ユニファイド メッセージング オーディオ プロンプトについて

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2008-04-08

Microsoft Exchange Server 2007 を実行しているコンピュータにユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールすると、ユニファイド メッセージング システムで使用する既定のオーディオ ファイルの共通セット、メニューのプロンプト、案内応答、および情報アナウンスがユニファイド メッセージング サーバーの役割を実行しているコンピュータにコピーされます。Exchange 2007 に含まれる既定のオーディオ プロンプトのみを使用する UM 自動応答またはダイヤル プランを展開するだけでも十分に機能的ですが、案内応答、情報アナウンス、システムおよびメニュー プロンプト用にインストールされるオーディオ ファイルでは、多くの会社でパブリック インターフェイスとして使用するには一般的すぎる場合があります。ここでは、UM ダイヤル プランと自動応答で使用されるシステムおよびメニュー プロンプト、案内応答、情報アナウンスについて説明し、発信者がユニファイド メッセージング システムにアクセスするときにこれらを使用する方法について説明します。

オーディオ プロンプトと案内応答の概要

ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールすると、UM ダイヤル プランおよび自動応答のオーディオ ファイルは UM サーバーにコピーされます。既定では、インストール プログラムはオーディオ ファイルを Program Files\Microsoft\Exchange Server\Unified Messaging\Prompts*\<language>* フォルダにコピーします。英語 (米国) 版の Exchange 2007 をインストールした場合は、\en という名前のフォルダがインストール中に作成され、システム プロンプトの英語 (米国) 版がこのフォルダに保持されます。これらのシステム プロンプトは UM サーバーにより発信者に対して再生され、発信者は案内応答、メニュー プロンプト、および情報アナウンスを聞いたり、ユニファイド メッセージング メニューを操作したりすることができます。

UM サーバーにコピーされるこれらのシステム オーディオ ファイルやプロンプトは、変更しないでください。ただし、ユニファイド メッセージングでは、UM ダイヤル プランおよび自動応答の案内応答、メイン メニュー、情報アナウンスをカスタマイズすることができます。

表 1 は UM ダイヤル プランで使用されるプロンプトと案内応答についてまとめたものです。

Table 1   UM ダイヤル プランのオーディオ プロンプト

プロンプトと案内応答 説明

システム プロンプト

変更しないでください。

案内応答

既定の案内応答は既定で再生されるシステム プロンプトです。ただし、ユーザーは自分で作成したカスタマイズされた案内応答ファイルを使用できます。

情報アナウンス

既定では、情報アナウンスは無効です。情報アナウンスを有効にする場合は、カスタマイズされた案内応答ファイルを指定する必要があります。

表 2 は UM 自動応答で使用されるプロンプトと案内応答についてまとめたものです。

Table 2   UM 自動応答のオーディオ プロンプト

プロンプトと案内応答 説明

システム プロンプト

変更しないでください。

勤務時間のメニューのプロンプト

既定では、勤務時間のメニューのプロンプトが有効であり、システム プロンプトが再生されます。ただし、ユーザーは自分で作成したカスタマイズされた案内応答ファイルを使用できます。

勤務時間外のメニューのプロンプト

既定では、勤務時間外のメニューのプロンプトが有効であり、システム プロンプトが再生されます。ただし、ユーザーは自分で作成したカスタマイズされた案内応答ファイルを使用できます。

勤務時間の案内応答

既定では、勤務時間の案内応答が有効であり、システム プロンプトが再生されます。ただし、ユーザーは自分で作成したカスタマイズされた案内応答ファイルを使用できます。これを案内応答とも言います。

勤務時間外の案内応答

既定では、勤務時間外の案内応答が有効であり、システム プロンプトが再生されます。ただし、ユーザーは自分で作成したカスタマイズされた案内応答ファイルを使用できます。これを案内応答とも言います。

[情報アナウンス]

既定では、情報アナウンスは無効です。情報アナウンスを有効にする場合は、カスタマイズされた案内応答ファイルを指定する必要があります。

Caution注意 :
インストールされているシステム プロンプトの変更は、構成でサポートされていません。

システム プロンプト

Exchange 2007 ユニファイド メッセージング (UM) には、Outlook Voice Access、ダイヤル プラン、自動応答で使用される既定のオーディオ プロンプトのセットがインストールされています。ユニファイド メッセージング サーバーの役割を実行しているコンピュータにインストールされた言語ごとに数百のシステム プロンプトがあります。UM サーバーは、発信者がユニファイド メッセージング システムにアクセスしたときにこれらのシステム プロンプトのオーディオ ファイルを再生します。これらのシステム プロンプトの例を次に示します。

  • "PIN を入力してください"

  • "メールボックスにアクセスするには、内線番号を入力してください"

  • "担当者に連絡するには、# キーを押してください"

  • "通話先の担当者名のスペルを姓から先に言ってください"

  • "特定の担当者と話すには、担当者の名前を言ってください"

    Caution注意 :
    インストールされているシステム プロンプトの変更は、構成でサポートされていません。
    note注 :
    ユニファイド メッセージング サーバーの役割を実行しているコンピュータで Microsoft Exchange ユニファイド メッセージング サービスを開始すると、このサービスはすべてのシステム プロンプトが使用可能であることを確認します。システム プロンプトが見つからない場合は、エラーが返されます。返されたエラーを修正するには、イベント ビューアを使用してイベントを確認し、[イベントのプロパティ] ウィンドウに一覧表示されたファイルを Exchange 2007 インストール DVD から UM サーバーの適切なフォルダにコピーします。

UM ダイヤル プランの案内応答とアナウンス

ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールし、UM ダイヤル プランを作成した後、インストール中に UM サーバーにコピーされた既定のシステム プロンプトのオーディオ ファイルを使用するか、UM ダイヤル プランに使用できるカスタマイズされたオーディオ ファイルを作成するかを選択するオプションがあります。

UM ダイヤル プランには、変更できる案内応答とオプションの情報アナウンスがあります。案内応答は、Outlook Voice Access ユーザーまたは別の発信者がサブスクライバ アクセス番号に電話を掛けたときに使用されます。既定の案内応答では、発信者に対して "ようこそ、Microsoft Exchange に接続しました" という既定の案内応答が再生されます。このオーディオ ファイルは、UM ダイヤル プランの既定の案内応答です。ただし、この案内応答を変更し、"Woodgrove Bank の Outlook Voice Access にようこそ" など、会社に固有の他の案内応答を指定することもできます。この案内応答をカスタマイズする場合、カスタマイズした案内応答を録音し、*.wav ファイルとして保存した後、ダイヤル プランでこのカスタマイズした案内応答を使用するように構成する必要があります。

UM では、案内応答に続く情報アナウンスを使用できます。既定では、情報アナウンスは構成されていません。しかし、発信者用に情報アナウンスが必要なことがあります。情報アナウンスは、案内応答より頻繁に変化する一般的なお知らせまたは企業の準拠ポリシーで必要なお知らせに使用できます。発信者に情報アナウンス全体を聞かせることが重要である場合、中断できないように構成できます。このように構成すると、発信者はキーを押したりコマンドを言って情報アナウンスを中断したり停止したりすることはできません。

表 3 は、UM ダイヤル プランの案内応答と情報アナウンスについて説明しています。

表 3   UM ダイヤル プランの案内応答と情報アナウンス

案内応答 既定の例 カスタマイズの例

[案内応答]

"ようこそ、Microsoft Exchange に接続しました"

"Woodgrove Bank の Outlook Voice Access へようこそ"

[情報アナウンス]

既定では、情報アナウンスは構成されていません。

"このシステムをご利用になることで、お客様がこのシステムへのアクセス中にすべての企業ポリシーに従うことに同意されたものと見なします"

案内応答とアナウンスをカスタマイズおよび構成するときは、UM ダイヤル プランで構成された言語設定と作成するカスタム プロンプトの言語が同じであることを確認してください。同じでない場合、ある言語のあるメッセージまたは案内応答と、別の言語の別のメッセージまたは案内応答が発信者に聞こえる可能性があります。

UM 自動応答の案内応答、アナウンス、およびメニュー プロンプト

UM ダイヤル プランと同様に UM 自動応答には、案内応答、オプションの情報アナウンス、オプションのカスタム メニュー プロンプトがあります。勤務時間内および勤務時間外について構成できる案内応答とメニュー プロンプトには、異なるバージョンがあります。これらすべてを変更できます。

案内応答は、UM 自動応答が呼び出しに応答するときに、最初に発信者に聞こえます。既定では、この案内応答は "Microsoft Exchange 自動応答へようこそ" です。呼び出しで再生されるオーディオ ファイルは、UM 自動応答の既定のシステム プロンプトです。ただし、"Woodgrove Bank にお電話いただきありがとうございます" など、会社に固有の別の案内応答を提供することもできます。この案内応答をカスタマイズするには、カスタマイズした案内応答を録音し、*.wav ファイルとして保存した後、自動応答でこのカスタマイズした案内応答を使用するように構成する必要があります。案内応答の場合と同様に、メニュー プロンプトをカスタマイズすることもできます。

UM では、勤務時間内または勤務時間外の案内応答に続く情報アナウンスも使用できます。既定では、情報アナウンスは構成されていませんが、情報アナウンスを発信者に提供したい場合があります。情報アナウンスでは、たとえば "弊社の業務時間は、月曜から金曜の午前 8 時から午後 5 時までと、土曜日の午前 8 時 30 分から午後 1 時までです" のように、企業の営業日の業務時間をアナウンスすることができます。さらに、たとえば "トレーニングのために通話が監視される場合があります" のように、企業のセキュリティ ポリシーに準拠するために必要な情報アナウンスを提供することもできます。発信者に情報アナウンス全体を聞かせることが重要である場合、中断できないように構成できます。このように構成すると、発信者はキーを押したりコマンドを言って情報アナウンスを中断したり停止したりすることはできません。

表 4 は、UM 自動応答の案内応答と情報アナウンスについて説明しています。

表 4   UM 自動応答の案内応答、情報アナウンス、メニュー プロンプト

案内応答 既定の例 カスタマイズの例

勤務時間の案内応答

"Exchange 自動応答へようこそ"

"Woodgrove Bank にお電話いただきありがとうございます"

勤務時間外の案内応答

既定の勤務時間外の案内応答は、自動応答で勤務時間を構成するまで再生されません。ただし、勤務時間内の案内応答は、その日のすべての時間中に発信者に対して再生されます。

"Woodgrove Bank の本日の業務は終了いたしました。弊社の業務時間は、月曜から金曜の午前 8 時から午後 5 時までです"

[情報アナウンス]

既定では、情報アナウンスは構成されていません。

"トレーニングのために通話が監視される場合があります"

勤務時間のメイン メニューのプロンプト

既定の勤務時間のメイン メニューのプロンプトは、自動応答でキー マッピングを構成するまで再生されません。

"テクニカル サポートにご用の方は 1 を押すか "1" とお話しください。コーポレート オフィスまたは管理部にご用の方は 2 を押すか "2" とお話しください。営業部にご用の方は 3 を押すか "3" とお話しください" などです。

勤務時間外のメイン メニューのプロンプト

既定の勤務時間外のメイン メニューのプロンプトは、自動応答でキー マッピングと勤務時間のスケジュールを構成するまで再生されません。

"お客様からのお電話は Woodgrove Bank にとって非常に重要です。Woodgrove Bank の本日の業務は終了いたしました。メッセージを残される場合は 1 を押すか "1" とお話しください。できるだけ早くお返事差し上げます"

UM ダイヤル プランと同様に、UM 自動応答で構成した言語設定が作成するカスタム案内応答の言語と同じであること、および UM ダイヤル プランと同じ言語に設定されていることを確認してください。同じでない場合、ある言語のあるメッセージまたは案内応答と、別の言語の別のメッセージまたは案内応答が発信者に聞こえる可能性があります。

案内応答、アナウンス、およびメニュー プロンプトのカスタマイズ

システム プロンプトの置き換えまたは変更はできませんが、UM ダイヤル プランおよび UM 自動応答で使用される案内応答、情報アナウンス、またはメニューのプロンプトをカスタマイズできます。ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールした後、これらのカスタム オーディオ ファイル (*.wav) を使用するように UM ダイヤル プランおよび UM 自動応答を構成できます。発信者に対するカスタム音声プロンプトを有効にする前に、以下の手順を実行する必要があります。

  • カスタム案内応答を録音して, .wav ファイルとして保存します。.wav ファイルのエンコードには、リニア PCM (16 ビット/サンプル)、8 キロヘルツ (KHz) オーディオ コーデックを使用する必要があります。.wav ファイルでこの特定の形式を使用しないと、ソース ファイルがサポートされていない形式であるというエラーが生成されます。エラーは生成されますが、イベント ビューアでは表示されません。
  • Copy-UMCustomPrompt Exchange 管理シェル コマンドレットを使用して、カスタマイズした案内応答を UM サーバーの正しいフォルダにコピーするか、Exchange 管理コンソールを使用してカスタム案内応答またはプロンプトを構成します。
  • カスタマイズした案内応答を使用するように UM ダイヤル プランまたは自動応答を構成します。

カスタム プロンプト、アナウンス、または案内応答のオーディオ ファイルを作成したら、Copy-UMCustomPrompt Exchange 管理シェル コマンドレットを使用してオーディオ ファイルを UM プロンプト発行ポイントにコピーします。プロンプト発行ポイントは、UM ダイヤル プランで構成されたプロパティであり、インストールされた最初の UM サーバーで作成される共有フォルダ構造です。プロンプト発行ポイントは、UM カスタム プロンプトを Exchange 2007 組織にある他の UM サーバーに配信します。Copy-UMCustomPrompt コマンドレットは、指定したオーディオ ファイルを Exchange 2007 組織内の他の UM サーバーに配布するために適切な場所にコピーすることによって、UM カスタム オーディオ プロンプトの使用をサポートします。

ユニファイド メッセージング サーバーは、UM サーバーのプロンプト発行ポイントにアクセスし、必要な .wav オーディオ ファイルをローカルのインストール フォルダにコピーします。UM サーバーのローカルにファイルがコピーされると、UM サーバーは指定されたカスタム プロンプトのオーディオを提供できます。カスタム プロンプトの発行の詳細については、「カスタム プロンプトの配布について」を参照してください。

詳細情報

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。