Outlook 2007 のメッセージ分類を展開する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2009-01-07

Microsoft Office Outlook 2007 では、Outlook ユーザーがメッセージにメッセージ分類を適用できるように、Microsoft Exchange Server 2007 がサポートするメッセージ分類の定義が記述されたローカル ファイル (Classifications.xml) が必要です。また、メッセージ分類を有効にし、Classifications.xml ファイルを参照するレジストリ キーを Exchange 管理者が Outlook ユーザーのコンピュータに作成する必要があります。

ここでは、Outlook 2007 が実行されるコンピュータに、メッセージ分類を有効にするために必要なレジストリ キーおよび関連するレジストリ設定を作成する方法について説明します。

Outlook 2007 レジストリ キーの作成

メールボックスが Exchange 2007 にホストされているユーザーがメッセージ分類を送信するすべての Outlook 2007 コンピュータに、以下のレジストリ キーおよび関連するレジストリ設定を作成する必要があります。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\Common\Policy]
"AdminClassificationPath"="c:\\Classifications.xml"
"EnableClassifications"=dword:00000001
"TrustClassifications"=dword:00000001
note注 :
Policy キーは、Outlook 2007 にないキーなので、作成する必要があります。
Caution注意 :
レジストリに対して誤った編集を行うと、重大な問題が発生する可能性があり、オペレーティング システムの再インストールが必要になる場合があります。 誤ったレジストリ編集に起因する問題は、解決できない場合もあります。 レジストリを編集する前に、重要なデータをバックアップしてください。

AdminClassificationPath のパスを、Classifications.xml ファイルのコピー先を参照するように変更する必要があります。AdminClassificationPath のパスは、Outlook 2007 で使用可能な任意の場所を指すように変更できます。これにはネットワーク共有も含まれます。ただし、このパスは、キャッシュ モードで実行している Outlook 2007 コンピュータに対してはローカル コンピュータ上の場所とすることをお勧めします。これにより、Outlook 2007 コンピュータで指示を読み取り、オフラインのときでもメッセージを作成することが可能になります。

EnableClassifications DWORD 値は、特定のユーザーに対して Outlook 2007 のメッセージ分類機能を有効または無効にします。メッセージ分類機能を有効にするには、この DWORD 値を 00000001 に設定します。メッセージ分類機能を無効にするには、DWORD 値を 00000000 に設定します。

TrustClassifications DWORD を使用すると、Exchange Server 2003 またはそれより前のメールボックスを持つユーザーにメッセージが送信されるときに、分類メッセージに対するアサーションを修飾することができます。

TrustClassifications は、Exchange 2007 によって制御されるメールボックスを持つユーザーに対してのみ有効にする必要があります。TrustClassifications を有効にするには、この DWORD 値を 00000001 に設定します。TrustClassifications は、メールボックスが Exchange 2007 によって制御されるユーザーに対してのみ有効になるので、Outlook 2007 受信者はメッセージ分類のアサーションまたは指示を信頼することができます。

Outlook は、Exchange 2003 またはそれより前のバージョンを実行しているユーザー間のメッセージ分類もサポートします。Exchange 2003 はメッセージ分類をサポートまたは認識しないため、メッセージ分類の内容および有効性は保証されません。したがって、TrustClassifications を無効にした場合は、ユーザーの組織によって分類が処理されたとユーザーが誤って想定することを防ぐため、"送信者からの情報:" というテキストがメッセージ分類の前に追加されます。TrustClassifications を無効にするには、この DWORD 値を 00000000 に設定します。

Classifications.xml ファイル内のメッセージ分類は、Outlook ユーザーが Outlook 2007 でメッセージを送信するときに限って利用可能なメッセージ分類です。ただし、Classifications.xml ファイル内のメッセージ分類によって、ユーザーが受信できる分類セットが制限されることはありません。

たとえば、ユーザーが使用しているバージョンの Classifications.xml ファイルに存在しないメッセージ分類を持つ電子メールをユーザーは受信できます。メッセージ分類が転送された場合、メッセージを転送した受信者のローカルの Classifications.xml ファイルに特定のメッセージ分類が存在していなくても、発信元のメッセージ分類インスタンスで RetainClassificationEnabled パラメータが $True に設定されていれば、メッセージの分類は維持されます。

Exchange 2007 環境では、Active Directory ディレクトリ サービスに登録されている分類のみが受信者に送信されます。

Classifications.xml ファイルの作成

Outlook 2007 コンピュータ用の Classifications.xml ファイルを生成するには、Export-OutlookClassification.ps1 スクリプトを使用します。

Export-OutlookClassification.ps1 スクリプトは、Exchange のセットアップを実行したときにインストールされる Program Files\Microsoft\Exchange Server\Scripts ディレクトリにコピーされます。このスクリプトは Scripts ディレクトリから実行する必要があります。

既存のすべてのメッセージ分類を Classifications.xml ファイルにエクスポートするには、次のコマンドを実行します。

./Export-OutlookClassification.ps1 > c:\exports\Classifications.xml

このコマンドでは、c:\exports は Classifications.xml ファイルを書き込むディレクトリです。

特定ロケールの既存の全メッセージ分類を Classifications.xml ファイルにエクスポートするには、次のコマンドを実行します。

./Export-OutlookClassification.ps1 -Locale "en" >Classifications.xml

このコマンドで、"en" はロケール コードです。Locale パラメータは、CultureInfo のデータ型を取ります。

CultureInfo データ型の詳細については、「CultureInfo Class」 (英語) で定義済みのカルチャ名と識別子の表を参照してください。ロケールが存在しない場合、メッセージ分類は Classifications.xml ファイルに書き込まれません。

important重要 :
Classifications.xml ファイルの名前は必ず指定する必要があります。このスクリプトで任意の名前のファイルをエクスポートできますが、エクスポート ファイルには Classifications.xml という名前を付けることをお勧めします。

開始する前に

Get-MessageClassification コマンドレットおよび Export-OutlookClassification.ps1 スクリプトを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange 表示専用管理者の役割

Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

手順

Classifications.xml ファイルを作成するには、次の操作を行います。

  • Exchange 管理シェルを開き、Program Files\Microsoft\Exchange Server\Scripts ディレクトリから次のスクリプトを実行します。

    ./Export-OutlookClassification.ps1 > c:\exports\Classifications.xml
    

    このスクリプトは、すべてのメッセージ分類を Classifications.xml にエクスポートします。XML ファイル内のすべての分類が必要ない場合、Classification.xml から特定の該当する <分類> 要素を手動で削除する必要があります。

適切なメッセージ分類をエクスポートした後、作成された Classifications.xml ファイルを、前に説明したレジストリ設定で指定したエンドユーザーのコンピュータの AdminClassificationPath のパスにコピーする必要があります。最後に、Outlook を再起動して、Outlook で Classifications.xml ファイルを取得します。

すべてのメッセージ分類は Classifications.xml ファイルにエクスポートされます。Exchange によってメッセージ分類が実行されるとき、Active Directory はアクセス許可を適用します。ユーザーが使用アクセス権のないメッセージ分類を使用しようとした場合、メッセージはメッセージ分類インフラストラクチャによって処理されません。

すべてのメッセージ分類をすべての Outlook ユーザーに対して表示することが望ましくない場合は、Classifications.xml ファイルを手動で編集して、表示しない分類を除外してください。Classifications.xml ファイル内では、各分類を Classification 要素で囲みます。各 Classification 要素は GUID と名前によって識別されます。分類を削除するには、分類に関連付けられている Classification 要素全体を削除する必要があります。

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。