グループ チャット

トピックの最終更新日: 2012-02-01

以下のセクションでは、グループ チャットのインストールに必要な Office Communications Server 2007 R2 の機能、単一サーバー構成と複数サーバー構成のトポロジ、グループ チャットをインストールするためのハードウェアとソフトウェアの要件、およびグループ チャットを展開するためのステップについて説明します。

機能コンポーネント

グループ チャットのインストールには、次のコンポーネントが含まれます。

  • 1 つ以上のグループ チャット サーバー。それぞれで、次のサービスで構成されるチャット サーバーが実行されます。
    • 参照サービス
    • チャネル サービス
    • Web サービス
  • SQL Server データベースをホストするコンピューター。このデータベースには、チャット履歴データに加えて、作成されるカテゴリとチャット ルームに関する情報、グループ チャット管理ツールと初期サインインからのユーザー プロビジョニング情報、およびグループ チャット サーバーに関する基本構成情報が格納されます。
  • グループ チャット クライアント コンピューター

コンプライアンスが要求される場合は、単一サーバー トポロジに次のコンポーネントも必要になります。

  • コンプライアンス サービス
  • コンプライアンス データ用の SQL Server データベース。グループ チャット データベースと同じにすることもできます。

独立したコンピューター (管理コンソールなど) からグループ チャットを管理するには、コンピューターにグループ チャット管理ツールをインストールする必要があります。

これらすべてのコンピューターは、フォレスト ルートに少なくとも 1 つのグローバル カタログ サーバーがある Active Directory ドメインに展開される必要があります。

トポロジ

グループ チャットでは、単一サーバー トポロジと複数サーバー トポロジの両方がサポートされます。グループ チャット サーバーのハードウェアとソフトウェアの要件の詳細については、「Office Communications Server の内部コンポーネントの要件」を参照してください。以下のセクションでは、これら両方のトポロジとフェデレーション ドメインのクライアントをサポートするためのトポロジについて説明します。

単一サーバー トポロジ

グループ チャットの最小構成である最も単純な展開が、単一サーバー トポロジです。この展開では、グループ チャット サーバーを実行する 1 台のサーバー、SQL Server データベースをホストするコンピューター、およびグループ チャット クライアントをホストするコンピューターが必要です。さらに、コンプライアンスが要求される場合は、コンプライアンス サービスをホストするコンピューターとコンプライアンス データを格納するデータベースも必要になります。

次の図は、1 つのグループ チャット サーバーと、独立したコンプライアンス データベースがあるオプションのコンプライアンス サービスから成るトポロジのすべてのコンポーネントを示しています。

図 1. 1 つのグループ チャット サーバー
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複数サーバー トポロジ

処理能力を上げて信頼性を増すために、トポロジに複数のグループ チャット サーバーを含めることができます。複数サーバーの展開は、複数のコンピューターでグループ チャット サーバーをホストすることを除けば、単一サーバー トポロジと同じです。

次の図は、複数のグループ チャット サーバーと、オプションのコンプライアンス サービスと独立したコンプライアンス データベースから成るプール トポロジのすべてのコンポーネントを示しています。

図 2. 複数のグループ チャット サーバー
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複数サーバー トポロジでは、サーバー機能のプールが提供されます。サーバー プールでは、参照サービスとチャネル サービスが通信し、データを共有します。たとえば、1 つのチャネル サービスに対して最初にログが記録されたチャット履歴を、システム内のすべてのチャネル サービスが利用できます。1 つのチャネル サービスを介してアップロードされたファイルにすべてのチャネル サービスがアクセスできます。

サーバーをサーバー プールに接続するためには、ポートを指定する必要があります。既定のポートは 8011 ですが、インストール時に別のポートを指定できます。グループ チャット サーバー構成ツールを使用して、インストール後に変更することもできます。

複数サーバーのプール環境の設定を構成するには、次のようにグループ チャット サーバー構成ツールを使用します。

  • プール全体の設定は、プール内のどのサーバーからも構成できます。
  • サーバーの設定は、個々のサーバー上でのみ構成できます。
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プール環境に含まれるコンピューターは同じサブネットであることが必要です。グループ チャットでは、異なるサブネットにコンピューターが存在する構成はサポートされません。ファイアウォールによってコンピューターどうしが隔てられる可能性があるためです。

トポロジの処理能力の計画については、「処理能力の計画」を参照してください。

Dd441213.note(ja-jp,office.13).gif注:
グループ チャットの処理能力の計画に関する最新ドキュメント、および処理能力の計画のスプレッドシートは、Microsoft ダウンロード センターから無料でダウンロードできます。

フェデレーション ドメインのクライアントをサポートするトポロジ

フェデレーション ドメインのユーザーが、組織のグループ チャット セッションおよび IM セッションに参加できるのは、フェデレーション ドメインのユーザーが、クライアント コンピューターでグループ チャット クライアントを実行しており、フェデレーション パートナーが次のコンポーネントを展開している場合です。

  • Office Communications Server 2007 R2 Standard Edition サーバーまたはエンタープライズ プール
  • 境界ネットワークの Office Communications Server エッジ サーバー

フェデレーション パートナーは、必ずしもグループ チャット サーバーをローカルにインストールする必要はありません。インストールする必要があるのは、フェデレーション パートナーが独自のチャット ルームをホストする場合のみです。フェデレーション ドメインのクライアントが別の組織のチャネル サービスと参照サービスを使用するのは、その組織が、フェデレーション ユーザーに対応するように Office Communications Server とグループ チャットを構成している場合です。

グループ チャット サーバーの前提条件

グループ チャット サーバーをホストする各サーバーは、次のコンポーネントを含む既存の Office Communications Server 2007 R2 トポロジにアクセスできる必要があります。

  • Office Communications Server 2007 R2 フロントエンド サーバー。フロントエンド サーバーによって、グループ チャット コンソールとグループ チャット サーバー コンポーネントの通信が可能になります。グループ チャットの展開を開始する前に、Office Communications Server 2007 R2 Standard Edition、Office Communications Server 2007 R2 エンタープライズ プール、および組織で必要なその他の Office Communications Server 2007 R2 内部サーバーの展開を確認します。
  • フォレスト ルートの少なくとも 1 つのグローバル カタログ サーバー。他のすべての Active Directory インフラストラクチャの要件は、Office Communications Server 2007 R2 のものと同じです。
  • Office Communications Server 2007 R2 エッジ サーバー。エッジ サーバーは、フェデレーション パートナーや内部ネットワーク上に存在しない他のユーザーとの通信を行うために必要です。内部ネットワークの外側のユーザーを内部ユーザーに含めて、グループ チャット セッションに参加させることが組織で求められる場合は、適切なエッジ サーバーが境界ネットワークに展開されていることを確認します。少なくとも次のサーバーの役割が含まれます。
    • アクセス エッジ サーバー
    • Web 会議エッジ サーバー

以下のセクションでは、グループ チャット サーバーとグループ チャット データを格納するデータベースに固有の要件について説明します。

グループ チャット サーバーの要件

各グループ チャット サーバーには、Windows Server 2003 Service Pack 2 (SP2) または Windows Server 2008 に加え、次の表に示すソフトウェアが必要です。

表 1. サーバーの要件

ソフトウェア 説明

Microsoft .NET Framework 3.0

プログラムの実行を管理します。グループ チャットのインストール時に、このソフトウェアのこのバージョンまたは最新のバージョンがコンピューターにインストールされていない場合は、グループ チャットによってインストールされます。

インターネット インフォメーション サービス (IIS)

チャット ルームにファイルをポストするために、Web サービスをホストします。Windows Server 2008 ユーザーは IIS 6.0 互換機能を有効にする必要があります。

ASP.NET 2.0

動的な Web サイト、Web アプリケーション、および XML Web サービスを構築するために使用されます。ASP.NET 2.0 は Web アプリケーションです。

メッセージ キュー

グループ チャット コンプライアンス サービスで使用されます (展開されている場合)。

Microsoft Web Services Enhancements (WSE) 3.0

セキュリティ、信頼できるメッセージング、添付ファイルの送信などに関する Web サービスの追加仕様を実装します。WSE は、グループ チャット サーバーでのみ必要であり、コンプライアンス サービスでは不要です。WSE は .NET Framework のアドオンです。

.NET Framework をインストール済みのコンピューターに .NET Framework をインストールすると、ほとんどの Microsoft ASP.NET アプリケーションは、新しくインストールされたバージョンに更新されます。互換性のないバージョンまたは最新のバージョンの .NET Framework にバインドされたアプリケーションは、この処理の対象になりません。最新のバージョンで ASP.NET アプリケーションを正常に実行できない場合は、前のバージョンを使用するように構成してください。

グループ チャットも 3 つのコンポーネントを必要とします。それらがコンピューターにインストール済みでない場合は、グループ チャットのインストール時に自動的にインストールされます。これらのコンポーネントには、次のものが含まれます。

表 2. 必要なコンポーネント

コンポーネント 説明

Visual C ++ 2008 Runtime v9.0.2102 (再頒布可能)

Microsoft Visual C++ 開発システムで開発されたアプリケーションを、Visual C++ 2008 がインストールされていないコンピューターで実行するために必要なライブラリ。グループ チャットのインストール時に、このソフトウェアのこのバージョンまたは最新のバージョンがコンピューターにインストールされていない場合は、グループ チャットによってインストールされます。

Microsoft Unified Communications Managed API (UCMA) v2.0 Redist 3.5.6774.0

SIP クライアントと SIP サーバーの作成で使用されます。グループ チャットのインストール時に、このソフトウェアのこのバージョンまたは最新のバージョンがコンピューターにインストールされていない場合は、グループ チャットによってインストールされます。

Microsoft Office Communications Server 2007 R2 のコア コンポーネント

Office Communications Server 2007 R2 の WMI コンポーネントなどの管理機能と統合するために必要なライブラリ。

グループ チャット データベースの要件

グループ チャット サーバーでは、グループ チャット データベースを使用して、チャット履歴、構成、ユーザー プロビジョニング データ、およびコンプライアンス データ (オプション) を保存します。独立したコンプライアンス データベースを使用して、コンプライアンスをサポートすることもできます。データベース サーバー プラットフォームを準備するには、各コンピューターがハードウェア要件を満たしていることを確認した後、必要なソフトウェアをインストールします。

グループ チャット データベース サーバー用のサーバー プラットフォームには、Office Communications Server 2007 R2 バックエンド データベース サーバーと同じハードウェアが必要です。詳細については、「Office Communications Server 2007 R2 の内部展開の計画」を参照してください。

次のソフトウェアがデータベース サーバーにインストールされていることを確認します。

展開ステップ

次の表に、グループ チャットの展開に関係する基本的なステップと、詳細を説明する関連リンクを示します。

表 3. グループ チャットの展開プロセス

フェーズ ステップ アクセス許可 ドキュメント

SQL Server データベースを作成します。

データベースをホストするサーバーにログオンした後に、新しいデータベースを作成します。

データベース管理者

サーバー プラットフォームの準備

グループ チャットのアカウントとアクセス許可を設定します。

  1. グループ チャット サーバーのアカウントを設定して有効にします。
  2. SQL Server のアカウントとアクセス許可を設定します。
  3. フェデレーション用のルックアップ サーバーのアカウントを有効にします。

Administrators グループ

「グループ チャット サーバーの展開」のドキュメントの「グループ チャット サーバーのアカウントとアクセス許可の設定

グループ チャットの証明書を取得します。

  1. CA 証明書パスをダウンロードします。
  2. CA 証明書パスをインストールします。
  3. 証明書を要求します。
  4. 証明書をインストールします。
  5. ルート CA を検証します。

Administrators グループ

「グループ チャット サーバーの展開」のドキュメントの「グループ チャット サーバーの証明書の取得

グループ チャットをインストールします。

  1. グループ チャット サーバーを単一サーバー トポロジにインストールするか、最初のグループ チャット サーバーを複数サーバー トポロジにインストールします。
  2. 追加のグループ チャット サーバーを、複数サーバー トポロジにインストールします。

Administrators グループ

「グループ チャット サーバーの展開」のドキュメントの「グループ チャット サーバーのインストール

IIS で Web サイト設定を構成します。

  1. IIS マネージャーを開きます。
  2. [匿名アクセスを有効にする] チェック ボックスがオンになっていることを確認します。
  3. ファイル リポジトリ フォルダーへの読み取り/書き込みアクセス許可を持つアカウントの資格情報を指定します。

Administrators グループ

「グループ チャット サーバーの展開」のドキュメントの「IIS における Web サービス設定の構成

グループ チャット管理ツールを接続します。

  1. グループ チャット管理ツールをインストールします。
  2. グループ チャット管理ツールの接続を構成します。

Administrators グループ

チャネル サービス管理者

「グループ チャット サーバーの展開」のドキュメントの「グループ チャット管理ツールのインストールと接続

グループ チャットのユーザー アクセスを構成します。

Office Communications Server 2007 R2 のユーザーを構成すると、グループ チャットのユーザーとしても構成されます。

Administrators グループ

「グループ チャット サーバーの展開」のドキュメントの「グループ チャット サーバーのユーザー アクセスの構成

アーカイブとコンプライアンスのサポートを展開します。

  1. コンプライアンス用の SQL Server データベースを設定します。
  2. コンプライアンス サービスをインストールします。

データベース管理者

Administrators グループ

「グループ チャット サーバーの展開」のドキュメントの「法令順守のサポートの展開