デスクトップ共有のアーキテクチャ

トピックの最終更新日: 2009-05-14

Office Communications Server 2007 R2 は、2 参加者間のピアツーピア会話へのデスクトップ共有の追加、および電話会議シナリオへのデスクトップ共有の追加をサポートしています。サポートされる機能の詳細については、「新しいデスクトップ共有機能」を参照してください。

コンポーネント

デスクトップ共有のフレームワークには、主に次のコンポーネントが含まれます。

  • アプリケーション共有サーバー
    アプリケーション共有サーバーは、フロントエンド サーバーに存在し、デスクトップ共有を必要とする電話会議用にデータの管理とストリーミングを行います。
    アプリケーション共有サーバーは、HTTP 上で集中会議制御プロトコル (C3P) を使用して、フロントエンド サーバー上の他の会議コンポーネントと通信します。フォーカスが、アプリケーション共有サーバーを含め、電話会議に参加しているさまざまな会議サーバーに、クライアントからのセッション記述プロトコル (SDP) 情報を転送します。C3P メッセージには、電話会議の追加、ユーザーの追加、ユーザーの削除、およびその他の電話会議設定の変更に必要な情報が含まれます。SDP 情報には、デスクトップ共有で有効にされる設定など、クライアントの機能が記述されます。C3P メッセージと SDP メッセージの両方により、アプリケーション共有サーバーが電話会議を管理し、アプリケーション共有データ ストリームを適切に処理するために必要なすべての情報が提供されます。アプリケーション共有データは、セキュア リアルタイム転送プロトコル (SRTP) 上で Microsoft のリモート デスクトップ プロトコル (RDP) を使用して送信されます。
  • Office Communicator クライアント
    Microsoft Office Communicator 2007 R2 クライアントには、デスクトップ共有用のホスト コンポーネントと表示コンポーネントが含まれています。ホスト コンポーネントはデスクトップ共有セッションを開始し、ピアツーピア セッションの場合は直接相手側の Office Communicator に、マルチパーティ セッションや Communicator Web Access セッションの場合はアプリケーション共有サーバーに、グラフィック データを送信します。表示コンポーネントは、デスクトップ共有セッションからユーザーにグラフィック データを表示します。このビューアは、ピアツーピアの Office Communicator セッションの場合は直接、マルチパーティ セッションや Communicator Web Access セッションの場合はアプリケーション共有サーバーを介して、キーボードおよびマウスのデータをホストに送信することもできます。 共有が開始されると、会議の参加者は、共有先のデスクトップに招待されます。承諾すると、Office Communicator で新しい表示ウィンドウが開きます。Office Communicator 2007 R2 を使用している参加者は、Office Communicator から表示ウィンドウを直接開くことができます。Office Communicator を使用する各参加者は、アプリケーション共有サーバー、またはピアツーピア セッションの相手側の Office Communicator クライアントからグラフィック データを受信します。
  • Communicator Web Access クラアイアント
    Communicator Web Access クライアントの 2007 R2 バージョンには、デスクトップ共有用のホスト コンポーネントと表示コンポーネントが含まれています。ホスト コンポーネントは、デスクトップ共有セッションを開始し、アプリケーション共有サーバーにグラフィック データを直接送信します。表示コンポーネントは、Communicator Web Access サーバーから DHTML およびイメージ ファイルを受信し、ユーザーにグラフィック データを表示します。このビューアは、Communicator Web Access サーバーおよびアプリケーション共有サーバーを介して、キーボードおよびマウスのデータをホストに送信することもできます。
    共有が開始されると、会議の参加者は、共有先のデスクトップに招待されます。参加者が承諾すると、Communicator Web Access クライアントで新しい表示ウィンドウが開きます。Communicator Web Access を使用する各参加者は、Communicator Web Access サーバーからグラフィック データを受信します。Communicator Web Access サーバーは、そのデータをアプリケーション共有サーバーから受信します。
    Communicator Web Access クライアントの場合、ホスト コンポーネントは実際には Microsoft Office Communicator Web Access プラグインの一部であり、このプラグインはユーザーがインストールする必要があります。
  • Microsoft Office Communicator Web Access プラグイン
    デスクトップ共有クライアントはブラウザ ベースなので、基礎となるオペレーティング システムとの対話を、ネイティブ プラグインを介して実装する必要があります。このプラグインは、デスクトップの共有先となるユーザーにのみ必要です。表示には必要ありません。ユーザーが初めてデスクトップ共有を開始したときに、Communicator Web Access はプラグインのインストーラを実行します。デスクトップを共有する認証済みユーザーは、Communicator Web Access サーバー上のプラグイン インストーラ ファイルにアクセスできます。匿名ユーザーは、Microsoft ダウンロード センターからプラグイン インストーラ ファイルをダウンロードできます。
  • Communicator Web Access サーバー
    Communicator Web Access サーバーは、Communicator Web Access クライアントのデスクトップ共有セッションを設定、切断、および制御します。また、Communicator Web Access サーバーは、クライアントとの間で共有データも送受信します。Communicator Web Access サーバーは、Communicator Web Access ビューアのメディアのみを処理します。

アーキテクチャ

デスクトップ共有ホストは、アプリケーション共有サーバーに接続し、そのサーバーにグラフィック データを直接 (または、外部ユーザーの場合は、音声ビデオ エッジ サービスを介して) 送信します。Office Communicator を使用する参加者は、アプリケーション共有サーバーからデータを受信します。Communicator Web Access を使用する参加者は、Communicator Web Access サーバーからデータを受信します。Communicator Web Access サーバーは、そのデータをアプリケーション共有サーバーから受信します。

Office Communications Server 2007 R2 では、デスクトップ共有コンポーネントは RDP を使用します。RDP を使用するデスクトップ共有セッションは、Office Communications Server クライアントの以前のバージョンを実行している参加者をサポートできません。また、Live Meeting サービスのユーザーを含めることもできません。ただし、その他の参加者は、Office Communications Server クライアントを実行していない場合や、Office Communications Server アカウントを持っていない場合でも、デスクトップ共有セッションへの招待を受け、サポートされているインターネット ブラウザを使用して、Communicator Web Access サーバーでホストされているミーティング URL に移動することで、そのセッションに参加できます。サポートされているブラウザの詳細については、「サポートされているクライアント」を参照してください。

図 1. デスクトップ共有のアーキテクチャ

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シナリオ

ピアツーピアのデスクトップ共有

ピアツーピアのシナリオでは、どちらかの参加者が Communicator Web Access クライアントを実行している場合に、デスクトップ共有セッションを開始すると、その会話が、アプリケーション共有サーバーを必要とする 2 パーティ電話会議にエスカレートします。このエスカレーションが必要なのは、Communicator Web Access クライアントがアプリケーション共有サーバーとの接続に RDP を使用するためです。セッションが電話会議にエスカレートした後で、その電話会議をピアツーピアの会話に戻すことはできません。

マルチパーティ電話会議のデスクトップ共有

電話会議の開催者がデスクトップ共有を初期モードとして電話会議を開始した場合、その開催者のクライアントは、まず、フォーカスに加わってから、"共有先" としてアプリケーション共有サーバーに加わります。その後に、開催者のクライアントがその他のパーティを会議に招待します。招待されたパーティは、フォーカスに加わってから、アプリケーション共有サーバーに加わります。

アプリケーション共有が、別のモードで開始された進行中の電話会議に導入された場合、共有先は、アプリケーション共有サーバーに加わり、それによって、フォーカスが名簿の更新を他の参加者に送信します。この名簿の更新には、共有先のデスクトップへの招待が含まれます。