Exchange 2010 ハイブリッド展開での管理インターフェイスの構成

 

適用先: Exchange Server 2010 SP1

推定完了時間:5 分

ここで、クラウドベースの組織を Exchange 管理コンソール (EMC) に追加し、クラウドベースの受信者と組織の構成を管理できるようにリモート PowerShell セッションの作成方法を学習します。

クラウドベースの組織を EMC に追加すると、社内の Exchange 組織の EMC で通常は使用できる多数のフィールドが、クラウドベースの組織では使用できないことが分かります。これには、クラウドベースの構成における多くの側面が関係していますが、特に受信者が社内の Exchange 組織から管理されていることが原因です。

一部のタスクでは、EMC の代わりにリモート PowerShell セッションを使用してクラウドベースの組織を構成する必要があります。この場合は、次の指示に従って、クラウドベースの組織へのリモート PowerShell セッションを開きます。

詳細情報:Exchange 2010 ハイブリッド展開の管理について

注意

これは、Microsoft Exchange Server 2010 と Office 365 のハイブリッド展開のチェックリストの一部として読むように作られています。このトピックの情報または手順は、チェックリストの以前のトピックで構成された前提条件に依存する場合があります。チェックリストを表示するには、「チェックリスト - Exchange 2010 と Office 365 のハイブリッド展開」を参照してください。

EMC の構成方法

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、「Exchange およびシェル インフラストラクチャーのアクセス許可」の「Exchange 管理コンソールの構成設定」を参照してください。

次の手順に従い、クラウドベースの組織をハイブリッド サーバーの EMC に追加できます。

  1. EMC がインストールされているコンピューターに、Microsoft Office 365 デスクトップ セットアップをダウンロードしてインストールします。これを行うには、以下のリンクにアクセスして、手順 3[セットアップ][Office 365 アプリケーションのセットアップと構成] の順にクリックします。[構成するアプリケーションを選択] で選択したアプリケーションをすべてクリアして、[詳細を表示する] を選択し、次に [Microsoft Online Services サインイン アシスタント] を選択します。[続ける] をクリックしてダウンロードします。Microsoft Outlook、Microsoft SharePoint、または Microsoft Lync をインストールする必要はありません。

    ダウンロード元:Microsoft Office 365 デスクトップ セットアップ

  2. ハイブリッド サーバーで EMC を開きます。

  3. コンソール ツリーで、[Microsoft Exchange] ノードをクリックします。これは、ツリー内の最上位ノードです。

  4. 操作ウィンドウで、[Exchange フォレストの追加] をクリックします。

  5. [Exchange フォレストの追加] ダイアログ ボックスで、次のフィールドを入力します。

    • [この Exchange フォレストのわかりやすい名前を指定する]   Exchange フォレストの名前を入力します。この名前はコンソール ツリーに表示されます。

    • [リモート PowerShell インスタンスを実行するサーバーの FQDN または URL を指定してください]   クラウドベースの組織にアクセスするために必要な URL を含む [Exchange Online] を選択します。

    • [既定の資格情報でログオン]  シングルサインオンが有効になるように Active Directory フェデレーション サービス (AD FS) 2.0 を構成し、クラウドベースの組織で管理者としてログインする社内 Active Directory アカウントを構成している場合は、このチェック ボックスをオンにします。別の資格情報を指定する場合は、このチェック ボックスをオフにします。

  6. [既定の資格情報でログオン] チェック ボックスをオフにした場合は、クラウドベースの組織内の管理者の資格情報を入力します。

リモート PowerShell をクラウドベースの組織に接続する方法

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可は、クラウドベースの組織への接続中に実行するタスクによって決まります。必要なアクセス許可を得る以外に、接続する際に使用するアカウントを、リモート PowerShell 接続を許可するように構成する必要があります。詳細については、「ユーザーのリモート Exchange 管理シェルを有効にする」を参照してください。

リモート PowerShell を使用してクラウドベースの組織に接続するには、使用しているコンピューターに Windows PowerShell 2.0 と Windows リモート管理 (WinRM) がインストールされている必要があります。また、そのコンピューター上の Windows PowerShell は、スクリプトを実行するように構成されている必要があります。

詳細情報:Windows PowerShell のインストールと構成

クラウドベースの組織とのリモート PowerShell セッションを作成し、コマンドを実行する必要があるときはいつでも、次の手順を実行します。

重要

完了した時点でリモート PowerShell セッションを切断してください。セッションを切断しないと、使用可能なセッションを使い切ってしまう可能性があります。最大 3 つのリモート PowerShell セッションを同時に確立できます。使用可能なセッションをすべて利用している場合は、セッションが期限切れになるまで待つ必要があります。

  1. Windows PowerShell を開きます。

  2. 次のコマンドを使用して、クラウドベースの組織内の管理者アカウントの資格情報を入力します。

    $LiveCred = Get-Credential
    
  3. 次のコマンドを使用して、クラウドベースの組織への接続を作成します。

    $Session = New-PSSession -ConfigurationName Microsoft.Exchange -ConnectionUri https://ps.outlook.com/powershell/ -Credential $LiveCred -Authentication Basic -AllowRedirection
    
  4. 次のコマンドを使用して、ローカル コンピューターで Exchange コマンドレットを読み込みます。

    Import-PSSession $Session
    

クラウドベースの組織からリモート PowerShell を切断する方法

クラウドベースの組織で実行予定のタスクを完了した後、ローカル コンピューターとクラウドベースの組織との間のセッションを切断する必要があります。

次のコマンドを使用して、クラウドベースの組織からリモート PowerShell を切断します。

Remove-PSSession $Session

設定が適用されたことを確認する方法

組織が EMC に正常に追加されると、新しい組織ノードがコンソール ツリーに表示されます。新しい組織を展開すると、[組織の構成][受信者の構成]、および [ツールボックス] ノードが表示されます。[クライアント アクセス][ハブ トランスポート]、および [ユニファイド メッセージング] ノードは、クラウドベースの組織のコンソール ノードには表示されません。

問題がある場合は、Office 365 のフォーラムで質問してください。フォーラムにアクセスするには、クラウドベースのサービスへの管理者アクセス権限を付与されたアカウントを使用してサインインする必要があります。次のフォーラムにアクセスしてください。Office 365 フォーラム

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