ラベルを使用したファイルのスナップショット取得
発行: 2016年4月
ラベルを使用すると、ファイルのスナップショットを取得できます。取得したスナップショットは後で参照できます。 ラベルを使用すると、多数のファイルを表示およびビルドできるだけでなく、ラベルを適用したときの状態までロールバックできます。
必要なアクセス許可
ラベルを適用するには、[ラベル] のアクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 ラベルを検索、一覧、または表示するには、[読み取り] のアクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 ラベルを変更または削除するには、ラベルの所有者であるか、[ラベルの管理] のアクセス許可セットが [許可] に設定されている必要があります。
この記事の内容
ラベルの使用
ラベルの適用
ラベル名の変更
ラベルの一覧、検索、表示、編集、および削除
ワークスペースへのファイルのラベル付きバージョンのダウンロード
[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作
コマンド プロンプトから作業する
ラベルの使用
多くのソフトウェア プロジェクトでは、コードの品質と安定性が適切なレベルに達した場合、新しいバージョンの製品をビルドし、リリースします。 ファイルの変更が続いている間でも、プロジェクト内のどのファイルでも新しいバージョンを取得およびビルドできるように、各ファイルの最新バージョンにマークを付ける必要があります。
理論上は、各ファイルの各変更セットの ID を手動で記録することもできますが、このようなプロセスは実用的ではありません。 Team Foundation バージョン管理を使用すると、この作業が簡単になります。対象のファイルを含むフォルダー、分岐、またはチーム プロジェクトにラベルを適用するだけです。 ラベルには、任意の名前付け規則に従って名前を付けることができます。 たとえば、"Sprint 5"、"M1"、"Beta2"、"Release Candidate 0" などのラベル名を付けることができます。
ラベルを適用すると、特定のバージョンのファイルやフォルダーのビルド、分岐、マージ、比較、取得などの操作を限定するために使用できます。
ラベルの適用後に、ラベルを変更する必要が出てくることもあります。 Team Foundation バージョン管理では、追加のファイルにラベルを適用すること、特定のファイルからラベルを削除すること、さらにラベルを適用するファイルのバージョンを変更することもできます。
ヒント
ラベルの適用には、分岐を作成できるだけでなく多くの利点がありますが、コストと複雑さは軽減されます。
ラベルの適用
ヒント
Visual Studio を使用して既存のラベルを適用すると、すべてのファイル バージョンからそのラベルが削除された後で、そのラベルが適用されます。一方、コマンド プロンプトからの場合、ラベル操作は付加的です。「Label Command (Team Foundation Version Control)」を参照してください。
ラベルの適用
ソース管理エクスプローラーで、ラベルを適用するチーム プロジェクト コレクション、チーム プロジェクト、分岐、フォルダー、またはファイルのショートカット メニューを開いて、[詳細設定]、[ラベルの適用] の順にクリックします。
[新しいラベル] ダイアログ ボックスが表示されます。
[名前] ボックスにラベル名を入力します。
(省略可能) [コメント] ボックスにコメントを入力します。
[バージョン] リストでは、既定で [最新バージョン] が選択されています。 このオプションは最もよく使用されるオプションの 1 つですが、特定のバージョンを対象にしたラベルが必要な場合、次のいずれかを選択します。
[変更セット]: [変更セット] ボックスで変更セット番号を指定します。 または、省略記号 (…) をクリックして [変更セットの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「変更セットの検索と表示」を参照してください。
[日付]: [日付] ボックスで日付を指定します。または、ドロップダウン メニューのカレンダーから日付を選択します。
[ラベル]: 新しいラベルの元にする既存のラベルを指定します。 [ラベル] ボックスにラベル名を入力するか、省略記号 (...) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
[ワークスペース バージョン]: ワークスペースのバージョン用のラベルが作成されます。
設定が終わったら、次の手順のいずれかを実行します。
ラベルを適用するには、[作成] をクリックします。
ラベルを適用し、適用後に変更するには、[作成および編集] をクリックします。 この操作でラベルが適用され、[ラベル] ウィンドウが表示されます。 [ラベル] ウィンドウを使用してラベルを編集する方法の詳細については、「[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作」を参照してください。
注意
既存の名前を使用してラベルを適用すると、続行するかどうかを確認する警告が表示されます。[OK] をクリックして続行した場合、ラベルを適用するパスに含まれない項目には、そのラベルが指定されなくなります。
ラベル名の変更
既存のラベル名は変更できませんが、別のラベルが適用されているファイルとバージョンに新しいラベルを適用することは簡単にできます。
既存のラベルに基づくラベルの適用
ソース管理エクスプローラーでプロジェクト コレクション ノード (ルート ノード) のショートカット メニューを開き、[詳細設定]、[ラベルの適用] の順にクリックします。
[新しいラベル] ダイアログ ボックスが表示されます。
[名前] ボックスにラベル名を入力します。
(省略可能) [コメント] ボックスにコメントを入力します。
[バージョン] リストで [ラベル] を選択します。
[ラベル] ボックスが表示されます。
次のいずれかの操作を実行します。
既存のラベル名を入力します。
既存のラベル名をよく覚えていない場合、[ラベル] ボックスの横にある省略記号 (…) の参照ボタンをクリックします。
[ラベルの検索] ダイアログ ボックスが表示されます。
[ラベルの検索] ダイアログ ボックスのオプションを使用して、ラベルの一覧をフィルター処理し、新しいラベルを適用する既存のラベルを検索します。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
[作成] をクリックします。
(省略可能) 新しいラベルを作成したら、古いラベルを削除できます。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
ラベルの一覧、検索、表示、編集、および削除
ラベルを一覧および検索する方法は 2 つあります。[ラベルの検索] ダイアログ ボックスと [履歴] ウィンドウの [ラベル] タブです。 目的のラベルを見つけたら、ラベルの表示、編集、削除や、適用先のファイルの操作を行います。
[ラベルの検索] ダイアログ ボックスを使用したラベルの検索と操作
ソース管理エクスプローラーのメニュー バーで、[ファイル]、[ソース管理]、[検索]、[ラベルの検索] の順にクリックします。
[ラベルの検索] ダイアログ ボックスが表示されます。
(省略可能) 次の手順の 1 つまたは複数を実行して、検索を改善します。
[名前] ボックスにラベルの名前を入力します。
[プロジェクト] リストで、検索するラベルが含まれるチーム プロジェクトを選択します。
[所有者] ボックスにラベルの所有者の名前またはエイリアスを入力します。
[検索] をクリックします。
[結果] リストに、入力した検索条件に一致するラベルが表示されます。
(省略可能) 次のいずれかの手順を実行します。
ラベルを表示または編集するには、[編集] をクリックします。
[ラベル] ウィンドウが表示されます。 詳細については、「[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作」を参照してください。
ラベルを削除するには、ラベルを選択し、[削除] をクリックします。
[閉じる] をクリックします。
ラベル名をよく覚えていない場合でも、バージョン管理でそのラベルが特定の項目に適用されたことがわかっていることがあります。 このような場合に、ラベルを検索し、操作する手順について説明します。
特定の項目に適用するラベルの一覧および操作
ソース管理エクスプローラーで、検索するラベルを適用する項目のショートカット メニューを開き、[履歴の表示] をクリックします。
[履歴] ウィンドウが表示されます。
[ラベル] タブをクリックすると、この項目に適用されているラベルの一覧が表示されます。
(省略可能) 次のいずれかの手順を実行します。
ラベルを表示または編集するには、ラベルのショートカット メニューを開き、[ラベルの編集] をクリックします。
[ラベル] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウの使用方法の詳細については、「[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作」を参照してください。
ラベルを削除するには、ラベルのショートカット メニューを開き、[ラベルの削除] をクリックします。
ラベルのショートカット メニューを開き、[このバージョンの取得] や [比較] などの他のアクションをクリックします。
[履歴] ウィンドウの [ラベル] タブを使用する方法の詳細については、「項目の履歴の取得」を参照してください。
ワークスペースへのファイルのラベル付きバージョンのダウンロード
一連のファイルにラベルを付ける操作は、特定の時点に存在したファイルのスナップショットを取得する場合と似ています。 スナップショットの取得後、数週間または数か月経ってから、そのスナップショットの時点のファイルを表示または操作する必要が出てくる可能性があります。 次の手順では、一連のファイルのラベル付きバージョンをワークスペースにダウンロードする方法について説明します。
ファイルのラベル付きバージョンをワークスペースにダウンロードする
ソース管理エクスプローラーで、ダウンロードする項目を含むプロジェクト コレクション、チーム プロジェクト、分岐、またはフォルダーのショートカット メニューを開き、[詳細設定]、[特定バージョンの取得] の順にクリックします。
[取得] ダイアログ ボックスが表示されます。
[種類] ボックスの [ラベル] を選択し、[ラベル] ボックスにラベル名を入力するか、省略記号 (…) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 このダイアログ ボックスの使用方法の詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
ラベルを確認し、必要に応じて [取得] ダイアログ ボックスで追加のオプションを選択します。
[取得] を選択します。
[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作
前述した手順のいずれかを使用して [ラベル] ウィンドウを開いたら、ラベルを操作できます。 ウィンドウの上部にはコメントのボックスが表示されます。必要に応じてコメントは編集できます。
[ラベル] ウィンドウは、次のタスクの実行に使用できます。
ラベルへの項目の追加
ラベルからの項目の削除
ファイルのバージョン変更
項目に対するその他の操作
ラベルへの項目の追加
[ラベル] ウィンドウで [項目の追加] をクリックします。
[項目のバージョンの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。
[項目のバージョンの選択] ダイアログ ボックスで、追加する項目を探し、選択します。
ヒント
複数の項目を選択するには、Ctrl キーまたは Shift キーを押しながら項目を選択します。
(省略可能) 特定のバージョンを対象にしたラベルが必要な場合、[バージョン] ボックスで次のいずれかを選択します。
[最新バージョン]: バージョン管理に含まれる最新バージョンにラベルが適用されます。
[変更セット]: [変更セット] ボックスで変更セット番号を指定します。 または、省略記号 (…) をクリックして [変更セットの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「変更セットの検索と表示」を参照してください。
[日付]: [日付] ボックスで日付を指定します。または、ドロップダウン メニューのカレンダーから日付を選択します。
[ラベル]: 新しいラベルの元にする既存のラベルを指定します。 [ラベル] ボックスにラベル名を入力するか、省略記号 (...) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
[ワークスペース バージョン]: ワークスペースのバージョン用のラベルが作成されます。
[OK] をクリックします。
[ファイル]、[保存] の順にクリックします。
ラベルからの項目の削除
[ラベル] ウィンドウで、このラベルから削除するコレクション、チーム プロジェクト、分岐、フォルダー、またはファイルを見つけます。
その項目のショートカット メニューを開き、[ラベルから削除] をクリックします。
項目からラベルが削除されます。 項目がプロジェクト コレクション、チーム プロジェクト、分岐、またはフォルダーの場合、含まれるすべての項目からもラベルが削除されます。
[ファイル]、[保存] の順にクリックします。
ファイルのバージョン変更
[ラベル] ウィンドウで、変更するファイルを見つけます。
ファイルのショートカット メニューを開き、[ラベル付きバージョンの変更] をクリックします。
[ラベル付きバージョンの変更] ダイアログ ボックスが表示されます。
次のいずれかを選択します。
[最新バージョン]: バージョン管理に含まれる最新バージョンにラベルが適用されます。
[変更セット]: [変更セット] ボックスで変更セット番号を指定します。 または、省略記号 (…) をクリックして [変更セットの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「変更セットの検索と表示」を参照してください。
[日付]: [日付] ボックスで日付を指定します。または、ドロップダウン メニューのカレンダーから日付を選択します。
[ラベル]: 新しいラベルの元にする既存のラベルを指定します。 [ラベル] ボックスにラベル名を入力するか、省略記号 (...) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
[ワークスペース バージョン]: ワークスペースのバージョン用のラベルが作成されます。
[ファイル]、[保存] の順にクリックします。
ラベル付き項目に対するその他の操作
[ラベル] ウィンドウの項目のショートカット メニューを開くと、次のコマンドも選択できます。
コマンド プロンプトから作業する
Label Command (Team Foundation Version Control): ラベルを適用または削除します。
ヒント
このコマンドを使ってラベルを適用すると、チーム プロジェクト以外のスコープを指定できます。
Labels Command: ラベルを一覧表示します。
参照
変更セットの検索と表示
ワークスペースの作成と操作
Team Foundation Server のアクセス許可の参照
Team Foundation バージョン管理での分岐を使用したリスクの分離
ソース管理エクスプローラーを使用したバージョン管理下でのファイルの管理