Planning サーバーのミラーリング
Planning Server システムのミラーリングとは、ある Planning Server システムを別のシステムにコピーすることです。コピー元の Planning Server システム内のデータは、コピー先のものと同一になります。
ただし、Planning Server システムのデータベース サーバー名は変更され、そのほかにも構成に関連するデータの変更が必要になります。新たにミラー化された Planning Server システムにこうした変更を加えないと、システムを動作させることができません。
コピー元の Planning Server データベース ( Windows SharePoint Services を使用している場合は、SharePoint データベースが含まれます) をバックアップして、それを別のデータベース サーバーに復元すれば、Planning Server システムのミラーリングという目的は達成できます。バックアップと復元の後で、新しい Planning Server システムを起動するのに必要な構成データの変更を行います。
ミラーリングは、Planning Server の移行と同等に考えることができます。このドキュメントで詳しく説明するミラーリングでは、既存の Planning システムをある環境から別の環境にコピーします。つまり、ミラーリングによって、すべてのアプリケーション、モデル サイト、ディメンション、ユーザー、セキュリティ、サイクル、割り当て、およびレポートが移動します。また、コピー先の環境にコンテンツが存在する場合は完全に置き換えられます。また、移行によって、ある Planning システムの 1 つの Planning アプリケーションを別の Planning システムに移動することもできます。コピー先の Planning システムは、新しいアプリケーションの作成と受け入れができるように構成しておく必要があります。移行を使用すると、移動対象のアプリケーションがコピー先のシステムに追加されます。移行では、レポート、ワークフロー、割り当て、サイクル、ジョブ、ユーザー、およびセキュリティ ロールは移動されません。 以降のシナリオと手順は、Planning Server をある環境からまったく新しい環境にミラーリングする方法を解説するためのものです。典型的なシチュエーションとしては、開発環境をテスト環境に移動する場合が考えられます。それぞれの環境では、独立した物理ハードウェアを使用しおり、どちらの環境のコンピュータも共有されていないものとします。
![]() |
---|
PerformancePoint Server のドキュメントでは、Windows SharePoint Services および SharePoint Services という用語は、Office SharePoint Server 2007 と Windows SharePoint Services 3.0 をひとまとめに指しています。 |
Planning Server のミラーリング
コピー元の Planning Server システムのすべてのデータベースをバックアップします。これには、PPSPlanningService、PPSPlanningSystem、およびすべてのアプリケーションとステージング データベースが含まれます。詳しい情報については、「Planning Server データベースのバックアップと復元」を参照してください。
ミラーリング処理によってコピー先のシステムに移動するフォームとレポートをコピーします。フォームやレポートの保存領域の既定の場所は、Planning 管理コンソールでアプリケーションを作成したときに設定されます。
コピー元の PPSPlanning Service および PPSPlanningSystem のデータベースを、Planning Server および Microsoft SQL Server 2005 が動作しているコピー先のサーバーに復元します。
フォームとレポートをコピー先のシステムの既定の場所に貼り付けます。
復元されたデータベースのデータベース所有者 (DBO) を、Planning Process Service のサービス ID アカウント (SI) に変更します。
USE [PPSPlanningService] Exec sp_changedbowner 'SI Account' GO USE [PPSPlanningSystem] Exec sp_changedbowner 'SI Account' GO
コピー先の Planning Server システムとして使用する新しいコンピュータの準備をします。Planning Server のセットアップと Configuration Manager を実行して、新しいコンピュータの準備をします。Planning Server システム用のコンピュータの準備に関する情報については、「PerformancePoint Server 2007 展開ガイド」を参照してください。
重要 :
Planning Server システムの準備をするときには、Planning Server 構成マネージャ ウィザードの [インストール オプション] ページの [分散構成] をオンにし、[Planning サービス データベース] をオフにするようにしてください。ウィザードの [システム データベース] ページで、既存の Planning システム データベースおよび Planning サービス データベースの復元先となるコピー先コンピュータの名前を入力します。
dbcreator 権限を SI アカウントに許可します。
この処理が必要なのは、アプリケーション データベースの自動作成機能を管理コンソールと Planning Business Modeler で機能させる場合だけです。データベース管理者が手動でアプリケーションを作成してくれる場合は、この手順を実行する必要はありません。
--Grant dbcreator permissions to SI account USE [master] GO GRANT ALTER TRACE TO [DOMAIN\User1] GO
サーバーの Analysis Services の部分で Analysis Services サーバーへの接続を右クリックして [プロパティ] をクリックし、[セキュリティ] を選択します。続いて、サービス ID アカウントをそのロールに追加します。
複数のコンピュータを展開するシナリオでは、SQL Server、Analysis Services、および Windows SharePoint Services を実行しているコンピュータ間のセキュリティ設定の構成が必要な場合があります。複数のコンピュータを展開するシナリオでのセキュリティ設定の構成に関する情報については、「PerformancePoint Server 2007 展開ガイド」を参照してください。
コピー先のシステムのセットアップが完了したら、コピー元からコピー先にすべてのアプリケーションとステージング データベースを復元する処理を続行します。Windows SharePoint Services を使用している場合は、Windows SharePoint Services のデータベースも復元します。
復元されたアプリケーションとステージング データベースのデータベース所有者を変更します。
USE [PPS_APP] Exec sp_changedbowner 'SI Account' GO USE [PPS_STG] Exec sp_changedbowner 'SI Account' GO
データベースおよび構成ファイル内のデータベース サーバー名など、構成に関連するデータを修正します。
以下の手順は、サーバーが 5 台構成の場合に、(復元後に) ミラーリングが機能するように構成に関連するデータを修正する例です。
サーバー 1 : SQL Server のデータベース
サーバー 2 : OLAP サーバー
サーバー 3 : Windows SharePoint Services サーバー
サーバー 4 : Planning Web サービス サーバー (オプションとして Planning 管理コンソール サーバー)
サーバー 5 : Planning プロセス サービス サーバー
説明のため、以下に構成を示します。
Planning システム データベースおよび Planning サービス データベースは同じデータベース サーバーで動作しています。
Planning Server アプリケーション データベースは異なるデータベース サーバーで (アプリケーションごとに) 動作しています。
Planning Server OLAP データベースは異なるデータベース サーバーで (モデル サイトごとに 1 台ずつ、またはアプリケーションごとに 1 台ずつ) 動作しています。
メモ :
BizSystem 表の [ViewWorkFlowDBServer] 列 は既に使用されていません。BizSystem 表のこの列の値は無視してください。
PPSPlanningSystem データベースの BizSystem 表を手動で更新し、SQL インスタンスとデータベースの名前の変更を反映します。
UPDATE BizSystem SET ReferenceDBServerName = @NewAppDBServer, ReferenceDBName = @NewAppDBName, -- can remain the same StagingDBServerName = @NewStagingDBServer, StagingDBName = @NewStagingDBName, -- can remain the same WHERE BizApplicationLabel = @BizApplicationLabel
同じ表で、フォームとレポートの既定の保存場所を変更します。
UPDATE BizSystem SET --AssignmentFormsUrl = @NewAssignmentFormsUrl, --AssignmentMasterFormsUrl = @NewAssignmentMasterFormsUrl, FormTemplatesUrl = @NewFormTemplatesUrl, ReportUrl = @NewReportUrl WHERE BizApplicationLabel = @BizApplicationLabel
ヒント :
AssignmentsFormsURL
およびAssignmentMasterFormsURL
の 2 つのフィールドは現在使用されていないので、コメント アウトしています。アプリケーション データベースの BizAppNodes 表の OLAP サーバー名を手動で更新します。
UPDATE BizAppNodes SET OLAPServerName = @NewOLAPServerName WHERE BizAppNodeLabel = @BizAppNodeLabel
アプリケーション データベースの DeployInfo 表の SQL インスタンスとデータベースの名前を手動で変更します。
UPDATE SET AppNodeSQLStoreDBServer = @NewAppNodeSQLStoreDBServer, AppNodeSQLStoreDBName = @NewAppNodeSQLStoreDBName, -- can remain the same AppNodeOLAPStoreDBServer = @NewAppNodeOLAPStoreDBServer, AppNodeOLAPStoreDBName = @NewAppNodeOLAPStoreDBName -- can remain the same FROM dbo.DeployInfo d inner join dbo.BizAppNodes n on BizAppNodeID = @BizAppNodeID WHERE n.BizAppNodeLabel = @BizApplicationLabel
フォームを移動する場合は、アプリケーション データベースの Workbooks 表の *.xlsx ファイルの場所を更新する必要があります。replace 関数を使って、Workbooks 表の StorageUrl 列を手動で更新します。Replace が必要なのは、フォームへのパス (\\computername\sharedfolder\) とフォーム名自体 (form.xlsx) が StorageUrl に保存されているためです。フォーム名は同じままにしておく必要がありますが、パスは更新する必要があります。
UPDATE dbo.Workbooks SET StorageUrl = REPLACE(StorageUrl, @OldStorageUrlPath, @NewStorageUrlPath WHERE [StoreageUrl] is Not NULL
メモ :
Workbooks 表には、AssignmentDefinitions 表 (WorkbookID で結合) で使用するすべての保存場所の URL と BizForms (WorkbookID である FormID で結合) が含まれています。
コピー元のシステムの表には、前述の「メモ」で触れた 2 つの表にさまざまな用途ごとに異なる多くの StorageUrl の値が含まれている場合があります。しかし、コピー先のシステムでは、すべての保存場所の URL を 1 つの URL の場所に配置した状態から始めることができます。このファイルのコピー作業は、すべての URL の場所から 1 つの場所にこれらのファイルをコピーする必要があるので、面倒な場合があります。
Planning プロセス サービス サーバーの名前を変更します。
アプリケーション データベースで、AsyncWorkItems 表の MachineName 列を新しい Planning プロセス サービス サーバーの名前に更新します。
UPDATE AsyncWorkItems SET MachineName = @NewAsyncServerName WHERE MachineName IS NOT NULL
OLAP データベース接続文字列を更新します。
SQL Server Management Studio で OLAP データベースの階層を展開します。
各データベース名を展開し、Data Sources フォルダを展開します。
それぞれのサブノードを右クリックして [プロパティ] を選択し、[接続文字列] をクリックします。続いて、[接続文字列] ボックスの省略記号をクリックします。
新しい SQL サーバー名を [サーバー名] フィールドに入力します。
すべての OLAP データベースに対してこれを繰り返します。ミラーリング処理の完了後に OLAP データベースを移動せずにモデル サイトの展開を実行した場合にも、これと同じことを実現できます。
Planning Web サービス サーバーと Planning プロセス サービス サーバーで、C:\Program Files\Microsoft Office PerformancePoint ServerTemp\3.0\Config フォルダにある既定の PerformancePoint.Config ファイルに以下の変更を行います。
データベース サーバーのエントリを SQL Server を実行しているコンピュータの新しい名前に変更します。
OLAP サーバーのエントリを OLAP サーバーを実行しているコンピュータの新しい名前に変更します。
メモ :
このシナリオではエントリがセットアップされているので、この操作が必要なのはサーバーが 1 台構成の場合だけです。複数のサーバーを展開する場合は、このフィールドを空にし、変更する必要はありません。
SQL Server を実行しているコンピュータで以下の SQL Server のクエリを実行し、すべての Planning Server アプリケーション データベースで SQL Server Service Broker を手動で有効にします。
ALTER DATABASE [PPSApplicationDatabaseName] SET ENABLE_BROKER
メモ :
Planning プロセス サービス が起動している場合は、Service Broker を有効にできるようにするため、サービスを停止します。有効になったらサービスを再起動します。場合によっては、Service Broker を有効にする前述の SQL 文がロックされているためか、この SQL 文が終了しない場合があります。これを解消するには、SQL Server サービスを再起動してから SQL 文を再実行します。
以下のスクリプトを実行して、XML BLOB を更新します。
Use [PPSPlanningSystem] Select CAST(CAST(XML as VARBINARY(MAX)) as XML) AS Configuration_XML From dbo.Configuration Copy all text to notepad. Make changes to the following highlighted parameters as needed: …audit.log" writerMachineName="machinename" /> …defaultOlapServer="machinename"… …Trace Log\server.log" writerMachineName="machinename" /> Copy ALL the updated xml text. Run the following update statement with your changed xml text. Use [PPSPlanningSystem] Update dbo.Configuration Set XML = convert(XML, ‘PASTE ENTIRE CHANGED XML TEXT HERE’)
Planning Web サービス サーバーと Planning プロセス サービス サーバーの両方で、Windows のコマンドプロンプトから IISRESET を実行します。
サーバー 4 (Planning Web サービス サーバー) とサーバー 5 (Planning プロセス サービス サーバー) で、Planning プロセス サービス を再起動します。これにより、構成ファイルに対するすべての変更がサーバーに読み込まれます。
Windows SharePoint Services に再接続します (Windows SharePoint Services サーバーを使用している場合のオプションの手順)。
復元が完了したら、Planning Server システムのトポロジに再接続する必要があります。この処理により、Windows SharePoint Services を実行しているコンピュータは元の構成とコンテンツのデータベースに関連づけられます。Windows SharePoint Services サーバーを元のデータベースの関連づけるには、以下の手順を実行します。
サーバー 3 (Windows SharePoint Services サーバー) で、インターネット インフォメーション サービス を開きます。
リストを展開して [Web サイト] フォルダを開きます。
[SharePoint サーバーの全体管理] を右クリックして、[参照] をクリックします。
[構成データベース サーバーの設定] をクリックします。
サーバー名を新しい SQL Server 名に変更します。
[既存の構成データベースに接続] を選択します。
[OK] をクリックします。
[既定のコンテンツ データベース サーバーの設定] を選択して、新しいサーバー名が正しいことを確認します。正しくない場合は、名前を新しいデータベース サーバー名に更新して [OK] をクリックします。
再接続に失敗した場合
以下の手順は、ここまでの手順で Windows SharePoint Services サーバーへの再接続に失敗した場合にだけ必要です。Windows SharePoint Services に再接続できない場合は、アンインストールしてインストール ポイントから再インストールする以外に手段はありません。
Windows SharePoint Service のアンインストールと再インストール
サーバー 3 (Windows SharePoint Services サーバー) で、[プログラムの追加と削除] を使って Windows SharePoint Services をアンインストールします。
サーバー 4 (Planning Web サービス サーバー) でインターネット インフォメーション サービス マネージャを開いて、SharePoint の Web サイトと StsAdminAppPool を削除します。
サーバーで Windows SharePoint Services をインストールします。詳細については、「Windows SharePoint Services の回復」を参照してください。
Windows SharePoint Services サーバーの名前を変更します (オプション)。
メモ :
この手順が必要なのは、Windows SharePoint Services を実行しているサーバーがある場合だけです。
コピー元のシステムの URL から 新しい URL の場所に手動ですべてのファイルをコピーします。
Planning Web サービス サーバーの名前を変更します。
Planning Web サービス サーバーに接続するすべてのユーザーがサーバーに接続できるように、新しいサーバー名を通知する必要があります。