プロパティ制限キーワード クエリ

最終更新日: 2010年7月20日

適用対象: SharePoint Server 2010

SharePoint Server 2010 の SharePoint エンタープライズ検索のキーワード構文を使用すると、プロパティ制限を使用するクエリを作成し、指定した条件に基づく結果のみを照合するようにクエリの焦点を絞り込むことができます。

プロパティ制限を指定する

基本的なプロパティ制限は以下から構成されます。

<Property Name><Property Operator><Property Value>

以下に、有効なキーワード構文のプロパティ制限の例をいくつか示します。

author :"John Smith"

John Smith に作成されたコンテンツ項目を返します。

filetype:docx

Microsoft Word ドキュメントを返します。

filename:budget.xlsx

ファイル名が budget.xlsx のコンテンツ項目を返します。

プロパティ制限では、プロパティ名、プロパティ演算子、プロパティ値の間に空白は含まれません。空白が含まれていると、プロパティ制限は自由形式のクエリとして処理されます。プロパティ制限の長さは、2,048 文字までです。

以下の例では、空白が含まれているために、クエリは、John Smith が作成したコンテンツ項目ではなく、用語 "author" と "John Smith" が含まれているコンテンツ項目を返します。

author: "John Smith"

author :"John Smith"

author : "John Smith"

これは以下の例と同じです。

author "John Smith"

プロパティ名

プロパティ制限に、有効な管理プロパティ名を指定する必要があります。SharePoint エンタープライズ検索には、既定で、ドキュメントの管理プロパティがいくつか含まれています。

クロールされたプロパティの値にプロパティ制限を指定するには、最初にクロールされたプロパティを管理プロパティにマップする必要があります。詳細については、「エンド ユーザーの検索操作性を計画する (Office SharePoint Server)」の「管理プロパティおよびクロールされたプロパティ」を参照してください。

次の管理プロパティの設定の 1 つを true にする必要があります。

  • Retrievable。プロパティ ストア データベースにプロパティ値を格納します。

  • FullTextQueriable。フルテキスト インデックスにプロパティ値を格納します。

プロパティ演算子

SharePoint エンタープライズ検索では、新しいプロパティ演算子をいくつかサポートしています。表 1 に、プロパティ制限で使用できる有効なプロパティ演算子を示します。

表 1. プロパティ制限の有効なプロパティ演算子

演算子

説明

サポートされている管理プロパティの型

:

プロパティ制限で指定された値がプロパティ ストア データベースに格納されているプロパティ値と等しい結果を返すか、フルテキスト インデックスに格納されているプロパティ値の各用語を照合します。

=

プロパティ値がプロパティ制限で指定された値と等しい検索結果を返します。

  • Text

  • DateTime

  • Integer

  • Decimal

<

プロパティ値がプロパティ制限で指定された値より小さい検索結果を返します。

  • DateTime

  • Integer

  • Decimal

>

プロパティ値がプロパティ制限で指定された値より大きい検索結果を返します。

  • DateTime

  • Integer

  • Decimal

<=

プロパティ値がプロパティ制限で指定された値以下の検索結果を返します。

  • DateTime

  • Integer

  • Decimal

>=

プロパティ値がプロパティ制限で指定された値以上の検索結果を返します。

  • DateTime

  • Integer

  • Decimal

<>

プロパティ値がプロパティ制限で指定された値と等しくない検索結果を返します。

  • DateTime

  • Integer

  • Decimal

..

プロパティ値がプロパティ制限で指定された範囲内にある検索結果を返します。

  • DateTime

  • Integer

  • Decimal

プロパティ値

管理プロパティの型に、有効なデータ型であるプロパティ値を指定する必要があります。以下の表はこのような型のマッピングを示します。

表 2. 有効なデータ型のマッピング

管理プロパティの型

データ型

Text

String

Integer

Int32

Decimal

Decimal

DateTime

DateTime

YesNo

Boolean

Binary

Byte

テキスト値

テキスト プロパティ値の場合、プロパティが格納されているのがフルテキスト インデックスかプロパティ ストア データベースかによって、照合の動作が異なります。

フルテキスト インデックス内のプロパティ値

FullTextQueriable プロパティが、管理プロパティで true に設定されている場合は、プロパティ値はフルテキスト インデックスに格納されます。これは文字列プロパティに対してのみ設定できます。クエリで指定されたプロパティ値は、フルテキスト インデックスに格納されているプロパティ値の個々の用語と照合されます。

たとえば、Paul Shakespear が作成したコンテンツ項目を検索している場合、以下のキーワード クエリが一致した結果を返します。

author:Shakespear
author:Paul

先頭一致もサポートされています。ワイルドカード演算子 (*) を使用することもできますが、個々の語を指定する場合は不要です。前述の例を続けると、以下のキーワード クエリは Paul Shakespear が作成したコンテンツ項目を一致したものとして返します。

author:Shakesp


author:Shakesp*

プロパティ値に語句を指定する場合、一致した結果にはフルテキスト インデックスに格納されているプロパティ値内に指定された語句が含まれている必要があります。以下のクエリ例では、"Advanced Search XML"、"Learning About the Advanced Search Web Part" など、タイトルにテキスト "Advanced Search" があるコンテンツ項目を返します。

title:"Advanced Search"

プロパティ値で指定された語句では先頭一致もサポートされていますが、クエリでワイルドカード演算子 (*) を使用する必要があり、ワイルドカード演算子は、以下のように、語句の最後でのみサポートされています。

title:"Advanced Sear*"

以下のクエリでは予想した結果は返されません。

title:"Advan* Search"
title:"Advanced Sear"

プロパティ ストア データベースのプロパティ値

Retrievable プロパティが管理プロパティで true に設定されている場合、プロパティ値はプロパティ ストア データベースに格納されます。この設定はどの管理プロパティの型でも設定できます。クエリで指定されたプロパティ値は、プロパティの値全体と照合されます。たとえば、company という名前の管理プロパティを使用し、Retrievable プロパティが true に、FullTextQueriable プロパティが false に設定されている場合、以下のキーワード クエリは、company が Adventure Works であるコンテンツ項目を照合します。

company:"Adventure Works"

以下の例では、このようなコンテンツ項目は結果に返されません。

company:Adventure
company:Works
company:"Adventure W*"

数値

Integer、Decimal、Binary、および YesNo の管理プロパティの型を含む数値プロパティ値では、プロパティ制限はプロパティ値全体と照合されます。以下の例では、サイズが 100 KB のコンテンツ項目を照合します。

size:100KB

以下のキーワード クエリ例では、このようなコンテンツ項目は照合されません。

size:10
size:10*

複数のプロパティ制限

SharePoint エンタープライズ検索では、同じキーワード クエリで複数のプロパティ制限を使用できます。複数のプロパティ制限で同じプロパティを使用するか、プロパティ制限ごとに異なるプロパティを使用することができます。

同じプロパティ制限の複数のインスタンスを使用する場合、照合はキーワード クエリの一連のプロパティ制限に基づいて行われます。照合には、以下のように John Smith または Jane Smith によって作成されたコンテンツ項目が含まれます。

author:"John Smith" author:"Jane Smith"

これは、以下のように OR ブール演算子を使用するのと機能的に同じです。

author:"John Smith" OR author:"Jane Smith"

異なるプロパティ制限を使用する場合、以下のように、照合はキーワード クエリのプロパティ制限の共通部分に基づいて行われます。

author:"John Smith" filetype:docx

照合には、John Smith が作成した Microsoft Word 2010 ドキュメントが含まれます。これは、以下のように AND ブール演算子を使用するのと機能的に同じです。

author:"John Smith" AND filetype:docx

関連項目

概念

キーワード クエリ構文のリファレンス

自由形式のキーワード クエリ

キーワード クエリでの演算子の使用