply(9,81.25)
Divide(22,7)

Press <ENTER> to terminate client.

サービスからの出力が次のように表示されます。

The service is ready.
Press <ENTER> to terminate service.

Received Add(100,15.99) - sleeping
Received Subtract(145,76.54) - sleeping
Received Multiply(9,81.25) - sleeping
Received Divide(22,7) - sleeping
Processing Add(100,15.99) - result: 115.99
Processing Subtract(145,76.54) - result: 68.46
Processing Multiply(9,81.25) - result: 731.25
Processing Divide(22,7) - result: 3.14285714285714
Noteメモ :

HTTP は本来、要求/応答プロトコルです。つまり、要求が行われると応答が返されます。これは、HTTP を介して公開される一方向サービス操作にも当てはまります。この操作が呼び出されると、サービスは HTTP ステータス コード 202 を返し、その後サービス操作が実行されます。このステータス コードは、要求は処理用に受け入れられたが、処理はまだ完了していないことを示します。操作を呼び出したクライアントは、サービスから 202 応答を受信するまでブロックします。これにより、セッションを使用するように構成されているバインディングを使用して複数の一方向メッセージが送信されたときに、いくつかの予期しない動作が発生する場合があります。このサンプルで使用されている wsHttpBinding バインディングは、既定ではセッションを使用してセキュリティ コンテキストを確立するように構成されています。既定では、セッション内のメッセージは、送信される順序で到着することが保証されています。このため、セッション内の 2 番目のメッセージが送信されても、最初のメッセージが処理されるまでは処理されません。この結果、クライアントは、前のメッセージの処理が完了するまではメッセージの 202 応答を受信しません。このため、クライアントは以降のそれぞれの操作呼び出しでブロックしているように見えます。この動作を回避するため、サンプルでは、メッセージを処理用の各インスタンスに同時にディスパッチするようにランタイムを構成します。サンプルでは、InstanceContextModePerCall に設定して、各メッセージが異なるインスタンスによって処理されるようにします。さらに、ConcurrencyModeMultiple に設定して、複数のスレッドでメッセージを同時にディスパッチできるようにします。

サンプルを設定、ビルド、および実行するには

  1. Windows Communication Foundation サンプルの 1 回限りのセットアップの手順」が実行済みであることを確認します。

  2. ソリューションの C# 版または Visual Basic .NET 版をビルドするには、「Windows Communication Foundation サンプルのビルド」の手順に従います。

  3. 単一コンピュータ構成か複数コンピュータ構成かに応じて、「Windows Communication Foundation サンプルの実行」の手順に従います。

Noteメモ :

サービスを先に実行してからクライアントを実行してください。また、クライアントをシャットダウンした後でサービスをシャットダウンしてください。これにより、サービスが終了したことによりクライアントでセキュリティ セッションが正常に終了できない場合に発生する、クライアント側の例外が回避できます。

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