Unified Service Desk 用 CTI アダプタの作成に関する考慮事項

 

公開日: 2016年11月

対象: Dynamics 365 (online)、Dynamics 365 (on-premises)、Dynamics CRM 2013、Dynamics CRM 2015、Dynamics CRM 2016

このトピックは、コンピューター テレフォニー統合 (CTI) アダプターを Unified Service Desk で動作できるように作成するときに考慮すべき情報を提供しています。

このトピックの内容

CTI コントロール (Softphone ユーザー インターフェイス) の仕様

電話サービス機能をサポートする操作

CTI のスクリーン ポップ

CTI 検索

チャット イベントの特別な機能

CTI コントロール (Softphone ユーザー インターフェイス) の仕様

Softphone および CTI ユーザー インターフェイス コンポーネントと Unified Service Desk とを相互運用するには、次の内容を確認します。

  • コントロールが、Windows Presentation Foundation (WPF) を使用して作成され、DynamicsBaseHostedControl クラスから派生されている。

  • CTI コントロールは、Unified Service Desk の CtiPanel パネルに配置される。 コントロールの高さは、CtiPanel に適合するように 23 にする必要があります。 より大きいコントロールを使用することもできます。

  • 複数の CTI コントロールまたはユーザー インターフェイス コンポーネントを CtiPanel に配置することができる。 これは、水平方向のスタック パネルです。したがって、このパネルに複数のコントロールを配置する場合、それらは並んで表示されます。

電話サービス機能をサポートする操作

Unified Service Deskの機能の 1 つは、プログラミングを行わずに先進的なアプリケーション デザインを構成する能力です。 この種の機能は、Unified Service Deskの操作の概念を通じて公開されています。 テレフォニー コントロール機能をホストされたアプリケーションのボタン、エージェント スクリプト、およびリンクまで拡張するという発想をサポートするために、このシステムでは、CTI アダプターによって公開される機能に対して定義されるアクションに依存しています。 これは、CTI コンポーネントの CTI デスクトップ マネージャーのホストされたコントロールで UII アクションを公開することによって行います。 これらの各アクションによって、管理者は、アプリケーションの動作をより詳細に制御します。

次のアクションが、CTI のデスクトップ マネージャー のホストされたコントロールで定義および実装されることをお勧めします。

アクション

説明

発信

呼び出し番号。 このパラメーターを指定しない場合、ユーザーが数字を入力するダイアルパットが表示されます。

呼び出しが通話中の場合、このアクションにより IVR の場合と同様に数字をダイヤルします。

振替

これにより、転送を開始または完了します。 転送が開始されたが完了していない場合、これにより、呼び出しは転送され、パラメーターは無視されます。 通話中の場合、呼び出しを保留にし、新しい呼び出しがコンテキスト データを渡すようにします。

会議

これにより、会議を開始または完了します。 会議が開始しされたが完了していない場合、これにより、呼び出しの会議は開始され、パラメーターは無視されます。 通話中の場合、呼び出しを保留にし、新しい呼び出しがコンテキスト データを渡すようにします。

切断

これにより、現在の呼び出しが終了します。

注意

これらのアクションが、[CTI デスクトップ マネージャー] のホストされたコントロールでサポートされている場合 、アプリケーション内のさまざまな場所からこの機能をトリガーできます。これにより、緊密に統合されたエージェント エクスペリエンスを提供します。

CTI のスクリーン ポップ

Unified Service Desk で CTI のスクリーン ポップをデザインする際には、次の内容を確認する必要があります。

  • CTI 要求の CallInfo パラメーターに、次の値が入力されている必要があります。

    パラメーター

    説明

    方向

    着信には “inbound” を、送信には “outbound” を指定します。

    管理者が呼び出しの方向に応じて異なる動作を指定できるように、システムによって使用されます。

    Calltype

    音声通話には “phonecall” を、チャット セッションには “chat” を指定します。

  • CTI アダプターは Microsoft Dynamics 365 で自動的に活動を作成しません。これは、望ましい動作とは限らないからです。 したがって、システム管理者がこれを構成する必要があります。

    try
    {
      FireRequestAction(new RequestActionEventArgs("*", CtiLookuprequest.CTILOOKUPACTIONNAME,GeneralFunctions.Serialize<CtiLookupRequest>(data)));
    }
    

    注意

    CTI のアクションを呼び出すために、CTILOOKUPACTIONNAME を使用することと、サンプル コードに示すように、アプリケーション名が「*」であると仮定されています。

重要

User Interface Integration (UII)CTI のフレームワークに従わない Unified Service Desk 用 CTI アダプターを作成することが可能です。

CTI 検索

CTI 検索は、Dynamics 365 の FetchXML を使用して実行されます。CTI から任意のパラメーターに渡されたデータを使用して、Dynamics 365 の選択したエンティティ内の任意のフィールドを検索できます。 一致が見つかるまで、一度に 1 つのルールで検索は実行されます。Unified Service Desk のウィンドウ ナビゲーション ルールとの一致が一度検出されると、次の手順のナビゲーション ルールで構成されているガイダンスに従います。 一般に、ルールは活動を中心とするセッションを開き、オプションで、タブ内にアクティビティを表示するように設定されます。CTI 検索を実行するためのウィンドウ ナビゲーション ルールの構成方法の詳細については、「チュートリアル: CTI イベントのルーティングに対する汎用リスナー アダプターを使用する」を参照してください。

Unified Service Desk のウィンドウ ナビゲーション ルールを使用して、サンプル CTI 検索ルールを構成してみましょう。 ウィンドウ ナビゲーション ルールの詳細については、「統合サービス デスクでのウィンドウ ナビゲーションの規則の使用」を参照してください。

  1. ナビゲーション バーで、Microsoft Dynamics 365 を選択し、次に [設定] を選択します。

  2. ナビゲーション バーで、[設定] を選択し、[ウィンドウ ナビゲーション ルール] を選択します。

  3. [新規] を選択します。

  4. ウィンドウ ナビゲーション ルールの名前と順序を入力します。[開始] ボックスで、CTI のデスクトップ マネージャーのホストされたコントロールを選択します。

  5. CTI デスクトップ マネージャーを選択した後、開始活動から始まる CTI のオプションが表示されます。 開始活動フィールドには、CTI アダプターから渡されるエンティティ タイプを含める必要があります。 たとえば、電話、チャット、電子メールなどになります。 1 つのルールは CTI サーバからの活動の 1 つの種類のみを処理します。

    CTI イベントのルーティングのための新しいウィンドウ ナビゲーション ルール

  6. 右下隅の 保存 をクリックして、レコードを保存して、次の手順に必要なフィールドを有効にします。

  7. CTI 検索の下で、検索アイコンをクリックし、 検索ボックスの 新規 クリックし、FetchXML クエリを使用して新しい検索条件を定義します。

  8. 新しいCTI 検索画面で、CTI 検索クエリの順序と名前を指定します。 方向フィールドは受信または発信で、CTI イベントの特定の方向のみに対して検索を実行するために使用されます。 この方向は、CTI アダプターから渡されます。

    CTI 検索のために必要な FetchXML クエリを入力します。Dynamics 365 の高度な検索機能を使用して初期検索を作成し、FetchXML をダウンロード します。 キー フィールドは、多くの場合、Microsoft Dynamics 365 の高度な検索では使用できないので、エクスポートした後、XML にその条件を手動で追加する必要があることに気づく場合があります。Unified Service Desk コンテキストに表示したい属性を選択する必要もあります。 他の種類のデータ パラメーターのように、ディスプレーにページが読み込まれた後に表示されるのではなく、すぐに表示されます。 必要な FetchXML を取得したら、[FetchXML] ボックスにそのテキストを貼り付け、CTI の検索ルールを保存します。

    Unified Service Desk での 新しい CTI の検索

  9. システムが、そのルールの CTI の各検索項目を検索します。 クロス エンティティの検索のように考えることができます。 これらの条件は、最終的な結果セットと関係しており、複数の結果を処理する場合は、複数のエンティティ タイプから 1 つ以上のレコードが検出されたこと示す場合があります。

    検索リストの下には、3 つの条件とそれぞれの場合に実行すべき内容を示すために使用される選択が表示されます。

    条件

    説明

    一致項目なし

    ルールで指定されたすべての検索で一致項目が見つからなかった場合、システムが行うこと。

    1 つの一致項目

    組み合わせられた検索の結果として 1 つのレコードだけが見つかったときにシステムが行うこと。

    複数の一致項目

    すべての検索で複数の結果が見つかった場合、システムが行うこと。

    各条件について、対処方法に関する決定があります。

    決定

    説明

    セッションの作成後アクション実行

    これは、設定済みのアクションを実行する前に新しいセッションを作成します。 このアクションは、この新しいセッションのコンテキスト内で実行されます。

    セッションの作成、一致項目の読み込み後、アクション実行

    セッションを作成し、次に Microsoft Dynamics 365 フォームの結果タブでの選択に基づいて、タブまたはエンティティ検索に一致を読み込みます。 最後に、アクションを呼び出します。 このオプションは、1 つの一致に対してのみ有効です。

    アクション実行

    結果について何もせずに、必要に応じてこの条件に固有の設定済みのアクションを呼び出すように、システムに指示します。 この結果として順番に複数のアクションを呼び出すようにする場合は、Global Manager のホストされたコントロールで FireEvent アクションを呼び出すことができます。 このアクションは、現在のセッションのコンテキスト内で実行されます。 新しいセッションは作成されません。

    次のルール

    このルールの処理の残りの部分を無視して、一致する可能性がある他のルールを検索するように、システムに通知します。 続くルールに対して、新しい検索が実行されます。

    重要

    ナビゲーションのルールで構成された"次のルール"をシステムが実行しないときはいつでも、ナビゲーション ルール自体に構成されたアクションも実行されます。 特定の条件でのみルールを実行する場合は、そのセクションのアクションを使用する必要があります。 どの選択をしたとしても実行される汎用アクションを、ナビゲーション ルールのアクション リストに入力することができます。

チャット イベントの特別な機能

チャットイベントに応答する際、いくつか特別なことがシステムに発生します。CTI イベントのデータ パラメーター値 "CTIDESKTOPMANAGERCONTROL" には、CTI のデスクトップ マネージャーのホストされたアプリケーションの名前が入力され、SendIM アクションをサポートしていると仮定されています。CtiLookupRequest に渡される CALLTYPE が “Chat” の場合、Unified Service Desk はエージェント スクリプトのユーザー インターフェイスに追加のボタンを表示します。 エージェントがこのボタンをクリックすると、CTIDESKTOPMANAGERCONTROL コントロールで指定された CTI デスクトップ マネージャーのホストされたコントロールで SendIM アクションの呼び出しを試みます。 エージェント スクリプトのテキストがこのアクションに渡され、CTI デスクトップ マネージャーのホストされたコントロールはチャット出力にこのテキスト 書き込むことを想定しています。

関連項目

CTIDESKTOPMANAGERCONTROL
UII コンピューター テレフォニー統合 (CTI) フレームワーク
CTI デスクトップ マネージャーの作成
統合サービス デスクでのウィンドウ ナビゲーションの規則の使用
チュートリアル: CTI イベントのルーティングに対する汎用リスナー アダプターを使用する

Unified Service Desk 2.0

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