メッセージ分類の管理

  • [アーティクル]

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-01-03

ここでは、Exchange 管理者のメッセージ分類管理に役立つメッセージ分類の管理方法とドキュメントの参照方法について説明します。ここで簡単に説明する概念の詳細については、「メッセージ分類の概要」を参照してください。

新しいメッセージ分類の作成

新しいメッセージ分類インスタンスを作成するには、Exchange 管理シェルの New-MessageClassification コマンドレットを使用する必要があります。パラメータ構文と要件の詳細については、「New-MessageClassification」を参照してください。

新しいメッセージ分類を作成する場合、New-MessageClassification コマンドレットに必要なパラメータは 3 つだけですが、基本レベルの機能を提供するにはパラメータを追加設定する必要があります。

3 つの必須パラメータは、Name、DisplayName、SenderDescription です。また、目的の機能を取得するには、少なくとも RecipientDescription パラメータの値を設定する必要があります。ユーザーに対してメッセージ分類を表示したくない場合には UserDisplayEnabled パラメータを $False に設定します。それぞれのパラメータの詳細については、「New-MessageClassification」を参照してください。

Set-MessageClassification コマンドレットを使用すれば、新しいメッセージ分類の作成後にこれらのパラメータを変更できます。詳細については、「Set-MessageClassification」を参照してください。

さまざまな言語やロケールへのメッセージ分類インスタンスのローカライズ

既定のメッセージ分類インスタンスを作成した後は、組織でサポートしている各地域向けのローカライズ版を作成できます。ローカライズされたメッセージ分類を使用すると、送信者説明と受信者説明の言語を変更できます。異なる法域における規制要件の違いを反映するために、送信者説明と受信者説明の内容を変更することもできます。ローカライズ版をユーザーのロケールに使用できない場合は、既定のメッセージ分類が使用されます。

ローカライズされたメッセージ分類の例およびメッセージ分類のローカライズ版を作成する方法の詳細については、「メッセージ分類のローカライズ バージョンを作成する方法」を参照してください。

メッセージ分類への読み取りアクセス権の付与

以下の一覧は、Microsoft Office Outlook 2007 または Microsoft Office Outlook Web Access のユーザーのためにメッセージ分類オブジェクトに対して設定できる 3 つのプロパティに関する簡単な説明です。

  • 表示名   このプロパティにはメッセージ分類インスタンスの表示名を指定します。表示名は、Outlook 2007 および Office Outlook Web Access の [アクセス許可] メニューに表示され、Outlook および Outlook Web Access ユーザーがメッセージの送信前に適切なメッセージ分類を選択するために使用します。 また、表示名は Outlook 2007 メッセージの情報バーにある受信者説明にも表示されます。パラメータ名は DisplayName です。
  • 送信者説明   このプロパティはメッセージ分類の目的を送信者に説明します。Exchange 管理者がこのフィールドに入力するテキストは、Outlook および Outlook Web Access ユーザーがメッセージの送信前に適切なメッセージ分類を選択するために使用します。パラメータ名は SenderDescription です。
  • 受信者説明   このプロパティはメッセージ分類の目的を受信者に説明します。Exchange 管理者がこのフィールドに入力するテキストは、Outlook および Outlook Web Access ユーザーがこのメッセージ分類を持つメッセージを受信したときに表示されます。パラメータ名は RecipientDescription です。

新しいメッセージ分類を作成し、Outlook 2007 が稼働しているコンピュータを実行できる場合、新しいメッセージ分類は Outlook 2007 および Office Outlook Web Access の [アクセス許可] メニューに表示されます。

Classifications.xml ファイルにエクスポートする実際のメッセージ分類を構成する場合、Outlook 2007 の [アクセス許可] メニューに表示されるメッセージ分類の読み取りアクセスを制御できます。Classifications.xml ファイルの作成方法および使用方法の詳細については、「Outlook 2007 のメッセージ分類を展開する方法」を参照してください。

メッセージ分類オブジェクトに読み取りアクセス許可を設定すれば、Outlook Web Access の [アクセス許可] メニューに表示されるメッセージ分類の読み取りアクセスを制御できます。Active Directory ディレクトリ サービスのメッセージ分類オブジェクトに関して、認証されたユーザーに読み取りアクセス許可を付与する場合、既定では、すべてのメッセージ分類は認証されたユーザーの読み取りアクセスを許可した状態で作成されます。

Exchange 管理シェルで以下のコマンドを実行すれば、特定のメッセージ分類に対する読み取りアクセス許可を削除できます。この手順を実行するには、使用するアカウントに次の役割が委任されている必要があります。

  • Exchange 組織管理者の役割

アクセス許可、役割の委任、および Exchange Server 2007 の管理に必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

Get-MessageClassification ExAttachmentRemoved -IncludeLocales | Remove-AdPermission -User AU -AccessRights GenericRead -InheritanceType None

ExAttachmentRemoved には修正しているメッセージ分類オブジェクトの Name 値を、AU には認証ユーザーグループを指定します。

読み取りアクセス許可を追加するには、Exchange 管理シェルで以下のコマンドを実行します。

Get-MessageClassification ExAttachmentRemoved -IncludeLocales | Add-AdPermission -User "DomainName\Group" -AccessRights GenericRead -InheritanceType None

"DomainName\Group" には読み取りアクセスを許可したいドメイン グループを指定します。

important重要 :
メッセージ分類にアクセスの "拒否" を設定しないでください。Exchange によるメッセージ分類オブジェクトの読み取りができなくなります。

メッセージ分類オブジェクトに設定する読み取りアクセス許可は、送信者がメッセージ分類を使用できるどうかを制御するものではありません。メッセージ分類の読み取りアクセス許可は、Outlook Web Access の [アクセス許可] メニューにメッセージ分類を表示するかどうかを制御するだけです。Outlook 2007 ユーザーは、メッセージ分類に対する読み取りアクセス権を持っていなくてもメッセージ分類を送信できます。上級ユーザーは、Outlook 2007 におけるメッセージ分類を可能にするためにコンピュータにインストールされた Classifications.xml ファイルを編集することで、分類されたメッセージを送信することもできます。

メッセージ分類へのトランスポート ルールの関連付け

新しいメッセージ分類インスタンスを作成したら、メッセージ分類にトランスポート ルールを関連付けることができます。Exchange 管理シェルを使用して、トランスポート ルールを新たに作成し、条件としてメッセージ分類を追加します。Exchange 管理シェルを使用して新しいトランスポート ルールを作成する方法の詳細については、「New-TransportRule」を参照してください。

Exchange 管理コンソールのトランスポート ルールの新規作成ウィザードを使用して、トランスポート ルールと既存のメッセージ分類を関連付けることもできます。例と詳細については、「既定のメッセージ分類をカスタマイズする方法」を参照してください。

Outlook 2007 でのメッセージ分類の有効化

既定では、Outlook Web Access 2007 はメッセージ分類機能を完全にサポートしています。

Outlook 2007 では、Outlook 2007 が稼働しているコンピュータごとにメッセージ分類を有効にすることと、メッセージ分類構成ファイルを展開することが必要になります。詳細については、「Outlook 2007 のメッセージ分類を展開する方法」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。