Office Environment Assessment Tool (OEAT) ユーザー ガイド (Office 2010 用)
適用先: Office 2010
トピックの最終更新日: 2016-11-29
Office Environment Assessment Tool (OEAT) に関するこのユーザー ガイドでは、OEAT の正しい使用方法を説明します。このガイドを使用する前に、「Office 2010 アプリケーション互換性ガイド」に説明されている計画ステップを実行し、Microsoft Office と連携するアドインとアプリケーションを検出するために OEAT を実行して組織内のクライアント コンピューターをスキャンできるように準備することをお勧めします。
2011 年 7 月現在、新しいバージョンの OEAT を利用できます。OEAT の Update 1 バージョンをダウンロードするには、「Office Environment Assessment Tool (OEAT): Office Compatibility (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=171092\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。
この記事の内容
OEAT について
OEAT の新機能
OEAT の要件
OEAT を展開する
OEAT データを操作する
OEAT エラーのトラブルシューティング
付録
OEAT について
OEAT は、Microsoft Office 97、Microsoft Office 2000、Microsoft Office XP、Microsoft Office 2003、2007 Microsoft Office system、または Microsoft Office 2010 と連携して動作するアドインやアプリケーションを検出するためにクライアント コンピューターをスキャンする、無料でダウンロードできる実行可能 (.exe) ファイルです。OEAT は、アプリケーションの互換性確認と修復を目的とするプロジェクトの評価フェーズで使用できます (このプロジェクトについては、「Office 2010 アプリケーション互換性ガイド」を参照)。次の図に、アプリケーション互換性評価プロセス全体における OEAT の位置付けを示します。
OEAT は、次の 2 つの方法を使用してアドインとアプリケーションを検出します。
OEAT は、各クライアント コンピューターで、事前に指定されたフォルダーとレジストリの場所をチェックして、Microsoft Outlook、Microsoft Word、Microsoft Excel、または Microsoft PowerPoint で使用されるアドインの有無を確認します。アドインの種類は、オートメーション アドイン、COM アドイン、VBA アドイン、Visual Studio で作成されたアプリケーション レベルのアドインなどです。
OEAT を使用してパッシブ スキャンをクライアント コンピューターに実行して、Office API を呼び出すアプリケーションを監視することもできます。パッシブ スキャンは、Office API の呼び出しに使用される特定のレジストリ キーを (時単位または日単位で構成可能な一定期間に) 監査することで実行されます。OEAT は、この監査に基づいて、Office API を呼び出したアプリケーションを特定できます。監査情報には、実行可能ファイルの名前とバージョン、実行可能ファイルが実行された日付と時刻が含まれます。監査期間が終了すると、OEAT はレジストリ キーの監査を無効にします。
OEAT の実行方法をカスタマイズするには、組み込みのウィザードを使用して設定ファイル (Settings.xml) を生成します。パッシブ スキャンのオン/オフ、クライアント コンピューターのサイレント スキャン (ユーザーとの対話を行わないスキャン) のオン/オフ、スキャン結果を保存する場所への UNC パスまたはローカル パスなどをこの方法で指定できます。Settings.xml は、OEAT.exe と一緒に、1 つの共有フォルダーに展開するか、Microsoft Systems Management Server (SMS)、Microsoft System Center Configuration Manager などの製品を使用して個々のクライアント コンピューターに展開します。また、この記事で後に示すサンプルに基づいて実行スクリプトを展開し、OEAT のコマンドライン バージョンを各クライアント コンピューターから自動的に呼び出すこともできます。
OEAT は、スキャン対象のクライアント コンピューターごとに一意の名前で .xml ファイルを生成し、検出されたアドインとアプリケーションに関する詳細な情報と、各クライアント コンピューターのシステム情報 (ディスクの容量、メモリ、インストールされている Office と Windows のバージョン) をこのファイルに格納します。OEAT は、各 .xml ファイルを 1 つの共有フォルダーに保存できます。または、System Center Configuration Manager を使用して、各クライアント コンピューターに保存された.xml ファイルを収集することもできます。
すべてのクライアントのスキャンが完了した後で、OEAT の機能を使用して各クライアント コンピューターでの .xml スキャン結果を Microsoft Excel スプレッドシートにまとめることができます。この処理の過程で、OEAT は、検出されたアドインとアプリケーションを Microsoft 独立ソフトウェア ベンダー (ISV) アプリケーション互換性可視化プログラムによって追跡されている互換アドインの一覧と照合できます。生成されたスプレッドシートを使用して、アドインとアプリケーションのテストおよび修復を分析し、優先順位を決定できます。
OEAT の新機能
2011 年 7 月現在、OEAT は更新されています。Update 1 バージョンは Microsoft Download Center (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=171092\&clcid=0x411) (英語) から入手できます。
このリリースでは、次の修正と機能強化を使用できます。
パッシブ スキャンはすべての言語で機能します。
スキャン結果の名前には MAC アドレスではなく、GUID が使用されます。この変更により、一部の環境で発生する可能性がある名前の競合を排除できます。
- インターネットにアクセスできないコンピューター上でスキャン結果をまとめるときは、OEAT は、別のコンピューターからダウンロードされたベンダー一覧 (vendors.xml) のローカル コピーを使用できます。
重要
以前のバージョンの OEAT によって生成されたスキャン結果ファイルは、新しくリリースされたバージョンと互換性がありません。クライアントをスキャンするときは、新しいバージョンの OEAT を使用してください。
OEAT の要件
このセクションでは、クライアント コンピューターのスキャンと結果データの管理に OEAT を使用するための要件について説明します。
クライアント コンピューターのスキャンに関する要件
OEAT を実行するすべてのクライアント コンピューターは、Microsoft .NET Framework 2.0 またはそれ以降のバージョンがインストールされている必要があります。また、OEAT を実行する各ユーザー アカウントは次の要件を満たす必要があります。
OEAT をネットワークから実行する場合、ユーザーのアカウントは、OEAT.exe が保存されている共有フォルダーに対して次のアクセス許可を持つ必要があります。
NTFS アクセス許可 読み取り、実行、および書き込み
共有フォルダーのアクセス許可 変更および読み取り
Settings.xml を構成してパッシブ スキャンを有効にする場合、OEAT を実行する各ユーザー アカウントはローカル コンピューターの Administrators グループのメンバーである必要があります。このメンバーシップを持つユーザー アカウントは、Word、PowerPoint、Excel、および Microsoft Outlook の CLSID オートメーション キーのレジストリ キーを監査できるアクセス許可を持ちます。ユーザーがローカル管理者ではないクライアント コンピューターでパッシブ スキャンを実行する必要がある場合、2 つの解決策があります。これらの解決策の詳細については、後の「OEAT エラーのトラブルシューティング」を参照してください。
OEAT の管理に関する要件
管理者は、OEAT を実行して Settings.xml ファイルを構成したり、スキャン結果をまとめたりできます。管理を目的に OEAT を実行するコンピューターは、次の要件を満たす必要があります。
コンピューターは、インターネットにアクセスして、ISV アプリケーション互換性可視化プログラムから最新の互換性データをダウンロードできる必要があります。コンピューターがインターネットにアクセスできない場合は、「スキャン結果をまとめる」に記載される手順を使用して、インターネットにアクセスできる別のコンピューターからベンダー一覧 (vendors.xml) のコピーをダウンロードします。
次のソフトウェアをコンピューターにインストールする必要があります。
Microsoft .NET Framework 2.0 またはそれ以降のバージョン
2007 Office system または Office 2010 (スキャン結果を Excel スプレッドシートにまとめるため)
OEAT を展開する
このセクションでは、OEAT を展開するときに必要なタスクについて説明します。次のフローチャートに、展開プロセスの各タスクを示します。以降の見出しは、それぞれのタスクに相当します。
展開方法を選択する
「Office 2010 アプリケーション互換性ガイド」は、スキャンの対象とするクライアント コンピューターを選び出す方法に関するガイダンスです。各業務部門で使用中のクライアント コンピューターの 20 % をスキャン対象とすると、統計的に有意な数のサンプルが得られます。スキャンするクライアント コンピューターを選択するときは、管理された環境があるかどうかや、OEAT を各クライアント コンピューターで実行するのかネットワーク経由で実行するのかについても考慮する必要があります。通常、組織では、次のいずれかの展開方法を選択します。
管理された展開 System Center Configuration Manager または Systems Management Server を使用して、OEAT.exe および関連ファイルをクライアント コンピューターに配布します。関連ガイダンスについては、ブログ投稿「Deploying Office Environment Assessment Tool (OEAT) with ConfigMgr (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=225020\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。
グループ ポリシー展開 グループ ポリシーを使用して、OEAT.exe および関連ファイルを各クライアント コンピューターに展開し、スキャン結果を共有フォルダーに保存するように Settings.xml を構成します。
管理されない展開 OEAT.exe および関連ファイルを共有フォルダーにコピーし、OEAT の実行手順をユーザーに通知します。たとえば、OEAT のコマンドライン バージョンを起動するスクリプトへのリンクを電子メール メッセージで送信したり、OEAT のユーザー インターフェイスを操作してスキャンを実行する具体的な手順を連絡したりできます。Settings.xml を構成してスキャン結果を共有フォルダーに保存するか、スキャン結果を電子メールで送信するようにユーザーに指示します。
重要
OEAT をコマンドラインから起動するスクリプトを提供するか、手順を連絡した場合にのみ、パッシブ スキャンを実行できます。OEAT のユーザー インターフェイスを使用してスキャンを実行すると、設定ファイル (Settings.xml) でパッシブ スキャンの実行を有効に構成した場合でも、パッシブ スキャンは呼び出されません。OEAT のコマンド ライン パラメーターについては、後の「OEAT のコマンド ライン パラメーター」で説明します。
OEAT 設定ファイルを作成する
OEAT (英語) をダウンロードした後で OEAT の実行方法をカスタマイズするには、パッシブ スキャン、結果ファイルの保存場所 (ローカル フォルダーまたは共有フォルダー) などのオプションを指定する設定ファイルを作成します。設定の作成には、OEAT のユーザー インターフェイスから起動できるウィザードを使用できます。このウィザードを完了すると、OEAT.exe と同じフォルダー内に設定ファイル (Settings.xml) が作成されます。設定ウィザードの実行は省略できますが、ウィザードを実行して設定ファイルを作成すると、Settings.xml を OEAT.exe と一緒に確実に配布できます。
OEAT 設定を構成するには
OEAT.exe をダブルクリックします。OEAT のユーザー インターフェイスが表示されます。
[Run the settings file wizard] セクションで、[Run wizard] をクリックします。
[On the Welcome to the OEAT - Setup Wizard] ページで、[Next] をクリックします。
[Environment Scanning Information] ページで、[more information] リンクをクリックして、各コンピューターでスキャン対象となるアイテムの一覧を表示します。[Next] をクリックして先へ進みます。
[Passive Scan Settings] ページで、次のタスクを実行します。
パッシブ スキャンを実行する場合は、[Yes] を選択し、Office API の呼び出しに使用されるレジストリ キーに対して有効にする監査の期間を指定します。パッシブ スキャンは、Excel ブックを作成してデータを読み込む処理を自動化するソリューションなど、Office アプリケーションを自動化する外部プロセスを識別します。Office アプリケーションと連携して機能するソリューションの洗い出しが不完全な場合に、このオプションを選択することをお勧めします。ソリューションの代表的なサンプルを収集するのに十分な長さで、しかもクライアントが再起動する前に終了するだけの短さの期間を選択してください。クライアントが再起動すると、監査期間がリセットされます。
スキャンをバックグラウンドで実行し、ユーザーの介入を要求しない場合は、[Run hidden (silent) on the client while scanning] チェック ボックスをオンにします。[Next] をクリックします。
[Results Folder Location] ページで、スキャン結果を保存する共有場所へのローカル パス、マップ ドライブ 、または UNC を入力します (たとえば、\\サーバー名\共有名\results)。[Next] をクリックします。
[Finished] ページで [Finish] をクリックします。
Settings.xml が OEAT.exe と同じフォルダー内に作成されたことを確認します。
OEAT 実行スクリプトを作成する
OEAT のスキャンを自動で実行するには、OEAT.exe をコマンドラインから実行するスクリプトを作成し、これを OEAT.exe と同じフォルダー内に格納します。以下のサンプルのスクリプトでは、<server> および <share> の部分をそれぞれ実際に OEAT.exe が格納されているサーバーと共有フォルダーで置き換えてください。このスクリプトは、ログイン スクリプトとして配布するなどの方法で特定のユーザーに提供できます。スクリプトの配布方法とは関係なく、ローカル コンピューターでは管理者の権限でスクリプトを実行する必要があります。
次の JScript コード サンプルは、任意に編集して特定の環境で使用できます。
// ***************************************************************
// Office Environment Assessment Tool Script
// CREATED: 8-14-2009
// VERSION:1.0
// PURPOSE:To launch the OEAT application from specified
// UNC share with the SCAN switch.
// ***************************************************************
/* create a scripting object */
w = new ActiveXObject("WScript.Shell");
/* shell the OEAT.exe scanner */
w.run("\\\\<server>\\<share>\\oeat.exe -scan");
/* done */
OEAT を展開してスキャン結果を収集する
前の「展開方法を選択する」で選択した方法で OEAT を展開します。パッシブ スキャンを使用する場合は、監査期間が終了するまで待ってからスキャン結果の収集やとりまとめを行ってください。また、パッシブ スキャンの実行中にクライアント コンピューターが再起動すると、監査期間がリセットされることに注意してください。
スキャン結果をまとめる
スキャン結果が 1 つのフォルダーに収集された後で、次のどちらかの手順を実行して OEAT スキャン結果を Excel スプレッドシートにまとめます。スキャン結果を含むコンピューターがインターネットにアクセスできる場合は、そのコンピューター上で OEAT を使用してスキャン結果をまとめることができます。コンピューターがインターネットにアクセスできない場合、またはプロキシに問題があって OEAT が vendors.xml リストをダウンロードできない場合は、インターネットにアクセスできる別のコンピューターに OEAT をインストールして、スキャン結果を含むコンピューターに、ダウンロードした vendors.xml ファイルをコピーできます。
インターネットにアクセスできるコンピューターからスキャン結果をまとめるには
スキャン結果と OEAT.exe ファイルがあるフォルダーに移動します。
OEAT.exe をダブルクリックします。
[Welcome to the Office Environment Assessment Tool] ページで、[Compile results] をクリックします。
最新のベンダー一覧をダウンロードするかどうかを確認するメッセージ ボックスが表示されます。[Yes] をクリックして、ベンダーの一覧をダウンロードします。
スキャン結果のとりまとめ処理の進捗を示す進行状況バーがウィンドウに表示されます。とりまとめの処理が完了すると、OEAT Report.xlsx という名前のファイルが、Excel に自動的に開かれます。
あるコンピューターからベンダー一覧をダウンロードし、さらに別のコンピューターからスキャン結果をまとめるには
インターネットにアクセスできる任意のコンピューターに OMPM をインストールします。このコンピューターは、前の「OEAT の管理に関する要件」に記載される要件を満たしている必要があります。
OEAT.exe をダブルクリックします。
[Welcome to the Office Environment Assessment Tool] ページで、[Scan your system] をクリックします。
スキャンが完了したら、[Compile results] をクリックします。
最新のベンダー一覧をダウンロードするかどうかを確認するメッセージ ボックスが表示されます。[Yes] をクリックして、ベンダー一覧をダウンロードします。スキャン結果の集計が完了すると Excel ファイルが自動的に開きます。この Excel ファイルが開いたら閉じます。
OEAT.exe をインストールしたフォルダーで、vendors.xml という名前のファイルを探し、インターネットにアクセスできない OEAT 管理コンピューターに vendors.xml をコピーします。このファイルは、必ず、OEAT.exe とスキャン結果が配置された同じフォルダーにコピーしてください。
OEAT 管理コンピューターで、OEAT.exe をダブルクリックします。
[Welcome to the Office Environment Assessment Tool] ページで、[Compile results] をクリックします。
最新のベンダー一覧をダウンロードするかどうかを確認するメッセージ ボックスが表示されます。[No] をクリックします。OEAT は、手動でコピーした vendors.xml ファイルを使用してスキャン結果をまとめます。
スキャン結果のとりまとめ処理の進捗を示す進行状況バーがウィンドウに表示されます。とりまとめの処理が完了すると、OEAT Report.xlsx という名前のファイルが、Excel に自動的に開かれます。
OEAT データを操作する
このセクションでは、OEAT レポートの内容について説明し、結果データの有効な使用方法を示すいくつかのサンプルを提供します。
OEAT レポートの概要
結果データをまとめた Excel ファイルには、次のような複数のワークシートがあります。
[SummaryReport] このワークシートには、スキャン対象のクライアント コンピューターが Office 2010 を使用できる状態にあるかどうかを判断するのに役立つ要約情報が表示されます。この情報には、平均空き領域、プロセッサ、コンピューターの製造元、インストールされている Windows のバージョン (サービス パック レベルを含む)、インストールされている Office のバージョンなどのデータが含まれます。クライアント コンピューターで実行されている Office または Windows のバージョンが予想とは違う場合、構成管理の観点から有益な情報を結果データから得ることができます。
[MicrosoftOfficeAddins] このワークシートには、Office にインストールされているすべてのアドインの一覧が表示されます。
[AddinsNotShippedWithOffice] このワークシートには、Office に含まれないすべてのアドインの一覧が表示されます。ほとんどの評価と計画の作業は、このレポートを基に進めることになります。一覧の項目をアプリケーション別に並べ替えたり、最終アクセス日付または変更日付を表示したり、アドインが検出されたクライアント コンピューターの台数を表示したりできます。同じアドインのバージョン番号を照合すると、一部のクライアント コンピューターが最新の状態にないことも確認できます。このような状態は、組織の構成管理プロセスに不備があることを示す可能性があります。
[AddinsNotShippedWithOffice] ワークシートでは、最初に [Compatibility] 列をチェックして各アドインの互換性の状態を確認します。OEAT は、検出されたアドインを ISV 互換性プログラムで追跡されている互換アドインの一覧と照合して、この列のデータを生成します。この列に表示される互換性の状態は、次のいずれかです。
[UNKNOWN] アドインが、Office 2010 互換アドインの Microsoft ベンダー一覧に現在含まれていないことを示します。したがって、このアドインの状態は不明です。この状態は、OEAT に新しいベンダー データが取得されると変わる可能性があります。スプレッドシートにデータをまとめるときに、新しいベンダー データをダウンロードするオプションを選択できます。
[PARTIAL MATCH] OEAT からこの状態が報告されるのは、ベンダー名の一致のみが検出された場合、またはベンダー名と製品名は一致するがバージョン番号が一致しない場合です。[URL] 列のリンクを使用してベンダー一覧をチェックし、同じベンダーから提供された互換アドインがないかを確認してください。
[EXACT MATCH] ベンダー名および製品名が一致し、アドインのバージョン番号が、ベンダーから報告されたバージョンと同じかそれ以降の番号である場合に、この状態が表示されます。
重要
OEAT の最終バージョンで互換性データのダウンロードの確認が求められたときにダウンロードしないことを選択したか、OEAT のベータ版を使用している場合は、[Compatibility] 列が表示されません。OEAT の最終バージョンは、「Microsoft ダウンロード センター (英語)」からダウンロードできます。
上位 10 個のアドインを表示する
[MicrosoftOfficeAddins] タブと [AddinsNotShippedWithOffice] タブには、各アドインまたはアプリケーションの検出回数を表示する [count] 列があります。この一覧を次の手順でフィルター処理すると、上位 10 個のアドインとアプリケーションを表示できます。
[MicrosoftOfficeAddins] タブまたは [AddinsNoShippedWithOffice] タブの [count] 列見出しで下向き矢印をクリックします。
[Number Filters] をポイントし、[Top 10] をクリックします。必要に応じてオートフィルターを調整してから、[OK] をクリックします。
結果をアプリケーション別に整列する
Office のすべてのアプリケーションについて互換性の問題の有無を調査する場合でも、対象を 1 つのアプリケーションに絞り込むことができます。1 つの Office アプリケーション、たとえば Excel のデータのみを [app] 列に表示するように選択すると、Excel と連携して動作するアドインとアプリケーションのみを一覧に表示できます。
不明なアドインを表示する
一覧をアプリケーション別に整理し、上位 10 個の項目を表示した後で、もう一度フィルター処理して、[compatibility 列が [UNKNOWN] または [PARTIAL MATCH] になっているアプリケーションの一覧を表示できます。もう一度フィルターを使用することで、Office 2010 と互換性があることがすでにわかっているすべてのアドインを一覧から削除することもできます。
構成管理の不整合をチェックする
Office 2010 で使用できるかどうか不明なアドインをアプリケーション別に整理して一覧にした後で、さらに一覧を使用頻度の高い順に並べ替えて、優先的に対応が必要な上位 10 個のアドインを表示できます。この段階で、次の手順を実行できます。
バージョン情報を調査する 絞り込んだアドインまたはアプリケーションのバージョンをチェックします。それがベンダーからサポートされる最新のバージョンかどうか、アプリケーションが完全に展開されたかどうかを確認します。また、最新バージョンを確認するためにベンダーに連絡できるかどうかも確認します。
最終アクセス日付を確認する アドインまたはアプリケーションが、最近、環境で使用されたかどうかを確認します。アクセス日付が古い場合は、そのアドインを報告したシステムを [RawData] ワークシートでチェックして、現在のユーザーが使用しているかどうかを確認します。
[Load] 列を使用する [Load] 列は、アドインが Office の実行時に読み込まれるかどうかを示します。OEAT では、この動作は次のように分類されます。(0) - 読み込まれない
(1) - 次の起動時にのみ読み込まれる
(2) - 必要な時点で読み込まれる
(3) - 起動時に読み込まれる
(8) - 必要な時点で読み込まれる
(9) - 必要な時点で読み込まれる
(16) - 最初に読み込まれ、後は必要な時点で読み込まれる
ピボットグラフおよびピボットテーブルのレポートを作成する
ピボットグラフ レポートを使用してデータを表示したり、ピボットテーブル レポートを使用して情報を強調表示したりすることもできます。Excel ピボットグラフおよびピボットテーブルのレポートの詳細については、Excel グラフの概要 (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=178194\&clcid=0x411) およびピボットテーブル レポートの概要 (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=178195\&clcid=0x411) を参照してください。
OEAT エラーのトラブルシューティング
このセクションでは、OEAT を使用するときに発生する可能性がある問題のトラブルシューティングに役立つ情報を示します。
パッシブ スキャンは失敗し、errors.log ファイルに "Error setting permissions on registry keys" というメッセージが記録されます。
ローカル管理者ではないユーザーがパッシブ スキャンを実行しようとすると、OEAT.exe と同じフォルダー内のエラー ファイル (errors.log) に一連のエラーが書き込まれます。ログには、次のようなエラーが記録されます。
... SCAN: Error setting permissions on registry keys. PERMISSION ERROR: System.UnauthorizedAccessException: Attempted to perform an unauthorized operation. ... at OfficeAddinScanner.clsWatcher.addAudits()
ユーザーがローカル管理者ではない場合にクライアント コンピューターでパッシブ スキャンを実行する必要があるときは、次の解決策を使用できます。
次の監査キーに対する変更アクセス許可をユーザーに設定するグループ ポリシー オブジェクト (GPO) を作成します。
Excel = HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{00024500-0000-0000-C000-000000000046}
PowerPoint = HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{91493441-5A91-11CF-8700-00AA0060263B}
Word = HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{000209FF-0000-0000-C000-000000000046}
Outlook = HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{0006F03A-0000-0000-C000-000000000046}
GPO を使用して監査キー値を設定する方法の詳細については、「Windows Server 2003 でグループ ポリシーを使用してレジストリ キーを監査する方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=178196\&clcid=0x411) を参照してください。
Systems Management Server、System Center Configuration Manager などの管理ソリューションを使用して、各クライアント コンピューター上でローカル システム アカウントで実行されるように OEAT を展開します。スタートアップ フォルダーまたは Windows Run レジストリ キーから OEAT が実行されるように構成し、スキャン結果ファイルを各クライアント コンピューターから収集します。
パッシブ スキャンは失敗し、errors.log ファイルに "SCAN: Error setting up passive scan. Some or all identity references could not be translated." というメッセージが記録されます。
このエラー メッセージは、Windows のローカライズ版を搭載するクライアント コンピューターで、セキュリティ グループの名前が英語ではない場合に発生します。OEAT には Everyone グループの英語名に対してハードコードされた依存関係があるために障害が発生します。英語以外の言語版を使用するクライアントでは、Everyone グループがクライアントの特定の言語にローカライズされている場合があります。このようなクライアントでは、パッシブ スキャンは失敗します。
この問題を解決する新しいバージョンの OEAT が公開されています。新しいバージョンをダウンロードするには、「Office Environment Assessment Tool (OEAT): Office Compatibility (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=171092\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。
環境によっては、MAC アドレスが同じであることが原因で、スキャン結果ファイルに同じ名前が設定される場合があります。
Citrix 環境などの一部の環境では、各クライアントのスキャン結果ファイルのファイル名が同じになることが原因で、スキャン結果を連結したり、まとめたりすることができない場合があります。新しいバージョンの OEAT では GUID を使用してスキャン結果ファイルの名前が一意になるように修正されています。新しいバージョンをダウンロードするには、「Office Environment Assessment Tool (OEAT): Office Compatibility (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=171092\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。
ベンダー一覧 (vendors.xml) をダウンロードできません。
プロキシの問題が原因で、OEAT がインターネットにアクセスできるコンピューターにベンダー一覧 (vendors.xml) をダウンロードできない場合があります。ベンダー一覧のダウンロードに失敗する場合は、「スキャン結果をまとめる」の手順を使用して、プロキシ サーバーを使用しない別のコンピューター (ホーム コンピューターなど) から vendors.xml をダウンロードします。
OEAT のスキャン結果をまとめると "Old format or invalid type library" エラーが返されます。
英語版の Excel を実行するクライアント コンピューターで現在のロケールが英語以外の言語に構成されている場合、OEAT を使用してこのコンピューターからのスキャン結果をまとめようとすると、このエラーが起こります。このような場合、Excel は、構成されている言語の言語パックを見つけようとします。言語パックが見つからないと、エラーが報告されます。この問題を回避するには、クライアント コンピューターで実行している Excel のバージョンと同じ言語にロケールを変更してから、スキャン結果をもう一度まとめようとしてください。
付録
この付録では、OEAT コマンドライン パラメーターと、OEAT がアドインとアプリケーションを探す場所について説明します。
OEAT コマンドライン パラメーター
次の表に、OEAT をコマンド プロンプトまたはスクリプトから実行するときに使用できる一連のパラメーターを示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
-scan |
OEAT.exe をスキャン オプション付きで実行します。このパラメーターを使用するには、Settings.xml ファイルが OEAT.exe と同じフォルダーに保存されている必要があります。 |
-setup |
Settings.xml ファイルを作成するセットアップ ウィザードを実行します。 |
-compile |
スキャン結果ファイルを XML ファイルにまとめます。このファイルは、Settings.xml ファイル内で指定されたフォルダーに保存されます。Settings.xml ファイルが存在しない場合は、既定の構成が使用され、データは現在のフォルダー内でファイルに保存されます。 |
-help |
ヘルプ ウィンドウを表示します。 |
-debug |
エラーが発生した場合にスキャンを停止し、エラー情報をメッセージ ボックスに表示します。 |
Oeat.exe –scan コマンドでは、さらに追加のパラメーターを使用できます。構文は次のとおりです。
OEAT.EXE –scan <settings.xml へのパス> <errors.log へのパス>
たとえば、このコマンドは次のように使用できます。
Oeat.exe –scan [default] %temp%\errors.log
Oeat.exe –scan \\someotherserver\path\settings.xml
Oeat.exe –scan \\someotherserver\path\settings.xml %temp%\errors.log
Oeat.exe –scan %temp%\settings.xml \\server\share\errors.log
Oeat.exe –scan %temp%\settings.xml %temp%\errors.log
これらのパラメーターを使用するには、次の要件を満たす必要があります。
設定ファイルの名前は、常に settings.xml であること。
エラー ログ ファイルの名前は、常に errors.log であること。
設定とエラーのパスを両方とも省略することはできますが、設定パスを指定しないでエラー パスのみを指定することはできません。
OEAT.EXE と同じフォルダーにある settings.xml ファイルを使用する場合は、このファイルのパスとして [default] を指定できます。
OEAT でスキャンされる場所
スキャン対象のフォルダー:
%programfiles%\Microsoft Office\Office9\Xlstart
%programfiles%\Microsoft Office\Office10\Xlstart
%programfiles%\Microsoft Office\Office11\Xlstart
%programfiles%\Microsoft Office\Office12\Xlstart
%programfiles%\Microsoft Office\Office9\STARTUP
%programfiles%\Microsoft Office\Office10\STARTUP
%programfiles%\Microsoft Office\Office11\STARTUP
%programfiles%\Microsoft Office\Office12\STARTUP
%programfiles%\Microsoft Office\Office14\STARTUP
%appdata%\Microsoft\Excel\XLSTART
%appdata%\Microsoft\Word\STARTUP
%appdata%\Microsoft\AddIns
スキャン対象フォルダー内で検出される拡張子:
PowerPoint: ppa、ppam
Excel: xla、xlm、xll、xlam
Word: dot、dotm, .wll
Office: .dll
スキャン対象のレジストリの場所:
PowerPoint:
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Office\PowerPoint\Addins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\9.0\PowerPoint\AddIns
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\10.0\PowerPoint\AddIns
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\11.0\PowerPoint\AddIns
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\PowerPoint\Addins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\PowerPoint\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\PowerPoint\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\9.0\PowerPoint\AddIns
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\10.0\PowerPoint\AddIns
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\11.0\PowerPoint\AddIns
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\12.0\PowerPoint\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\14.0\PowerPoint\Addins
Outlook:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\Outlook\Addins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\9.0\Outlook\Addins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\10.0\Outlook\Addins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\11.0\Outlook\Addins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\Outlook\Addins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Outlook\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\9.0\Outlook\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\10.0\Outlook\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\11.0\Outlook\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\12.0\Outlook\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\14.0\Outlook\Addins
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\Outlook\Addins
Excel:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\Excel\Addins\
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\9.0\Excel\Add-in Manager
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\10.0\Excel\Add-in Manager
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\11.0\Excel\Add-in Manager
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\Excel\Add-in Manager
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Excel\Add-in Manager
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\Excel\Addins\
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\9.0\Excel\Options::OPEN#
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\10.0\Excel\Options::OPEN#
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\11.0\Excel\Options::OPEN#
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\Excel\Options::OPEN#
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Excel\Options::OPEN#
Word:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\Word\Addins\
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\9.0\Word\Add-ins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\10.0\Word\Add-ins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\11.0\Word\Add-ins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\Word\Add-ins
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Word\Add-ins
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\Word\Addins\
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\9.0\Word\Options::STARTUP-PATH
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\10.0\Word\Options::STARTUP-PATH
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\11.0\Word\Options::STARTUP-PATH
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\Word\Options::STARTUP-PATH
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Word\Options::STARTUP-PATH
パッシブ スキャン中に監視されるレジストリ キー:
{00024500-0000-0000-C000-000000000046}
{91493441-5A91-11CF-8700-00AA0060263B}
{000209FF-0000-0000-C000-000000000046}
{0006F03A-0000-0000-C000-000000000046}