外部データを表示できる場所

最終更新日: 2010年4月14日

適用対象: SharePoint Server 2010

この記事の内容
SharePoint 2010 の表示機能
外部リスト
外部データ列
ビジネス データ Web パーツ
外部コンテンツ タイプの選択
外部アイテム ピッカー
プロファイル ページ
Office 2010 の表示機能

SharePoint Online で使用可能

外部コンテンツ タイプを作成すると、Microsoft Business Connectivity Services (BCS) の表示機能を使用して、コードを記述せずに豊富な操作環境をユーザーに提供できます。

SharePoint 2010 の表示機能

サーバーで、外部コンテンツ タイプをデータ ソースとして使用することによって、外部データを以下のコンポーネントに表示できます。Microsoft SharePoint Foundation 2010 と Microsoft SharePoint Server 2010 では、提供される機能セットと機能が異なります。たとえば、ここで説明するプロファイル ページとリッチ クライアント機能は、SharePoint Server 2010 と Office 2010 でのみ提供されます。詳細については、「Business Connectivity Services の内容」を参照してください。

外部リスト

外部リストは、Microsoft SharePoint Foundation 2010 の新機能で、SharePoint リスト データがアクセスされるのと同じ方法で、外部システムからデータにアクセスができるようにします。 外部リストは、データソースとして外部コンテンツ タイプを使用します。外部リストは、その他の SharePoint リストと同様の外見を持ち、同様に動作する外部データを持つ SharePoint リストを作成するために、外部コンテンツ タイプについて定義済みのメタデータを使用できるようにします。

図 1 は、Northwind サンプル データベースからの顧客の外部リストを示します。

図 1. Northwind サンプル データベースの顧客の外部リスト

連絡先外部リスト

外部リストは、Microsoft Outlook 2010 と Microsoft SharePoint Workspace 2010 でオフラインにすることもできます。これにより、Outlook では標準の Outlook アイテムの種類 (連絡先、タスク、投稿など) と同様に、SharePoint Workspace ではリストと同様に外部データで作業できます。また、Office クライアント アプリケーションで外部データに関するオンライン シナリオとオフライン シナリオが可能になります。

外部システムが書き戻しを許可し、それに応じて書き戻しが外部コンテンツ タイプによってモデリングされている場合は、外部リストを外部システムに書き戻すことができます。つまり、ユーザーは、SharePoint 2010 から直接外部データを編集できます。リストのアイテムへの変更は、外部システムと自動的に同期されます。また、リストの [データの更新] ボタンを使用して、外部システムとの間で自動的にデータの同期と更新を行うことができます。

SharePoint コンテンツ データベースにデータが保存される SharePoint リストと異なり、外部リストのデータは外部システムにのみ保存される点に注意してください。ユーザーがリストに移動する実行時に、外部データは SharePoint リストとして取り込まれます。

注意

外部リストのスキーマはモデルに依存しており、SharePoint Server 2010 に新しい列を追加して拡張することはできません。また現時点でのリリースでは、外部リストは、ワークフロー、コンテンツ タイプ、バージョン管理、チェックイン、およびチェックアウトなどの、一般的な SharePoint リストが持つすべての機能を提供するわけではありません。

外部データ列

Microsoft Office SharePoint Server 2007 では、ビジネス データ リスト列タイプが提供されていましたが、Microsoft SharePoint Foundation 2010 では (外部リストを除いて) すべての SharePoint リストで利用できるようになりました。ビジネス データ リスト列タイプは、外部データ列という名前に変更されました。外部データ列は、ユーザーが外部コンテンツ タイプから標準の SharePoint リストにデータを追加できるようにします。外部リストと同じように、外部データ列は BDC でモデル化された任意の外部コンテンツ タイプからのデータを表示することができます。図 2 は、顧客外部コンテンツ タイプから外部データ列により拡張された SharePoint リストを示します。

図 2. 外部データ列のある SharePoint リスト

外部データ列のある SharePoint リスト

以下は、外部データ列を使用する 3 つのシナリオです。

  • **リスト内でドキュメントにタグを付けます。**たとえば、提案依頼書 (RFP) ドキュメント ライブラリでは、外部データ列を追加して、提案を行った顧客によってドキュメントにタグを付けることができます。このようにすると、ユーザーはドキュメント ライブラリから顧客の詳細を表示し、その顧客に関連するアクションを実行できます。

  • **外部アプリケーションで、そのアプリケーションに変更を加えずにデータにコメントを付けます (またはデータを拡張します)。**たとえば、外部システムがデータを追跡していない場合でも、チームの従業員によって照会された被雇用者の数を追跡するために、リストに列を追加することができます。

  • **正規の値のリストから値を取得します。**たとえば、市の郵便番号を手動で入力するようユーザーに指示するのではなく、リストに外部データ列を設けて郵便番号を選択できるようにすることができます。

Business Connectivity Services のリッチ クライアント拡張機能を持っている場合は、Microsoft Word で外部データ列を表示するために、Word の外部アイテム コンテンツ コントロールを使用することができます。これにより、Word 文書内で以前の 3 つのシナリオを実行できるようになります。

リストに外部データ列を追加するときには、任意の数のフィールドを外部システムから取得してリストに表示することができます。たとえば、Product (外部コンテンツ タイプ) 型の列を追加する場合、リストには ID、Name、QtyInStock、Price などの複数のフィールドを表示できます。

外部データ列には、ワークフロー、バージョン管理、チェックイン、チェックアウトなど、標準の Microsoft SharePoint Foundation 2010 リストのその他の機能もすべて備わっています。また、リストの [データの更新] ボタンを使用して、外部システムとの間で自動的にデータの同期と更新を行うことができます。

ビジネス データ Web パーツ

Business Connectivity Services には、外部データリスト、外部データ アイテム、外部データ アイテム ビルダー、外部データ関連リスト、および External Data Connectivity Filter Web パーツが用意されています。これらの Web パーツは、BDC に依存し、次の 3 つの主な利点を提供します。

  • コーディング不要、および信頼性   これらの Web パーツにより、コードを記述せずに、ポータル サイトで外部データを表示することができます。また、これらの Web パーツは、汎用で再利用可能であり、Business Data Connectivity (BDC) service に登録されている任意の種類のデータ (外部コンテンツ タイプ) を表示できます。

  • **接続性   **これらの Web パーツは、Web パーツ接続をサポートし、コードを記述しないマスター/詳細アプリケーションの作成をより簡単にします。たとえば、外部データ リストおよび外部データ アイテム Web パーツを接続することによって、これらの Web パーツを使用して顧客とその詳細を表示できます。これらの Web パーツはダッシュボードで統合することもできます。

  • カスタマイズ これらの Web パーツは、Microsoft SharePoint Designer 2010 での WYSIWYG 方式の編集をサポートし、XSLT 変換を使用してカスタマイズできます。

注意

ビジネス データ Web パーツは読み取り専用で、外部システムへの書き戻し機能はありません。

外部コンテンツ タイプの選択

外部コンテンツ タイプの選択は、選択と解決の機能をユーザーに提供します。使用できる外部コンテンツ タイプのリストから外部コンテンツ タイプをユーザーが選択できるようにする必要があるシナリオで、フォームまたはページに選択機能を埋め込むことができます。図 3 に、SharePoint の [列の作成] ページに表示される外部コンテンツ タイプの選択を示します。

図 3. 外部コンテンツ タイプの選択

外部コンテンツ タイプの選択

外部アイテム ピッカー

外部アイテム ピッカーは、サーバーとリッチ クライアント Office アプリケーションで外部アイテムを選択し、解決する機能を提供します。顧客リストの顧客 John など、外部アイテムをユーザーが選択できるようにする必要があるシナリオで、フォームまたはページに選択機能を埋め込むことができます。次の図に、外部アイテム ピッカーによって顧客リストが表示され、顧客を簡単に選択できる様子を示します。

図 4. 外部アイテム ピッカーによる顧客選択

外部アイテム選択による顧客選択

プロファイル ページ

プロファイル ページは、SharePoint Server 2010 で使用できる、外部アイテムの詳細を表示する SharePoint ページです。他の SharePoint Web パーツ ページと同様に、このページをカスタマイズして外部アイテムの詳細を表示できます。

Office 2010 の表示機能

トピック「Microsoft Office 2010 の Business Connectivity Services」では、Office 2010 アプリケーションの表示機能について説明しています。