.NET Framework Client Profile

.NET Framework 4 Client Profile は、クライアント アプリケーション用に最適化された .NET Framework 4 のサブセットです。 WPF (Windows Presentation Foundation)、Windows フォーム、WCF (Windows Communication Foundation)、および ClickOnce の機能を含むほとんどのクライアント アプリケーション向けの機能が用意されています。 これにより、.NET Framework 4 Client Profile を対象とするアプリケーションの配置が速くなり、インストール パッケージが小さくなります。

メモメモ

.NET Framework 4 Client Profile を対象とする場合は、.NET Framework 4 Client Profile に含まれないアセンブリを参照することはできません。代わりに、.NET Framework 4 を対象にする必要があります。詳細については、「.NET Framework を対象とするエラーのトラブルシューティング」を参照してください。

このトピックは、次のセクションで構成されています。

  • .NET Framework 4 Client Profile の機能
  • .NET Framework 4 Client Profile に含まれていない機能
  • .NET Framework Client Profile を使用する利点
  • .NET Framework Client Profile のバージョン間の相違点
  • .NET Framework 4 Client Profile を対象とするプロジェクト テンプレート
  • .NET Framework Client Profile の指定
  • .NET Framework Client Profile の配置
  • 関連トピック

.NET Framework 4 Client Profile の機能

.NET Framework 4 Client Profile には、以下のクライアント アプリケーションを開発するために必要な機能が含まれます。

  • common language runtime (CLR)

  • ClickOnce

  • Windows Forms

  • Windows Presentation Foundation (WPF)

  • Windows Communication Foundation (WCF)

  • Entity Framework

  • Windows Workflow Foundation

  • 音声

  • XSLT サポート

  • LINQ to SQL

  • Entity Framework および WCF Data Services のランタイム デザイン ライブラリ 

  • MEF (Managed Extensibility Framework)

  • 動的な型

  • タスク並列ライブラリ (TPL: Task Parallel Library)、PLINQ (Parallel LINQ)、CDS (Coordination Data Structures) などの並列プログラミング機能

  • クライアント アプリケーションのデバッグ

.NET Framework 4 Client Profile に含まれる参照アセンブリの詳細な一覧については、「.NET Framework Client Profile 内のアセンブリ」を参照してください。 これらのテクノロジの詳細については、「技術のクイック リファレンス (.NET Framework)」を参照してください。

.NET Framework 4 Client Profile に含まれていない機能

.NET Framework 4 Client Profile には、次の機能は含まれていません。 アプリケーションでこれらの機能を使用するには、.NET Framework 4 をインストールする必要があります。

  • ASP.NET

  • Windows Communication Foundation (WCF) の高度な機能

  • .NET Framework Oracle 用データ プロバイダー

  • コンパイルに使用する MSBuild

.NET Framework Client Profile を使用する利点

.NET Framework 4 Client Profile を対象とするアプリケーションでは、通常、ダウンロード サイズが小さくなりインストール時間が短縮されるため、迅速な配置が可能になります。 .NET Framework 4 Client Profile を対象とするアプリケーションには、.NET Framework 4 の完全版が存在しなくても、ユーザーのコンピューター上にクライアント アセンブリの最小セットをインストールする小さい再頒布パッケージがあります。

.NET Framework Client Profile のバージョン間の相違点

.NET Framework Client Profile は、.NET Framework の配置とインストールを向上するために .NET Framework 3.5 SP1 で導入されました。 次の表は、.NET Framework 3.5 SP1 Client Profile と .NET Framework 4 Client Profile の相違点を示しています。

.NET Framework 3.5 SP1 Client Profile

.NET Framework 4 Client Profile

Web インストールのみ。

ローカル パッケージと Web インストール。

Microsoft .NET Framework の旧バージョンがインストールされていない Microsoft Windows XP SP2 または SP3 および x86 アーキテクチャのみをサポートします。

.NET Framework 4 でサポートされるすべてのプラットフォームと CPU アーキテクチャ (IA64 を除く)。

[プログラムの追加と削除] の単一エントリ。 完全版の .NET Framework をインストールすると、[プログラムと機能] で Client が置き換えられて、元に戻すことはできません。

.NET Framework の一部。 .NET Framework は、.NET Framework 4 Client Profile および .NET Framework 4 Extended コンポーネントで構成されます。これらのコンポーネントは、[プログラムと機能] では別個に存在します。

Windows Update によって .NET Framework の完全版にアップグレードされます。

独立したコンポーネント。

  • 個別に処理できます。

  • .NET Framework の .NET Framework 4 Extended コンポーネントを必要としません。

.NET Framework 4 Client Profile を対象とするプロジェクト テンプレート

Visual Studio 2010 のいくつかのプロジェクト テンプレートでは、.NET Framework 4 Client Profile が対象になっています。 既定で .NET Framework 4 Client Profile が対象になっている Visual Studio 2010 のプロジェクト テンプレートは次のとおりです。 他のすべてのプロジェクトは、既定で .NET Framework 4 を対象とします。

Windows

  • WPF アプリケーション

  • WPF ブラウザー アプリケーション

  • WPF カスタム コントロール ライブラリ

  • WPF ユーザー コントロール ライブラリ

  • Windows フォーム アプリケーション

  • Windows フォーム コントロール ライブラリ

  • コンソール アプリケーション

  • 空のプロジェクト

  • ウィンドウ サービス

Office

  • Office 2007 および Office 2010 のすべてのプロジェクト テンプレート

WCF

  • WCF サービス ライブラリ

ワークフロー

  • アクティビティ デザイナー ライブラリ

  • アクティビティ ライブラリ

  • ワークフロー コンソール アプリケーション

Visual F#

  • F# アプリケーション

  • F# チュートリアル

.NET Framework Client Profile の指定

プロジェクトのターゲット フレームワークは、Visual Studio で表示または変更できます。 ターゲット フレームワークを変更する方法については、「方法: 特定の .NET Framework のバージョンまたはプロファイルを対象として指定する」を参照してください。

.NET Framework Client Profile に含まれないプロジェクトのアセンブリを参照しようとすると、Visual Studio でエラー メッセージが表示されます。 対象の指定に関するエラーのトラブルシューティングの詳細については、「.NET Framework を対象とするエラーのトラブルシューティング」を参照してください。 .NET Framework 4 Client Profile に含まれるアセンブリの詳細な一覧については、「.NET Framework Client Profile 内のアセンブリ」を参照してください。

アプリケーションで .NET Framework 4 Client Profile を対象にする場合、.NET Framework 4 を対象とするクラス ライブラリへの参照を追加できるのは、そのライブラリで .NET Framework 4 Client Profile に含まれないアセンブリが参照されていない場合に限ります。 .NET Framework 4 Client Profile にないアセンブリへの参照がライブラリに含まれる場合、Visual Studio でエラー メッセージが表示されます。

.NET Framework Client Profile の配置

.NET Framework 4 Client Profile を対象とするアプリケーションを配置するとき、配置する必要があるのは .NET Framework 4 Client Profile のみです。 ClickOnce を使用して配置する場合、.NET Framework 起動条件として .NET Framework 4 Client Profile を選択できます。 詳細については、「.NET Framework 起動条件」を参照してください。

.NET Framework 4 Client Profile を配置し、アプリケーションの対象が .NET Framework 4 である場合、ユーザーがアプリケーションを実行しようとすると、.NET Framework 4 のインストールを求められます。

.NET Framework の配置の詳細については、「.NET Framework およびアプリケーションの配置」および「.NET Framework 配置ガイド (開発者向け)」を参照してください。

参照

処理手順

方法: 特定の .NET Framework のバージョンまたはプロファイルを対象として指定する

概念

Visual Studio のマルチ ターゲットの概要

.NET Framework を対象とするエラーのトラブルシューティング

その他の技術情報

.NET Framework Client Profile 内のアセンブリ